『道元の冒険』好評上演中!観劇レポートをお届けします![観劇レポート]
坊主頭の精鋭キャストらの早替わりや身体を張った熱演にも注目!
井上ひさしの初期傑作を蜷川幸雄が演出する『道元の冒険』


日本の演劇界を代表する両巨頭、劇作家・井上ひさしと演出家・蜷川幸雄。二人が2005年の『天保十二年のシェイクスピア』、2007年の『藪原検校』に続き、みたびがっぷり四つに組んだ舞台『道元の冒険』が渋谷・シアターコクーンで好評上演中だ。
 井上による初期の傑作戯曲で“岸田國士戯曲賞”受賞作品でもある『道元の冒険』の、初演は1971年。37年という時間を経て、今回改めて上演するにあたり、井上は“てにおは”や句読点に至るまで大幅に手を入れて改稿したという、こだわりの作品でもある。
 舞台は鎌倉時代の中期。日本曹洞宗の開祖・道元の半世紀を軸に、物語は展開していく。

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 ゴーン!と重厚な鐘の音が響く中、幕が上がるとそこは道元によって開かれた興聖宝林寺。鐘の形状にひとかたまりになっているのは、実は墨染めの衣をまとった8人の禅僧だ。彼らのパワフルな会話から、幕府や朝廷、比叡山の僧兵からも圧力をかけられている現在の道元の状況が明らかになってくる。そんな中、開山7周年の記念にと弟子たちが余興として演じる『道元禅師半世紀』が劇中劇として繰り広げられるのだが、肝心の道元はなぜか夢うつつ。夢の中での道元は、未来らしき場所(現代)の拘置所で、婦女暴行の容疑で拘留されている様子。どこまでが道元の夢なのか、どれが現実なのか…? くるくると変わる状況に、観ている側も気持ちよく翻弄されていく。
dogen_005s.jpg もちろん今回も、井上作品ならではの特長である個性的な歌がぎっしりと詰まった音楽劇。井上の歌詞に合わせて伊藤ヨタロウが作曲した楽曲は、和風なものあり、ラップ調のものありとユニークでバラエティに富んでいる。オープニング直後の禅僧たちによる『能断金剛般若波羅蜜多ソング』も、お経のような、ラップのような歌で、経典をアコーディオンのようにパラパラとめくりながらのコミカルな振付が楽しい。どの曲も、韻を踏んでいたり、時にはブラックユーモアたっぷりだったりで、非常に興味深いものばかり。ぜひ、言葉のひとつひとつにまでじっくりと耳を傾けて、聴いてみてほしい。

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 演技派揃いのキャストの中でも、特に道元を演じる阿部寛の圧倒的な存在感には、セリフのない場面でも目を奪われることがしばしば。そのカリスマ性をも感じさせる静かな演技、そして終盤に見せる迫力とのギャップに注目。これが初舞台となる栗山千明は、少年のような爽やかさがチャーミングだ。dogen_008s.jpgまた、道元の弟子から精神鑑定医までなんと8役をこなす木場勝己を筆頭に、各自が何役も演じ分けるというのも、この舞台の特色のひとつ。メインの10人のキャストだけで演じる役柄は、なんと58役! この早替わりの見事さが笑いを呼ぶのはもちろんだが、仏教、禅というテーマにも関わらず、場面ごとにベタなギャグが満載なのも意外な演出。逆に、その身体を張った笑いの裏にあるものを勝手に深読みしたくなったりもしつつ、蜷川演出ならではのアッと驚くラストまで、見応えたっぷりの約3時間半だった。

 東京公演は7/28の千秋楽まで、さらには8/3〜10に行われる大阪公演も含めて、チャンスはもう残りわずか、どうかお見逃しなきよう。

文/田中里津子


■公演概要

公演日:08/7/7(月)〜08/7/28(月)
会場:Bunkamura シアターコクーン (東京都)
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公演日:08/8/3(日)〜08/8/10(日)
会場:シアターBRAVA! (大阪府)

作:井上ひさし 
演出:蜷川幸雄 
出演:阿部寛/栗山千明/北村有起哉/横山めぐみ/高橋洋/大石継太/片岡サチ/池谷のぶえ/神保共子/木場勝己/他

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コメント

「経典を・・パラパラとめくりながらコミカルな・・・」とおっしゃっていますが、
あれは「大般若転読法要」で、六百巻の経典を読んだことになる作法です。
振り付けではないと思いますが・・・・
クロ
(2008-07-23 21:46)

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