倉持裕の新作『虹とマーブル』で、小出恵介と黒島結菜が欲望をむき出しに!?[インタビュー]

 倉持裕の新作『虹とマーブル』で、小出恵介が高度経済成長期を生きた主人公を演じ、黒島結菜が初舞台にしてヒロインに扮する。『鎌塚氏』シリーズや『ライクドロシー』など、近年はコメディの印象が強い倉持にとって、「新たな挑戦」になるという本作。倉持が挑む新境地とは、そして初の倉持作品となる小出と黒島の思いとは──。ビジュアル撮影後、合同取材に応じた3人に聞いた。

“時代遅れ”を楽しむ芝居に

――今回の作品が、倉持さんにとって「新たな挑戦」となるのはどのような点でしょう?

倉持歴史ものというか、1960年代から80年代を舞台にしていることと、30年間ぐらいの長いスパンを描くことですかね。そこに挑もうと思ったのは、みんながギラギラしていて、エンターテインメントにしやすい時代なんじゃないかと思ったから。いい意味で大雑把な作品が書きたくなったというか……ちょっともう、チマチマしたくないなっていう(笑)。小出君と黒島さんには、「金持ちになるんだ!」とか「スターになるんだ!」という欲望をむき出しにして、泥臭く演じてほしいと思ってます。

――お二人は、倉持さんの作品には初出演となりますね。

小出倉持さんの作品は何度も拝見してるんですが、観終わった後に明るい気持ちになる時と、モヤっとした気持ちで終わる時があって。作品によって違う、という印象がありますね。今回どういう感じになるのかはまだ分からないですけど、倉持さんがイメージしている世界になるべく近づけるよう頑張りたいと思います。

黒島私はまだ舞台自体をそんなにたくさんは観ていないんですけど、倉持さんの『鎌塚氏』シリーズは観させていただいたことがあって。

倉持あ、本当?

黒島はい、すごく笑ったのを覚えています。私は今回が初舞台ですし、長いスパンの役を演じるのも初めて。すごく緊張しますけど、皆さんに教えてもらいながら、頑張っていい作品が作れたらと思っています。

――お二人が演じる「鯨井紋次」と「芹沢蘭」は、それぞれどんな役どころなのですか?

倉持小出君が演じる紋次は、チンピラからのし上がっていく役。汚いこともやりますけど、ワイルドな感じと知的な部分の両方がある小出君が演じれば、それもチャーミングに見えるんじゃないかと思います。

小出昭和を生きた人の役は何度か演じたことがあるので、雰囲気はなんとなく分かります。スケール感の大きな作品になりそうで、楽しみですね。


倉持その紋次が、自分の力を誇示するためにスターにしようとするのが、黒島さん演じる蘭という女の子。初めは乗り気じゃないんだけど、本当にスターになったことで、欲を持ち始めてしまうんですね。ズルかった紋次が我に返り出して、朴訥だった蘭が狡猾になっていくというふうに、二人が逆に向かっていくと面白いんじゃないかと思ってます。

黒島私自身あまり欲がないので、今のお話を聞いて、前半の蘭は「そのままかもしれない」って思いました。でも後半は、私にとって大きな挑戦になりそうです。


――1960〜80年代という時代について、どんなイメージを持っていますか?

小出自分が生きる意味とか、社会に対する立ち位置みたいなことを、みんなが考えていた時代なんじゃないかな。自分の名を成すということに対する照れもなく、素直に動いていたというイメージがありますね。

黒島私は……昔だな、と思います(笑)。でもきっと、みんなが時代を変えたいという強い思いを持っていて、それで本当に大きな変化があったんだろうなって、想像はしています。私は流れに身を任せるタイプだから、その時代に生まれていたら、多分すぐ潰されていただろうなって(笑)。

小出僕はあの時代に生きてたら、けっこうめちゃくちゃやってたと思いますね(笑)。行動的になれる後押しっていうか、追い風がある感じじゃないですか。そういうのに乗っかって小ズルく生きてたんじゃないかな、いい思いしたい!って(笑)。

倉持僕もいろいろ喋ってますけど、実際にその時代を知ってるわけじゃないですからね。だからまあちょっと、ファンタジーにはなると思います。ただ、今と対照的な時代という感じはしているので、ある程度誇張して正反対なものとして描くことで、現代を批評するようなこともできればと。観てくださる方には、ギラギラしていてエネルギッシュな、“時代遅れ”な世界を楽しんでいただけたらと思います。

――ところで、作品をイメージした衣装を着て、ビジュアル撮影に臨んだ感想は?

小出僕は……赤と青だなって。はっはっは! ちょっとフランスっぽいというか、勝手にジャン=ピエール・レオみたいな気持ちでした、違うんですけど(笑)。

黒島私は、普段全くこういう格好をしないので、新鮮な感じがしました。

小出大人っぽいよね。

黒島あ、本当ですか?

小出うん、服がね。……嘘嘘(笑)、似合ってます!

[取材・文=町田麻子]
[撮影=坂野 則幸]
[ヘアメイク=千葉友子]
[スタイリング=兼子潤子]

公演概要

M&Oplaysプロデュース「虹とマーブル」

撮影:三浦憲治

<公演日程・会場>
2015/8/22(金)〜9/6(日)世田谷パブリックシアター(東京都)
他、島根 広島 福岡 宮城 大阪 愛知 静岡 公演予定

<キャスト・スタッフ>
作・演出:倉持裕
出演:小出恵介、黒島結菜、木村了/小林高鹿、ぼくもとさきこ、玉置孝匡/小松和重、ともさかりえ

2015-05-01 19:38 この記事だけ表示