【インタビュー】椎名桔平&橋爪功 出演!「舞台 レインマン」[インタビュー]

1988年に公開され、その年の映画賞を総ナメにした映画『レインマン』。この名作が世界初の舞台化をされるということで、話題になっているのを耳にした人も少なくないだろう。この作品を手がけるのが、今もっとも忙しい演出家である鈴木勝秀、そして椎名桔平と橋爪功。これが初共演となる二人への期待もふくらむばかりだ。

そのスチール撮影の現場。事前に絵コンテを見ながらカメラマンとどんどんイメージをふくらませていく椎名。一方、撮影が始まるとすばらしい瞬発力で色々と表情を変えていく橋爪。セリフこそ無いが、それぞれの撮影中の動きを見ていると、そこには「椎名桔平」「橋爪功」ではなく「チャーリー」「レイモンド」の息づかいが聞こえてくるようだ。
それぞれが胸のうちに秘めた、『レインマン』に向けた思いとは?

『レインマン』は今回、世界初の舞台化ということですが、最初にこのお話をいただいた時はどういうふうに思いましたか?

椎名「映画は公開当時に観てましたし、兄弟ものは前々から興味があるジャンルだったので、ぜひやってみたいなあと思いました」

橋爪「僕、原作で舞台があると思ってたの。だから、無いって聞いて、それなら面白いかなーと思ったんですよね。ちょっとまあ、びっくりしましたけどね、初めて聞いた時は」


映画をご覧になった時は、この作品についてどういうふうに感じましたか?

椎名「公開は17年前? じゃあ、役者を志してまだ間もないような時期だったと思うんですけどね。いつかこんな映画をやってみたいなとか、こういう役をしてみたいなとか、そのころ思ったと思いますよ。ダスティン・ホフマンがいろんな賞を取ったという映画で、やっぱり非常にダスティン・ホフマンの演技が記憶に残ってますね。まあ、僕の役はトム・クルーズの演じたチャーリーなんですが。
世界中のみなさんが見てる映画だし、それぞれのイメージがあると思うんで、舞台化にあたってそれをどう変化させて成立させるかっていう。映画での兄弟の年齢より、僕も橋爪さんも実際の年齢が10年ぐらい上なんですね。そのあたりを今回、鈴木(勝秀)さんが書き足して、少し役柄が変化した台本があがってくるんじゃないかと思うんですけど。新しいチャーリー像をこれから考えてお見せしたいなって思いますね」

橋爪「映画はBSで途中から見ておもしろかったんですけど、その後あんまり見る機会なくてこの話になったんです。だから逆に、見るのやめようと思っちゃった(笑)。見ちゃうと善し悪しだから、どうしようかなーって今もまだ悩んでる最中。レイモンドは自閉症だけど、自閉症の人っていろんな才能を持ってる人が多いじゃないですか。今みたいに雑念や情報が多いことでどんどん無くしていく部分を、レイモンドみたいな人は心の中にピュアなまま残ってるような人たちでしょ?そういうのって、同じ人間として生きてて、すごいなと思いますよね。そういう人間を通して、見てる人が自分の中にある優しさがあふれてくるような気もするんでね。だから役としちゃ難しいんですけど、なるべく雑念のないようにやりたいとは思ってますけどね。」


脚本・演出の鈴木勝秀さんについてはどのような印象をお持ちですか?

椎名「鈴木勝秀さんとは、僕は今までに2本舞台をやっていまして。人間を表現するのが非常にうまいというか、独特のテイストを持ってる方ですね。その演出の中で、脚本の第1稿を読んだんですけど、彼の持つ演技空間の中で、このストーリーをやるのが楽しみだなっていう印象は持ちましたね」

橋爪「俺、すごくいい加減なんだけど、鈴木さんは脚本も含めて、どちらかというとわりかし緻密な方っていう気がするんでね。演出を楽しみにしてます。台本も、あんまりロマンチックにするのも変だし、かといって淡々とやってもねえ。多分、台本は相当苦労されたと思うんですけど。まあでも本当にうまく、映画から起こしたにしては、本当に見事にできあがっていると思いました」


それぞれ、共演相手についての印象をお聞かせください。

椎名「橋爪さんとは今回初めてご一緒させていただくんですけど、やっぱり今まで積み重ねてきたものがある方ですからね。自分の芝居というかスタイルを柔軟にして、お芝居の中で橋爪さんとキャッチボールができればいいなって。そういうのを楽しんで作っていけたらなと思っているんです。胸を借りて、じゃないですけど、一緒にいい作品を作れればいいなと思います」

橋爪「そうなんですよ、お会いしたこともないんですよ。大体、僕は劇団の芝居ばっかりで、外部の舞台というのはあんまりないんですけどね。やっぱり自分の劇団じゃない人と会うという刺激という意味でもすごく楽しみにしてますよ。っていうか、おんぶにだっこ、っていう。椎名くんにおまかせ(笑)。貸すほどの胸はない(笑)」


映像と舞台、それぞれで活躍されていますが、舞台の魅力は何でしょうか。

椎名「僕はそんなに舞台をたくさんやってるわけじゃないんですけど、やっぱりまず、お客さんの前でやるっていうことが違いますからね。映像はシーンごとに撮っていって、映画なんかは2ヶ月3ヶ月で、やっと1本のものができるっていう世界。舞台はその日の2時間なら2時間の、その役柄になって生きていくっていうライブ感っていうか、そういったもののために1ヶ月一生懸命稽古をして。だから、仕込んだものを見せるということでは、職人的といいますかね。役者の醍醐味みたいなものが、舞台にはあるんじゃないかなと思います」

橋爪「舞台出身なんで、特別な思いっていうよりもここが居場所だと思ってるんですけど。芝居はそんなに変わりはないと思うんですけどね。舞台の場合はノンストップの楽しみですから、幕が開いたら必ず1時間か2時間か3時間か知らないけど、幕がおりるまでは誰にも邪魔されずに(笑)、夢中で遊んでいられるじゃないですか。リアルタイムの中で、芝居によっては一生分の時間が流れたり、あるいは1分間の濃密な時間が流れたりっていう、その中に身をおけるからね。もう圧倒的にそれは楽しいですよ」


この作品は、東京を皮切りに、名古屋と大阪でも上演されますね。

椎名「もっと回りたいぐらい(笑)。今回は名古屋と大阪の方に見てもらうっていうことなんですけど、元々名古屋と大阪の間ぐらいの生まれなんで、東京から自分の生まれた地方に何か持ち帰るみたいな感じがして、今から楽しみに思ってます」

橋爪「久しぶりなんだよね、僕。地方に行くのが。昔はしょっちゅう劇団の芝居で回ってたんですけど。行くまでは億劫なんですよねー(笑)。まあ今回は2カ所だけだし、そう東京と変わらないと思うんですけどね」


最後に、メッセージをお願いします。

椎名「ご覧のみなさん、レインマン、来年、2月3日からグローブ座でレインマンを開演します。ぜひ見に来てください」

橋爪「レインマンをご存じの方もご存じじゃないかたもいらっしゃいますが、やるはめになりまして(笑)、まあすごく楽しみな反面、とても不安な部分も多いんですけど、お暇でしたらぜひ、といいますか、見たいなあと思ったら来てください(笑)。きっと面白い舞台になると思いますけど。ぜひ、客席と舞台でお目にかかれたらなあと思います」

(テキスト/伊藤主枝子)



コメント

今日2月16日レインマンを昼の部でみてきました。映画も話題になったのは知ってましたが、見ていなくて興味があったので。あまり予備知識や、先入観なしでみました。橋爪さん素晴らしかったです。特に目線の動きは、そのものです。
私の息子22歳も脳性麻痺で自閉症で、お友達に自閉症の人も沢山いますが。
本当に橋爪さんが、自閉症の人に思えてきてしまいました。とても自然で、彼らの持つ、繊細さや純粋さ、特殊な才能、パニックを起こしたときの混乱など感心してみていました。演出も台本も素晴らしかったです。椎名さんの弟も初めて自閉症の兄と出会って戸惑いながらも、心ひかれ理解し、親に愛されていなかったと思い込んでいたのに 逆に心を開かれていく弟の苦悩等を、とても、素直に表現していて、サッカーボールをやり取りする場面など、本当によかったです。
我が家の16歳の弟と、重度障害の兄もそれは、仲良く楽しい兄弟です。
兄の乗るバイスキーを弟が、押してコントロールしながらゲレンデを滑ってくれるようになって、親よりもお互いの気持ちを分かり合っているように感じることがあります。
今日両隣の若いお嬢さんたちが、目頭を押さえながら見ているのを見て
本当に感動しました。嬉しかったです。
日本中回って、レインマンの舞台公演をやっていただきたいと、思いました。もっと早く見ていたら。周りの人たちに宣伝したのに、東京はあと数日で終わりなのが残念です。
是非、また近いうちに再演してください。
川口美代子
(2006-02-16 23:39)
川口美代子さま

心のこもったメッセージをありがとうございます。

私も、こちらの作品を思い返すだけでジーンと胸が熱くなり、涙がでてくる程、
心の中に染み入るような作品だったと思います。
椎名さんと橋爪さんの演技には脱帽です。

2幕のシーンのほとんどで、
老若男女問わず、多くの人が静かに涙を流していて…
やはり隣の若い男の子が泣いているのを感じた時に、私も・・・嬉かったですね。
美代子さん同様、ご覧になった多くの方から、すでに再演を要望する声をたくさん頂いているようです。再演が決まる事を心から、祈りたいと思います。
e+STAFF しお太
(2006-02-18 14:08)
2/25大阪公演の昼の部を母の75歳と二人で見てきました。
母は芝居など見たこともないような人で、
誘ってもこないかぁ、と思いつつ声をかけたのですが、
「橋爪さんがでるのなら。」
と言って、一緒に行くことになりました。

もう感動です。
もともと私は映画でストーリーは知っていたのですが、
もう別物ですね。
声を出さないように泣くのに苦労しました。

母は橋爪さんの独特の雰囲気に、
感動しきり。
「この役はもう他の役者さんは出来ないね!」
と絶賛しておりました。
私はと言えば椎名桔平さんに感激!
よくテレビで拝見していましたが、
こんなに美しい身のこなしをする方だったのか、
と見ほれてしまいました。

特にラストシーンは宗教画を見ているようで
今でも皆さんの表情が目に焼き付いています。

すばらしい感動、心がピュアになる心地よさを
本当にありがとうございます。

一人でも多くの方に見ていただけるよう、
そして私があの感動に再び出会えるよう、
再演されることを心より望んでおります
サイプレス
(2006-02-27 12:32)

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