町田康の破天荒な時代劇を山内圭哉が大胆に演出!『パンク侍、斬られて候』[公演情報]


 芥川賞作家・町田康のアナーキーな時代小説を、山内圭哉が舞台化した『パンク侍、斬られて候』。 昔から町田作品の大ファンだったという山内が演出を手がけたというだけあって、 原作のぶっ飛んだ世界観が忠実に具現化されていた。

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 時代劇とはいえ、脅威の破壊力を持つ超能力者から、ヒト語を解し話す猿、 絶世の美女、顔に奇妙で笑える刺青をしたカリスマ教祖といった輩が入り乱れる、 猥雑でシュールな狂った世界。映像化も舞台化も困難と思われるこの町田ワールドが目に見える形として表現できたのも、 山内の原作に対する愛とリスペクトあればこそ、といえる。

 舞台は、おそらく江戸時代。人を殺すことなどまったく厭わない、 無茶苦茶な思考の持ち主である謎の牢人・掛十之進を中心に、物語は進行する。 その企み通り、掛が召抱えられることになった“黒和藩”の藩士や対立する家老たちの勢力争いに、 胡散臭い新興宗教“腹ふり党”の存在が絡み、掛自身も計算外の展開へと巻き込まれていく。

 いたってシンプルな舞台装置ながら、映像を実に効果的に組み込んだ演出がなんといっても秀逸だ。 単に世界観を表現するだけでなく、そこがエンターテインメントとしての見せ場にもなっている。 特に、山内演じる主人公・掛と福田転球演じる剣客・真鍋五千郎がそれぞれ“秘剣”で対決するシーンは、爆笑の連続だ。

 もちろん、芸達者揃いのキャストの熱演も、充分に見ごたえがある。 大谷亮介演じるカリスマ教祖・茶山半郎のインチキくささはもとより、 誰もがそのキャスティングに驚きを隠せない宇梶剛士演じる“しゃべる猿”大臼延珍の妙な説得力。 さらに小島聖演じる“ろん”の妖艶さと凄味。 挙げていくとキリがないのだが、やはり一番のハマり役は山内の掛十之進だろう。 まるで小説からそのまま抜け出してきたかのようで、山内をモデルにあて書きされたかと思えるほどの存在感に圧倒される。

 毒気はたっぷり、ベタな笑いもたっぷり。 町田ファン、山内ファンともに大満足と思われる、新感覚脱力系SF時代劇。 山内のこだわりから2006年の初演時には大阪のみでの上演となっていたが、 今回はさらにゴージャスに進化させた形での再演バージョンとなっている。 その大阪凱旋公演ともなればより力も入るというもの、どうぞお見逃しなく。

(文:田中里津子)

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