『ドリームジャンボ宝ぶね〜けっしてお咎め下さいますな〜』稽古場レポート&出演者からのコメント!


(左から)久野綾希子、矢崎広、左とん平、紫吹淳、鳥居みゆき

 『ドリームジャンボ宝ぶね』はシェイクスピアの『夏の夜の夢』をジャパニーズ・バージョンとして大胆にカスタマイズした、歌あり、ダンスあり、コントあり、レビューありの賑々しいお芝居! テーマは"日本の夜明け前の夢"。明治初期の日本を舞台に、伊藤博文を筆頭とした歴史上の人物(や妖怪や七福神)がそろい踏み。なにが出てくるかわからない福袋的な面白さに磨きをかけるべく、日本列島を襲う寒波もなんのその、稽古場には大いなるパワーと熱気と笑いがあふれていた。

稽古場レポート!

 稽古開始から二週間、大勢の役者たちが集う稽古場に一歩足を踏み入れれば、そこはもう広いスペースを丸ごと飲み込むほどの活気に溢れ、思わずむせかえるほどのホットな空間。この日は早くも粗通しを敢行するとあって、役者たちの集中も上がっているよう。演出の板垣恭一もオーケストラのコンダクターのごとく、複雑かつ盛りだくさんの芝居を的確に指揮していく。

 本作で久しぶりに青山劇場に帰ってくる座長・植草克秀演じる伊藤博文は、あるトラウマから日本人初の総理大臣になることをためらっている。しかし、そんなシリアスな事情などおかまいなしに、たまたま同じ"とある森"に分け入っていった後藤象二郎(矢崎広)、大久保利通(辻本裕樹)、板垣退助(林剛史)、篤姫(紫吹淳)、近藤勇(長谷川純)&本物じゃなさそうな新選組のメンバーといった人間チーム、森に住むぬらりひょん(滝口幸広)と妻の雪女(久野綾希子)ら妖怪チームに、見事な合唱を奏でる七福神などなど、あらゆる生き物たちが入り乱れて起こる大騒動。その騒動の元凶は…『夏の夜の夢』がイタズラ好きの妖精パックなら『どりじゃん』はイタズラ好きの座敷わらしということで、なんとここではカンパニー最年長の左とん平が"一番下っ端"の座敷わらし役なのだ! その飄々とした佇まいは妖怪の先輩である油すまし(小林健一)と小豆洗い(佐藤貴史)に付き従うようでもあり、実はなめているようでもあり、無邪気な子供のようでもあり。ついつい目を奪われてしまう。

 物語は総理大臣の座をめぐる争い、ぬらりひょんと雪女の離婚問題、不思議な薬草によりこんがらがっていく恋の糸の行方などを追う一方、なぜか話題の5人組蒙流アイドルDA2-DANZIN【ダッタンジン】の度重なる唐突な乱入もあり、ストーリーが進むほどにどんどん収拾がつかなくなっていくようで──。

 そう、ここはハチャメチャな混乱も心地のいい、大いなるワンダーランド。植草自身「"どんな舞台なの?"って聞かれてもなんて答えたらいいのかわからないんだよね。自分が出てるのに(笑)」と告白する通り、観た人にしかわからない未知の面白さであふれているのだ。

 稽古は通しつつ止めつつ。勢いを大事にしながら、細かな部分にも気を配って前進。脇で進んで行く芝居の面白さに斬られて倒れ込んだままつい吹き出したり、思わぬアドリブを投げられたりと、役者同士、「とにかく試してやれ」とばかりに互いに油断出来ない感じもいい。

 通しの合間を見ながらの自主稽古も活発だ。DA2-DANZINのリーダー・SYOとしても活躍する矢崎は殺陣シーンでの見せ場も多い植草に声をかけ、丁寧に殺陣の手をおさらいしている。セットの向こう側では七福神が歌う有名な合唱曲のメロディーが聴こえ、一方では演出家を交えてなにやら話し合っている様子。大所帯だけに、各々がアンテナを張りながら限られた場所と時間を最大限に生かす積極的な稽古場になっているのが頼もしい。

 なんとか最後まで通し切ったところで本日は終了。本番まではもうひと山ふた山、まだまだハチャメチャは練り込まれていくのだろう。それぞれが明日へと繋がる手応えと課題を得ながら、稽古の日々は続いていくのだ。もちろん、どこまでハチャメチャに面白くできるかは役者たちのエンターテインメント魂次第。本番でのぶつかりあい、仕掛けあい、一致団結するカンパニーの姿に思いを馳せつつ、なんでもありの渦の中に飛び込んでいく彼らの底力、彼らの爆発力に大いに期待が膨らんでいく。「これはもう、楽しむしかないぞ」と。

出演者からのコメント!

公開稽古の後に行われた囲み取材では、座長・植草とムードメーカー鳥居を始めとする、登壇者同士の掛け合いも盛り上がり、終始和やかな雰囲気で行われました。

植草 「『PLAY ZONE』以来5年ぶりの青山劇場で、ホームに帰る感じでとっても楽しみです。"初座長"とは言ってますけど、キャスト皆が"座長"だと思ってやらせていただいてます。今回の舞台は、様々なジャンルの方々が集まっているので、色々と勉強になっています。実は、鳥居さんて至って常識人なんです。(笑)とにかく、今は、来年に向けてこの作品をやるぞ!という意気込みでいっぱいです。こんなメンバー(笑)ですが、いやこんな素敵なメンバーで、お正月らしく華々しい感じで楽しくやっていきます。ぜひ初笑いしに来て下さい!皆でいい1年のスタートを切りましょう!」

「(若手俳優が大勢出演しているので)僕も若者に教わってますよ。ムードメーカーの鳥居くんの存在で稽古場が明るくなったり暗くなったりしてます(笑)朝早くから夜遅くまで皆で稽古をするのが楽しいです」

紫吹 「ムードメーカーの鳥居さんがいるのでとても楽しいです。キャストに同じ女子が少ないので私たちのことも見てほしいです。(タイトルにかけて「宝くじが当たったら」の問いに対して)未来の結婚資金にします。来年結婚する予感がするので。予定ではなく予感ですけどね(笑)」

久野 「ほとんど初めて共演する方たちで、パワー全開な皆さんについていこうとは思うのですが、思わず口をあけて眺めちゃいます。雪女の役なので懲らしめてやろうとするんだけど、(鳥居さんが)なかなか凍らないよね。」

鳥居 「(共演者について)紫吹さんとは仲良しです!左さんはいつも台本を読んでいるかと思いきや寝てます!(タイトルにかけて「宝くじが当たったら」の問いに対して)杉並区を買い占めます!杉並区が大好きなので、買って私が住みます!(笑)」

長谷川 「僕も『PLAY ZONE』以来の青山劇場で、舞台では初めて少年隊ではない植草さんとの共演になるので、普段はアイドルとして歌って踊られてますけど、今回はお芝居も殺陣もあるのでより楽しみです!キレキレに仕上がってますからね。」

矢崎 「(大先輩に囲まれて緊張の面持ちで)最初、若手陣は皆凄く緊張していたんですけど、大先輩方が話しかけてくださるので、すごく勉強になる現場ですね」(これに対して鳥居さんから「用意してきたコメントでしょ!」とツッコミが入った)

〔取材・文=横澤由香〕

公演概要

「ドリームジャンボ宝ぶね〜けっしてお咎め下さいますな〜」

<公演日程・会場>
2013/1/6(日)〜1/13(日) 青山劇場 (東京都)
2013/1/26(土) 梅田芸術劇場 メインホール (大阪府)

<キャスト&スタッフ>
演出:板垣恭一
脚本:穴吹一朗
出演:植草克秀/矢崎広/木ノ本嶺浩/滝口幸広/辻本祐樹/林剛史/久野綾希子/中村龍介/小林且弥/前川紘毅/今奈良孝行/磯貝龍虎/輝馬/小林健一/佐藤貴史/岩崎大/松田凌/二瓶拓也/中山優貴/鳶野恭平/倉本発/鶴町憲/池田貴宏/赤木伸輔/紫吹淳/左とん平
日替わらないゲスト:大山真志
日替わりゲスト:後日発表致します。



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2012-12-28 20:10 この記事だけ表示