元禄めおと合戦 ‐光琳と多代‐ 藤山直美インタビュー[特集:演劇・ミュージカル]
亭主達者で留守がいい?
気がつきゃ人生崖っぷち!!


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 遊び人の亭主としっかり者の女房
 そんな夫婦をとりまく人々の悲喜こもごも……
 欲しいものは金?女?名声?それとも……
 すべてを手に入れ、自由奔放・天真爛漫・天衣無縫に生きた天才絵師・尾形光琳。
 しかし、彼にもたった一人、頭の上がらない女がいた。
 彼女の手にかかれば、浮気相手も他所に出来ちゃった子供も、揉め 事、悩み事もすべてみな丸く収まってしまう。
 手ごわいが頼りになる妻――多代、その人である。
 この物語は、こんな二人と大勢の子供たちになぜか赤穂浪士の飛び入りがあり、めくるめく元禄の時代を背景に始まります。





藤山直美 インタビュー −Interview−

今回のお芝居は尾形光琳の妻という役どころ、でも私は実際には誰の奥さんにもなっていませんし、想像の世界やから、妻を演じる上でこれといった答えがないんですよ。全然知らないから、逆に想像して放射状に張り巡らしてものを考えられる。
妻を演じるということにあたっては、ほんまこれ(未婚)で一番良かったんやないかなと思いますね。これまでも色んな妻の役をやりましたが、全て想像で演じています。

たとえば桂春団治とかでも、見てて「だんなさんのこういうところに惚れてたんかなあ、だから我慢できてんやろなあ」とか、「だんなさんのここが好きやったから目ェつぶってたんかなあ」とか、芝居からそんあんが見えたらいいですよね。
お客さんに「こんなんとこんなんが一緒になるわけないやん!」て思われたらあかんから。

DSC_0089_s.jpg今回の尾形光琳の妻・多代は実在の人物でしょ。演じる上では台本貰ってから何をどうしようとか考えることから始めるところは架空の人物と一緒なんですけど、年齢とか生き方とかは歴史があるから、こちらの都合よく設定を変えられへん。事実に忠実にやらなあきませんよねえ、そこが難しいところです。
多代は光琳という芸術家の妻ですが、うちの母(故・藤山寛美の妻)も同じような境遇ですね。父と母は子供たちよりお互いのことが好き、という夫婦でした。母には子供の為に夫に我慢しているという感じは全く無かったですし、本当に父のことが大好きだから一緒にいたい。そういう家庭で育ちましたので、私は恵まれているなと思いますね。
うちの母がいてへんかったら、あんな父の芝居は残らなかったでしょう。だって、人間が演じるわけですから、普通の人の性格とか感情が出ますやん。
その基本にあるのが演じる人自身の人生やから、その人生に影響を与えたり与えられたりがなかったらあかんでしょ。

想像したらなんぼでもできると言いますけど、演じる本人に身に覚えがないと演じられないと思います。私はどんな役でも台本貰って、想像することから入ります。この感情って、「何か自分の過去に感じた感情と似ているな」「どこかで経験したことないかな・・・」と引っかかる部分があって、出てくるものってあるでしょう?そういう作業で芝居は成り立っているんです。
DSC_0114_s.jpg実際、例えば「きれいなお月さんやなあ」と空を見上げるシーンがあるとすると、そしたら私はハワイで見た波の上に浮かぶ月を思いだすんです。自分の経験と照らし合わせて、似た感情を引き出して演技に反映しています。だから、何かを見てものを感じたときに、「忘れんとこ」と本能的に思いますね。
演じるときには、感情に嘘をつかないようにしています。

でも台本からいくら想像しても、いざ舞台に上がったら、また感覚で演じるので変わってきますし、その感情というのは何とも説明のしようがないですわ。相手役の方によっても変わってきますし。
今回、夫・尾形光琳役の中村梅雀さんとは二回目の共演になります。
もう十年以上も前に新派の芝居でご一緒して以来です。

このお芝居で舞台になる元禄時代といったら、見上げれば家から小判が落ちてくるというくらいに贅沢な時代とか。持ち物、着る物、世間の生活が一番贅沢な時分のお話です。
でも時代は変わっても女の感情というのはいつも一緒で、変わりませんよね。
それをご覧いただければと思います。


公演詳細 

公演名:元禄めおと合戦 -光琳と多代-
会場:新歌舞伎座 (大阪府)

公演日:
2008/4/1(火)〜4/25(金)

出演:藤山直美/中村梅雀/羽場裕一/床嶋佳子/小西美帆/松金よね子/太川陽介/岡本健一/ほか

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