D-BOYSに正式加入! Dステ17th『夕陽伝』出演の宮崎秋人にインタビュー[インタビュー]

 俳優集団D-BOYSの本公演〔Dステ〕の17作目『夕陽伝』は、大和朝廷のふたりの皇子・海里と都月、そして幼なじみの少女・陽向を中心に、混沌とした世界の中でも自分らしくあろうとする若者たちの“生と死、愛”を描く青春群像劇。そして本作でDステ初参戦を果たしたのが、主人公の弟・都月役の宮崎秋人だ。
(※宮崎秋人の「崎」は正式には旧字。「大」が「立」になります。)

インタビュー

──現在、お稽古真っ最中です

 はい。今はとりあえず全体をざっくりと把握したところで、ここからもっと内容を深めるためにどう肉付けしていこうか、という段階ですね。演出の岡村(俊一)さんはひとりひとりの役をしっかり見てくださるので、これからさらにそれぞれのキャラクターがどう進化していくのか、すごく楽しみです

──大和朝廷の皇子で次期国王でもある海里(瀬戸康史)は、生まれ持った自由な魂ゆえに決められた運命に抗っている問題児。一方、宮崎さん演じる弟の都月はなにをやっても敵わない兄に劣等感を抱きつつ、皇子として兄を支えたいと考えている真っすぐで優しい青年。そしてふたりと兄妹同然に育った陽向(小芝風花)は海里を深く思っているが、国のために政略結婚を受け入れることに。しかしそこから運命の歯車が大きく狂い出し、やがて海里と都月は敵対する間柄になってしまうわけですが…。

 大王が引きこもっているのになかなか跡も継がずふらふらしている海里は周囲から“馬鹿皇子”と言われているんですけど、自分は最近都月も種類の違う“馬鹿皇子”だなぁって思うようになって。都月はホントに真面目で真っすぐなんですけど、ただただ目の前のことに必死になりすぎていて、物ごとを考えているようで実はそこまで深く考えられていなかったりして…だからこそ、悲観的になってお兄さんに劣等感を抱いて苦悩してしまう。逆に海里は本当は頭が良くて思慮深くて、周りのこともちゃんと見ている賢い皇子なんです。たぶん、都月ももう少し視野を広く持てたらそんなに悲観せずに済んだと思うんです。でも、いいことも悪いことも思ったことは全部ダイレクトに言葉にして、ホントに周りに真っすぐにさらけ出してしまう都月の不器用な真面目さ、僕は好きですよ。なんかね、いいヤツだなぁって思います(笑)。

──宮崎さんはDステに参加するのは今回が初ですが、お兄さん役の瀬戸さんを始めとしたD-BOYSメンバーとの現場はいかがですか?

 瀬戸さんは言葉で細かくあれこれいうタイプではなくて、稽古場でもいつの間にか横に並んでいたりと、さりげなくこちらを気にかけてくれる方。基本同じ目線で接してくれるので、自分も物怖じせずいられてすごく有り難いです。それは遠藤(雄弥)さんとかズッキー(鈴木裕樹)さんといった先輩方みなさん同じで…やっぱり、Dの先輩方は大きい人たちだなぁって思いましたね。板の上に立ったら先輩も後輩も関係ないっていう潔さも常に伝わってくるので、自分ものびのびとやれています。
 また、メンバー同士のパーソナルの近さや、外での経験で得たモノを持ち寄って互いにぶつけ合ったり試し合ったりしている関係性の深さは他の現場にはない劇団的な空気で、自分もそうやって芝居で力比べをしているような関係の中にどんどん入っていきたいって思いますし、やっぱりその中で目を引く存在になりたいですよね。作品的には魅力的な人物がたくさん出てきますし、それぞれがそれぞれのドラマを抱えているので、恐らく観るところがたくさんありすぎて「目が足りない」「心が足りない」ってなっちゃうと思いますけど。

──演出の岡村さんとも初タッグで。

 現場ではキャストと岡村さんとで毎日話し合うことで本の内容もどんどん変化していますし、そうやって『夕陽伝』という作品の表情がどんどん新しくなっていく過程でそれぞれが芝居で新しい色を足していっている臨場感がスゴくて、日々「自分もここで闘いたい!」という欲がかき立てられて、すごく刺激的な稽古になってます。岡村さんは僕のことを「ホントに真面目で、真面目が服を来てるみたいだ」っておっしゃってたんですけど(笑)、それはホントにその通りで…僕、良くも悪くも真面目すぎるんですよ。我ながら「もっと抜けたらいいのに」って思うんですけど、なかなか…。

──不良に憧れる?

 憧れますね〜(笑)。不良とはちょっと違いますけど、今の現場で言えば瀬戸くんとか(高橋)龍輝とか、ニュートラルにフラットに…感覚的に役の振り幅を出していける身近な人たちも、とても気になる存在。自分は台詞ひとつ喋るにしてもやっぱりどこかで「一字一句間違えないように言おう」っていうのが先にあって、その奥の感情だったりを先に「ポン」と押し出す勇気が今はなくて。だから家に帰るととにかく台詞を口に慣らす、なんにも考えないでその感情だけで言えるようにっていうトレーニングをひたすらやるんですけど…

──その姿勢、すでに「真面目」ですよ!

 そーなんですよ〜〜(笑)。もう、どうしたらいいんだろう?? でもまあ都月も真面目な子だし、今は自分と役を信じて、まずはじっくり「真面目」とつきあっていこうかな(笑)。

──都月にとっはて海里と共にもうひとり大切な存在、想い人の陽向がいます。陽向役の小芝風花さんは今回が初舞台だそうですね。

 風花ちゃんはほんっとに良い子なんですよ。初舞台とはおもえないしっかりしたところと、あと、結構負けず嫌いなところがあって(笑)、稽古場でもすごく堂々としている。そこは陽向ともリンクしてますね。今はもっともっと風花ちゃんのことも陽向のことも好きになろうと思ってます。あと風花ちゃんは刀が好きみたいですよ。稽古場にもちゃんと「小芝」って書いてある刀があって、僕らに混じってアクションチームの人に振りを習ったりしてますし。ただ本番では陽向の殺陣はないので、「風花ちゃん、それ使わないでしょ?」って言っても、「好きなんです〜」ってニコニコしてる(笑)。そんな様子を見ながらふと「いつか彼女にも思いっきり立ち回りのできる舞台がきたらいいなぁ」なんて思いました。そのときはぜひまた共演できたら素敵ですね。

──殺陣の稽古もかなりハードだとか。

 今回の殺陣、スゴイです。立ち回りは今まで自分もいろいろやってきた積み重ねがあるのでしっかり発揮していきたい部分ではあるんですが、やっぱり今回は全然違う感覚があります。これまでは重さだったり力強い殺陣っていうのを意識してやってきましたが、今回はもっとスピード感のある殺陣で…刀が走っているような感じというか、流れるような動きになっている。日本刀とはちょっと違う振り方ですね。逆に言えば、古事記の時代の闘いなのでどれだけ時代劇っぽい殺陣にしないように魅せていくかを考えた形を目指しています。とにかく所作も構え方もなにもかも今までと違うので、「またいちから研究だな」って試していくのがもう楽しくって! やっぱり今まで創って来たはずのモノを一回壊してのゼロスタートって、気持ちいいですよね。足も腰も肉体的にもかなりキツイのは確かですけど、でもとても清々しいです。

──エンタメ要素も存分!

 そうですね。『夕陽伝』は入り口は本当に親しみやすいエンターテインメントテイストで、ファンタジックな部分も大いに盛り込まれています。そして物語にグングン引き込まれたその行き着く先には…濃密な人間ドラマがある。実際、都月という役は肉体的にだけじゃなく、精神的にもかなりすり減らさなくては演じられない役ですからね。場面場面の気持ちを しっかり頭に刻み込んでおかないと、なかなか途中から返すのが大変だったりするくらい、感情がとどまらないんです。しかも稽古を重ねるごとに、台本を読んでいただけでは汲み取れなかった新たな部分がたくさん見つかって、「まだまだ掘り下げなくちゃ」と思うんです。今回岡村さんは「思っていること言ってることは違う」ということをよくおっしゃっています。確かに書いてある言葉の通りの気持ちで台詞を言うとスゴく薄っぺらく感じてしまうところが多くて、でもそうやってもうひとつ深く物ごとを捉えていくと同じ台詞でも全然違う発し方になるし、全然違うシーンに見えてくるんです。それってすごく面白いなぁと思う反面、「どうして台本を読みながら自分でそこに気づけなかったんだろう」って、岡村さんに言われるまで見えてなかった自分に対して、めちゃめちゃ悔しい気持ちにもなります。だって、自分がまったくそんなこと思ってなかったところにいきなりズバッと正解を提示されちゃうと…正直ヘコみますし。なにしろ僕、負けず嫌いなので(笑)。

──地図を手にして歩き出しているのに、まだ読み切れていないような?

 でもきっと…そういうのって、キリがないんだろうなぁ。今の若い自分は岡村さんたち諸先輩方から気づかされることがたくさんあって、でもそれだけじゃなく、例えば50歳、60歳になったら、今度は若い人から教わることがたくさんあるかもしれないし。どこまで言っても終わりはないし、満足もしない、そういう想いが一生つきまとうのが、役者という仕事なんですよね。

──果てしない発見と探求と研究の日々。

 今までの自分は舞台を創っていく上でわりと段取りとか作品全体の整合性を作るところに稽古を費やしてたところが大きかったんですけど、岡村さんがひとりひとりの役柄にすごく向き合ってくれるので、今回はまずは自分の役をひとりの人間としてどう深めていけるか、というところに一番重きを置いてやっていて…そういう向き合い方ひとつも自分的にはちょっと新しい方法にトライできているのが面白い。稽古場はまだセットも音楽もない素の空間ですが、そんなまっさらな状態の中、まずは自分の身体ひとつでどこまで創れるか。今はその最大を目指してるんですけど…。

──『夕陽伝』、新しい宮崎さんに出会える予感がします。

 やっぱり同じ事務所の仲間がやっているDステは、自分にとって憧れの場所であり、ある意味目標でもあったので、今こうしてその現場に入ったことは自分にとってのひとつの区切りなんだと思っています。なので…岡村さんのもとD-BOYSのメンバーと一緒に『夕陽伝』の都月として生きるのはもちろんですが、今回は自分が今まで出会って来た演出家さんたちの言葉だったりもしっかりと思い出し、これまで積み上げて来たモノも大事にしながら自分のすべてを総動員して“役者・宮崎秋人”を深く提示していく場にしたいんです。僕を知っている方もまだ知らない方も、この作品を観てくださるすべての方の期待を上回りたい。そう決意しています。

[取材・文=横澤由香]
[撮影=平田貴章]

脚本家 末満健一さんよりコメント

 Dステ17th『夕陽伝』は、日本最古の歴史書である「古事記」に伝承される古代を舞台としていますが、現代日本を色濃く投影した物語です。そこに生きる若者が、なにを背負いながら生きるのか。主演・瀬戸康史くん演じる海里が見せる覚悟を通じて、現代を生きる我々が未来をいかに見据えるのか、その眼差しを確かめたいと思います。「古事記」という神話をベースに、2015年の日本で神話を語りなおす試み。過去の回顧ではなく未来を展望する神話、それが『夕陽伝』です。

〜稽古風景〜


公演概要

Dステ17th「夕陽伝」

<公演日程・会場>
2015/10/22(木)〜11/1(日)  サンシャイン劇場(東京都)
2015/11/21(土)〜11/22(日) 森ノ宮ピロティホール (大阪府)

Dステ17th「夕陽伝」スペシャルイベント 『アフタートークじゃんけん大会』開催決定!!

スペシャルイベントの詳細が決定いたしました。
終演後、ここでしか見られない組み合わせでお届けする夕陽伝トークに加えて、
会場全員参加でのプレゼント争奪じゃんけん大会も実施!!
夕陽伝特製プレゼントを賭けてみんなで盛り上がりましょう!!

<キャスト・スタッフ>
出演: 瀬戸康史、小芝風花、宮崎秋人、遠藤雄弥、鈴木裕樹、荒井敦史、池岡亮介、前山剛久、高橋龍輝/山本亨 他
脚本:末満健一 演出:岡村俊一

2015-10-14 12:00 この記事だけ表示