倉持裕脚本・演出の舞台で、長澤まさみが『オズの魔法使い』のドロシーのような可愛くて勇ましいヒロインに!M&Oplaysプロデュース「ライク ドロシー」[インタビュー]

公演概要


撮影:三浦憲治

M&Oplaysプロデュース「ライク ドロシー」

<公演日程・会場>
2013/11/8(金)〜11/24(日) 本多劇場 (東京都)
2013/11/26(火) 浜松市教育文化会館(はまホール) (静岡県)
2013/11/27(水)〜11/28(木) 刈谷市総合文化センター・大ホール (愛知県)
2013/11/30(土)〜12/1(日) サンケイホールブリーゼ (大阪府)
2013/12/3(火) 島根県民会館大ホール (島根県)
2013/12/5(木) アステールプラザ大ホール (広島県)
2013/12/7(土) キャナルシティ劇場 (福岡県)

<キャスト&スタッフ>
作・演出:倉持裕
出演:長澤まさみ/高橋一生/片桐仁/塚地武雅/川口覚/竹口龍茶/吉川純広/銀粉蝶

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倉持裕、長澤まさみインタビュー!

 2011年上演の『クレイジーハニー』で初舞台を踏み、映像での活躍とも一味違う舞台女優としての才能も開花させた長澤まさみ。彼女が2年ぶりに、再び舞台に挑戦することになった。倉持裕作・演出の『ライク ドロシー』はちょっとシュールで、かなりユーモラス、そしてファンタジックなコメディーとなる。共演には高橋一生、片桐仁、塚地武雅、銀粉蝶ら個性派が顔を揃えることになった。ヒロインを務める長澤と、コメディー作家としても高評価を得ている倉持にどんな舞台になりそうか、話を聞いた。

長澤さんはもちろんきれいだし、ちょっと意地悪そうに見えるところもいいですよね(倉持)

――今回の企画はどういうスタートだったんでしょうか。
倉持 これまでに“鎌塚氏シリーズ”(『鎌塚氏、放り投げる(2011年)』『鎌塚氏、すくい上げる(2012年)』)を2本やり、コメディー路線はありだなということで、その流れでもう一本コメディーで新作を作ることになったんです。それで『オズの魔法使い』みたいな感じのコメディーにしたい、それじゃあ、ヒロインはどうしましょうか?となった時に、長澤まさみさんでいきたい!と思ったわけです。

――長澤さんで、と思われた決め手は。
倉持  舞台での長澤さんも観ていて、『クレイジーハニー』がすごく良かったので、ダメもとというかなかば冗談というか、無理じゃないかと思いながらも一応当たってみたら、いきなりオッケーだったからちょっとびっくりしました(笑)。

――舞台女優として魅力に思われたところはどこだったんですか。
倉持  もちろん、きれいだし。ちょっと意地悪そうに見えるところもいいなあって思ったんですよ。
長澤  アハハハ!
倉持  そういう女優が好きなんです(笑)。ちょっと毒っ気がありそうなね。特にコメディーをやる場合はギャップがあったほうがいいんですよ。強烈な印象がひとつあったほうがズレを作りやすいので。フラットな、いろんな風に見える女優さんも魅力的ですけど、そっちよりもなにかひとつ強烈なイメージが観客側にもある女優さんのほうがコメディーの場合は作りやすいんです。

長澤  自分自身でも、私のイメージってあるみたいだなというのは感じていて。それでもいろいろな意見があるから、どれが自分のイメージなのかわからなくなることもあるんですが(笑)。その時その時の役の印象や、出ているCMの印象でも変わるみたいなんですけど、自分でもわからない“長澤まさみ”がいるのは自分でも感じていますし、私生活と仕事をしている自分とのギャップというのも実際あるし。だから、そういうイメージと言われても特に「えっ、そうだったんだー」っていう感じではないですね。でもそうやって、いいように使ってもらえるほうがいいですよね。

――今回の舞台へのオファーが来た時の感想は。
長澤  すごくうれしかったですよ。2年前に初めて舞台をやってみて、すごく楽しかったし。映像のほうでも小劇場の方々と共演する機会が多かったので、みんなから舞台の話を聞くたびに「楽しそうだな、いいなー」って思っていたんです。それで自分でも2年前にやってみたら、本当に楽しくて。生きている感じがしたんですよね。映像のお仕事の場合は、自分が演じた後、その作品がどう作られていくのか、その過程がよくわからない部分も多いんですが、舞台だとみんなでその過程も作っていく作業があるので、なんとなくちゃんと仕事している感じがあるというか(笑)。変な感覚かもしれないですけど、定時に帰れるというのもうれしくて。私の中で、お芝居というものは非現実的なことなんだけれど、でも自分はそれを仕事としてやっている部分もあるから、サラリーマンみたいにきちんとルーティンワークにできたらいいなと思っているところもあったので。舞台のお仕事だと稽古にしても本番にしても、なんだかそういう感じがあって楽しくてうれしかったです。ものすごく集中する時間と、考えたりする時間とがありますしね。それと倉持さんの作品のあたたかさ、カワイイ笑いみたいなものが私、すごく好きなんですよ。

塚地さんたち3人の従者をとことんいじめちゃおうかな(笑)(長澤)

――今回、倉持さんは長澤さんに、どういうキャラクターを演じてもらいたいですか。
倉持  下敷きになっているのが『オズの魔法使い』でもあるので。

――タイトルにもあるように、ドロシーのような役なんですね。
倉持  そう、ドロシーですね。だけど『オズ〜』でのドロシーはあたたかい手をさしのべて3人の従者に協力を乞うわけですけど。今回のヒロインはもっと従者の弱みを握って従わせるような、狡猾で少し計算高い感じのキャラクターでいきたいなと思っているんです。

――そこが先ほどおっしゃった“毒っ気”を生かすことにもつながる?
倉持  そうですね。だけど長澤さんの場合はそれが憎めない感じになるんじゃないかと思っているんです。男たちをアゴで使うとまでは言わないけど、口八丁手八丁で指示して動かしていくのが嫌味にならないように演じられるんじゃないかなと思っていて。

――意地悪というよりも、そこが逆にかわいらしく見えてきたり?
倉持  ええ。たくましくも見えるだろうしね。

――従者の男たちが、たとえアゴで使われてもイヤがらずに喜んでやってしまうような姿が浮かんでしまいますが。
倉持  そこもまたいいですよね。従者となるのは高橋一生、片桐仁、塚地武雅という3人なんですが、彼らも最初はそんな感じなんだけど、途中から「もうやってられるか」みたいになっていき、だけどある事情から「やっぱりこの娘のためにやってあげよう!」という思いにシフトしていくような話にはしたいんですけど。
長澤  いやあ、楽しみですね!何をやっても、ちゃんと受けて止めてくれそうなお三方ですし。
倉持  この3人なら長澤さんに多少意地悪されても仕方ないって感じもあるしね(笑)。
長澤  アハハハ、そうですかね。じゃ、とことんいじめちゃおうかな(笑)。

――長澤さんはコメディー作品を演じることについて、どうお考えですか。
長澤  私はコメディーってそれほどやったことがないんですけど。やっぱり、間って難しいなって思いますね。『クレイジーハニー』の時にも笑える場面はあったんですけど、笑いになる日とならない日があって。
倉持  日によって同じシーンがシリアスにとられちゃったり?
長澤  ええ、そんな時は誰も全然笑わないんですよ。そこはやっぱり難しいなと思いました。しかもお客さんの温度って毎日違うから、その日によってもなんかすごく反応がいい日と、そうでもない日があって。あれは本当に不思議ですよね。

――お客さんによって毎日空気が変わると役者さんによっては怖く感じる場合もあると思うんですが、長澤さんは初舞台でも怖くはなかったんですね。
長澤  そうですね。もともと怖いのはわかっていたので。私、このお仕事を始めてから舞台をよく観に行かせていただいているんですが、観ているといつもなんだか自分がその同じ舞台に立っているような気分になったりしていたんです。「気持ちいいだろうなあ」とも思っていましたし。だって、目の前でものすごく不思議なことをやっているわけじゃないですか。非現実的だし。こっち側の客席はみんな冷静なのに、向こうの舞台側ではすごい熱量で。でも「きっと緊張するんだろうな」と思い始めると、自分が出ると決まっていないのにすごく緊張することもありましたけど(笑)。『クレイジーハニー』に出演することを決めた時も、その日の夜から思い出すだけで汗がすごい出てきちゃって。
倉持  へえー、そうなんだ。
長澤  以前からそういうイメージトレーニングはしてきていたので、だからあまり怖くなかったというか、怖いのは当たり前だと思えていたのかもしれないですね。

――今回の本番に向けて楽しみなことは。
長澤  そうですねえ。どういう風に私が周りの人たちにからんでいくんだろうというのは、今からすごく気になっています。それと東京公演は本多劇場でやるんですが、お客さんとの距離が近いから、それこそ温度の変化を感じやすそうでいいなあって思いました。
倉持  ああ、本多は客席が本当に近いですからね。いい劇場ですよ。

――長澤さんが下北沢の劇場に立つということ自体が、なんだか新鮮です。
倉持  あ、そうそう。みんなそのことにも驚いるみたいですね、「長澤まさみが本多に立つんだ?」って。
長澤  そうなんですか。だけど私、意外と何をやってもそういう風に言われるんですよね。
倉持  へえ。じゃ、どこにいればいいんだろうね。
長澤  だから逆に、どこに行っても新鮮に思ってもらえるので、その点はありがたいですけど(笑)。

――では、最後にそれぞれからお誘いのメッセージをいただけますか。
長澤  下北沢の劇場に私がいることはどうやら不思議みたいなんで(笑)、ぜひそれをちょっと観に来ていただけたらと思います。そのくらいの気軽な感じで来てもらいたいので、そういう意味では敷居が高すぎない感じがいいですよね!
倉持  とにかくわかりやすいコメディーにする予定なので。長澤さんのドロシーっぷりと、3人の男たちの見事な操りっぷりを、ぜひ観に来てほしいです。
長澤  よし、がんばらなきゃ!(笑)


[取材・文=田中 里津子]
[撮影=坂野 則幸]
[長澤まさみ ヘアメイク=小西神士(band)]
[長澤まさみ スタイリスト=藤井牧子]

2013-08-05 16:30 この記事だけ表示