待ってました!『ダンス オブ ヴァンパイア』、待望の再演[製作発表レポート]

 山口祐一郎主演で2006年に日本初演され、千秋楽には当日券を求めて1200人が列をなしたという伝説を持つ人気ミュージカル、『ダンス オブ ヴァンパイア』が4年ぶりに再演される。『エリザベート』『モーツァルト!』のミヒャエル・クンツェが脚本・歌詞を手掛けた吸血鬼ものと聞くと、なんとなく荘厳なゴシックホラーを思い浮かべそうになるが、コメディの要素がふんだんに盛り込まれた愛すべき作品だ。8月中旬、都内の教会で行われた製作発表にキャスト6名と演出家が登壇し、意気込みを語った。

お好きな席が選べる<e+貸切公演>11/7(土)、11/22(日)

『エリザベート』のような演出変更はあり…ません!

 黒い布で光が遮られた窓、飛び交うコウモリ、あちこちにぶらさげられたニンニク…。会場となった教会は、開始前から『ヴァンパイア』の雰囲気が満載! やがてパイプオルガンの生演奏とともに扮装したキャストが入場し、リニューアルされた衣裳に身を包んだ山口祐一郎が最後に姿を現すと、3000通の応募のなかから選ばれたという100名のオーディエンスから盛大な拍手が沸き起こった。演出の山田和也が連れてきた、本作のマスコットキャラ的存在であるコウモリの「リー君」にも大きな声援が。熱狂的な人気を誇る作品の4年ぶりの再演とあって、「待ってました!」の声が聞こえてきそうにアツい反応だ。

※過去公演より

 その人気を支える最大の柱はもちろんこの人、クロロック伯爵役の山口祐一郎。まずは「暖かいなか、ようこそいらっしゃいませ」と、外の猛暑を独特の言葉で表現して笑いを誘う。その後も、新しい衣裳とウィッグの感想を尋ねられれば「このまま帰ったら近所の交番のお巡りさんになんて言われるかな」、“これだけは譲れない欲望”という質問には「玉子焼きはやっぱり、塩味じゃなくて甘い玉子焼きがいい」と、穏やかななかに不思議な可笑しみが漂う語り口で会場を沸かせ続けた。一方で、本作が愛され続ける理由については「みんながただ一生懸命やった結果。今回もそういうことは考えずに、楽しい素敵な作品ができれば」と謙虚にコメント。その真摯な姿勢が、自ずと愛すべき舞台を生むのだろう。

 伯爵に狙われるサラ役に新たに挑む二人は、共にこの役が念願だったといい、出演が決まった時は「車の後部座席で足をバタバタさせて喜びました」(神田沙也加)、「飛び上がるほど嬉しかった反面、身の引き締まる思いでした」(舞羽美海)。そのサラに想いを寄せるアルフレート役の二人も新キャストで、平方元基が「(過去に同役を演じた)浦井健治さんからも山崎育三郎君からも僕に似合う役だと言われていたので、ついに来たなと思いました」と話すと、良知真次が「あれ?僕も浦井健治君にそう言われました」と困惑(?)するひと幕も。そんなフレッシュな4人に対し、伯爵と対決するアブロンシウス教授役を2009年から務める石川禅は、「とても大切な役であり、私がいただいたなかでいちばん精神的に強い役。また演じるのが楽しみです」と静かに意気込んだ。

 衣裳の一部が一新される今回の再演だが、山田いわく、それ以外の演出上の変更はないそう。「『エリザベート』が大きく変わって話題になったので、我々もそうしようかと思ったんですが、アイデアがなかったので今まで通りです(笑)」とのことで、あの熱狂はそのままに、新キャストの参加でさらにパワーアップした舞台がお目見えすることになりそうだ。

[取材・文=町田麻子]

公演概要

ミュージカル「ダンス オブ ヴァンパイア」

<公演日程・会場>
2015/11/3(火・祝)〜11/30(月) 帝国劇場 (東京都)
2016/1/2(土)〜1/11(月・祝) 梅田芸術劇場 メインホール (大阪府)
2016/1/15(金)〜1/17(日) 愛知県芸術劇場大ホール (愛知県)

<スタッフ・キャスト>
脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽:ジム・スタインマン
演出:山田和也
出演:山口祐一郎、神田沙也加/舞羽美海(Wキャスト)、平方元基/良知真次(Wキャスト)、ソニン、コング桑田、阿知波悟美/出雲綾(Wキャスト)、上口耕平、駒田一、石川禅 他

お好きな席が選べる<e+貸切公演>11/7(土)、11/22(日)
2015-08-12 15:12 この記事だけ表示