劇団EXILE『歌姫』出演の松本利夫(MATSU from EXILE)とモト冬樹にインタビュー![インタビュー]

(左より)松本利夫、モト冬樹

 劇団東京セレソンデラックスの代表作でありテレビドラマ化もされた純愛人情ストーリー『歌姫』が、劇団EXILEによって再びよみがえった。昭和30年代の高知県土佐清水を舞台に、戦前の記憶をなくしている男と彼を巡る人々との愛と触れ合いを描く本作。現代人が忘れてしまった“なにか”を思い出させてくれる、珠玉の一本である。

インタビュー!

──今回、松本さんが演じられる四万十太郎はどんなキャラクターですか?
松本 過去の記憶がなくて…今現在自分が置かれている状況と過去の状況混ざり合っていく中で、次第に人生の選択の狭間へと向かっていくという境遇の男です。

──そしてモトさんが演じられる岸田勝男が…。
モト 彼を四万十川で拾って来ちゃうんだけどね。で、うちの息子みたいになっちゃってると。僕は娘が2人いて、奥さんもいて、オリオン座という映画館の館主をやってます。太郎を含めてみんなで幸せな家庭を築いているんだけど、やがていろいろなことが巻き起こっていってしまう。

──物語の舞台は昭和30年代の日本、太郎は戦中の記憶を失くしているという設定ですが、お稽古をしながらその頃の日本が持っていた匂い、というのはどのように感じていますか?
松本 まだテレビも普及していないような時代ですから、まずは「当時はどうやって情報を仕入れていたんだろう」って思いました。でも、いろいろ不便のある中でもみんなが何かしらの楽しみを見つけている空気というか…自分たちなりに工夫して生活している感じとか、いいなぁと思いましたね。そういう世の中だからこそ、自然に人にも暖かみがうまれるのかなぁって。
モト 今はインターネットとかある分、人間同士の関係が希薄になっちゃってるところがあるからね。便利なほうがいいはいいんだけど、いろんなものがないならないで別になんとかなっちゃうし、やっぱりそのほうが互いのつながりがあって、愛情も深くなる。だって、なにはなくても結局一番大事なのは生きることであり、愛する家族であり…そこはもう揺るがないよね。この作品はそういう人間の心の豊かさというのが大前提なんです。豊かだからこそ、最終的に非常にせつなくもあるわけで。
松本 そうですよね。太郎としても、自分の人生がある意味周囲の人たちみんなの人生も変えていくことになってしまうという状況の中、無責任なことはできないって考えて、この場合は最後は親としての責任というところを大事にした人生の選択をしていくわけですけど…そういう決断の場面って自分自身の人生にも絶対あることだなって思うので、演じていて「この作品は自分自身の人生の道しるべにもなる作品だな」って思うんです。
モト 松くん、この役とってもぴったりだよね。今の日本人が忘れてしまっているような漢気がちゃんとあるし、一本気だし、真面目だし。見た目もほら、昭和な感じでしょ(笑)。
松本 そうですね(笑)。実際、縁側があって畑や裏山があって…という環境で育ったので、そんなところも“昭和っぽさに”うまく影響しているのかもしれませんね。

──お稽古は順調ですか?
モト これ、いい話でしょう。太郎と鈴(谷村美月さん演じる勝男の娘)のところとかね、すごくいい見せ場だと思うんですよ。そこに持って行くために、俺たちは凄く明るいテンポで笑いもたくさんあって、で、松くんたちのほうへと持っていく。こっちが楽しければ楽しいほど、そっちが切なくなっていくっていう、そこの役割は絶対ちゃんとやらないとね。正直今はまだ自分が楽しめるっていうところまでいけてないんだけど、稽古で早くそこまで到達したいし、そうなったらとっても楽しいお芝居になると思うな。
松本 僕もまだまだ台詞も入りきっていないですし、テンポ感もこれからってところはあるんですけど…ここから段々とテンポに乗れていったらもっとアドリブとかもみなさんから出てくると思いますし、出て来たプラスαの部分をさらに膨らませていく作業が僕は大好きなんです。それってたぶん本番中にも行われることで、そうやってこの舞台『歌姫』が成長していく様すべてが、楽しみでしょうがないですね。
モト 稽古やってて思ったんだけど、松くんは踊りやってるからかなぁ…芝居のテンポっていうのを最初からとても大事にしてるよね。ちょっとくらい台詞が怪しくてもまずはテンポ、流れを大事にして創っていっちゃう感じ。あれってすごくいいと思うよ。実際、あのテンポでキチッと芝居がハマりだしたら素晴らしいと思うし。うん、そのやり方は正解。
松本 わっ、そこは自分では全然気にしたことなかったかも。そうですね、言われてみればテンポ感は大事にしてますね。でも…そうかぁ…いつもそうやっていたので、意識したことなかったかも。 モト 実は僕がこの作品の一番の魅力じゃないかなって思っているところが、まさにその“テンポ”なんだよね。特に今回はみんな高知弁を喋ってるんだけど…これがまたチョー面倒くさくてさ(笑)。
松本 (爆笑)
モト 面倒くさいんだけど、すごく一本気な感じが出るわけ。響きは強いんだけど愛情があるんだよ。例えば「待ちくたびれちょったがぞ」とかすっごく言いづらいんだけど(笑)、すっごく伝わるモノ、あるでしょ? 会話のテンポも含め、これを上手く使いこなせたら相当いいと思うよ〜。キツイけどね。昨日なんかもなんか喋ってるうちに「ワタシワカラナイヨ」ってカタコトになっちゃったりして。なっ(笑)。
松本 なってましたね〜(笑)。確かに言葉は今、みんなで苦戦してるところです。苦戦してますけど、やっぱり自然にアドリブ言ったり返したりできるところまで行きたいですよね。
モト そうだよね〜。
松本 僕らから高知弁がサラサラっと出てくると、観ている人ももっと自然に『歌姫』の世界に入り込んでくれるでしょうしね。

──モトさんは舞台での活動も積極的ですが、舞台俳優としてのお仕事にはどういうところに魅力を感じますか?
モト そもそも俺はみんなでひとつのことを創るのが凄く好きだから、1ヶ月2ヶ月キャストがみんなで一緒にいられる舞台の現場がホント楽しいの。あとはもうライブ感ね。
松本 あ〜っ、やっぱりそうですよね〜。
モト 音楽のライブでもひとたび「パーンッ!」と音が鳴れば、もうお客さんが何かを感じてくれていて、そこにはいちいち説明なんていらないでしょ。それと同じ。舞台に立って芝居してると理屈抜きにお互い感じあっているモノっていうのが体感的にあってさ、それがまた毎ステージ絶対違ってたりして…好きなんだよねぇその感じが。これはまさに勝負。ステージに立ったら自分とお客さんとの戦い、負けちゃいけないからそれはもうこっちの気も入るし体力も使うし。そのライブ感がたまらないんだよ。ちょっと間違えちゃっても「間違えた!」って焦った顔したらお客さんに見抜かれてこっちが負けちゃうけど、「ええ、間違いましたけど(それがなにか?)」って強気でドヤ顔しちゃえば勝てるからね(笑)。

──ミスさえもお客さんを巻き込む材料にしてしまう、と。
モト そうそう。
松本 わかります。僕もそういうライブ感ってすごく好きですから。

──では、松本さんにとってEXILEでの活動と俳優活動の違いと言うと?
松本 普段EXILEでパフォーマーとして活動するときは声を発することがあまりなくて、やっぱり体を使って伝えていくことがほとんどですからね。こうやって舞台のお仕事で“言葉で表現する”“言葉で伝える”ってことが…ダンスと同じように、ものすごく気持ちいいんです。それが目の前にお客さんがいてくれたらなおさらですよね。だからパフォーマーとして役者として、その都度スイッチを変えているっていう感覚はそんなになくて、単純にステージで表現することが好きでやっているって感じです。それと僕、汗をかくこととか涙を流すこととか、体の中から液体を出すのも凄く好きで。
モト (爆笑)

──液体、ですか!?
松本 …あ! (爆笑)、ヘンな意味じゃないですよ〜。汗も涙も、人間が自分から水分を出す瞬間って絶対気持ちがいいじゃないですか。自分はいつも水分を出す瞬間って、充実感とか達成感とか、そういうものがマックスに感じられる瞬間だなぁって思いますし、それがやっぱり感動につながっていくんだろうなと思うんですよね。
モト 今言われて初めて思ったけど、確かに気持ちいいよ、水分出すのは(笑)。『歌姫』も笑って泣けるエンターテインメントだしね、お客様にはぜひ遠慮せず液体を出していただきたいですね。
松本 ぜひぜひ。

──思いを受け、放出できる舞台。
モト ホント、誰もが感情をたくさん使いながら観て、誰かしらに感情移入したり共感できる要素がいっぱいある話だからさ。我々がしっかり笑わすパートを担って、松くんたちで涙して。そうやって楽しんでいただけたらいいですね。
松本 楽しんで欲しい。僕も、シンプルにそう思います。こうして豪華なキャストの方々に集まっていただいていますし、みなさんひとりひとりの物語をじっくり観てもらって、また、それぞれの生き様からいろんな人生を感じてもらい、笑って、泣いて…お客様それぞれの胸の中に残っていけたら嬉しいです。


[取材・文=横澤 由香]
[撮影=坂野 則幸]


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公演概要

劇団EXILE「歌姫」

<公演日程・会場>
2014/3/21(金・祝)〜3/30(日) 赤坂ACTシアター (東京都)

<キャスト&スタッフ>
脚本:宅間孝行 
演出:成田岳(フジテレビジョン)
ゼネラルプロデューサー:EXILE HIRO
出演:
松本利夫(MATSU from EXILE) 谷村美月
KENCHI(EXILE) 鈴木伸之
かとうかず子 佐藤仁美
三浦理恵子 平田敦子 八木将康 中村昌也
川平慈英
大和田獏 京野ことみ モト冬樹




2014-03-27 21:09 この記事だけ表示
 
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