子供のためのシェイクスピアシリーズ「ハムレット」稽古場レポート[稽古場レポート]

 シェイクスピア生誕450周年&子供のためのシェイクスピアシリーズ20年を記念する作品「ハムレット」。7月2日、KAAT神奈川芸術劇場での公演を皮切りに、大阪や名古屋、北九州など全国で公演をし、9月に東京東池袋のあうるすぽっとで大千秋楽を迎える。

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稽古場レポート

 物語の主人公はデンマークの王子ハムレット(若松力)。ハムレットは父の死から間もなく母が叔父クローディアスと再婚したことに心を痛め、憂うつな毎日を過ごしていた。ある夜、彼は父の亡霊に出会い、父は叔父に殺されたと知らされる。ハムレットは真実を知ろうと奇妙な行動をとりはじめる。恋人のオフィーリア(宮下今日子)はハムレットの奇妙な言動に不安を覚え、オフィーリアの父はその原因を探ろうとする。そんなとき、ハムレットに父の死の真相を確かめる絶好の機会がやってくる・・・。

 子供も大人も楽しめるという作品、“子供のためのシェイクスピア”の稽古場は一体どんなところか。今回は稽古三週目に入った稽古場に密着した!
稽古場に入ってまず目に付いたのは四角い机と椅子たち。子供のためのシェイクスピアシリーズに毎回欠かせない存在で、今回はこの机と椅子が舞台セットの全てだ。それを動かすのはスタッフではなく、俳優自身。出演者たちは芝居や台詞はもちろん、机と椅子の動かし方も覚えなければならない。
どこの転換で誰がどの机を動かせば上手くいくのか、演出家のみならず出演者たちからも意見が飛んでいた。

 また、机や椅子とともにシリーズに欠かすことのできない、シェイクスピア似の人形や黒い帽子と黒いコートの集団も健在。彼らがハムレット自身の心の声や亡霊たちの言葉を口にすると鳥肌が立ってしまうほどの不思議な迫力があった。


若松力(ハムレット)
 この日稽古をしていた場面は、父は叔父に殺されたのではないかというハムレットの疑問が確信に変わる、物語の中心部だった。 若松力演じるハムレットは、狂気を演じているのか、本当に狂気とりつかれてしまったのか、どちらか分からないようなギリギリのラインにいる不安定さ、諸刃の刃のような危うい雰囲気を持ち、観ている側にもピリピリとした空気が伝わってきた。

宮下今日子(オフィーリア)
 オフィーリア役の宮下今日子は子供のためのシェイクスピアシリーズ初参加。シェイクスピア作品への出演も初めてだという。だが、すでにカンパニーにも、シェイクスピアらしいリズムの良い台詞にも馴染んでいるようだ。




山崎清介
 演出・出演の山崎清介は演出家席にいるよりも、立ち上がって出演者たちの中に出て行って演出をつけることが多く、その熱心な演出に、出演者たちも一層集中を増していた。

 演出はもちろん、出演者たちの予期せぬ表現に思わず笑ってしまう場面もあり、遊び心がいっぱい。
真剣で緊迫した場面と、ちょっと力の抜けた笑いを誘う場面のバランスが絶妙で、20年という長い年月観客を惹きつけてきた魅力はここにもあるのだろうと実感した。

 今回観る事ができたのは全体の物語のうちのほんの一部だけだったが、最初から最後まで通して観るのが本当に楽しみな作品だ。

[写真・文=神奈川芸術劇場]

公演概要

子供のためのシェイクスピア『ハムレット』

<公演日程・会場>
2014/7/2(水)〜7/6(日) KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ(神奈川県)
2014/7/29(火)〜7/31(木) 近鉄アート館(大阪府)
2014/8/2(土) びわ湖ホール 中ホール (滋賀県)
2014/8/23(土) 小金井市民交流センター (東京都)
2014/9/11(木)〜9/15(月) あうるすぽっと(東京都)
他ツアー公演あり。

<キャスト&スタッフ>
作:W.シェイクスピア〜小田島雄志翻訳による〜
脚本・演出:山崎清介
出演:伊沢磨紀、福井貴一、山口雅義、戸谷昌弘、佐藤あかり、若松力、
宮下今日子、長谷川祐之、斉藤悠 / 山崎清介

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2014-06-17 18:43 この記事だけ表示
 
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