シティボーイズミックスPRESENTSが2年ぶりに復活!宮沢章夫作・演出作品でプレミア感倍増!![インタビュー]

 シティボーイズの3人、大竹まこと、きたろう、斉木しげるが長年、続けている恒例のステージが2年ぶりに帰ってくる!今回はかつて巷をにぎわした伝説的なユニット“ラジカル・ガジベリビンバ・システム”で彼らと組んでいた宮沢章夫の作・演出作品となることもあり、新たなレジェンドが生まれることは必至だ。キャストは他に、おなじみの中村有志と、7年ぶりの参加となるいとうせいこう。さらに鉄割アルバトロスケットの戌井昭人と、宮沢章夫作品に頻繁に出演している笠木泉も初参加する。
 果たしてどんな舞台になりそうか、3人それぞれの思惑、ヒントを語ってもらった。


この年齢になっても俺たちがこうして3人でやれてることは奇跡に近いよ(きたろう)

――今回は、これまた長いタイトルですね。

きたろう そうなんだよね。

大竹 どんなタイトルだっけ?

きたろう 『西瓜割の棒、』まではみんなで考えたから覚えているけど。

斉木 まだ全然覚えられてないなあ(笑)。

きたろう 残りは宮沢にまかせるってことになったら、こんな長いタイトルになったんだよ。

大竹 なんだか唐十郎の世界みたいじゃないか? 

――言われてみれば、ちょっとアングラっぽい気もします(笑)。

きたろう でも『あなたたちの春に、』なんてところは青春っぽいじゃないか。

大竹 倒置法になってるしな。

きたろう だけど今回、2年ぶりの舞台だからね。去年はわざとやらなかったわけじゃなく大人の事情でやらなかっただけなので、決してやめようなんて思ったことはないんだけど。お客さんが、俺たちのことなんか忘れちゃったんじゃないかと心配ですよ。

――そんなことは絶対にないでしょうけど(笑)。

大竹 だけど1年も間があいてしまったというのは、俺たち側にもちょっとこのブランクは大きいね、肉体的にも精神的にも。

きたろう いやいや、エネルギーがたまってるって言わなきゃダメだろ

大竹 言わなきゃダメなのか?

きたろう 実際、たまってるって。パワー充電してるでしょ。だけど、この年齢になっても俺たちがこうして3人でやれていることは奇跡に近いよ。やっぱり今回も観ておかないと損しますよ。

斉木 うん、こうして仲たがいもせずに生き残ってるという意味じゃ、奇跡だよ。

きたろう そういう意味では歴史に残るグループなんじゃないかと、最近誇ってもいいのかなと思い始めたんだ。ま、こんなことを言い出すってことは、終わりが近づいているのかもしれないけど(笑)。

――今回、宮沢章夫さんが作・演出で参加されるというのはちょっと驚きでした。

きたろう  そうだよね。集大成みたいな感じもするけど、でも宮沢が来たからとはいえ、昔みたいなことはやりたくない。お互いに離れて生きてきたし、今の宮沢の脚本と俺たちの感性がぶつかれば絶対に昔みたくはならないから。だけど宮沢もよく引き受けてくれたよな。

斉木 どういう心境なんだろうね。

きたろう 「コントの書き方がわからない」とも言ってたけど、それがまたいいよね。

斉木 おかしかったね、あれは。

――やはり今回もコントはコントなんですか。

きたろう コントですよ。お笑いしか目指さないですよ。ラジカル〜のころもそうだったけど。人はこんなところで笑うのかっていう、あの視点はすごかったからね。今回もその視点は残ってるんじゃないか。

今回、宮沢がものすごいことをやろうとしている感じは伝わってくるね(大竹)

――既に、稽古にも入られたそうですが。手ごたえはいかがですか。

きたろう ものすごくいいですよ。俺たち、体力は衰えているけど、センスはそんなに衰えていないしね。

斉木 と、思うけどね。

きたろう 衰えてるかね?センス。

大竹 どうだろうなあ。自分じゃわからないからなあ。

――現時点で、内容的なヒントをもう少しいただけますか。

斉木 このタイトルの感じじゃないかな。うーん、いや、あんまりこのタイトルはヒントにはならんか(笑)。

きたろう でも宮沢の頭の中では映像とか、幕間の暗転みたいなものはあまり使わずにコントだけを流していく演出にしたいみたいだけど。

斉木 それはちょっと面白そう。お客さんはある意味、暗転がなくてほっとできないかもしれないけど。だけど、あの台本はこれから相当変わると思うな。

きたろう 俺もそう見てるね。ま、要はバカな男達が集団で歩いているようなイメージですよ。

大竹 宮沢はなんかものすごいことをやろうとしている感じだな。そのことは伝わってくる。

きたろう うん。今までにないことをね。

斉木 普通のコントともちょっと違うような。

大竹 だけど今の段階で、お客はすんなりこれを受け入れられるのかどうかっていうのは俺はまだちょっと疑問だけどね。ただ、宮沢はきっとお客の予想を、予想以上に裏切っていくだろうからなあ。

きたろう それが行き過ぎだったら、俺たちがちゃんと止めるから。

大竹 その落としどころが微妙なラインだなと思いながらやっているよ、俺は。

斉木 とりあえずは行くところまで行けばいいじゃないですか。

大竹 ただそれは、宮沢の考えていることであって。こっちは板(舞台)の上の人間だからね。うわべだけ取り繕って演じてもダメだということはよくわかっているわけだから。この年齢になると、自分の全存在が板の上にかかってくることがわかったから。どんな役をやるにしても、全生命をかけてやらないとすぐ見抜かれちゃうと思うんだよね。

きたろう 役者じゃないからね、基本的には僕たちは。

大竹 でも役者じゃなくても、コメディアンとして。

きたろう そう、宮沢との戦いがあるだろうな。コントだと、自分の生理が出てこないと面白いものには絶対ならないからな。

――その点は演劇とちょっと違う? 

きたろう たぶん、根本的には違うと思う。

大竹 いや、でもステージの間合いの詰め方としたら演劇の一種なんじゃないのかね。俺は、実に演劇的な舞台だと思ってやっているけどな。

きたろう 俺はコントの時はそんなに演じている感覚はないなあ。

斉木 俺はほとんどいつでも演じているな。コントでもなんでも。

大竹 ま、ともかく宮沢にナマ身の老人のすごさをちょっと教えてあげたいよね。

きたろう ナマ身の老人は、予想以上に動かないぞ、と。

一同 (笑)。

俺はやっぱり自分が一番笑いたい。「俺を笑わせてくれ、俺!」って感じ(斉木)

――また今回は、いとうせいこうさんが久しぶりに参加されますが。

きたろう いとうも、なんだかやる気だね! 

斉木 そうなんだ、相当パワーになるぞ、あいつは。

きたろう やる気がたまってるんじゃないの、うるさいほど元気。

大竹 しかし、あの発言の仕方。「この台本を一番わかってるのは俺だ」みたいな。

斉木 うん、俺もそう感じるよ。エネルギーためてるやつには叶わんぞ。

きたろう だから、やる気なんだって。ホントにいとうも面白い。あんまりインテリには見えないけどな(笑)。

大竹 ところで今回の芝居にあたって、キミらのテーマとしてはなんなの。

きたろう 要は、いかにしてたくさんの人に笑ってもらえるか、それしかないだろ。

大竹 そのためなら死んでもいいと?

きたろう そのために死にたかないよ。だけど結局、毎回時代に合わせて自然に言いたいことは3人ともあるよね。

大竹 そう、本番をやる前には「本当に今度こそがんばるぞー」と思うんだけど。いつもその気持ちは途中でどこかにスーッと抜けていくんだ。

きたろう 意外と怠け者なんだよ、大竹は。昔から稽古をサボるしさ。

大竹 うん、サボるねえ、いつも。俺、稽古嫌いなんじゃないかと思うよ。

きたろう 俺もみんなと一緒にやる稽古はあまり好きじゃない。ひとりでやる稽古は大好き。お酒飲みながらだと、自分がもう面白くて面白くて。

大竹 俺もそんな感じはあるよ。斉木はみんなでやる稽古は嫌いじゃないよな。

斉木 俺もあまり好きじゃないよ。ただ、俺は面白いなと思ったことはあまり稽古でやりたくないの。本番でだけやりたいの。だから稽古ではあまり見せたくないんだよ。

きたろう 笑いの場合は、みんなそんな感じじゃない。

斉木 でも結果的に一生懸命やっちゃうんだよね。だから、本番よりも稽古の俺のほうが面白いんだ。

きたろう いやいや、あなたは本番でも面白いですよ。

大竹 おいおい、なぐさめあっちゃってるよ。

斉木 俺はやっぱり自分が一番笑いたいんだ。だからいつも「俺を笑わせてくれ、俺!」って感じ。

大竹 俺は、笑い以外のものを提供したいな。

斉木 お、それもいいじゃない。

きたろう ほう、じゃあ、なにを?涙、とか言わないでよ。

大竹 涙なんて言わないけど。もっと根源的な。

斉木 生きざまを変えちゃうくらいの?

大竹 生きざまを変えるのはイヤだけど。なにか空腹感みたいな、ちょっと笑いとは違うものを。

きたろう いや、俺たちの舞台にそういうものが表には出ていないけど、たぶんあるからこそ、今までお客さんがついてきてくれているんじゃないかなと思うな。

大竹 うん。笑いだけじゃ、きっとここまでついてこないよな。

斉木 そうだね、単なる笑いだけじゃ。

大竹 だから今回も笑いは最大の目的ではあるけど、それ以外のものも表現したいと思うんだよね。

[取材・文=田中里津子]
[インタビュー写真=渡辺 マコト]

 

公演概要

シティボーイズミックス PRESENTS
「西瓜割の棒、あなたたちの春に、桜の下ではじめる準備を」

<公演日程・会場>
2013/4/2(火)〜4/13(土) 世田谷パブリックシアター (東京都)
2013/4/19(金)〜4/21(日) シアター・ドラマシティ (大阪府)
2013/4/23(火)〜4/24(水) 名古屋市青少年文化センター・アートピア (愛知県)

<キャスト&スタッフ>
作・演出:宮沢章夫
出演:大竹まこと/きたろう/斉木しげる(シティボーイズ)/中村有志/いとうせいこう/戌井昭人/笠木泉



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2013-01-28 13:19 この記事だけ表示