市川海老蔵主演『信長』製作発表記者会見レポート

来年1月新橋演舞場、そして2月大阪松竹座で上演される『信長』の製作発表記者会見が、去る11月22日に行われた。
(市川海老蔵インタビュー掲載!イープラス『信長』特集はこちら

この舞台は、市川海老蔵の襲名後、歌舞伎以外での初の時代劇作品となる。
海老蔵は、過去に祖父の團十郎が演じた新歌舞伎『若き日の信長』や『新書太閤記』でも信長役を演じているが、『若き日の信長』を演じた当時、いつか自分のために新しい信長を書き下ろしてもらって演じたいと考えていたとのことで、今回その夢が実現することとなった。

今回の『信長』は、時代を駆け抜けた武将:織田信長と、信長の正室で齋藤道三の娘の濃姫、信長の妹のお市、明智光秀、木下藤吉郎の信長をめぐる四人の男女を中心に描き出す。

製作発表会には、信長を演じる市川海老蔵を初め、作の齋藤雅文、演出の西川信廣、濃姫役の純名りさ、お市役の小田茜、明智光秀役の田辺誠一、そして木下藤吉郎役の甲本雅裕が顔をそろえ、公演に対する意気込みを語った。

作家の齋藤雅文は、信長という人物は「チャーミング」と評する。「時代劇ではあるが、描いていきたいのは、現代の海老蔵さんたちのエネルギッシュなところ。信長の<選ばれたものの恍惚と狂気>というところ、悪魔的で危険なカリスマであるところまでたどりつきたい」と、目指す信長像を語った。

演出の西川信廣は、信長について「武将・政治家として卓越した才能を持ち、一方で経済人として楽市楽座を創設し、今で言うところのビジネスマンとしても優れた人でもあるが、多様な面をすべてひっくるめて「アーティスト」として考えても良いのではないかと思います」と語る。信長が持っていた既成の視点にとらわれず、新しいものが大好きだったアーティスト的な感覚は、海老蔵自身とも通じるとのことで、「海老蔵さんは、ストレートに物を言うクレバーさ、クリアさ、そしてやんちゃなところが信長と共通しています。そのあたりを、上手く演出で生かしていきたい」と、演出プランの見通しを語った。


信長役を演じる海老蔵は、至ってひょうひょうとした面持ちながら、その口から語る言葉はどれも熱く、「信長」に挑む心持が窺える。
信長という人物について、「若い頃は大うつけと言われていたが、今の自分たちから見れば当然と思えるような合理的な部分が、当時の人たちについていけなかっただけで、本質を確実についていた男」だと語る。


子供の頃から、いつか自分のために書き下ろされた信長を演じたいと夢見ていたとのことで、信長の魅力についても、「運命を背負った男が、その運命に背くことも知らず、ただ真っ直ぐに突き進んでいった生き様が魅力的。後を継ぐことになった家康の方が、人間としては完成されているのだろうけど、僕としては、欠けている中にすごく長けているものを持っていた信長の方を魅力があると思える」と語る言葉は熱い。
台本については、「一幕の信長は、私生活の自分を見るようで、とてもいい感じ」と報道陣を笑わせつつ、笑顔の下に、今回の舞台に挑む鋭い闘志をのぞかせていた。


信長の正室・濃姫を演じる純名りさは、濃姫について「とても潔い女性で、私自身も共感するところが多いです。心して演じていきたい」と意気込みを語る。
夫となる信長役の海老蔵については、10年近く前に一度会って以来の再会とのことで、改めて「器が大きく、信長そのものの方だと思いました」とのこと。稽古、本番を通じて、海老蔵を知っていきたい、と語った。


信長の妹・お市を演じる小田茜は、初の時代劇への挑戦の上、5年ぶりの舞台とのことで、緊張した面持ち。
「新橋演舞場という歴史ある大きな舞台で、このような素敵な役者の方たちと一緒にお芝居できることになり、本当に身の引き締まる思いです。二ヶ月という長い公演ですが、極力みなさんの足を引っ張らないよう、精一杯演じきりたい」と語った。


明智光秀を演じる田辺誠一は、今回の舞台について「面白そうな、新しいことができるような気がしてわくわくしている」とのこと。今はまだ信長の魅力の方が大きく、なぜ明智光秀が謀反という道を選ぶに至ったのか、その気持ちを感じてみたいと、語った。


木下藤吉郎役を演じる甲本雅裕は、今回演じる藤吉郎という人物について、「本当のところはわからないですが、秀吉は信長を尊敬していて、大好きだったと思いますが、でもやっぱり、それよりもなりたいものがあって、行きたいところがあったということが先に立った男なのではないかと思います」と語った。自分の意地を貫いた木下藤吉郎は「人間的な面があって、嫌いじゃないです」とのこと。終始穏やかに、正月公演となる本舞台について、「ご覧になったお客様が、一年幸せに過ごせるような楽しいお芝居にしたい」と抱負を語った。


最後、報道陣からの質問に対して、齋藤、西川の両名は、「信長」を敢えて海老蔵自身を意識しながら作るのではなく、作・演出・役者の三者でもみあい、話し合うことで、化学変化が起きて爆発するように、未知の「信長」、そして未知の「海老蔵」を引き出していきたいと語った。
「海老蔵、ここまでやるか!というところまでやらせてみたい」と語った齋藤に対し、海老蔵は「天才を目指します!」と気合十分の応戦。
新しいものを作りたいという意欲に溢れた「信長」、公演の開幕が楽しみでならない。

コメント


コメントを書く

お名前:[必須入力]
メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

トラックバック

市川海老蔵主演『信長』(こひつじの毎日。What's Little Sheep? 2005-12-30 02:07)
『信長』・・・行く事に、なっちゃって、さ。申訳なさそうな、でも嬉しそうな。それは、横浜のお姉さまの電話口の声。相変らずでいらっしゃるのね。お元気そう。つい、こちらまでにんまりしてしまいました。2006...
信長を見に行きましょう^^(五欲なに~やん 30代 2006-01-11 15:43)
市川 海老蔵さん主演の“信長”です 大阪の松竹座で、2月から公演です^^ 初めて、自分でチケットをGETしました囹囹 WEBで申...
 昨夜 (1/16)、市川海老蔵主演の      『信長』     を会社か
チケットその後のその後。(みどりのにじ 2006-01-29 21:25)
信長を私の代わりに観に行ってくれた親からパンフレットをゲットしてきました。私が「買ってきて!」と頼んでおいたものなのですけどね。予想したとおり、好きな俳優さんの写真がありました。アップ写真を見つけたと...
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.seesaa.jp/tb/42561722
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。