ミナモザ『みえない雲』瀬戸山美咲・大森美紀子・中田顕史郎にインタビュー[インタビュー]

 社会的なテーマを中心に据えながらエンターテインメントを追求するミナモザが12月10日(水)よりシアタートラムにて『みえない雲』を上演する。
 ドイツの青少年向け小説が原作のこの作品。ある日、原発事故が起きて逃げ惑う14歳の少女が主人公の物語は、まるで現代の日本を予言していたかのようだ。

 出演には周防正行監督の映画『舞妓はレディ』主演で注目を集める上白石萌音、宝塚歌劇団出身の陽月華など。さまざまなところから集まった多彩なキャストも魅力だ。

 今回は、本作品に出演する演劇集団キャラメルボックスの大森美紀子と、ミナモザをドラマターグ(作家の相談役)と俳優として支えて来た中田顕史郎、そして主宰の瀬戸山美咲に話を伺った。

インタビュー

瀬戸山  みっこさん(大森)にミナモザに出ていただくのは今回が初めてで、ようやく念願がかなってという感じなのですが、ミナモザは以前から観に来ていただいて……。
大森  3回観させていただきました!
瀬戸山  ミナモザの印象ってどんな感じですか?
大森  どの作品も演劇なんだけど、美咲ちゃんのエッセイを読んでいるような感覚があったのが不思議でした。「テーマはこれです!」とかっていう強い主張とかそういうのではなく、「私は、こう生きている」っていうのをすごく感じる。そういうところが特別だなって思います。
瀬戸山  みっこさんと顕史郎さんは、空想組曲という劇団で共演されたことがあるんですよね。その時のお互いの印象はどうでしたか?
中田  とにかくみっこさんと芝居できるのがすごく楽しかった。


大森  ありがとうございます。顕史郎さんはとても頼りになりました。ドラマターグをされているからか、広い視野でお芝居を観てるからそれがすごいなって。役者って時として自分のことだけになって視野が狭くなっちゃうことがあるのだけど、顕史郎さんは他の役者のことや、それ以前に芝居全体のことを最初から見ている。
瀬戸山  みっこさんはキャラメルボックスの本公演に出る時と客演する時の意識の違いってありますか?
大森  ない(笑)。でもしいて言うなら、劇団内は共通言語がみんな同じだけど、客演はやり方とかもみんな違うから、外国に旅行に行くみたいな感じはありますね。
瀬戸山  ミナモザの前回公演の、『WILCO』で鍜治本大樹くんに出てもらった時も思ったんですけど、キャラメルボックスの役者さんが積み重ねて来た力ってすごいなって。熱い中にも冷静さがあり、とても信頼できました。
大森  でも私はふら〜っといるだけな感じなので、ほんと役に立ちませんよ(笑)。
瀬戸山  いやいやいやいや。


中田  まず、みっこさん現場にいるのがいいんだよ。明るくて。集中力あって。
大森  そんなことほんとにないよ。
中田  そういうところ。みっこさんは、なんていうか、全然偉そうじゃない。
大森  だって偉くないもん(笑)。
瀬戸山  そんなみっこさんに今回は一役ではなく、いろいろな大人の役をやっていただこうと思っています。この原作に出て来る大人は子どもから見ると現実を見ていない、大事なことを隠してる大人っていう風に見えているんですよね。でも、その大人たちもみんな一生懸命に自分が正しいと思うことをやってるだけで。そういうところをしっかり見せて行きたいです。
大森  いろんな考えの人が出てくるのが面白いよね。あと、私は原作を読んだ時、ひどいできごとがたくさん起こるんだけど、そんな中で生きることに関してなんかちょっとキラキラしたものが見える瞬間というか、そういうところに感動したんだよね。
瀬戸山  そうですね。今回の舞台でも、そういう生きていく強さというのを描いていけたらいいなって思います。

[写真撮影=岩田えり]

プロフィール

■瀬戸山美咲
2001年、自らが作・演出を担当する劇団「ミナモザ」を旗揚げ。丁寧な取材に基づき、リアリティを重視した舞台づくりを行う。パキスタンで起きた日本人大学生誘拐事件を描いた『彼らの敵』は第58回岸田國士戯曲賞最終候補になる。

■大森美紀子
演劇集団円養成所を経て、1985年に演劇集団キャラメルボックスに入団。多くの作品の主演を務め、同劇団では欠くことのできない存在。近年の「無伴奏ソナタ」「鍵泥棒のメソッド」「流星ワゴン」「広くてすてきな宇宙じゃないか」などに出演。

■中田顕史郎
1985年より舞台俳優として活動を始め、1989年旗揚げの劇団「青空美人」では看板俳優。2001年からコンテンポラリーダンス作品のドラマターグを務め、2011年以来、ミナモザにはドラマタークおよび俳優として参加している。

公演概要


ミナモザ公演『みえない雲』

「何も知らなかったとはもう言えない」

ある日、ドイツの原子力発電所で起きた放射能漏れ事故。14歳の少女ヤンナ・ベルタの穏やかな日常は一変する。
家族を失い、住む場所を失い、さまよう中で出会った人々。極限状況に置かれ、「知ってしまった」少女の行く先は――。

チェルノブイリ原発事故の直後に執筆された架空の原発事故の物語。
ドイツでこれまでに150万部以上売れ、世界13カ国で翻訳されている青少年向け小説を、27年前のドイツと現在の日本を行き来する形で、舞台化します。

<公演日程・会場>
2014/12/10(水)〜12/16(火) シアタートラム(小劇場) (東京)

<キャスト&スタッフ>
戯曲・演出:瀬戸山美咲
出演:上白石萌音/陽月華/塩顕治/中田顕史郎/大原研二(DULL-COLORED POP)/浅倉洋介/橘花梨/石田迪子/つついきえ/佐藤真子/間瀬英正/大森美紀子(演劇集団キャラメルボックス)

☆アフタートーク決定!
終演後に、演出家・瀬戸山美咲が毎回ゲストを迎えて、熱いトークを繰り広げます。
・12/11(木)14:00公演 ゲスト:陽月華
・12/11(木)19:00公演 ゲスト:谷岡健彦(東工大教授)
・12/12(金)19:00公演 ゲスト:上白石萌音
・12/13(土)14:00公演 ゲスト:高田ゆみ子(翻訳家)
・12/13(土)18:00公演 ゲスト:大森美紀子
・12/14(日)18:00公演 ゲスト:上白石萌音

※該当公演をご観劇いただくお客様が対象となります。
※終演後20分程度



2014-11-25 21:48 この記事だけ表示
 
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