ダンス・ミュージカル「カム・フライ・アウェイ」。華やかな雰囲気に包まれた初日の舞台をレポート![観劇レポート]

 20世紀アメリカを代表するエンターテイナー、フランク・シナトラの歌でつづられるダンス・ミュージカル「カム・フライ・アウェイ」。シナトラの孫、マイケル・シナトラ氏が来場するなど、華やかな雰囲気に包まれた初日の舞台を渋谷のオーチャードホールで観た。


 

ビッグバンドの演奏とダンサーたちのエネルギッシュな舞!

 まず特筆すべきは作品の斬新な仕掛けだろう。1998年に逝去したシナトラの、未発表の音源をも交えた“声”と、14人編成のビッグバンドの生演奏が華麗に融合。そこに、14人のハイレベルなダンサーたちの技が絡み、大人の男女の恋模様が描かれていくという趣向だ。作品の構成・演出・振付を手がけたのは、世界の名だたるバレエ団やブロードウェイ、ハリウッドに作品を提供してきたトワイラ・サープ。全編ビリー・ジョエルの楽曲で構成され、ピアノマンの歌声とダンサーたちの超絶技巧でつづるミュージカル「ムーヴィン・アウト」は、トニー賞最優秀振付賞を受賞するなど高い評価を受け、来日公演も人気を博した。彼女の振付は、バレエにモダン・ダンス、ボールルーム・ダンスなどのテクニックを縦横無尽に用い、日常的な身振りからアクロバティックなリフトの超絶技巧までふんだんに織り交ぜているのが特徴。「ナイン・シナトラ・ソングス」や「シナトラ組曲」など、これまでにもシナトラの楽曲に振り付けた傑作を発表してきている。

 「カム・フライ・アウェイ」の舞台はおしゃれなナイトクラブ。作品のイントロダクション的に登場人物たちが次々と登場する「Luck Be A Lady」。酔っ払い男がやけっぱちダンスを披露する「Yes Sir, That’s My Baby」。男女が激しい火花を散らして魂をぶつけあう「That’s Life」。男性陣が生のエネルギーを炸裂させる「I’m Gonna Live ‘Till I Die」。パッショネイトで官能的なデュエットが繰り広げられる「Teach Me Tonight」――。ときにメロウに、ときにシニカルに、ときにコミカルに、多彩な心模様を歌うシナトラの声に乗せて、恋のさやあてや駆け引き、三角関係などが、一貫して大人のムードでつづられていく。女性ダンサーながら強烈に男前な踊りで魅了するケイト役のアシュレイ・ブレア・フィッツジェラルド、しなやかかつ強靭、女性の目から見ても好ましいセクシーさを体現するベイブ役のキャンディ・オルセン、やけっぱちダンスにシニカルな味を発揮するチャノス役のマシュー・ストックウェル・ディブルの存在感が素晴らしい。「Woodside Whirlybird」や「Take Five」などインストゥラメンタル曲も挿入され、ビッグバンドの演奏もたっぷり楽しめる。

 終盤に登場するのは、シナトラの代表曲「My Way」。男女が組んで織り成す目も綾なるダンスのタペストリーを見るだに、気づく。人それぞれに生きるべき輝かしい道があることを。そして、そんな生の賛歌を描く上で、日常的な仕草から心のありようまでをも、繊細かつダイナミックに描くことのできるダンスというフォームの芸術的美点を。次いで流れる「New York, New York」では、サープ流ラインダンスも登場して華やかなフィナーレ。この後、日本版ではスペシャル・カーテンコールのナンバーも披露される。不世出のエンターテイナー、フランク・シナトラの輝かしい声と、ビッグバンドのゴキゲンな演奏、そしてダンサーたちのエネルギッシュな舞に酔いしれた夜だった。

取材・文=藤本真由(舞台評論家)


イベント情報

<シナトラ・トリビュート・バー in 丸の内>
“Bar Frankie(バー・フランキー)” 開催中!

今回の初来日公演を記念して、シナトラをフィーチャーしたスペシャルなバー“Bar Frankie”が2期に分けてオープンします。没しても尚、色あせることのないシナトラの名曲が溢れる期間限定の特別なBar。大人達が素敵な夜を楽しむ「丸の内」にまた一つ、豪華な時間が流れる空間が出現します!

<イベント概要>
【開催日時】〔第1弾〕5/7(月)〜 5/28(月) ※5/14はフランク・シナトラの命日
       (※第1弾は終了しています。)
       〔第2弾〕7/24(火)〜 8/12(日) ※本ミュージカル開催期間
       ※平日11:00〜24:00(15:00〜17:00 close)
       /金曜日28:00まで、日曜・祝日・連休最終日23:00まで
【会場】丸の内ハウス アトリエルーム 東京都千代田区1-5-1
     新丸ビル7F TOKYO SOUL STATION(詳細はコチラ!

★このイベントの詳細はこちら


公演概要

ブロードウェイ・ミュージカル
「カム・フライ・アウェイ」

<公演日・会場>
7/24(火)〜8/12(日) Bunkamura オーチャードホール (東京都)
8/15(水)〜8/19(日) 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール (兵庫県)

<キャスト&スタッフ>
構成・振付・演出:トワイラ・サープ
ヴォーカル:フランク・シナトラ

 

【関連記事】この夏大注目のエンターテインメント!ブロードウェイ・ミュージカル『カム・フライ・アウェイ』
【関連動画】シナトラの甘い歌声が誘うミュージカル「カム・フライ・アウェイ」



2012-08-01 17:13 この記事だけ表示
 
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。