ついに開幕!舞台「青の祓魔師」 青の焔 覚醒編初日レポート![観劇レポート]

 原作者・加藤和恵先生によるお祝い描きおろしイラストが飾られたロビー。大勢のファンが開演を待ちわびるなか、『青エク』二度目の舞台が、ついに幕を開けた。


青の焔 覚醒編初日レポート!

 最初に描かれたのは、奥村燐(崎本大海)と養父・藤本獅郎(和興)の親子の物語。悪魔の力に目覚めた燐に、「魔神(サタン)の落胤」であるという真実を告げる獅郎。突然の告白を受け入れられない燐は、「二度と親父ぶるんじゃねえよ!」と反発し、獅郎の心の隙を生んでしまう。魔神(サタン)に体を乗っ取られた獅郎だが、自らに止めを刺すことで魔神(サタン)を封じ、「息子」を守り抜く。「親父――!!」という燐の叫びが、切なく観客の胸に迫った。

 「魔神(サタン)をぶん殴る!」と誓った燐。祓魔師(エクソシスト)を目指すために入学した正十字学園で、双子の弟・奥村雪男(井上正大)が先生と知って驚愕しつつも、普段通りに話しかける燐。一方の雪男は先生として、いたってクールに応対する。天真爛漫な燐に、突き放したようなツッコミを入れる雪男。真逆な二人のやりとりに、クスクスと笑いが起きる一幕もあった。

 しかしこと獅郎の死となると、一触即発。冷静に振舞っていた雪男も、「兄さんが神父(とう)さんを殺したんだ!」と珍しく感情を爆発させる。雪男が奥底に隠す苦悩を、井上が見事に自分のものとし、好演した。他方で、共通の敵を相手にすると、自然と連携をとる二人。やはり兄弟なのだと、その絆を実感させた。

 クラスメートとの絆も、徐々に深まっていく。勝呂竜士(伊阪達也)は当初、燐のことが気に入らず、険悪なムード。しかし「魔神(サタン)を倒す」という同じ夢を持っていたことをきっかけに、燐のことを認め始める。不良っぽい外見やがさつな言動とは裏腹に、生真面目で努力家、そして仲間思いの勝呂を、伊阪が存在感たっぷりに熱演した。




 勝呂の幼馴染・志摩廉造(前内孝文)や三輪子猫丸(丸若薫)は、喧嘩っ早い勝呂の諫め役。悪魔に襲われた際は、体を張って一緒に戦うなど、こちらも絆の強さを見せつけた。

 女生徒の関係は微にして妙。勝ち気な神木出雲(はねゆり)は、親友の朴朔子(中島愛蘭)以外には厳しい態度。特に、「お友達になってください!」という杜山しえみ(富樫あずさ)のことが気に入らず、パシリ扱い……。ツンデレな神木、優しい朴、ほわわんとした天然のしえみ。個性の違う女性陣が花を添える。

 さらに、テンションの高さとノリノリのオーバーアクションで、登場のたびに観客の視線と笑いをかっさらったのが、メフィスト・フェレス(汐崎アイル)だ。しかしそのメフィストこそが、様々な事件の策謀者。教師のネイガウス(荻野崇)を操ったり、弟の悪魔・アマイモン(二階堂隼人)をけしかけたりして、燐の能力を試そうとする。




 窮地を救ったのは、霧隠シュラ(杉本有美)。獅郎の弟子だったシュラをきっかけに、獅郎の真意もまた明らかになっていく。友達、仲間、兄弟、そして親子――。迫力のアクションや、映像とダンスを駆使した悪魔や悪魔祓いの多彩な演出など、目を引く要素は多々あれど、やはり根本は「人」の物語なのだと感じさせる展開だった。

 そしてクライマックス。友情が深まるにつれ、魔神の落胤である自分を受け入れてもらえるのか、燐は不安を抱く。その予感は的中し、魔神の証である青い焔が燐から噴き出すのを見た仲間は、彼から離れてしまう……。最後は涙をにじませながら、燐を熱く演じきった崎本。カーテンコールでは感極まったのか、うまく言葉が出てこない。伊阪はそんな崎本を、「奥村! しっかり挨拶せえや!」と、勝呂口調で鼓舞してフォローする。さらに井上は、そんな崎本のネクタイを正し、肩をポンポンと叩く仕草。弟のほうがしっかり者、という奥村兄弟を、カーテンコールでまでも表現していた。

[取材・文=荒川陽子]

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公演概要

舞台「青の祓魔師(エクソシスト)」 青の焔 覚醒編/京都 不浄王編

<公演日程・会場>
2014/6/21(土)〜6/29(日) サンシャイン劇場 (東京都)

<キャスト&スタッフ>
出演:崎本大海、井上正大/伊阪達也、はねゆり/富樫あずさ、前内孝文、丸若薫、中島愛蘭/汐崎アイル、二階堂隼人、萩野崇/大橋一三、吉岡毅志、内堀克利、荒川泰次郎、村田洋二郎、綾那/杉本有美/和興


©加藤和恵/集英社・舞台「青の祓魔師」製作委員会


2014-06-23 10:59 この記事だけ表示
 
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