主演 石丸幹二『兵士の物語』スペシャルインタビュー[特集:演劇・ミュージカル]

 1年間の充電期間を経て、今年2009年から俳優活動を再開した石丸幹二。1月に上演した『イノック・アーデン』を皮切りに、『ニュー・ブレイン』『サンデー・イン・ザ・パーク・ウィズ・ジョージ』『コースト・オブ・ユートピア』と、それぞれに個性の違う大作に切れ目なく出演が続くという、華やかな再スタートの1年となった。そんな大きな節目となった2009年の締めくくりの作品となるのが『兵士の物語』だ。これは『イノック〜』に続く“言葉と音楽のシリーズ”の第2弾となる。ストラヴィンスキーの名曲にのせ、石丸は“朗読”というスタイルで兵士、ストーリーテラー、悪魔、王女という4役をひとりで演じ分ける。この1年間の多彩な経験で何段階もステップアップを果たした感のある彼に、改めて“朗読”という表現の可能性や魅力を語ってもらった。

“朗読”は、自分の世界観みたいなものがお客さんと共有できる表現方法

――今回この『兵士の物語』という作品をやることになって、まずどんなことを思われましたか。

 もともと僕、学生時代にクラシック音楽を学んでいたんです。このトシになってというか、クラシックからかなり離れてしまった今、ストラヴィンスキー作曲の作品ができるなんて夢のようだなと思いました。しかも、役者、語り部として参加できるというのは嬉しいですね。

――朗読というのは、お芝居でする演技とはまただいぶ違うものだと思うのですが。

 そうですね。でも朗読にも多種多様な形があると思うんです。今回は台本を手に4つの役を演じ分けていく、もしかすると動きもかなり入ってくるかもしれない、……俳優としての朗読になると思います。

――前回の『イノック・アーデン』で語りの舞台を実際にやってみて、感想としてはいかがでしたか。

 朗読という形態をとりながらも、ひとり芝居を演じているような感覚がありました。演出の白井晃さんが、台本の文章を眼で追いながら読むばかりではない状況を創られたんですね。だから、椅子にじっと座っていることが少なく、身体でかなり演じることにもなって、「こんなに動くのか!」って驚きました。

――そうなると、朗読でもなく演劇でもない、新たなジャンルというか。

 自分にとって何か新しい形態のものを、と思っていましたので、とても面白くチャレンジできました。「今までの石丸幹二じゃないものをお届けしたいと思います」と言って再スタートした最初の作品としても良かったんじゃないかと思います。何より、自分の世界観のようなものをお客さんと共有できる貴重な表現方法だと改めて確認できました。だから、朗読は今後も続けていきたいですね。

――朗読だからこそ表現できることって、どういうことだと思われますか?

 耳を傾けてくださる方のイマジネーションの扉を、言葉で叩く、ということでしょうか。語り手の想いと、聴衆の想いとは一致しないかもしれない。味わい方は多種多様であっていいと思うんです。僕は、作家の言葉を聴き手に届ける調理人のような存在だと思っています。

――なるほど! それほどたくさん調味料は使わない、素材を生かした料理みたいなものですね。シンプルで、でもとても奥深い感じがします。

 今回の舞台も、そういう料理になるといいんですが。そうなったら理想的ですよね(笑)。

とても上質で、相当に聴きごたえも見ごたえもある作品になると思います

――今年はたくさんの華やかな作品に次々と出演されて、大きな節目の年になったのではないかと思います。振り返ってみて、ご自分としてはどんな1年でしたか。

 これまで僕を応援してくださった方たち、さらには、初めて僕を知ってくださった方たちに、「石丸幹二って一体どんな俳優なんだろう?」と思っていただけるような仕事の積み重ねをしたくって、様々なことに臨んでみたのですが、自分としてはとても満足な1年になりました。自身の可能性を、色々な角度から見つめられたことも、大きな収穫だったかと思います。

――見事なほどに、すべて雰囲気の違う舞台でしたね。

 ええ、違いましたねえ(笑)。そして、ちょうど1年を経たタイミングでもう一度、「言葉と音楽のシリーズ」に立ち返ることができるのも良かった。

――今後も続けたいとおっしゃっているということは、節目、節目でこの朗読というスタイルが続いていったら。

 きれいな竹になるかもしれませんね!(笑)

――そして、来年はどんな年にしたいですか。

 こうして今年、多くのことを経験させていただいた結果、さらに未知のものに挑戦できるんじゃないかと思えるようになりました。そういう新たな石丸幹二をいっそう模索していきたい。そのひとつとして、歌手活動を展開していく予定です。来年の春先あたりにオリジナルのCDを出し、6月にはコンサートで東京、名古屋、大阪、福岡を訪れます。歌手として、また違った意味での自分らしさを発信できたらと思っています。

――では最後に、お客様に向けて今回の舞台のおすすめポイントを教えていただけますか。

 『兵士の物語』は、とても上質な作品だと思います。年末年始の一番忙しい時期ですが、少し日常から離れて、劇場に足を運んでいただき、この作品に触れていただけたらなあって思います。ピアニスト、パーカッショニストのお2人との少人数でのセッションです。こんな『兵士の物語』は滅多になく、聴きごたえも見ごたえもある作品になるかと思います。劇場でお待ちいたします!

(取材・文:田中里津子)

(写真:坂野則幸)

【東京公演 アフタートークショー決定!】
12/26(土)と27(日)の16:30公演終了後、アフタートークショーが決定いたしました!

12/26(土)16:30公演終了後 出演:石丸幹二
12/27(日)16:30公演終了後 出演:白井晃 石丸幹二

※各日の該当公演のチケットをお持ちのお客様が対象となります。
公演終了後、約10分ほど休憩をはさみ、30分程度のアフタートークを行います。


コメント


コメントを書く

お名前:[必須入力]
メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.seesaa.jp/tb/132519349
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。