2015年を締めくくる“事件”となるか!? 古田新太主演、長塚圭史作・演出の話題作『ツインズ』がいよいよ始動!![インタビュー]

 2005年に上演され、その衝撃的な内容、出演者たちの鬼気迫る演技で大きな話題となり、第13回読売演劇大賞優秀作品賞も受賞した舞台『LAST SHOW』。あれからちょうど10年。待ちに待った長塚圭史と古田新太の顔合わせがこの冬、実現する。舞台となるのは、おそらく近い未来。海辺の町で暮らす、とある家族の物語。共演には多部未華子、りょう、石橋けい、中山祐一朗、葉山奨之、吉田鋼太郎という、一癖も二癖もある演技派ばかりが顔を揃えることになった。この舞台『ツインズ』で久しぶりに挑む長塚作品に腕を鳴らす古田に、作品への想いを語ってもらった。

長塚に出したリクエストは“感じ悪い家族もの”

――長塚作品には10年ぶりの出演になりますね。まずは、この企画がたちあがった経緯を教えてください。

 ここ最近、自分が関わる演出家がルーティーンになってきている気がしていてね。いのうえ(ひでのり)さんをはさみつつ、河原(雅彦)、宮藤(官九郎)、松尾(スズキ)さん、KERA(ケラリーノ・サンドロヴィッチ)さん、蜷川(幸雄)さん、野田(秀樹)さんといった人たちをぐるぐるまわっていたもんで、ここでちょっと久しぶりに圭史ともやりたくなったんです。圭史はここのところ海外の作品を上手にやったりしているから「ちょっとおまえ、感じ悪い家族もの書けや」って言ってみたら「古田さんが出るんだったら書きます、じゃ、スケジュールを考えましょう」ということになって。

――ということは、長塚さんはその古田さんが注文を出したテーマで今まさに、台本を書いている最中だということですか。

 うん、そうそう。昔は圭史も『マイロックンロールスター』とか、感じの悪い家族ものをよく書いていたから、ああいうのがやりたいなと思ったんです。それこそ10年前の『LAST SHOW』も感じ悪い親子ものでしたしね。そうしたら圭史が「古田さんと吉田鋼太郎さんとのツーショットが見たい」って言い出して。実は鋼太郎さんとは、舞台で共演したことがなかったんですよ。

――今回、初共演というのは意外ですね。

 この間まで同じドラマに出てはいたんだけど(『リスクの神様』)、一緒のシーンがなかったし。だから共演するのは20年前のラジオドラマ以来じゃないかな。

――長塚さんに「ツーショットが見たい」と言われてどう思ったんですか。

 「え〜、そうかあ?」って思いました(笑)。いや、だってこんなコワモテのおっさんが二人いたって、かぶるだけじゃない。

――兄弟の役なんですね。

 そう、兄弟です。シノプシスの段階では二人ともそんなにがんがん前に出るタイプではないみたいな感じではあるけど、どうなるんでしょうね。だけど、今まで圭史が書くものって、息子が出てくるほうが多かったように思うけど、今回は娘をもってきましたから。ま、多部(未華子)ちゃんが出てくれるから、そうなったんだろうけど。

家族の持つそらぞらしさみたいなものが見え隠れすればいいな

――多部さんとは『ふくすけ』以来の共演です。

 『ふくすけ』ではコンビみたいな感じだったからね。非常にクレバーでクールな女優さんです。あと実は今回、(中山)祐一朗とは『LAST SHOW』で一緒だったけど、それ以外はみんな舞台では初共演の人たちばかりなんで、顔合わせとしてはとても新鮮なんですよ。

――多部さんと親子役だと聞いた時にはどう思われましたか。

 なんだよ、恋人じゃないのかよって(笑)。どうやらオイラが演じる父親は娘のために生きようとする人みたいなんだけど。でもだいたい人間、慣れないことはできないものなんですよ。急に娘のために生きようなんてしたって、どこかにひずみが出てくるはずなので。

――そこが、また感じの悪さに。

 つながればいいですけどね。オイラが演じるハルキさんが、その娘を思って生きようとするのがどこまで本気で熱い想いなのか、それがそこはかとなく見えてくるとまただいぶ役の作り方も変わってくると思いますけど。

――そこらへんは長塚さんに。

 おまかせです。でもまあ、読んで面白くないところがあればどんどん口出していくつもり。だって新作ですから。そこは一緒に作っていきたいですね。そういえば今年はPARCO劇場で始まって(『いやおうなしに』)、PARCO劇場で終わるんだな。どっちも“事件”になるような作品にしたいですね!(笑) だけど結局、圭史も宮藤も松尾さんもKERAさんもみんな、やりくちがそれぞれものすごく違うから面白いんだよね。みんなに同じように「感じの悪い話がいいな」って注文出しても、出てくるものは全然違ってくる。KERAさんなんかもっと露悪な感じがするし、圭史は物語を作ろうとするし、宮藤はちゃぶ台をひっくり返すし。で、今回は久しぶりに圭史とやるわけだからまさに圭史っぽい作品で、お客さんがいやーな気持ちになればいいなと思っているわけです。

――そういう意味でも、オリジナルで新作を書いてもらいたかった。

 そうそう。確かに、圭史はヨーロッパの面白い本を紹介するのも上手だけど。できれば日本にもいっぱいある感じ悪さのひとつをチョイスしてそれを書いていただきたいと。ヨーロッパの作品も面白いんだけど、でもどこか宗教観が違っていたりとかすると日本人には伝わりにくかったりもするから。根幹にある人間の機微みたいなのは一緒なんだろうけどさ。

――具体的にはどういった感じ悪さを、長塚さんに期待していますか。

 家族の持つそらぞらしさみたいなのが見え隠れすればいいなと。僕と鋼太郎さんの兄弟とか、僕と多部ちゃんの父娘とか、あと、りょうちゃんと祐一朗の同居人とかね。なんだこいつらみたいな、いろいろ複雑な関係性がある家族になるみたいなので。人と人との、密なんだけどもそらぞらしい関係みたいな部分が見えてくるときっとすごく面白くなると思う。ここは、特に平和な物語が好きな方にこそ、あえて観に来ていただきたいですね!(笑)

[取材・文=田中里津子]
[撮影=平田貴章]

公演概要

パルコ・プロデュース 「ツインズ」

<公演日程・会場>
2015/12/6(日)〜12/30(水)  PARCO劇場(東京都)
2016/1/6(水)〜1/11(月) 森ノ宮ピロティホール(大阪府)
2016/1/16(土)〜1/17(日) 北九州芸術劇場 大ホール(福岡県)
※北九州芸術劇場は、e+での取扱いはございません。
2016/1/23(土)〜1/24(日) 長岡市立劇場・大ホール(新潟県)
2016/1/30(土)〜1/31(日) まつもと市民芸術劇場・主ホール(長野県)

<キャスト・スタッフ>
出演:作・演出 長塚圭史
出演:古田新太 多部未華子 りょう 石橋けい 葉山奨之 中山祐一朗 吉田鋼太郎

2015-10-06 12:41 この記事だけ表示