ストリップショーに挑む男たちを描いたミュージカル「フル・モンティ」に出演!中村倫也、ムロツヨシにインタビュー![インタビュー]


(左から) 中村倫也、ムロツヨシ

  一夜限りのストリップショーに挑む6人の男たちの奮闘を描き、英国アカデミー賞の作品賞ほか4冠に輝く大ヒットとなった映画「フル・モンティ」(1997年)。その後、ブロードウェイでミュージカル化され、トニー賞9部門にノミネートされた「フル・モンティ」が、2014年1月、福田雄一(TVドラマ「勇者ヨシヒコと魔王の城」、ミュージカル「モンティパイソンのスパマロット」)の演出で上演される。気になる“フル・モンティ(=すっぽんぽん)”になる男6人のキャストは、山田孝之、中村倫也、ムロツヨシ、勝矢、鈴木綜馬、ブラザートムといった個性あふれる面々。中村とムロに、作品の魅力と現在の意気込みを語ってもらった。

「脱いだらすごい!」腹筋を鍛え始めたムロツヨシ!

――まずミュージカル「フル・モンティ」に出演が決まったときのお気持ちをお聞かせください。
ムロ 僕は結構前に映画を見て、面白いなと思っていました。それで、ミュージカル版の舞台があるっていうのを演出の福田さんから聞いて、その後すぐにこの作品をやることになった、と連絡が来たんです。だから、おっ、やれるんだっていう驚きと、うれしい気持ちでしたね。
中村 お話をいただいたのが、昨年、福田さん演出の深夜ドラマ『メグたんって魔法つかえるの?』を撮影している頃で、現場で福田さんから言われました。決まってから映画のDVDを借りて見て、面白いなと思いましたね。失業や不景気、自殺未遂など、それぞれが大変な現状を変えようと一生懸命に生きていて、それが面白おかしく描かれていて。


――それぞれ問題を抱えた男たちが現状打破のために「フル・モンティ(すっぽんぽん)」のショーに賭けるわけですが、お二人の役どころは?
ムロ (小声で)脱いだらすごいらしくて、すごい自信家。だけどとにかくアホです。
中村 何で小声なんですか!?
ムロ そっと教えようかと…。まだ台本が来ていないので詳細はわからないんですけど、脱いだらすごいということで、がんばって鍛えようと思って、アマゾンで「腹筋くん」っていう座椅子を買ったんですよ。
中村 アハハハハ!!
ムロ ぜひ書いて欲しい、この意気込み!! 「フル・モンティ」のために腹筋君を買ったムロツヨシ。ミズノから出てます! 座椅子ですッ
中村 広告狙ってんな?(笑)
ムロ ラジオのリスナーさんから教えてもらって買いました。僕、腕のあたりはけっこう筋肉すごいんですよ。スポーツもやってましたし、魚市場でマグロを運んでたことがあるので。だからあとは腹筋だけ。「腹筋くん」で鍛えれば大丈夫。あと、僕、腕のあたりの肌質もすごくいいんですよ。もち肌な感じで。
中村 すべてが(初日の)1月31日にわかるはず。
ムロ わかります! でも肌質は、照明あたって飛んじゃうんでわかんないかもしれないですね。
中村 いっぱいベビーパウダーをつけるんだろうな。映画とミュージカル版は多少違うのかもしれませんが、僕の役は、いろいろつらいことがあって自殺未遂をはかったところ、山田孝之君が演じるジェリーに助けられ、一緒にやらねえか、とストリップに誘われるんです。それで、自信がないながらもがんばって歌って踊り、最終的に、ある人と恋に落ちるという役です。

「フル・モンティ」は“ポップだけど泥くさい”

――今回はミュージカル版ということで、歌、ダンスがありますね。
ムロ  僕はミュージカルはこれが2作品目なんですけど、初めての作品も福田さん演出で、「モンティパイソンのスパマロット」というコメディミュージカルでした。僕の中ではミュージカル出演というよりは、ちょっと規模が大きいコメディをやれるという喜びのほうが大きいですね。もちろん歌も練習しなきゃいけないんですけど、そのへんはまだ実力が伴っていなくて…。「〜スパマロット」の時は、僕の歌唱力がうまく機能する演出(歌が苦手な役)だったんですけど、今回はそういうわけにもいかないと思うので、しっかり仕上げていきたいですね。

――中村さんはこれまでミュージカルには何本か出演されて……
ムロ うん! そうですね!「RENT」とかやってますから…(中村さんが答える前にすかさず話し出すムロさん)
中村 って誰? オレの話だよ! …僕はミュージカルは3本目ですね。「ロッキーホラーショー」「RENT」をやって、今回「フル・モンティ」。今回は2人でデュエットしたりするところもあるんですけど…
ムロ うん、そうそう。デュエットもあってね。でも、うちの倫也は1人で国際フォーラムの舞台を成立させられる歌唱力ですから! 僕は背後で邪魔しないように、作品のプラスアルファになれるようにがんばりたいなと思います。

――まるでマネージャーのようなムロさんの言葉を聞いて、中村さん、いかがですか?
中村 そうですね…。がんばりたいと…思います(笑)
ムロ いや、だってすごかったもんね。「RENT」で倫也の歌聞いたら。すげーなと思って。
中村 いやー、もう必死ですよ。それに今回は、音楽界、ミュージカル界の錚々たる方々がいらっしゃいますから。
ムロ ブラザートムさんもね。ミュージカルでトムさんアレンジなんて、かっこいいんじゃないかな。
中村 ムロさん、山田孝之くん、大和田美帆さんは共演したことありますが、他の方は初めてです。僕たちがふだんの仕事でご一緒できない方たちなので、そういう意味でも楽しみですよね。今まで「ロッキーホラーショー」でおバカパーティーロックショーをやって、次の「RENT」はストーリー性があり、今回の「フルモンティ」はポップだけど泥くさくて、でもロック。みんなでガッと熱くなって面白いことをやるという作品です。自分のことながら、この3作品という流れが面白いなと思いますし、作品に恵まれていると思います。
ムロ “ポップだけど泥くさい”っていいね。そういう言葉を吐けるんですよね。倫也は。素敵ですよ。

福田作品の魅力とは?

――お二人とも福田さんの脚本や演出作品に出演されていますが、福田さんの作品の魅力はどんなところでしょう?
ムロ 本当にあの人、ミュージカル好きなんですよ。福田さんのすごさは、特にブロードウェイとか海外作品を日本で上演するときにはっきりすると思うんですけど、海外の笑いって、日本人にはわからないところがありますよね。それを福田さんは、日本のボケとツッコミの文化や笑いの仕組みを織り交ぜながら、日本のお客さんが笑えるように演出するんです。原作に忠実にしすぎると日本人にはわからないし、あまり変えすぎても原作側の許可が下りないわけです。原作を少しだけ変えて、何とか笑えるようにアイデアを出して、コメディを守るというところがすごいですね。
中村 僕はドラマでは福田さんの演出作品に出ましたが、舞台では初めてです。福田さんご本人が面白い人なので、稽古、本番が楽しみですね。

――ムロさんは福田さんの作品ではおなじみですが、演出家と俳優として、どういうやりとりの中、役を作っていくのでしょうか?
ムロ 僕はいつも福田組に出演するとき、福田さんが用意している台本や演出からできる限り1回か2回はわざと外れるんです。新しいことを提案して、こいつ伸びしろがあると思うと、しばらく泳がせてくれるんですよ。あとでバッサリ切られたりもしますけどね。他の現場ではやりすぎると嫌われるのであまりやらないんですけど、福田さんとはそれが暗黙のルールみたいになっていて。それを今回もやっていければと思います。


――中村さんは公演に向けての体作りは?
中村 今ちょうど、あのー…
ムロ この人、9月に舞台で「ヴェニスの商人」やるんですよ。女形をやるんでね。ちょっと体のラインを……
中村 なんで言おうとしたことがわかるんだ! 一卵性双生児か! ま、ちょうどそういうこともあって、僕はトレーニング用のベンチみたいな器具で、1日少ないですけど腹筋300回くらいやってます。
ムロ おおーー!! 300回ってマジで!? さっき見たら腹筋がすでに割れ始めてたもん。…だけど女形をやるから、あんまり筋肉付きすぎると後ろ姿が男に見えちゃうんでね、肩のあたりはあんまり鍛えないようにしてますよね。
中村 そうそう。…って子役のお母さんか! もう全部言っちゃう。あと、走ったり…
ムロ あとは食事制限ですね。
中村 そうそう。

――すでに息もぴったりのお二人ですが、ふだんから交流があるんですね。
ムロ 共通の知り合いがいて、一緒にお酒を飲み、その後、舞台を観に行ったのが出会いですな。
中村 そうですな!
ムロ 最近はちょっと少なくなっちゃったけど、前は月1回くらいは飲みに行ってましたね。初共演は、僕が好きな役者さんを呼んでやっている、かの「muro式」という舞台に出ていただいて。
中村 すごく勉強になりました。
ムロ 倫也は、舞台で立っているときに自分の意思で動いてる感じがするんですね。僕は演出や脚本に縛られず、舞台に立たされていない、動かされていない人が好きなんですよ。自分の中でちゃんと処理しているような感覚。そこがいいんですよね。舞台度胸というか、“舞台神経”みたいなもんですね。それがすごい好きな神経で、僕と感覚が一緒だなと思いました。

――では、中村さんから見たムロさんの魅力は?
中村 みなさん気づいていないかもしれないですけど、鼻の下のほくろ。そこがとってもチャームポイントで、“ムロボクロ”って呼んでるんですよ。

――公演は来年1月になりますが、あらためて、今の意気込みをお聞かせください。
ムロ 1月までの半年間、これから「腹筋くん」で鍛え、時間をかけて仕上げた僕の歌を聞きに来てほしいなと思います。倫也とのデュエットもありますので、それを…
中村 うん、バシッと決めたいですね。
ムロ 孝之ばっかり見ないでね♪ そして、問題を抱えた人間が集まって1つになっていく、という基本的なストーリーを、どうやって笑いで見せていくのかが見どころだと思います。
中村 やっぱり音楽が素敵ですしね。音楽とシナリオがしっかりしていて、遊びがあるからこそ、評価された作品だと思うんです。そういう基本的なことを大事にしつつ、どんどん膨らませて、締めるところは締め、メリハリをつけて。そして全力で自分が楽しみつつ、お客さんを楽しませられたらいいなと思います。


[取材・文=郡司 真紀]
[撮影=渡辺 マコト]


公演概要

ミュージカル「フル・モンティ」

<公演日程・会場>
2014/1/31(金)〜2/16(日)  東京国際フォーラム ホールC (東京都)

<キャスト&スタッフ>
脚本:テレンス・マクナリー
作曲・作詞:デヴィッド・ヤズベック
演出・翻訳・訳詞:福田雄一
出演:山田孝之/大和田美帆 中村倫也 ムロツヨシ 勝矢/佐藤仁美 浦嶋りんこ 保坂知寿 鈴木綜馬 ブラザートム 他
≫公式サイトはこちら



2013-08-30 13:43 この記事だけ表示