2014年に創立100周年を迎える宝塚歌劇団。アニバーサリー・イヤーのラインアップ発表会見レポート![製作発表レポート]

(左から)龍真咲、壮一帆、柚希礼音、蘭寿とむ、凰稀かなめ

 夢を紡いで100年――。2014年、創立100周年を迎える宝塚歌劇団。そのアニバーサリー・イヤーに上演される公演演目及び記念行事等の概要発表会が、7月22日、歌劇団の本拠地、宝塚大劇場にほど近い兵庫県宝塚市の宝塚ホテルにて行なわれた。小林公一理事長に加え、花組・蘭寿とむ、月組・龍真咲、雪組・壮一帆、星組・柚希礼音、宙組・凰稀かなめの五組のトップスターが勢揃い。東京から報道陣も多数駆けつけ、華やいだ雰囲気の会見となった。

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会見レポート

宝塚の100年の歩みをまとめた映像が流された後、スライドにて各組公演の演目の説明。まず、記念行事・イベントについては以下の通り

1月1日 トップスター(轟悠・各組)による口上(宝塚大劇場)
1月2日 トップスター(轟悠・各組)による口上(東京宝塚劇場)
4月4日・6日 「宝塚歌劇100周年 夢の祭典」(宝塚大劇場)
 宝塚OG、往年のトップコンビに加え、轟悠と5組のトップスターが集結
4月5日 「宝塚歌劇100周年記念式典」(宝塚大劇場)
 全生徒が宝塚大劇場に集合しての開催
10月7日 「宝塚歌劇100周年記念大運動会」(大阪城ホール)
 10年に一度の大運動会

 また、100周年を記念し、宝塚大劇場内に「宝塚歌劇の殿堂」が4月5日にオープン予定であることもあわせて発表された。100年の歩みをたどる写真や映像、品々の展示に加え、ハイビジョンシアター、企画展など、宝塚の魅力を多角的に知ることのできる施設となりそうだ。詳しい展示内容については2014年1月に発表される予定。

 説明の後、出席の6名が登壇し、挨拶。
 小林公一理事長は、宝塚歌劇が100年間続いてきた理由について、「多くの方々が宝塚歌劇をサポートしてくださったから」、「マスコミの方々が常に温かく宝塚を見守り続けてくださったから」、そして、「我々自身、小林一三先生が掲げられました“清く、正しく、美しく”の精神に則り、老若男女すべてのお客様に楽しんでいただける舞台を作り続けてきたから」と分析し、各方面への感謝の意を表明。月組公演に各組のトップスターが特別出演すること、アニバーサリー・イヤーに上演されるレビュー、ショーについては、タイトルにすべて「TAKARAZUKA」を入れ、これが宝塚歌劇だというところをさらに多くの観客に観てほしいとの意図を説明。記念事業については、「式典はおごそかに、OGが参加する夢の祭典、運動会は楽しく」行ない、多くの人々とこの記念すべき年を祝っていきたいとのこと。「宝塚に関わるすべての者が一丸となって、100周年を素晴らしい年にできるよう頑張っていきたいと考えております。今後とも多くのお客様に楽しんでいただける舞台を作るために、これからも宝塚歌劇の総合力をますます高めていきたいと思っておりますので、ここにお集まりの方々にも100周年を大いに盛り上げていただき、今後とも宝塚歌劇をご支援賜りますよう、よろしくお願いいたします」と意気込みを語った。

■星組「眠らない男――ナポレオン・愛と栄光の涯に――」

 記念すべき年、宝塚大劇場のお正月公演を担当するのは、柚希礼音率いる星組。日本でも人気のフランス・ミュージカル「ロミオとジュリエット」の作曲を手がけたジェラール・プレスギュルヴィックと、宝塚のみならず日本ミュージカル界をも牽引する演出の小池修一郎がタッグを組み、「宝塚から世界へ発信するオリジナル作品」を目指す「眠らない男」で、アニバーサリー・イヤーの幕を開ける。1967年、ブロードウェイ・ミュージカル「オクラホマ!」の日本初演を手がけたのを皮切りに、数々の海外ミュージカル作品に挑み、日本の観客に紹介してきた宝塚歌劇にとって、100周年後の新たな歴史を築いていく上でも試金石となり得る作品である。ちなみに、柚希率いる星組は「ロミオとジュリエット」の日本初演を担当しており、こちらの作品はその後、宝塚での上演を重ねる人気演目となると共に、外部での公演や来日公演も行なわれるなどヒットを記録。現在、星組による再演となる舞台が、東京宝塚劇場にて公演されている。

▼柚希礼音
「諸先輩方が築いてこられた100年の歴史に恥じることなく、新たな歴史のスタートとなる公演になるよう、星組一丸となって取り組んでまいります。ナポレオンを題材とした『眠らない男』は、光栄にも、『ロミオとジュリエット』を作曲されたジェラール・プレスギュルヴィックさんに音楽を書き下ろしていただけるということで、とても楽しみにしております。『ロミオとジュリエット』がフランスを発祥として世界で公演されるミュージカルであるように、このオリジナル新作が、宝塚を発祥として世界で公演される作品となるよう、そのオリジナルが宝塚の星組であったと言われることが、100周年の幕開きを担当させていただく大きな意味だと思っております。フランスを中心に全世界からアイディアを取り入れ、100年の歴史を築いてきた宝塚が、自らが作った作品を世界に持っていくという新たな歴史を切り開く公演となるよう頑張ってまいりますので、100周年の星組をよろしくお願いいたします」

■花組「ラスト・タイクーン――ハリウッドの帝王、不滅の愛――」    「TAKARAZUKA ∞ 夢眩」

 続いての二本立て公演を担当するのは蘭寿とむ率いる花組。最近、バズ・ラーマン監督、レオナルド・ディカプリオ主演の映画「華麗なるギャツビー」が公開され、話題を呼んでいるが、その原作者として熱い注目を浴びる20世紀のアメリカの作家、F・スコット・フィッツジェラルドが遺した未完の長編小説「ラスト・タイクーン」のミュージカル化で、若手の生田大和が宝塚大劇場デビューを果たす。宝塚歌劇とフィッツジェラルドの縁は深く、「華麗なるギャツビー」がこれまで二度上演されている他、作家自身の生涯を取り上げた「THE LAST PARTY〜S.Fitzgerald’s Last Day〜フィッツジェラルド最後の一日」も上演され、好評を博した。原作は1930年代のハリウッド映画界を舞台にしており、華やかなハリウッド物作品を得意とする宝塚、そしてスーツ物作品を得意とする花組の面目躍如となりそうだ。「TAKARAZUKA ∞ 夢眩」は、斬新なショー作りで熱い支持を受ける齋藤吉正が作・演出を担当。“無限”と“夢眩”を掛けたタイトルも気になるこの作品で、彼らしい破天荒なステージを繰り広げることを期待したい。

▼蘭寿とむ
「私が80周年の年に宝塚音楽学校に入学したときは、宝塚歌劇に100年の日がやってくるということは想像もしておりませんでしたが、本日、改めて大きな節目の年を迎えつつあることを実感し、100周年という記念すべき年に舞台に立たせていただけることを光栄に、心から幸せに感じております。ミュージカルは、1930年代の黄金期のハリウッド映画界を舞台に、大物プロデューサーの生き様とロマンスを描き出した作品。ショーは伝統的な様式美と斬新なスタイル、双方の魅力を合わせてお届けする、100周年にふさわしい作品となっております。今の花組だからこそ生まれる、花組ならではの魅力を存分に味わっていただけるよう、出演者一同、力を合わせ、心を込めてお届けしたいと思っております。100周年も、100周年以降も、宝塚歌劇を、そして花組をよろしくお願いいたします」

■月組「宝塚をどり」
   「明日への指針 −センチュリー号の航海日誌−」
   「TAKARAZUKA 花詩集 100!!」


 宝塚歌劇の前身となる「宝塚少女歌劇養成会」は、1914年4月1日、「ドンブラコ」「浮れ達磨」「胡蝶」の三本立てで初めての公演を行なった。まさに100周年のその時に、宝塚大劇場で三本立て公演を担当するのは、龍真咲率いる月組。各組トップスターの特別出演に、第100期生の初舞台公演、そして総勢100人のラインダンスと、話題豊富な公演だ。「宝塚をどり」は、本年80歳の大ベテラン、植田紳爾が“伝統”と“挑戦”をキーワードに手がける日本物レビュー。通常のミュージカル作品より短い上演時間となる祝祭劇「明日への指針 −センチュリー号の航海日誌−」は、作・演出の石田昌也の持ち味が生きた、キュートなエッセンスをきゅっと詰め込んだ愛すべき作品を期待したい。「TAKARAZUKA 花詩集 100!!」は、“レビューの王様”と謳われた演出家・白井鐡造の代表作「花詩集」を現代のアレンジで甦らせる意欲作。99周年を記念し、かつて上演された名作群の名場面をオマージュとして構成した「Amour de 99!!−99年の愛−」も担当した藤井大介が演出を手がけ、振付に、ブロードウェイで活躍し、トニー賞ノミネートを何度も受けているジェフ・カルフーンを招聘する予定だ。

▼龍真咲
「宝塚歌劇が100周年を迎えるこの時期に、こうして舞台に立たせていただけますことを、とても誇りに、光栄に感じております。これも多くの先輩方がこの道を築いてくださったからこそ、そして、たくさんのファンの皆様が宝塚歌劇を愛してくださるからこそと肝に命じ、新たな100年への道を築いていけるよう、日々精進してまいりたいと思います。月組公演は豪華三本立てとなりますが、宝塚歌劇が100年の歴史の中で培ったレビュー文化の集大成とも言える『TAKARAZUKA 花詩集100!!』では、ブロードウェイの著名な演出家ジェフ・カルフーン氏を振付にお迎えするということで、今からとてもわくわくしております。月組生一同、みんなで力を合わせて、皆様にお楽しみいただけます舞台を目指し、精一杯励んでまいりたいと思いますので、月組をなにとぞよろしくお願いいたします」

■宙組「ベルサイユのばら−オスカル編−」

 宝塚歌劇の代名詞的作品とも言われる「ベルサイユのばら」。池田理代子原作の名作少女漫画を舞台化したこの作品は、1974年の初演以来さまざまなバージョンでの上演を重ね、観客動員450万人を超える大ヒットを記録してきた。99周年の本年も、月組「オスカルとアンドレ編」、雪組「フェルゼン編」が上演され、観客の熱い支持を集めたことが記憶に新しい。そして、宝塚歌劇が100周年に満を持して上演するのは、凰稀かなめ率いる宙組による「オスカル編」。凰稀は雪組「フェルゼン編」の宝塚大劇場公演にオスカル役で特別出演、持ち前の圧倒的なヴィジュアルとそれでいて骨太な男らしさとが光る好演を見せており、主人公としてどのようなオスカル像を体現するのか、また、長身揃いの宙組がアンドレをはじめとする人気キャラクターたちをどのように演じるのか、期待は高まる。脚本・演出を植田紳爾、演出を谷正純が担当、世界で宝塚歌劇でしか味わえない作品を送る。

▼凰稀かなめ
「100年の歴史に思いを馳せながら、100周年以降の宝塚歌劇の発展に向けて、宝塚で一番新しく誕生した組、宙組として、出演者一同、元気にパワフルに、新しいことにもチャレンジしながら、日々努力し、新しい時代を切り開いていきたいと思っております。宝塚歌劇の100年を語るにあたって絶対に外せない名作中の名作、原作ファンの方々からも宝塚ファンの方々からも愛され、宝塚歌劇団を支えてきた大作に挑戦できますことを大変うれしく思っております。100周年にふさわしい、宙組にしかできない最高の『ベルサイユのばら』を皆様にご覧いただきたいと思っております。この4月に雪組公演『フェルゼン編』のオスカル役で、壮さんと柚希さんとご一緒させていただいた経験を生かしながら、私らしいオスカルを演じてまいりたいと思います。100周年から始まる宝塚歌劇の新しい歴史に大きな第一歩を踏み出せますよう、宙組一丸となって務めてまいりたいと思いますので、今後とも宙組をよろしくお願いいたします」

■雪組「一夢庵風流記 前田慶次」
   「My Dream TAKARAZUKA」


 壮一帆率いる雪組は、大ヒット映画を原作にした「Shall we ダンス?」と華やかなショー「CONGRATULATIONS 宝塚!!」の二本立てで、100周年、東京宝塚劇場のお正月公演を担当。本拠地・宝塚大劇場での100周年に入っての公演は、日本物作品とレビューの二本立てとなる。「一夢庵風流記 前田慶次」は、隆慶一郎の同名小説を原作に、戦国時代末期から江戸時代初期にかけて活躍、“傾奇者”として知られた武将・前田慶次の自由な生き様を描く作品。壮自身、2013年度の「宝塚おとめ」の“演じてみたい役”の項で“前田慶次”を挙げており、作・演出を手がける大野拓史もかねてから日本物作品の担当を熱望、両者の念願かなっての舞台となる。“日本物の雪組”と呼ばれてきた組での上演ともなり、宝塚の日本物作品の伝統美が受け継がれ、さらに伝えられていくことを期待したい。レビュー作品「My Dream TAKARAZUKA」は、宝塚らしい上品さを保ちつつ、時代時代の変化を取り入れた作品作りで、レビュー作家として安定した実力を誇る中村一徳が担当する。

▼壮一帆
「雪組は1924年の誕生以来、多くの諸先輩方が偉大な歴史を作られてきました。私たちはその雪組の一員であることに誇りを持ち、栄えある未来に向けて、組一丸となって、さらなる夢と感動を皆様にお届けいたします。100周年の6月には、『一夢庵風流記 前田慶次』で雪組伝統の日本物に挑戦いたします。派手な着物を身にまとい、友と女性をこよなく愛し、風のようにさっそうと生きた傾奇者、誰もが惚れる男の中の男を、宝塚の男役として立派に演じきりたいと思います。豪華絢爛なショー『My Dream TAKARAZUKA』と合わせて、皆様にお楽しみいただけますよう、精一杯頑張ります。100周年を迎える今、宝塚歌劇がさらに羽ばたけるよう、お客様と共に、組の皆と心を一つにして、さらに前に進んでまいりたいと思います。これからも宝塚歌劇、そして雪組にどうぞご期待ください」


[取材・文=藤本真由(舞台評論家)]


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2013-08-07 17:59 この記事だけ表示
 
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