新感覚ミュージカル『DNA-SHARAKU』、W主演のナオト・インティライミ&小関裕太にインタビュー![インタビュー]

 江戸の絵師・写楽の謎に迫りながら、“創造する心”の素晴らしさ、日本が誇るべき日本人のクリエイティビティを壮大なアイデアで描くオリジナルミュージカル『DNA-SHARAKU』。江戸時代から遥か未来まで、様々な時代の日本を行き来するこの奇想天外な世界で初のミュージカルに挑戦するナオト・インティライミと、3年ぶりのミュージカル出演に燃える小関裕太のW座長に、本作への大いなる期待を語ってもらった。

インタビュー

──おふたりは今日が初対面だそうですね。

小関はい。僕はもうずっと以前からナオトさんの音楽が大好きで聴いていましたから、今回ご一緒できると知ってすっごく嬉しかったです。舞台のWebサイトのナオトさんのお名前を見てはニヤニヤして…片思いしてました(笑)。

ナオトそうなんだ! 小関さん、実は最近まで放送されていたドラマも拝見してたんですけど(笑)、こんなにフランクな人だと思わなかったので…ほら、俳優さんってやっぱり素顔が謎めいてるじゃないですか。

小関あ、でも確かに人見知りの方は多いと思います。

ナオト小関くんはそうじゃないほうってことだよね。うん、「開いてる方だなぁ」って思って、すでにすっかり意気投合しています(笑)。

──ナオトさんはシンガーソングライターとして、日本はもちろん世界中を一人旅しながら音楽活動をされていますが、ミュージカルは今回が初挑戦。舞台やお芝居にはもともと興味があったんですか?

ナオトお芝居することは実は幼稚園の頃から好きで、歌より先の目覚めだったんです。

小関そうなんですか〜!?

ナオト役者さんを前にして言うのも恥ずかしいんだけどね。幼稚園のお遊戯会で傘と雨のお話を創って、好きな子をヒロインにキャスティングして、「○○くん、今のタイミングでこっちに歩いてきてね」みたいな。全部好きにやっちゃうイヤ〜な子だったんですよ(笑)。

小関いやいや、すごいですよっ。

──作・演出・キャスティング…ということは、主役はナオトさんが?

ナオトもちろん(笑)。そんなことを学生時代もいろいろ好きでやってはいたんです。ただ、お芝居に関しては基本“むっつり”で(笑)。なので、今年初めてやらせてもらった映画のお仕事も夢が一個叶った瞬間だったんです。今回のお話も「いつかは飛び込んでみたい」と思っていたミュージカルへのお誘いということで、まあ…念願のチャレンジになりました。

──小関さんはミュージカルでデビュー。ただ最近は映像のほうに活動の比重があったように思います。

小関そうですね。ミュージカルをやるのは3年ぶりになります。最後にやったのが高校3年生のときで、今、二十歳なので。

ナオトうわっ、驚愕! 今二十歳なの!? マジで?

小関はい。ミュージカルをやっていた十代の頃は「役者としてテレビや映画でもやってみたいな」と思っていたんですね。それで映像のお仕事もさせていただいたんですけど、そっちをやっているとまたふと「舞台やりたいな〜」って、もぞもぞする気持ちになってしまい…欲張りなんです(笑)。でもやっぱり舞台、いいですよね。

ナオトそっか、じゃあ大先輩なんですね。良かった〜。心強いや。

小関でも僕から見るとやっぱりミュージシャンの方は…ナオトさんもそうですけど、すごく音やリズムで遊ぶじゃないですか。それがいつもスゴいなって。ミュージカルは音楽がベースなので、そうやって歌を通じて自由に表現できるのは羨ましいです。僕はなかなかその域まではいけないので。

ナオト歌で遊ぶ、か。意識したことはなかったけど、ミュージカル俳優のみなさんはそうなの?

小関…と、僕は感じます。「うわ〜、ここでこうやって入れてきた〜!」みたいな。ステージ上と観客とが音楽のコミュニケーションで繋がっていくあのライブ感に、すごくワクワクするんです。今回はそれを同じ舞台上で感じられるのかと思うとドキドキします。

ナオトなるほどね。そんなふうに言ってもらえると嬉しいね。

──ライブで自分の曲を歌うのとは違う、ミュージカルナンバーのパフォーマンスへのイメージはいかがですか?

ナオト自分の中に確実に新しい風が吹くな、と思ってます。自分の描いた歌詞・メロディー・アレンジで歌うなんて、自分にとってこんなに楽なことはないんですよ。「テメェのモノやん」ってね(笑)。思いもフィーリングもしっかり入ってるので、時々で自由に変えて歌うこともありますし。でもミュージカルナンバーはやっぱりまったく次元の違う“歌”。周りのみなさんとの呼吸もあるだろうし、伝え方も…その曲・その歌詞を自分の声を使ってどう表現するのかをひとつひとつ考えて行く作業がありますからね。そこの決定的な違いに触れることは歌手としても、あとあとは創り手としてもすごく大きな経験になるはず。このまたとない機会を前に、わく・どき、どちらも120%です。

──物語は、人類の平和のために感情の高ぶりをもたらす「創造する心」を否定する未来の日本人が、過去に遡って「創造する心」を持つ人物を排除しようとする。その最大のターゲットが江戸時代の絵師・写楽であり……というSFタッチの冒険ストーリーです。ナオトさんが演じるのは、2016年に生きるストリートミュージシャン・健二。

ナオトここで描かれているのはただの想像じゃなく、「ホントに現実のこととしていずれそういう世界がくるんじゃないか」というある種の恐怖を感じさせる、とても身近な物語です。健二はそこに向かって「いや、それでもやっぱり心だろう」と、自分の感情やクリエイトしていく気持ちに正直に生きようとするんですけど、僕も役に重ねてその“恐ろしいモノ”に向かって闘いにいくような気持ち。武者震いでゾクゾクします。これはある種の疑似体験なんだって。

──そして小関さんは2045年に生きる連。絵を描いている青年です。

小関未来の“絵師”。絵を描いて表現している人間なんですけど、いわゆるその時代の反体制側にいて…そこでは表現者という存在がダメとされている時代なんです。今は、そういう抑圧されるクリエイターの気持ちってどんなだろうって、まだまだ見えないところも多いし、彼の置かれている状況や心境を探っているところですね。

──ではそれぞれに準備していることなどは?

ナオト僕の本来の性格だと、いろんな人の舞台を観に行って、いろいろ勉強し、しっかり準備して臨みたいところなんですが…今はまっさらなまま稽古に挑むのもありかなぁと思っていて。これは自分が勝手に思ってることなんですけど、今回僕が声をかけていただいた理由のひとつに、ミュージカルに対して“まっさら”であるという部分も大きいんじゃないかって。だから事前にいろいろ観過ぎて考え過ぎて頭堅くなっちゃったら自分の良さが生かせないし、参加する意味もなくなってしまうんじゃないかとも思い…ちょっと難しいところなんですけどね。でもやっぱり丸腰で行くのがいいんでしょうね。そうなると稽古場入って初っぱなにものすっごく大きなダメージを受けるのは間違いないですし、未知の世界すぎてものすっごく怖いんですけど(笑)。でもなんの武器も搭載せずに「うわーーーーっ!」って行くのも…アリなんだろうな。「なにやってるんだ!」って、めちゃめちゃ怒られたりしたらヤダなぁ(笑)。

小関(笑)。僕はとにかくずーーっと動いてます。映像の現場ってすごく待ち時間や移動も多くて、そうすると寝るか本読むか映画のDVDを観るか…って感じで、全然動かないんですよ。だからちょっと体型が…ブヨブヨになってしまった(爆笑)。だから「まずは身体取り戻さなくちゃ」と、毎日必死にやってます。

ナオトやっぱりミュージカルって体力使う?

小関使いますね〜。

ナオトOK。じゃあ僕もそのあたり、やっておきましょう。

──来月からお稽古に入るともうかがっています。創作期間〜本番へ向け、改めて意気込みをお聞かせください。

小関SHARAKU=写楽という言葉から連想されるように、この作品は日本文化について改めて見直すところもたくさんあります。とてもメッセージ性があると思うので、僕自身ももっと勉強して日本の文化、日本人のよさを改めて知り、お客様にもしっかりとその内容を伝えていきたいですね。あとはやはり“SF舞台”という新たなカテゴリーへのチャレンジ。音楽も映像も様々な最新技術を駆使し、素晴らしいエンターテインメント作品を創るべく、スタッフさんもキャストも力を合わせて頑張りたいと思います。もうね、「刺激が強すぎる!」っていうくらいにオリジナリティー溢れる作品になるのは間違いないので、ぜひぜひ楽しみにしていて欲しいです。なにより僕自身、この作品に関われることがものすごく楽しみなので。個人的には3年ぶりに戻って来たミュージカルのステージで、少しでも以前より進化した姿をお見せしたいです!

ナオト自分にとって初めてのミュージカル。最初から最後までもうホントに大変なことになるのは今から薄々感づいていますが(笑)、ずっとむっつりと抱いて来たお芝居やミュージカルへの憧れをここで開放して、またひとつ、夢を叶えていきたいと思います。僕の音楽をずっと応援してくださっているみなさんは「ティライミ大丈夫? どうなっちゃうの?」って思っているかもしれませんが、そこは大いに期待していただいて。小関くん始め、まさにオールスターと呼べる素敵な方々と一緒にミュージカルがやれる喜びを感じつつ、ホントにもう体当たりで楽しんでいきたいと思います!

[取材・文=横澤由香]
[撮影=渡辺マコト]

公演概要

ミュージカル「DNA-SHARAKU」

<公演日程・会場>
2016/1/10(日)〜1/24(日)  新国立劇場 中劇場(東京都)

<キャスト・スタッフ>
出演:ナオト・インティライミ、小関裕太 /
   新妻聖子、坂元健児、田野優花(AKB48)、ミッツ・マングローブ /
   藤岡正明、Spi、大野幸人、Miz /
   朝海ひかる、中川晃教、イッセー尾形 ほか

2015-10-28 16:28 この記事だけ表示