手塚治虫作品を原作にしたミュージカル『ファウスト〜愛の剣士たち〜』で、A.B.C-Zの河合郁人と五関晃一が三田佳子と初共演![インタビュー]

 “マンガの神様”手塚治虫が魅了され、その生涯に渡り長く描き続けていたのが、結果として未完ともなった『ファウスト』3部作(『ファウスト』『百物語』『ネオ・ファウスト』)。その中から『ファウスト』と『百物語』をベースに、手塚作品の物語を彩るエッセンスを盛り込んだ史上初のミュージカル作品が、この『ファウスト〜愛の剣士たち〜』だ。

 主人公のハインリヒ・ファウストにはA.B.C-Zの河合郁人が、彼と契約を結ぶ悪魔・メフィストフェレスには三田佳子が、そしてメフィストフェレスが人間の男に化けた分身・オフィストフェレスにはA.B.C-Zの五関晃一が扮することになった。5月中旬の某日、都内で行われた製作発表会見の模様を、ここでたっぷりとご紹介!

美男子役になった時、お客さんにどういうリアクションをしてもらえるのか。そこは、まさに自分の演技が試されるところなんじゃないかと思っています(河合)

――まずは今回、演出を手掛けるモトイキシゲキさんに、この作品を上演するきっかけをおうかがいしたいのですが。
モトイキ 10年ほど前に『リボンの騎士』を舞台化させていただいた時、手塚先生には未完の作品が3つあることを知りまして。その中で一番ダイナミックで面白そうなのが『ファウスト』だったので、今回このような形でやらせていただくことになりました。

――どういうあらすじになるんでしょうか。
モトイキ 今から300年近く前に書かれたゲーテの原作をもとに手塚さんが20代のころに描かれた『ファウスト』を、ベースにしています。悪魔と神がファウストという人物について賭けをするわけですが。波乱万丈、色と欲のある、スペクタクルな冒険の旅の物語になります。これをA.B.C-Zの河合くん、五関くんという若々しいキャストで上演します。といいましても、彼らはジャニーズのほうではどっちかというと……。
河合 そうなんです、デビューは遅いほうなんです(笑)。
モトイキ でも実際にお芝居を拝見すると、アクロバティックに飛んだり跳ねたりもできますし芝居もできますので、こういう作品にはもってこいなのではないかと思ったんです。そして三田さんはこれまでかなりいろいろな役をやられていると思いますが、個人的にはぜひ一度、三田さんの悪魔役が見てみたかったんですよね(笑)。
三田 ふふふ。
モトイキ 妖艶で、なおかつ存在感があり、神に近いレベルの悪魔役であればもう三田さんしかいないだろうと思い、お願いした次第でございます。

――ファウストを演じる河合さんは、今回の作品にどんなイメージを抱かれていますか。
河合 今回僕は二役をやらせていただく感じなんです。最初は冴えない男なんですが、そのあと魔法で美男子になるんですよ。だけど僕、グループの中では美男子キャラではないものですから。
三田 ええ? そうなの?
河合 そうなんですよ。結構、美男子なほうだとは思うんですけどね(笑)。グループの中だと三枚目っぽい役回りなので。その自分が美男子役になった時、お客さんにどういうリアクションをしてもらえるのか。そこは、まさに自分の演技が試されるところなんじゃないかと思っています。とても夢のあるファンタジーなので、自分の力を今まで以上に出し切ってがんばっていきたいですね。

――三田さんは、悪魔の役は初めてだということですが。
三田 はい、おかげさまで初めてです(笑)。いつの間にかキャリアを積んで、いろいろな役をやらせていただきましたが悪魔はやったことがなくて。だけど悪魔も魔女も同じだと思っていたら、悪魔は位が全然違うそうなんですね。神と背中合わせになるくらいの役だそうなので、畏れ多くも光栄だと思っております。

――河合さん、五関さんとは初共演ですね。
三田 お二人とも人気も力もある方だとうかがっていますので。でも今回、そもそも悪魔も大変なのにミュージカルなんですからね。いったいどうしたらいいのか。彼らにいろいろと教えていただき、助けていただきながら、なんとかやっていきたいと思っております。よろしくお願いしますね。
河合・五関 こちらこそ、よろしくお願いします!

――五関さんは悪魔、メフィストフェレスが男に化けている時のオフィストフェレスという役ですね。ご自身の役柄に対するイメージはいかがでしょうか。
五関 僕は、三田さん演じるメフィストフェレスに生み出された分身なんですよね。最初は人間の心の中にも悪魔は潜んでいると疑っていないというか。そういう汚い部分があるのが人間なんだという考えだったのが、ファウストと行動を共にしていくことで人間には愛という素晴らしいものがあり、あったかいところがあることに気づき始めるんです。そういう自分自身の内側の変化を表現するのが、本当に難しそうなんですが。気づくタイミングもそうですしね。そういうところも大事にしながら演じたいなと思います。

――では、河合さんも五関さんも役柄が変化していくところに特に注目してほしい、と。
河合 そうですね。特に五関はもともとあまり変化をしない人間なので。昔からこの顔のまんまだしね(笑)。
五関 ハハハ、そうなんです。今回はできるだけ、表情豊かにいきたいと思いますよ(笑)。

本当に私は今回、お二人から教わることがあるだろうし、奪い取れることがあったら、もうちょっとまた若返られるかなあって思っているのだけれど(笑)(三田)

――河合さんと五関さんは、三田さんと共演することに関してはいかがですか。
河合 ジャニーズのお芝居では女性の方と共演することがなかなかないので、僕、今のところまだ一回も三田さんの目がちゃんと見られていません(笑)。
五関 いやあ、本当に緊張します。先ほどのフォトセッションの時にもカメラマンの方に「もっと寄ってください」と言われて、初めてこんなに隙間が開いちゃっているんだと気づきましたから。自分ではすぐ隣にいるつもりだったのに。そのくらいに、ちょっと見えないオーラを感じています。
河合 まさか三田さんと共演できるなんて。ホントいいんですか、僕たちで。
三田 私こそ困っているのよ。不似合いで、どうしようかと思っているのに(笑)。
五関 いやいや、とんでもないです。どうか、よろしくお願いします。
三田 私は逆に、こんなに若い方と接することが少ないですから。ご一緒させていただくなんて夢のようですよ。だから、悪魔役だというのはよりどころでもあってね。だって、悪魔ってだいたい1000歳くらいなんですって。両性具有なので女でも男でもないし。その、男の部分を五関さんがオフィストという形でやってくださるわけですけどね。そして1000歳のくせに、ファウストのことを憎んだり、痛めつけてやろうと思っていたはずなのに、どこかで好きになってしまう。人間のいとしさというものを悪魔でありながら気づくところが、やりどころなのよね。ファウストを抱きしめるシーンもあるのよ。
河合 ふふふふ。
三田 カットされちゃうかしら(笑)。
河合 いやいや、思いっきり抱きしめてください、あとができるくらいに(笑)。

――三田さんは、お二人に会った印象はいかがですか。
三田 若いといっても、しっかりキャリアを積んできているお二人ですからね。デビューして3年目って聞いたからうそでしょ?って言ったの。その前のジュニアのころにいっぱい経験を積んでいるんでしょう?
河合・五関 はい。
三田 本当に私は今回、お二人から教わることがあるだろうし、奪い取れることがあったら、もうちょっとまた若返られるかなあって思っているのだけれど(笑)。
河合 どうぞ、どんどん奪ってください(笑)。
三田 いえいえ(笑)。とにかく今回は内容が濃い作品ですから。精一杯、お客様に伝わるように一緒にがんばりましょうね。
五関 はい!

――五関さんは悪魔の分身ですから、ある意味ずっと三田さんを見つめていろいろ盗まないといけないですね。
五関 そうなんです。とにかく盗みまくります。三田さんのふとした時にでる仕草とか、そういう細かい部分も見つけられたらなと思っています。

――惚れこまないと、ですね。
五関 ええ、そうですね。
三田 ウソばーっかり!(笑)
五関 いやいや(笑)。なにしろ、僕を生み出してくださった方になるんですから。
三田 そうなのよね、関係としてはね。

神とか悪魔が出てくるような振り切ったファンタジーをやらせてもらうのが初なので、本当に楽しみ。みなさんに夢を与えられればと思っています(五関)

――河合さんは、普通の男から二枚目になる役。
河合 そうです。僕、美男子になるんですよ!

――どちらを、どうするんですか。
河合 ちょっと待って、それ、おかしな質問ですよ(笑)。見た目が美男子になった姿が、今のこの状態なんですよ。だから、どう役づくりするかですよね。でも、見た目は変わっても中味は変わらないわけじゃないですか。それが美男子になってからどう心変わりしていくのか。本当に初めてに近いくらいに今回は難しいお芝居なので。なんせ、自分を美男子と思わせないといけないわけですからねえ。
三田 そのままで大丈夫よ。
河合 だって僕、ジャニーさんに「顔の下半身がブサイク」って言われたんですよ。
五関 じゃあ、美男子になる前を相当ひどくするしかないね。
河合 そういう問題じゃないよ!(笑) とりあえず、ジャニーさんにも認められるくらいの美男子のお芝居をして、お客さんを巻き込んでいきたいと考えています。

――三田さん、今回はミュージカルということですが。
三田 もうなんか、だまされちゃったみたいで(笑)。このお二人と一緒だとか、手塚治虫さんの『ファウスト』だとか大きな話を目の前にぶら下げられて、お引き受けしてからミュージカルだということに気づいたの。
河合 結構、歌のシーン、ありますよ。
三田 そうなのよね。最後の一番大事なところでも心情を吐露するという意味合いで歌う場面もあるし。私にとっては難題なの(笑)。
河合 いやあ、だけどかなり面白い作品になると思いますよ。
三田 うまくいったらね。
河合 へえ、三田さんでもそんなに悩むんですねえ。
三田 悩みますよ。悩みっぱなしよ。
五関 ちょっと親近感が湧きました。
河合 ベテランの方でもそういう風に悩んで作るんだなということがわかるとちょっと安心します。
三田 産みの苦しみは、どの仕事でもありますから。そうやって苦しみながらも、本番ではお客様にしっかり楽しんでいただけるようにしなければ、ね。
五関 はい!すごく勉強になりました!

――でも、稽古はこれからにもかかわらず、コンビネーションがすごくいい感じがします。
河合 本当ですか!じゃ、この三人でユニット組みます?
五関 アハハハ!“ファウスト”っていうユニットにしましょうか?(笑)

――では最後に、それぞれ意気込みをお願いします。
五関 僕、ファンタジーというものが大好きで。こんな、神とか悪魔が出てくるような振り切ったファンタジーをやらせてもらうのが初なので、本当に楽しみなんです。みなさんに夢を与えられればと思っています。精一杯、がんばります!
河合 主人公の役をやらせていただいたことが今までなかったので、みなさんのことを引っ張っていけるよう、そして実は人見知りなのでそこも克服しながら。カンパニーみんなでひとつになって、いい作品を作っていきたいと思います!
三田 こうして仲間に入れていただくことになりましたので、若いみなさん、そして私をずっと古くから追いかけてくださっているファンの皆様に、またまた挑戦している私を、寛大な目で楽しんでいただければと思っております。私も、がんばらなきゃ!って思っています。

[取材・文=田中里津子]

稽古初日 出演者コメント

ハインリヒ・ファウスト役/河合郁人(A.B.C-Z)
初めて、ひとりで主人公をやるので、慣れないところもありますが、本番までには仕上げます。

悪魔 メフィストフェレス役/三田佳子
ミュージカルの舞台は、初めて。出演の皆さんからいろいろ教わりながら、楽しい舞台にしたい。

オフィストフェレス役/五関晃一(A.B.C-Z)
ファンタジー作品がとても好き。出演の皆さんと一緒に夢のある舞台にしたい。

イースト国 マルガレーテ王女役/八坂沙織
自身ミュージカルは2作目。お客さんに感動してもらえるようにしたい。

妖怪王 ヘレネ・タマモの巫女 アヤカシ役/佐藤美貴
素敵な作品になるよう、精一杯やりたい。

天使ミカエル役/富田麻帆
天使役で少しプレッシャーがありますが、頑張りたい。

妖怪王ヘレネ・タマモの巫女 スズメ役/山下もえ
ミュージカルは初めて。真面目に、楽しく取り組みたい。

ヴァレンティン役/渡辺邦斗
初ミュージカル。劇中で河合さんと大立ち回りします。剣道をやっていた経験を活かし迫力のシーンを作りたい。

森の剣士 アバレ役/中村龍介
ストイックに頑張りたい。

イースト国の衛兵 トドメ役/吉田悟郎
素晴らしい方々と素晴らしい作品になるように、自分にできることを精一杯やりたい。

森の剣士 カズメ役/久保智裕
より良い作品になるように、力を尽くします。

イースト国の衛兵 サスケ役/優志
熱い思いを持って、やり抜きたい。

妖怪王 ヘレネ・タマモの巫女 キワミ役/遠山さやか
久々のミュージカル。ダンスや芝居などで自分のいい部分を出したい。

森の魔女のおババ役/穴田有里
魔女や妖怪の役は初めてなので精一杯頑張ります。

乳母役/黒田瑚蘭
おもしろいキャラクターになるようにしたい。

森の魔女 ローズお婆役/梅垣義明(ワハハ本舗)
できる方が多いので、その中で頑張ります。

ヘンリー大公役/モロ師岡
自分にできることは、ちょっとだけ経験のある芝居の部分。ヘンリー大公のようなこずるい役は、地では出来ないですが、頑張ります。

メネラス国王役/藤井びん
スケベで、アホな王様役なので、そのままやればできると思っていますが、うまくいきますでしょうか?(笑)

妖怪王 ヘレネ・タマモ役/舘形比呂一
振付と出演者の立場の両輪で頑張らないといけないので、プレッシャーを感じている。出演の皆さんと素敵な作品にしたい。

公演概要

手塚治虫作品よりミュージカル「ファウスト」〜愛の剣士たち〜

<公演日程・会場>
2014/6/27(金)〜7/7(月) AiiA Theater Tokyo (東京都)
2014/7/12(土)〜7/13(日) 森ノ宮ピロティホール (大阪府)

<キャスト&スタッフ>
原作:手塚治虫 「ファウスト」「百物語」
演出:モトイキ シゲキ
上演台本・作詞:児玉 明子
音楽:松谷 卓
出演:河合郁人(A.B.C―Z) 三田佳子 五関晃一(A.B.C―Z)
八坂沙織 佐藤美貴 富田麻帆 山下もえ
渡辺邦斗 中村龍介 吉田悟郎 久保智裕 優志
遠山さやか 穴田有里 黒田瑚蘭
梅垣義明(ワハハ本舗) モロ師岡 藤井びん 舘形比呂一



2014-05-23 11:20 この記事だけ表示
 
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