単独公演を行うエレキコミックにインタビュー! のはずが、いつの間にかコントライブの会場に?![インタビュー]


(左より)やついいちろう、今立進

 エレキコミックが単独ライブ、第23回発表会「Right Right Right Right」を5/21の東京公演を皮切りに、大阪、名古屋の三都市で開催する。大型音楽フェスにも出演しDJとしてもカリスマ的人気を誇るやついいちろうと、“ツッコミの化け物”今立進。ラーメンズの片桐仁と組んだラジオ番組“エレ片のコント太郎”でも大人気を博す二人に、ライブ初日を3週間後に控えた5月初めにインタビューを敢行した。しかしそこは、いつの間にかコントライブの会場に?!
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右に曲がって、右に曲がって、右に曲がって…元に戻っちゃう

――タイトルの「Right Right Right Right」というのは?
やつい “右(Right)に曲がって、右に曲がって、右に曲がって、右に曲がる”っていう意味なんですけど。元に戻っちゃう。結局、同じとこ来てるじゃん、みたいな。そんなバカバカしさだったり、そうやって時間だけが経ってしまったという感じだったり。止まってても一緒だったかもしれないけど、でもその分の経験は蓄積されてるから、同じように見えても違うよって。あと、僕たちライブがメインなんで、原点回帰というか、ここからという意味もあったり。まぁいろいろ感じていただけたらいいなと思います。

――深いタイトルなんですね。
やつい ええ。全部、後付けなんで。そうとも取れるなって。

――今回で23回目ですが、回を重ねて変化していった部分は?
やつい うーん、まず稽古するようになった。第一回は当日、まだ出来てなかったですから。
今立 朝まで作ってましたよ。
やつい しかも会場を当日しかとってないんですよ。仕込みをしてチェックをして、昼公演もあるのに、そもそも朝9時にならないと会場に入れない。
今立 地獄のようなことをやってましたね。
やつい 実質3時間で全部、用意しなけりゃならない。無理でしょ。ていうのをやってましたから。そこから比べれば、大変化ですね。
今立 大変化です。
やつい 出来上がってなかったんですから。
今立 出来上がってます、最近は。ってそれが普通なんだよ。
やつい 稽古をした方が上手くいくってことにも気付いたし。

――それは何回目ぐらいからですか?
やつい 9年前です。9年前ぐらいから、稽古をし出したんです。
今立 よく消えなかったわ、俺ら。
やつい エレ片っていうユニットがあって、そこで「コントの人」っていうのが始まったんです。片桐仁っていう“役者”のヤツがいて、芸人と違って勘が悪いから、まず台本にしないとできないし、セリフを与えないとしゃべれない。で、2週間ぐらい稽古日がないとできないんですよ。芸人と違って。(笑)
今立 昔、ラーメンズっていうのをやってたんですけどね。(※解散しておりません)
やつい だから、そのために初めて台本を早めに上げたんですよね。そしたら俺たちもわりと上手くいった。
今立 感謝ですよね。
やつい あ、俺らもわりと上手くいってなかったなって。
今立 そこで気付いた。
やつい それがわかったのが9年前です。で、よくよく考えたら3週間前に上がってた方がいいんじゃないかなって思って、それが2年ぐらい前。そしたら3週間前のがいいんですよね。
今立 余裕があって。
やつい だから今は3週間前には上げてる。昔は、覚えることに使ってたんですよ、公演初日は。
今立 まぁそうですね。
やつい 覚えるために初日があって、二日目からはちょっと覚えてるっていうカンジだったんだけど、今は初日から覚えてる。そういう意味では面白いですからね、初日から。それが2年前です。
今立 初日も面白いと思いますよ。
やつい 18才からネタ作ってますから、ここまで22年やってきて、20年目のところでわかりました。その前は、稽古をしない方がいいんじゃないかって思ってましたね。

――しない方がいい?
やつい いや、疲れちゃうし、ウケるかわかんないし。ウケるかわかんないこと練習してもいやだし。

経験的に言って、二回目。これがもう一番面白いです

――ネタを作る時に意識していることは?
やつい 全体の尺ですね。3時間やってしまった場合、夜7時半の開演だと10時半になってしまいますから。 そうすると劇場の追加料金を取られる。
今立 現実的すぎるよ。
やつい 短くなることはなくて、長いからここちょっと切ろう、っていうのは多少ありますけどね。そういう意味では初日はもう全部入ってますから。
今立 だから初日が一番長いですよ、いつも。
やつい いろんな事を試してますんでね、是非見てほしいです。初日、二日目、三日目。
今立 お客さんの前でもネタが変わっていったりもしますからね。初日と最終日で、このネタ、こういう方向に行ったのかって。

――どんな変化なんですか?これはウケた、ウケなかったとかで?
やつい そうですね。思ったより伝わんないね、みたいな。

――東京で7回公演ありますが。
やつい 最初と最後では大分違うと思いますよ。初日と二日目でも違うと思うし。
今立 そこが一番変わるよね。
やつい 経験的に言って、二日目が一番面白いです。
今立  緊張感もあるし。
やつい だいたい二日目か三日目、木金が面白いです。確実に、いつもそうですよ。初日はやっぱりね、 こっちも硬いところがあるんで、どんなもんだろうと思いながらやるんですけど、そこでわかったことをいろいろ改善してやる二回目、これがもう一番面白いです。で、初日、二日目を比べてみて、これで完成するんですよ 三日目で。最初の方で元気だし、まだフレッシュで、最高なんです。そこから土日になると、別に全っ然面白くないです。
今立 面白くないってことはないだろ。(笑)
やつい 土曜の昼っていうのが一番最低な公演です。
今立 一番チケットが売れてるからね、そこがね。
やつい たまたまね。みなさんが来やすい日が一番よくないんです。
今立 売れ行きとは関係ないです。
やつい チケットが余ってる日が一番面白いのにって、なんでわかんないのかな。土曜の昼は本当につまらないから。
今立 つまらないとか言ってるし。つまらないは、おかしいでしょ。
やつい 全部、平均的には面白いです、ただ木金が面白いよって。
今立 で、今んとこ木金のチケットが買えるよっていう。
やつい たまたまね。偶然の一致。よかった。
今立 今これを読んだ方は買った方がいいですよ、ぜひ平日のチケットを。

今回は親子連れで観れます。全年齢対応。デートでも観に来て

――今回もDVDに収録できないようなネタはありますか?
やつい (今年1〜3月にやったエレ片の公演)「コントの人8」が、あまりにもやり過ぎちゃったっていうか。ポップにまとめたんですけど、純粋に放送できないことが多かった。でももう満足したんで、今回に関してはそういうことはないと思いますけどね。まだわかんないですけど。
今立 デートで観に来てもいいと思います。
やつい 前回は親子ではちょっと見づらいっていうのはあったと思いますけど。うん、親子でも観れる。たぶん。
今立 今回は親子連れで観れます。全年齢対応で。心配せず見に来てほしい。

――今までに印象的なお客さんはいました?
やつい 印象的なお客さん……、ヘンなお客さんいないですよね。
今立 けっこうみんなちゃんと観てくれてる。初期の頃は、お客さんの中から一人だけ檀上にあげて、うちの相方が外にいるから助けに行けって。それを生中継して。
やつい あぁやってましたね。本多劇場の横の小田急線が走ってる崖みたいなところに、ゴルゴタの丘って書いて。俺がキリストの恰好をして十字架に刺さってるっていう。
今立 もう今だったらアウトでしょ。
やつい これ、コントじゃないんじゃないか?ってことで。それでやめました。
今立 途中からなくなりましたね。
やつい 楽しかったんですけどね、予定調和じゃなくて。でもやってるうちに予定調和になるんですよね、飽きて来る。あと、お客さんがキスして王子を起こす、みたいな。僕が王子で。
今立 ほっぺにね。
やつい 本当にキスしてくれる人もいれば、してくれない人もいて。
今立 あたりめーじゃねえか。してくれた方がすごい。
やつい そんなライブをやってました。今はだいぶ落ち着きました。
今立 課してますね、こっちからお客さんに。なんかストレスだったみたいで、お客さんがあんまりライブに来たくなくなっちゃって。
やつい 面白かったけどね。でも評価されないのに金ばっかかかるし、面倒臭いなって思って。やめました。でも今しゃべると面白いですね。今しゃべると面白いこと、いっぱいやってますよ。
今立 やってますね、いろいろ。
やつい 本多劇場の大階段をドンキーコングに見立てて、本当の樽を投げ落として、それに俺がぶつかって倒れるっていう。マジで死にかけた。おもちゃじゃ迫力でないんで本物でやってたら、マジで痛ってぇぇ!!っていう。あとサザエさんのコントで、本当に生きてるアナゴさんとキスするっていう……アナゴがめちゃくちゃ臭いって知ってますか?知らないでしょ。
今立 魚なんでね。
やつい アナゴを捕まえてキスするんだけど、ものすげー臭いんですよ。で、ぶえぇぶえぇって。ずっと吐いてるっていう。
今立 その映像をみんなに見てもらう。
やつい ほんっとうに気持ち悪い。いま思い出しても吐き気がしてきました。
今立 あと、そのアナゴがすぐ死んじゃう。あーまたアナゴ死んじゃってるよ、って。
やつい 死にかけだから、どえらい臭さですよ。それで本当に寿司屋でアナゴ食えなくなりました、それぐらい臭いです。そういうのやったりしてましたね、昔。いまやらなくなりましたね。
今立 安心してみなさん、来てください。なにも課すことはないですから。
やつい 見てるだけ。見て帰れるって、本当に素晴らしい。
今立 昔の俺らだったら何させるかわからなかった。
やつい ノー体験ですよ。ノー体験型。安心して来てください。

≪70歳のやつい≫は何て言うだろう?っていつも思ってる

――最近何かハマってることは?やついさんは最先端のイメージがあるんですが。
やつい 何にハマってるかな、なんだろう。いまは犬を溺愛してますね。犬が好きです。犬と一緒にいたいですね、ずーっと。それが一番ハマってることですかね。
今立 最先端のイメージ、って言われてるのに。
やつい あとは健康かな、一番ハマってるのは。
今立 健康、まぁ大事だよね、それは。
やつい 健康が一番大事だと思ってて、最近はもう年をとってからのことだけを考えて生きてますね。≪70歳のやつい≫は何て言うだろう?っていつも思ってて。≪70歳のやつい≫と話をして、今の39歳のやついはすべての決断をしています。例えばお酒を飲むときに、そんなに飲んだら≪70歳のやつい≫が悲しむなぁと思ったらやめますね。≪70歳のやつい≫が「それじゃ長生きできないよ」って。あと寝ないで遊んじゃおうかなってときも、「いやいや待て待て、39歳のやついはいいかもしれないけど、そのしわ寄せが≪70歳のやつい≫に来るんだよ」って≪70歳のやつい≫が言うから、じゃあやめます寝ますって言うと≪70歳のやつい≫が喜ぶ、っていうことをやってますね。

――≪70歳のやつい≫さんに、お笑いのことを聞いたりとか?
やつい それはないです。≪70歳のやつい≫は健康のことだけ。金と権力の時代を僕は卒業して、他の人がつきあいだなんだで、イエーイ!なんて飲んだり遊んだりしてるうちに、せっせと健康を蓄えてますよ。もう勝手にやってろってカンジですね。で、そいつらが見事に死んだとき、俺はすげー健康で生きてるわけ。したらそいつらの墓石をぶっ壊してやる。
今立 それがよくわからない。
やつい 最終的に勝つ。
今立 死んでんだからいいじゃん別に。
やつい 俺がめっちゃ健康の80歳で、片やボロボロの、金しか持ってないクソジジイがいるとするじゃないですか。そいつは俺の健康はもう買えないんですよ、その金では。せっせとためてきたお金、よかったですね、でも僕はすごい健康です、っていう。で、そいつが死んだときに墓石をぶっ壊してやるためにも、今から蓄えてるんですよ。
今立 そこがよくわかんねーよ。
やつい もうラストの方のコントライブですから。俺らの人生で。

――80歳まで生きるんですよね?
やつい 生きますけど、60歳ぐらいでもうできないでしょ。ということは年に1回で20回ぐらいしかできないですから。ラスト20回。
今立 けっこうあるよ。
やつい もう完全に折り返ししちゃってます。いま23回だから、だいたい計算だと50回はいけないと思うんですよ。そうすると半分以上もう終わってるんです、みなさんが見れる単独ライブは。あとみなさんと出会えるのは、19回ほどですから。そう考えたらどうですか?この世に19匹しかいない動物は、もう絶滅危惧種ですよ。
今立 確かに危惧はされてるよ。
やつい ぜひ、みんなで守った方がいい。
今立 確かに平日が、危惧されてる。
やつい 絶滅危惧ライブです!そういうことです。残り19匹しかいないんですから!
今立 基本、俺たち2匹しかいないんだけどね。
やつい わかります?みなさん。またライブやってんだ、って思うかもしれないけど、違うんです。19匹しかいないんです。そして一年で一匹一匹、死んでいくんですから。20年後はもう最後の一匹しか残ってない。そのときに、あぁ見とけばよかったな、って思わないようにしないといけません。いまから観ときましょう!
今立  強引に持っていきましたね。
やつい ありがとうございました!
今立 こっちからインタビュー終わらすって聞いたことないぞ!


[取材・文=下村祥子]
[撮影=渡辺マコト]

公演概要

エレキコミック
第23回発表会「Right Right Right Right」

<公演日程・会場>
2014/5/21(水)〜5/25(日) 博品館劇場 (東京都)
2014/5/31(土) ナレッジシアター (大阪府)
2014/6/1(日) 愛知県芸術劇場小ホール (愛知県)


2014-05-12 13:09 この記事だけ表示