劇団四季ミュージカル「春のめざめ」公開稽古レポート!(あざみ野編)[稽古場レポート]
5/2(土)開幕のミュージカル「春のめざめ」報道関係者向け公開稽古が、さる4/13(月)、あざみ野の四季芸術センターで、行われました。



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公開されたのは、全二幕の通し稽古。すべてのシーンが本邦初披露とあって、会場につめかけた大勢の報道関係者はどのシーンも見逃すまいと必死の様子。シャッター音が響く中での演技となりました。衣装こそ稽古用のものでしたが、いくつかの椅子と小さなテーブルといった最小限の小道具を色々なものに見立てながら、虐待、落第、思いがけない妊娠、そして思春期の身体の変化に戸惑う少年・少女と、そんな子どもたちを力で制することしかできない大人たちとのぶつかり合い、そこから起きる悲劇が、本番さながらの迫力で演じられました。

3/10の制作発表時には明言を避けていた性行為や同性愛などのシーンも、ほぼオリジナル上演通りに演じられていました。100年前の物語に現代の音楽と独特の振り付けを組み合わせてブロードウェイでも若者を中心に熱狂的な支持を得た作品が、劇団四季版でもその形をほとんど変えることなく上演されるとみてよさそうです。舞台に見立てたスペースをたっぷり使いながらの歌とダンスも非常に見ごたえがありました。

 

なお、この日のキャストは以下の通りでした。

女性キャスト

 ベンドラ   林 香純

 マルタ    勝間 千明

 イルゼ    金平 真弥

 アンナ    宇垣 あかね

 テーア    有村 弥希子

 大人の女性  中野 今日子

男性キャスト

 メルヒオール 柿澤 勇人

 モリッツ   三雲 肇

 オットー   加藤 迪

 ハンシェン  南 晶人

 エルンスト  竹内 一樹

 ゲオルグ   白瀬 英典

 大人の男性  志村 要

 

あくまでこの日の公開稽古のキャストとのことです(つまり、本番で変動する可能性は大いにあります)。少年たちは3/10の制作発表の時と同じでしたが、少女たちはアンナとテーアが前回とは別のキャスト、また大人の男性と女性はこの日が世間的には初登場となりました。メルヒオール役の柿澤さんは高めの音域も歌いこなし、堂々とした演技には主役のオーラが感じられました。モリッツ役の三雲さんは、ロックミュージシャン風の歌い方が板についてきた感じです。コミカルな演技もなかなかでした。本番に向けてさらなるパワーアップが期待できそうです。ベンドラ役の林さんは目を輝かせながら純粋で一途な少女を演じ、好感が持てました。大人の男性と女性は帽子をかぶったり、声のトーンや姿勢を変えながら、子どもたちの親や先生、牧師、医師などを演じますが、その変貌ぶりもみどころのひとつです。

日本語歌詞については、原詩に忠実に訳すというよりは、曲のイメージを日本語でわかりやすく伝えることを重視しているようです。そのために、詩的で抽象的な原詩からやや離れていると感じられた部分もありましたが、直訳でなくてもこれはいい訳だなと思うところもあり、言葉の抑揚とメロディラインが合っているので、聞き取りやすかったです。制作発表後に手を加えたあともみられ、最終的な歌詞がどうなるか興味深いところです。芝居の部分の訳についても、もともとややくどい部分をはしょったりするなどはあったものの、大方原文どおりだったと思います。

性描写が多い衝撃作という評価ばかりが一人歩きしている本作ですが、そのシーンに至るまでの少年少女たちの心とからだの変化が丁寧に描写されているので、劇団四季版ではじめて本作を観るという方にも、それぞれのシーンの必然性が伝わると思います。ブロードウェイ版を数回観ている筆者は、性行為などのシーンよりも、初めて日本語で聞く、親から虐待されている少女たちの歌の内容の方により衝撃を受けました。日本語で観ることで認識を新たにした部分もあり、ブロードウェイで観て細かいところがよくわからなかったという方にもお勧めしたいと思います。

公開稽古の後、振付補として来日していたジョアン・M・ハンターさん記者会見がありました。はじめにジョアンさんから、「今回は2回目の通し稽古で素晴らしい出来映えであったと思う。経験の少ない役者が稽古を積んでいくプロセスには難しさもあったが、それぞれが自分の人生経験をこの作品に生かして欲しい」というようなお話しがありました。引き続いての質疑応答では、大きな声で笑ったり身振り手振りを交えながら、記者の質問に答えてくださいました。

アメリカのキャストと日本のキャストのちがいについては、「アメリカ、イギリス、オーストリアのキャストと比べ、日本のキャストはみんなダンスの素養があるところがまず気がついた違いで、それはすばらしいが、本作は決められたタイミングで決められたステップを踏むことではなく、内側から沸き起こるいらだちや怒りをぶつけることが大切なので、いったん身につけたダンスをはぎ取ることが課題になっている」とのことでした。また、従順で、稽古熱心なこと、失敗したがらない傾向も特徴であり、間違ってもいいから思いきって大胆に演技をするよう伝えているそうです。日本の悩める若者に対してはどうしたらいいかという質問には、「自分も性のことについては親に相談できなかったが、本作を親子で観ること対話のきっかけが生まれるのではないか。オープンな対話が大切。」と答えていました。

現時点での出来映えは何点か聞かれると戸惑いながらも「10段階評価で6点か7点。いい状態だと思う」と評価する一方、今後の課題については「同じことを何度も言われないようにすること、演技は相手役があってのことということを忘れないように、常に新しい白紙のページをめくるような気持ちで臨むように、と、このあとキャストに伝えようと思っている」と指導者としての顔をのぞかせました。最後に作品の魅力について「音楽がロック・ミュージックであることから若い人たちに受け入れられ、そのことで舞台芸術に触れるきっかけにもなると思う。そして、誰もが経験する性の目覚めを描いた作品に共感することによって若者が成長していくことができるはず」と述べた後で「しかも娯楽性もありますよ」と本作の本当の魅力について付け加えていました。

思春期の若者たちにまつわる様々なテーマを含んだ作品ですが、重い内容に反比例するようにはじけるロック・ミュージックにのって繰り広げられるエキサイティングなステージは、一度体験したら病みつきになるかも? いよいよ日本で初公開となる本作を、どうぞお見逃しなく!

(取材・文 himika)

 

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