公開目前!話題のミュージカル『フル・モンティ』公開稽古レポート![稽古場レポート]


 絶賛失業中の男たちが、一発逆転をかけてストリップショーに挑むまでを描く話題のミュージカル『フル・モンティ』の稽古が公開された。当日はいくつかのシーンが続けて披露され、記者席も大盛況。間近で感じたカンパニーの間にたちこめるホットな空気をお届けしたい。

公開稽古レポート!

 最初の場面は労働組合の一室。失業手当をもらうためにジェリー(山田孝之)、デイブ(勝矢)、マルコム(中村倫也)、イーサン(ムロツヨシ)らの元鉄工員たちが集まっているが、彼らが本当に欲しいのは誤摩化しのようなわずかな金ではなく、生活を支えられる定職だ。口をついて出る不平不満は止まらない。しかし、現実はシビア。安定した暮らしを求めているのに叶わない気持ちはやがて歌となり──。
 ここで歌われるのは、自分たちを揶揄するようなナンバー『SCRAP』。横一列になり各々の思いを吐き出すものの、そこに力強さはない。誰もがやるせない表情で棒立ちになり、微妙にガチャついたハーモーニーで歌い続けるだけ…。これが、男たちの今の姿だ。  ジェリーの心の支えは、別れた妻・パム(佐藤仁美)と暮らしている息子のネイサン(福田響志)の存在。短い面会時間でも心からの愛情を伝え、男同士のいい関係が築かれている。  ネイサンと別れた街角。いまいましいのは、クラブの壁に貼られた男性ストリップショーのポスターだ。「こいつらと俺たちは違う」というジェリーに、「女たちは夢中だし、今日は妻のジョージー(大和田美帆)も見に行っているんだ」とデイブ。そこでふたりはけしからん場所からジョージーを連れ戻そうと、男性トイレの窓から侵入する。が、そこへいきなり女性たちがなだれ込み、女たちだけのキラーチューン、『It’s a woman’s world』がスタート!
 このナンバーは、ジョージーと女ともだちらのマックスなテンションがとにかく楽しい。さっき歌っていた男たちのお先真っ暗顔とはまさに正反対の生き生きとした表情とホットなダンス、日常のストレスから解放されたギリギリアウト(!)な言動の連発に、彼女たちの興奮ぶりはもちろん、ステージ上のダンサーが相当セクシーな魅力を振りまいていることが想像できる。しかも、パムまでそこにいるとは!
 皮肉だが、どんな状況にあっても楽しみを見つけるこのたくましさ、かしましさ。やはり女性は強いのだ。個室に隠れて聞き耳を立てているジェリーとデイブには申し訳ないけれど、ほんの目と鼻の先で女の本音をぶちまけられてしまった夫たちは、さぞ打ちひしがれていることだろう。 さらに女性の元気さを見せつけてくれたのが、ヴィッキー(保坂知寿)が大好きな夫・ハロルド(鈴木綜馬)への愛を歌い上げるナンバー『Life with Harold』。工場長である夫がすでに“元”工場長になっていることも、元従業員たちから嫌われていることも知らない可愛い奥さんが、夫と楽しむ趣味の社交ダンス教室で華麗に踊りながら披露する、“彼女だけの”幸福感溢れる一曲。あっけらかんと能天気なほどの「好きよ!」はもはや清々しい。  そして最後に披露されたのは、いよいよ男性ストリップショーをやることを決意したジェリー、デイブ、マルコム、イーサン、ハロルド、ホース(ブラザートム)による『Michele Jordan’s Ball』。なかなかうまくいかないダンスの振り付けをバスケの動きで覚えようとひらめくナンバーだ。
 始めはジェリーが動き、みんなが真似る。バスケのゲームを楽しむように見えないボールを投げて、受け取って、かわして、回して。ドリブルしながらだったらステップもジャンプもすんなりOK! やがてとまどいは楽しさへと変わり始め、年齢もキャラクターもバラバラな男たちの息がどんどん合っていく。バラエティーに富んだフォーメーションは、確かにバスケだけどダンス! セクシーではないけれど“男の子”の魅力が伝わってきて、こういうのも素敵。全員の表情がグングン輝き出せば観ているほうの心も踊り出すし、ひとりずつ違う“マイケルポーズ”もキュート。もちろん、フィニッシュもバッチリだ。

 限られた時間ではあったが、座長の山田が「“男性ストリップ”という部分だけではなく、そこへ至るまでのドラマ、様々な夫婦関係があって、様々な人間が生きているんだというところも見て欲しい」と語ったように、物語の背景にある社会状況や登場人物たちの抱える問題、わけありの人間関係などがしっかり感じられる充実した内容が披露された。  ノリと実力を兼ね備えたカンパニーの爆発力を楽しめるのはもちろん、観る者それぞれのおかれている状況によって感情移入する人物やドラマのポイントが変わってくるであろう、何層にも重なった人間模様にも力強さを感じさせるミュージカル『フル・モンティ』。彼らと同じ街の住人になった気分で心を解放し、身近な人間力を感じながら楽しみたいエンターテインメント作品である。

“フル・モンティ”な男たちから一言!

山田孝之 ジェリーは「ストリップやって一発儲けようぜ!」という浅はかな考えの言い出しっぺではあるけど、基本、これといった特徴のない“雑”な人間(笑)。なので、いい感じの雑さを楽しんでもらえたらと思います。

中村倫也 抜群の身体能力を活かして、誰よりも高く飛び、キレのあるターンをしたい…です!(「虚弱体質っていう設定なんですけどね(笑)。」By 山田)

ムロツヨシ 僕はそんな彼を襲おうとする役です(笑)。ダンス、全力で踊りたいと思います!

勝矢 お客様にはぜひ、この揺れる脂肪を観てもらいたいですね。他の人よりも倍はあると思うので(笑)。

ブラザートム 「しぼう」繋がりになりますが、僕は死んでしまいそうな年寄りをやります。皺フェチの方はたまらないと思いますよ。フフッ(笑)。

鈴木綜馬 おカタい管理職が断末魔に向かって堕ちていって…最後裸になっちゃうってところを楽しんでくださいね!


[取材・文=横澤 由香]
[撮影=渡辺マコト]

【関連動画】 ミュージカル「フル・モンティ」プロモーションムービー!
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公演概要

ミュージカル「フル・モンティ」

<公演日程・会場>
2014/1/31(金)〜2/16(日)  東京国際フォーラム ホールC (東京都)

<キャスト&スタッフ>
脚本:テレンス・マクナリー
作曲・作詞:デヴィッド・ヤズベック
演出・翻訳・訳詞:福田雄一
出演:山田孝之/大和田美帆 中村倫也 ムロツヨシ 勝矢/佐藤仁美 浦嶋りんこ 保坂知寿 鈴木綜馬 ブラザートム 他
≫公式サイトはこちら





2014-01-29 10:48 この記事だけ表示
 
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