白虎隊×新撰組の青春群像劇 舞台『もののふ白き虎』[観劇レポート][観劇レポート]

 仲間と共に切磋琢磨し、時にバカをやって笑い合い、時にケンカし、そして恋をして。時代は違っても、10代の青春は、人の生き様とは、何も変わらないのかもしれない――。幕末の会津藩で、10代の少年たちが命を散らせた「白虎隊」。この歴史的悲劇を、現代流に描き直した青春群像劇『もののふ白き虎』の上演が始まった。

ゲネプロレポート

 脚本・演出は、舞台『戦国BASARA』などで知られる西田大輔。西田は、美化されがちな白虎隊士を、揺れ動く少年ひとりひとりとして、私たちに身近な存在として、描き出している。小難しい侍言葉を使わないから、私たちの耳と心に届く。客席から自然に笑いが起こり、目頭をおさえる姿が絶えないのは、素直に共感できるからだろう。

 素直に入り込めたのは、役者側も同じようだ。白虎隊8人を演じた中には、殺陣が初めてという若手もいたが、全力でぶつかり、役と一体になって舞台上を生きているのを感じた。西田作品といえば殺陣が見どころの一つだが、特に美しかったのが伊東悌二郎演じる横浜流星。隊の中で一番の腕前という設定もあり、鮮やかで流れるような剣さばきが見事。どの役者の殺陣も、惚れ惚れするような激しさ、躍動感、力強さ、生命力がみなぎり、それぞれの役の個性が表れていた。

 キャラクターの個性も、ひとりひとり際立つ。主人公の飯沼貞吉(安西慎太郎)は、真面目な努力家で、誰より高い志を掲げる少年。頭も剣も切れる天才・伊東悌二郎とは真逆ながら、親友として互いを認め合い、高め合っていく。2人の友情が、爽やかで心地いい。

 池上新太郎(河原田巧也)と、西川勝太郎(松村龍之介)も、親友同士。舞台『弱虫ペダル』で共演した仲ということもあり、息もぴったりだ。そこへ、人懐っこいムードメーカーの石田和助(松本亨恭)や、秀才タイプの井深茂太郎(白又敦)が、場を彩る。

 なぜか仲間と一歩距離をとる庄田保鉄(小澤亮太)の心の機微は、注目どころの一つ。そんな保鉄にも優しく接する篠田儀三郎(和田琢磨)は、皆に慕われるお兄さん肌。だが、恋愛禁止の規律を破り、幼馴染みとの逢瀬を重ねる一面も持つ。

 その友情模様は、キラキラとまぶしい。そんな彼らをまとめ、父親のように見守るのが、西郷頼母(赤井秀和)。元ボクサーの赤井のキャラを活かした、“荒々しい”やりとりは、コミカルでありながらも、大人から若者への愛を感じた。

 そして、白虎隊の“憧れ”の存在として登場するのが、新撰組だ。土方歳三演じる荒木宏文は、佇まいまでも凛と美しく、憧れに値するオーラを放つ。また、斎藤一(青木玄徳)は、明治の生き残りとして、貞吉とともにストーリーテラーの役回りを務める。

 物語は、松平容保(村田洋二郎)の命により、白虎隊が結成され、絆を深め合った少年たちが、会津戦争に突入する姿が描かれる。『白き虎』というタイトル通り、どこまでも白く清く、誇り高い彼らが、どのように生き、散っていくのか――。その渾身の生き様を、見守ってほしい。上演は10月4日まで。

[取材・文=荒川陽子]

キャストメッセージ

飯沼貞吉役 安西慎太郎
僕自身、白虎隊というと悲劇のイメージがありましたが、今回は“憧れ”をテーマに演じます。“青春”が見どころです!

伊東悌二郎役 横浜流星
スタッフ、キャストの力を合わせ、熱く儚く美しい舞台になりました。激しい殺陣とともに、皆様の心に何かを残したいです。

斎藤一役 青木玄徳
新撰組という、憧れられる立場なのが非常につらかったのですが(笑)。結果、みんなでワイワイ楽しめる仲間になりました。

土方歳三役 荒木宏文
今の若い子たちはクールな悟り世代などと言われていますが、それとはまったく違う、強い志を表現しています。

西郷頼母役 赤井秀和
キャストは息子と同年代、スタッフの中でも一番年上ですが、そんな私が刺激を受け、憧れる舞台になっています。私も客席から観たいです(笑)。

脚本・演出 西田大輔
本っ当に素晴らしい俳優が集まりました。その魅力を届けられれば、と思っています。

公演概要

武士白虎 もののふ白き虎 -幕末、「誠」に憧れ、白虎と呼ばれた若者達-

<公演日程・会場>
2015/9/17(木)〜9/27(日)  天王洲 銀河劇場 (東京都)
2015/10/1(木)  名古屋市青少年文化センター・アートピア (愛知県)
2015/10/3(土)〜10/4(日)  シアター・ドラマシティ (大阪府)

<出演・キャスト>
出演:
安西慎太郎 横浜流星/和田琢磨 小澤亮太 白又敦 河原田巧也 松村龍之介 松本享恭/八坂沙織 村田洋二郎 松坂わかこ/青木玄徳 荒木宏文/赤井英和

作・演出:西田大輔

2015-09-24 11:56 この記事だけ表示