魔法の絨毯、東京に舞う! 劇団四季『アラジン』プレビュー公演レポート[公開稽古レポート]

 ブロードウェイで開幕後、世界最速での海外プロダクション公演となった “劇団四季版”『アラジン』がいよいよ開幕! 本公演に先がけて行なわれた5月21日のプレビュー公演も大盛況、東京の空に魔法の絨毯が舞い踊った。

サービス精神満点のステージは見どころがいっぱい!

 1992年、貧しい青年・アラジンと魔法のランプに住む魔人・ジーニーが愛と勇気とユーモアで手に入れる“アラビアン・ドリーム”を描いた昔話『アラジン』がディズニーのアニメーションとして公開された。以来、日本人にも広く愛されてきたこの物語が、20年以上の時を経て新作ミュージカルとなり、いよいよその全貌がお披露目されるときを迎えた。

 ジーニーの前口上と心弾むイントロが流れる中、目の前のアラビアンデザインの幕がサーッと開けば──そこはもうアラジンたちの住むアグラバーの町。砂漠と空と星と王宮と、色彩豊かなマーケット、そしてそこに集う人々の活気に止まらない歌とダンス! アニメーション版から引き継いだキャラクターデザインとミュージカルナンバーにさらに舞台版ならではのアイデアを盛り込んで紡がれるこのミュージカル『アラジン』は、まさにオープニングから全シーンが見どころと言えるサービス精神満点のステージとなっている。

 前半のクライマックスはやはりアラジンのお陰でランプから飛び出してきたジーニーが大活躍する一曲『理想の相棒─フレンド・ライク・ミー』。歌とダンスはもちろん、ラップにギャグにタップにマジックに…と、さまざまなエンタメの魅力を贅沢に大胆に放り込んで思い切りシェイクした超ビッグナンバーだ。この日ジーニーを演じた瀧山久志はエンターテイナーとしてのスキルやテクニックだけでなく、演者本人の個性や人間味がにじみ出なければとても手に負えないこのスケールの大きな難曲を、チャーミングかつパワフルなパフォーマンスで圧制。ファンキーで慈愛あふれる“ジャパニーズ・ジーニー”を見事に創り上げていた。

 市場で偶然出会ったジャスミン姫に恋をしたアラジンは、ジーニーの魔法によってプリンス・アリーとなりお城に乗り込む。ジャスミンもまた一度会ったきりのアラジンのことが忘れられず、求婚にやってきたプリンス・アリーの“正体”に気づき──ふたりは魔法の絨毯で夜空のランデブーへと繰り出すのだった。この最高にロマンチックなシーンでふたりが歌う『新しい世界─ア・ホール・ニュー・ワールド』は、「『アラジン』と言えば…」の、誰もが知るあの名曲。若さゆえのおろかさと誠実さで真っすぐに突き進む島村幸大のアラジンと、岡本瑞恵演じる聡明で行動的な気高いプリンセス・ジャスミンは、アグラバーの上空に煌めく無数の星にも負けない、若々しくも瑞々しい輝きを放っていた。

 もちろん、娘には甘い王様、悪役のお手本のようなジャファー&イアーゴらおなじみのキャラクターたちや、ミュージカルオリジナルのアラジンの愉快な仲間カシーム・オマール・バブカック、クルクルと変わり続ける場面に合わせて豪華で煌びやかで鮮やかな衣装を纏いステージを華麗に彩るアンサンブルも素敵。スタイリッシュな宮殿の中やまばゆい黄金で目が眩みそうな洞窟の内部など、異国情緒溢れるセットも細部までじっくり観てみたくなるこだわりが感じられる。なにより、ジーニーの奇想天外な魔法や大勢の人々が入り乱れるアクションシーンなど、「さすがにこれはアニメーションでしか描くことができないのでは?」と思われるような表現が、すべて実際の俳優たちによって舞台上で実現してしまうことにはただただ驚愕。改めてディズニーミュージカルの果てなきイマジネーションと、それを形にしてしまう演劇人たちの見事な手腕にも感動した。

 幕が開く直前、もともとエンターテイナー気質のあるジーニーがそっと教えてくれているように、ミュージカル『アラジン』はある意味観客参加型。「面白い!」と思ったらどんどん笑って、「スゴイ!」と思ったら歓声もOK、ヒートアップしてきた気持ちは手拍子に乗せて、熱い想いは舞台上と客席とでどんどん共有していこう。親しみやすいコメディータッチで子ども心から大人心まで、あらゆる世代に響く生き方、考え方、愛情や友情が描かれている本作。この、観劇した誰もが幸せな気持ちを持って帰れるゴージャスなひととき。体感しないなんて、もったいない!

[取材・文=横澤由佳]
[撮影=平田貴章]
写真は最終舞台稽古にて

公演概要

「劇団四季 アラジン」

(C)Disney

<公演日程・会場>
2015/5/24(日)開幕!
大同生命ミュージカルシアター 電通四季劇場[海] (東京都)

2015-05-27 12:43 この記事だけ表示