舞台『攻殻機動隊』演出・奥秀太郎&主演・青野楓独占対談![インタビュー]

 士郎正宗の原作誕生から、25年。押井守、神山健治など、日本が誇るアニメ監督によって幾度も映像化され、圧倒的な世界観で多くのファンを魅了した『攻殻機動隊』。その初めての舞台化とあり、一体どんなステージとなるのか、反響を呼んでいる。美しさと強さと知性を兼ね備えた主人公の草薙素子を演じるのは、舞台『P4U』『BLOOD-C』でアクション女優としての輝きを放った青野楓。そして、同2作品の舞台化を成功させてきた演出家・奥秀太郎。2人の頭のなかにあるビジョンを伺った。

主演・青野楓&演出・奥秀太郎インタビュー
世界初&最先端の仕掛け+人間ドラマを“体感”してほしい

――まず、『攻殻機動隊』という作品の魅力について、どのように感じていますか?

原作の漫画は中学生の頃に読んで、夢中になりました。「士郎先生の頭のなかはどうなっているんだろう?」と驚くほど、想像をはるかに超えた世界観で。僕にとっては“聖書”のような作品ですね。この作品に関わらせていただけて、演出家冥利に尽きます。

青野最近原作を読みましたが、今も色あせない、新しい感覚を受けました。細かい設定も面白かったです。たとえば、バトーの目は望遠ズームもできるけど、実践では双眼鏡を使うとか。

設定に隙がないよね。インターネットもない、携帯も普及していなかった頃に、今の時代を予言するテーマが描けたことがすごい。今の時代だからこそ、深いテーマを伝えられる作品だと思います。

――舞台化にあたっては、深いところまで描いていきたい、と?

アクションはもちろんですが、やはり描きたいのは人間のドラマですね。観客の涙腺に届くものを目指したい。あとは、“世界初”の仕掛けも用意しますので、笑って泣けるエンターテインメントを“体験”しに来てもらいたいなと。

青野私は、まだ稽古が始まっていないので、想像もつかないのですが……。漫画には漫画の、アニメにはアニメのよさがあるので、別物として、舞台の素子を表現したいです。生身の肉体が演じる迫力を楽しんでいただけたらいいですね。

大丈夫だよ。僕は舞台化にあたって、「青野さんしかいない!」と思ったから。「ここに素子がいる、25年の歳月を経て現れた!」と(笑)。

青野ありがとうございます(照)。

――青野さんは、草薙素子とご自身に共通点は感じますか?

青野私は小学生から空手をやっているんですが、あそこまで強くはなれないので、共通点というより憧れですね。「負けたくない」「一番になりたい」という強い気持ちは、似ているかもしれません。

いや、僕は人類史上最も素子に近い存在だと思ってるから(笑)。

青野(笑)。

素子は、時々見せる笑顔や優しさに、サイボーグである自分に悩んでいるのかな? と感じさせる部分がある。人間としての自分を割り切れない憂いがある。その表情を、舞台でも出せるといいなと。

青野9課結成前の若い素子なので、私が演じることで、成長過程の姿がリアルに出せるといいですね。

コミック版をベースにしますが、9課ができあがる過程を、劇場版やTVシリーズよりわかりやすく丁寧に描くつもりです。オリジナル要素も強い舞台になりそうですね。

――他の舞台でもご一緒しているお2人ですが、お互いへの印象を教えてください。

青野奥さんからは、前回の舞台『P4U』で「もっと高くジャンプしたらカッコいいから」とか、いろいろ要望をいただいて(笑)。今回も、どんな要望が来ても応えたいです!

かなり無茶ぶりのつもりが、できちゃうからすごいなと。女優としてとんでもない器を持っている。近い将来、日本を代表する女優になる素質があるし、なってほしい。今回も、無茶ぶりの集大成をしようと思ってます(笑)。

青野えっ!?(笑)

――将来、青野さんはどんな女優になりたいと思っていますか?

青野モデルも両立しつつ、海外に進出し、さらに日本の空手も広めていきたいです。

――楽しみにしています。アクションも、見どころたっぷりになりそうですね。

青野稽古が始まるまで、アクションのレッスンに通っているところです。素子の速さや飛翔力を、全力で表現したいですね。あと、素子の後ろ回し蹴りはとても綺麗ですが、私は蹴りが苦手で(笑)。美しく決まるよう、そこも練習中です!

最先端のギミック、テクニックを駆使して、近未来的設定の再現に、徹底してこだわりたい。再現できないから生身の演技に頼るのではなく、テクニックも最先端でありながら、人間関係もきちんと見せたいなと。

――また、共演するキャスト陣の印象もお聞かせください。

青野南さん(ホセ役南圭介)と吉川さん(サイード役吉川麻美)は、3回連続で一緒なので心強いです。南さんは、“お兄ちゃん”って感じですね(笑)。

南さん演じるホセと、バトーと素子との3人の関係も面白いよね。恋愛的な要素はコミック版より踏み込むつもりなので、いろいろな見方を楽しんでいただけたらなと。バトー役の八神(蓮)さんは、逞しさと繊細さを持った役者さんなので、バトーに適役です。トグサ役兼崎(健太郎)さんは、バトーの相棒として、背中で語る男を演じてもらいたいですね。

――稽古が始まるのが楽しみですね。では最後に、メッセージを。

『攻殻機動隊』の世界に魅入ってもらえる舞台、初めて舞台に触れるファンにも楽しんでもらえるエンターテインメントにします。

青野今まで見たことのないエンターテインメントに仕上げますので、劇場でお待ちしています!

[取材・文=荒川陽子]
[撮影=坂野則幸]

日本初の3D映像を使用した舞台演出、3Dメガネをかけた観劇に!

今回の舞台では、特殊な映像演出として、演劇では日本初となる3D映像を使用。また、攻殻機動隊が持つ独特の世界観を舞台上で再現するために、新たな映像技術を明治大学総合数理学部福地研究室と共同で開発、今回はじめて舞台に投入されます。(※劇場では当日貸出の3Dメガネをかけて観劇)

生身の役者による演技と3D映像とが複雑に絡み合い、 自分の目が信じられなくなるような新たな映像体験に乞うご期待!

公演概要

舞台「攻殻機動隊ARISE:GHOST is ALIVE」


©士郎正宗・Production I.G/講談社・「攻殻機動隊ARISE」製作委員会

<公演日程・会場>
2015/11/5(木)〜11/15(日)東京芸術劇場プレイハウス(東京)

<キャスト・スタッフ>
監修:冲方丁
演出:奥秀太郎
脚本:藤咲淳一
原作:士郎正宗
出演:
草薙素子:青野楓 バトー:八神蓮
トグサ:兼崎健太郎 荒巻大輔:塾一久
イシカワ:伊阪達也 パズ:井深克彦
サイトー:松村龍之介 ボーマ:松崎裕
イバチ:高崎俊吾 クルツ:護あさな
サイード:吉川麻美
ツダ・エマ:桃瀬美咲 ホセ:南圭介

2015-08-24 18:39 この記事だけ表示