ミュージカル界のプリンス3人、井上芳雄、浦井健治、山崎育三郎によるユニット“StarS”が日本武道館で「ありがとう公演」開催の快挙![インタビュー]

(左から)浦井健治、井上芳雄、山崎育三郎
  ミュージカルの数々の名作でいわゆる“プリンス”的な役を好演し続けている井上芳雄、浦井健治、山崎育三郎。彼らが今年の春に結成したユニットが“StarS”だ。CDデビューを果たし、コンサートも行った彼らがこの秋、なんと武道館進出という大きな夢も一気に叶えてしまうことになった。各自が舞台に立ちつつも、ハードスケジュールを縫ってコンサートのための準備も少しずつ始めるという。誰もが知る名曲あり、オリジナル曲あり、爆笑MCありの、同世代3人のユニットならではの魅力あふれるステージになりそうだ。会話の端々から仲の良さがにじみ出ている彼らに、武道館への想いを聞いた。

「今回はオリジナルのほか『レ・ミゼラブル』の『民衆の歌』も歌う予定です」(井上)

――いよいよ武道館公演が叶うことになっちゃいましたね!
井上 はい!「武道館でやりたいね!」って前回のツアーの最後のほうで出てはいたんですけど、でもやりたいと言って誰でもできることではないですからね。やるなら年内にって話だったんですけど、僕らもそれぞれ他の舞台への出演が決まっていたし、本当に武道館にまだ空いている日があるのかとか、スケジュールの調整も含めてタイミングが合えばいいけど、そうじゃなければ今はまだ早いってことなんだろうとも話していたんです。それが、周りのスタッフの努力もあってこうして実現することになって。うれしいというか、すごいことですよね。
浦井 ミュージカル俳優で日本武道館にコンサートで立てるなんて、前代未聞ですよ!そういった意味でも伝説になるんではないでしょうか。今回はファンの皆さんへの“ありがとう公演”って僕らは言っているんです。これもやはり支えてくれている方々からの愛がもたらしてくれた結果。みなさんと一緒に武道館に行くんだ!という感じはありますね。
山崎 今年のスケジュールの中で3人が唯一集まれる日が11/11で。その日が、唯一武道館も空いている日だったんです。これはもうやるしかない、運命ですよね。あとはもう努力とみなさんの想いと、StarSの勢いと共に決まったという感じ。実際に武道館に立ったことがないのでまだ実感はないんですけど。たぶん当日になったらドキドキしてくるんだろうな。とにかく武道館でコンサートというのは個人的な夢でもあって、歌手なら誰もが目標にする場所にデビューして半年で立っちゃうというのは、StarS とミュージカルファンの底力も感じました。

――この“ありがとう公演”、構成はどうしようと思われていますか?
井上 まだ検討中ではあるんですが、5月にやったシアターオーブでの公演をもとに、新しい曲というか武道館用のものも加えて準備しようと思っています。ただ、NHKの歌謡コンサートで『レ・ミゼラブル』の『民衆の歌』を3人で歌ったらものすごく反響があったので、この曲はぜひ歌いたいなと思っています。なんだかもう自分たちの曲みたいに歌っていますけどね、実際に出ているのは育三郎だけで僕と浦井くんは。
浦井 実は全然、関係ないんです(笑)。
井上 ま、そこはレミの盛り上がりも借りていこうよということでね。
山崎 いや、これはもはやStarSの曲ですよ!……って、健ちゃんが言ってます(笑)。
井上 そんなこと言ったら怒られるわ!(笑)
浦井 僕、結構あちこちで言ってます(笑)。

――5月のコンサートでの手応え、印象に残っていることは。
浦井 公演ごとに盛り上がっていった感があるんです。あと、お客様が持つペンライトの輝き。僕は“ホタルイカ”と呼んでしまって(苦笑)。ペンライトの光が日に日に増えていって、千秋楽はほとんど光で客席が埋まっていました。それと3人の歌声、ハーモニーが本当に何十倍にも響き合うものなんだなってことが、改めて感じられたことも良かったなと思っています。
井上 お客さんもきっと「一体どんなことをするんだこの3人は?」って思いながら来てくださったと思うんですけど。いざ幕が開くと「ああ、こういうコンサートなんだ」って、すぐにお客様が受け入れてくださったように思えて、それで日を追ってどんどん盛り上がっていった感じはありましたね。CDも同時発売だったので「今日はオリコン何位だった」とか実況中継もしながら。そんなことも初めてのことで、全部含めてすごくいい流れでできた気がします。だけど、あんなにオリコンを気にした一週間はなかったね。
浦井 うんうん。
山崎 結局、最高3位でしたね。
浦井 それにしてもすごいよねえ。
山崎 僕たちの前後もそうそうたる話題の歌手の方たちばかりだったし。
井上 いい思い出になりました。
山崎 僕もこれまではテレビやメディアにあそこまで露出することもなかったし、ただその時その時でいい舞台を作ろうという思いだけでみんなと一緒にやってきたんですけど。その積み重ねで、今こうやってこれだけ大勢のお客様に支えられ応援していただいているんだということがコンサートで実感できたのは本当にいい機会でした。やっぱり感動もしましたね。ステージに立っていて、ウルッてくる瞬間が何回もあったし。お客様との絆をすごく感じられたコンサートにもなりました。

「芳雄さんはエンターテインメントをするために生まれてきた人だと思います」(山崎)

――ここで改めて、お互いの魅力を語っていただきたいのですが。まずは井上さんの魅力について。
浦井 的確にツッコんでくれる。

――まずツッコミとしての魅力からですか(笑)。
浦井 だってすごいですよ、天才だと思います!
井上 僕、道を誤ったのかな…(笑)。
浦井 それと同時に、進行とか司会に関してもそういうスキルのたけた人でもあるし。あと歌の世界を作るのにもやっぱりずば抜けた何かを持っている人だと思う。そしてなんか、長男キャラなんですよね。
山崎 瞬発力というか集中力がすごいんです。ふだんはすごく柔らかくて優しくて、一緒にいるとほわーんとした空気にしてくれる方なんですけど、いざステージに上がると井上芳雄さんになる瞬間があって。その瞬間は近くで見ていてもすごいし、やっぱり華がある。オーラがあるんですよね。もちろん歌の表現力はすば抜けて素晴らしいし、さらにしゃべりもできて、カッコよくて……。
井上 ああもう、ありがとうございます!(笑)
山崎 いやいや、本当に芳雄さんはエンターテイナーですよね。エンターテインメントをするために生まれてきた人だと思います。
井上 じゃ、次は浦井くんだね(笑)。だけどホント、計り知れない人物ですよ。奥が深いというか。一緒にコンサートをやって思ったのは、浦井くんはとてもまじめでお芝居に対してストイックなイメージがあったんだけど、それが自由にしゃべっていいよ、となると本当に自由になっちゃうというか。ボケの才能があるというか、存在そのものがボケになっているというか。
浦井 アハハハ。
井上 ツッコミどころが満載なんだけど、でもいくらでも自分の世界を広げていける。それがうまく人に伝わらないからこそボケになるんでしょうけどね(笑)。だけどこの計り知れなさはすごいよ、その底は誰にも誰にも見せていないと思いますね。特に見たいとは思わないですけど…(笑)。とにかく深いですね。
浦井 うーん、そうなんですかね?(笑)
山崎 もし健ちゃんがいなかったらStarSはまた全然違ったものになっていたと思う。なくてはならない存在というか、健ちゃんがいたからこれだけの盛り上がりになったと言ってもいいくらいですよ。
井上 ムードメーカー的なね。
山崎 うん。健ちゃんがしゃべるたびに笑いが起きるのもすごいしね。今では健ちゃんがしゃべりだすと「ハハハ〜ッ」ってああいう空気が生まれる、あのエネルギーは誰もが持っているものじゃないし。やっぱり天性の、生まれ持った才能なんでしょうね。それなのに、こう見えて気ぃ遣いだし。今みんなが何を考えているかを敏感に感じ取れる人なんです。その明るさで現場の空気が一気に和むし。そのうえパフォーマンスに対してはストイック。やるときはやる。ふざけるときはふざけ倒す、このギャップがたまらないんでしょうね、ファンの方には。この人は魅力の塊ですよ。

井上 そして次は育三郎だね。育三郎のことは僕もStarSをやる前から少しは知っていて、最初は甘いマスクのイメージが強かったんですけど。でも実は根がすごく男っぽい。よく聞いたら体育会系で、自分はこうしたいんだという強い思いを持ってやってきた意志の強さがあって。そうやって骨っぽくて男っぽいんだけど、でもなんかすぐに感情がこぼれ出ちゃうというかね。すごく人から愛されるタイプだというか。人に対しての好意をすごく素直に出すんですよ。心からその人のことを思って声をかけていることも伝わってくるし、逆に自分がすごくうれしいときや、ちょっと苦しいんだってことも別に直接言うわけじゃないのに、愛らしくこぼれちゃうんです。そこがまた魅力だし、だからいつも「育三郎元気かな」とか「会いたいな」って人に思わせるものがあるんだと思うな。
山崎 ありがとうございます!(笑)
浦井 うれしそう(笑)。育は、甘いマスクに甘い歌声っていう二枚目キャラではあるんだけど、やっぱり野球をやってきたからスポーツ系の縦社会のこともきちんとわかる、男気もあるんですよね。それと同時に明るさを兼ね備えていて。あ、その陽の部分という意味ではこの3人ともが持っているものでもあるけど。しいて言うと僕は今後、育は頼りがいのある先輩になっていくんじゃないかなと思う。

――え、先輩に?(笑)
山崎 僕が健ちゃんの先輩になっていくの?
井上 ゆくゆくは上下関係が入れ替わることもあるんだ?(笑)
浦井 そうそうそうって、違うーって! 僕らの次の世代が出てきた時に周りに育を慕う後輩たちが大勢集まってきて、そこのリーダーになり得る素質のある男の子だと思うんですよ。
井上 男の子かよ(笑)。
山崎 ありがとうございます!(笑)

「武道館公演なんてなかなかないこと。ぜひペンライトを振りに来てください」(浦井)

――ミュージカル本編とはまた違う、コンサートならではの魅力というものもあると思うので、ぜひそこをアピールしていただきたいのですが。
井上 前回のシアターオーブ公演ではほとんどみなさん、基本的にはお芝居を観ることには慣れていてもコンサートってどういう感じなのかしら、いつ立たなきゃいけないのかしらって心配していたみたいなんですけど。でも別に怖いことをするわけじゃないので(笑)。僕たちもそんなに急に「うわーみんな立てー、ここから2時間半立ちっぱなしだこらー」みたいなことは言いません。今回は武道館なんですから。
浦井 「おまえらー!」って叫んだり?(笑)
山崎 しない、しない(笑)。

井上 そこは安心していただいて。でも僕たちもこの間のコンサートで一緒に見つけられたのが、演劇にはないコンサートの楽しさ。みんなで一緒にペンライトを振ったり、それこそ気分が盛り上がったら立っちゃってもらってもいいわけだし。間のMCでは自分たちの素のトークをしますしね。これって演劇では味わえないことですから。初めてだともしかしたら自分には合わないかも?って思うかもしれないですけど、そこには音楽があるので。その力で、たとえば殻があったとしてもすぐにバーンと割れちゃいますよ。しかもそれが今回は武道館なんですからね。
浦井 こんなことは今後もなかなかないですよね。それに、ファンの方から「え?なんかアイドルになっちゃったんですか?」みたいな声も聞くんですが、そうじゃなくて僕らはあくまで役者だし。そこは安心感を持ってほしいですね。ミュージカル俳優としての部分でミュージカルの楽曲を大切に歌っていますから。もちろん、ミュージカルの世界をあまり知らない方でも十分に楽しんでいただけるパフォーマンスを目指していますけど。それに、この同世代の横のつながりというのはこの後もことあるごとにいろいろな作品で見ることのできる関係になってくると思うんです。その点でも「ああ、あの武道館をやった3人がこうなって」っていう楽しみ方もしていただけるようになっていきたいですね。ぜひ安心して、みなさんでペンライトを振りに来てくれたらうれしいです。
山崎 今まで自分たちが出演したミュージカルや舞台、そのすべてが今回のステージで味わえると思います。すべての要素が必要だと思うんです、StarSのステージって。本当に自分を隠さず、すべてをさらけ出してステージに上がらなければいけないですからね。トークもそうだし、オリジナルソングでもそうなんですけど、今自分が持っているすべてを発揮できる場所で、僕が信頼できるこの2人とチームでやっていく、今の自分がすべて出せる場所でもあるなと僕は感じているんです。今出せる3人のすべてを、武道館で出し切りますよ。命がけのステージで、伝説の1日にしたい。お祭りだと思って楽しんでください。
井上 そうだよね、一夜限りのお祭りです。
山崎 なんせ一回だけですから。
井上 そして浦井くんは北島三郎さんの『まつり』を歌いますから。
浦井 そうです。
井上 こんなこと言ってると、本当に歌うことになるかもしれないよ(笑)。
浦井 かも、ね。
山崎 ふんどしでね。それくらいさらけ出して。
浦井 今の僕を(笑)。
井上 ますますこの人、どういう人かわからなくなる(笑)。
一同 (笑)

――それとやはり、みなさんペンライトは必携ですか。
浦井 持っていない方は新しく今回。
山崎 そう、StarS用のペンライトをね。
井上 作る予定なんです。もちろん持ってきていただいてもいいんですけどね。

――じゃ、現地調達もできると。さらにお客様へ差し上げるために1万枚分サインをするというのも本当ですか。
浦井 それも本当です!
井上 これから3人で書きます!!
山崎 楽しみにしていてください!!

[取材・文=田中里津子]
[撮影=平田 貴章]

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公演概要

三大ミュージカルプリンスコンサート
StarS ありがとう公演 〜みんなで行こう武道館〜 井上芳雄 浦井健治 山崎育三郎

<公演日程・会場>
2013/11/11(月) 日本武道館 (東京都)

<キャスト&スタッフ>
企画・出演:井上芳雄/浦井健治/山崎育三郎
構成・演出:小林香
音楽監督:かみむら周平



2013-08-20 18:10 この記事だけ表示