『10年程前、偶然読んだ新聞の片隅にでていたニュース記事』がインスピレーションとなり、東京セレソンデラックスの宅間孝行の中でずーっと温められてきた物語が、ついに舞台に登場!


 物語は、都会からちょっと離れたグループホーム『ひまわり荘』を舞台に繰り広げられる。
 それぞれの事情がありつつも、悩みながら、寄り添いながら、楽しく、たくましく生きているそれぞれのキャラクターが特徴で、形にとらわれることのない『人と人との係わり合い』『家族の形』『愛情』といったものを、重々しくなることなく、ユーモアたっぷりに伝えてくれる。何とも言えない、絶妙なバランスで笑いと泣き、切なさと、優しさが交叉し、ニクイ程のテンポの良さ!

 また、今回宅間が設定するキャラクターの中には、あまりに純粋過ぎて、こちらの気持ちが掻きむしられる場面が多々ある。同時に、色んな場面にリアル感があり、思わず宅間ワールドにドップリ引き込まれているのだ。そして、最後のラストシーン・・・。貴方は涙なくして観られるでしょうか?!

 もちろん、引き込まれる要因は他にもある。それは、役者陣の素晴らしい演技力である。主役級の金田明夫さんは、お笑い部分と切な系部分の演じ分けが『さすが』の一言。また、役者全員の息のバッチリ合ったところなどは、本当に観ていて痛快で、全く時間を感じさせない2時間10分。

 リピーターが多いと聞くのも、納得。何度もみて、笑って、泣いて、笑って、泣いて・・・。それが、また明日も頑張ろう、というエネルギーに繋がるのです。そして、自分の中に優しさを取り戻せているのです。そう、人生に優しく『くちづけ』したくなる心境!

 皆さんも是非、この感動を劇場で味わってみてください。
そうそう、宅間氏の『お涙シリーズ』は、これでしばらくお預けなのだそうです。
迷っている暇はありません!どうぞお見逃しなく!!


2010-07-30 17:51

 今年もやります!年1回恒例のシティボーイズミックス、今回は若手お笑いコンビの注目株、ザ・ギースとラバーガール2組がゲストとして参加することが決定。シティボーイズの大竹まこと、斉木しげる、きたろうに、おなじみメンバーの中村有志も加わり、それぞれ笑いにこだわる8人の男たちが個性を戦わせながら取り組む舞台となる。シュールでナンセンス、時にはベタで人情味に溢れてたりもする独特のシティボーイズワールドは今年も健在だ。稽古突入を前に、シティボーイズ3人とザ・ギース2人に集まってもらい、新作のヒントを語ってもらった。


「このタイトル、語呂がいいので口に出して言ってみたくなりますね」(尾関)
「オファーが来た時「俺たちもその位置に来たか!」と思いました(笑)」(高佐)

――まずは今回のタイトルについてなんですが、またどうして大豆なんですか?

大竹 ねえ。なぜ大豆なんだろう。

斉木 2時間かけて大豆にたどりついたんだけどね。いつも、こんな感じなんだよ。

きたろう シュールなタイトルにしたいという意志はまったくないんだけど。いろんな人の意見と面白がり方の最終地点が結局、シュールになっちゃうんだよね。ちなみに俺は『男の日傘』ってタイトルを主張したんだけどさ。

大竹 誰にも受け入れられなかったな。

きたろう ザ・ギースの2人は、このタイトルどう思うの。

高佐 僕らの単独ライブが『Alternate Green』ってタイトルだったとき、きたろうさんが「わけわからなすぎてこんなタイトル、ダメだよ」って。

きたろう 「きどってんじゃねーよ」って。

高佐 そうおっしゃってたんですけど。今回このタイトルを見て、あんまり僕らのと変わらないんじゃないかと思ったんですが。

きたろう ばっかやろ、全然違うよ。

斉木 きたろうさんは英語を使うと「きどってんじゃねーよ」って必ず言うんだよ。

きたろう 尾関はどう思った?

尾関 いやー、僕はなんかかわいいタイトルだなと思いました。

きたろう 大豆がちっちゃいから?

尾関 今まではもっとシュール感が強いイメージがあったんですけど。今回はそれよりもかわいいというか、語呂がいいのでなんだか覚えやすくて。口に出して言ってみたくなる感じがあります。

斉木 『ごとく』っていうのが古典的な響きをちょっと感じていいよね。

大竹 略しやすいしね、“トツダズ”とか(笑)。

高佐 “トツダイ”じゃないんですか。

大竹 いや、“トツダズ”だよ。

きたろう でもこんなに年くってるのに、前向きなタイトルではありますよね。

大竹 それが情けないのと恥ずかしいのと。なんか妙にこのタイトルは前向きだよ。

斉木 うんうん、なんかハジケた感じがある。

大竹 だけど、いい年こいて前向きって、どうよ。

きたろう いや、斜め向いたり後ろ向いてちゃダメ。前を向かなきゃ。

大竹 若い人たちへの熱いメッセージではあるよね。「もういい年なのにこいつらまだ前向いてるんだ!」っていうのは。俺たちは気恥ずかしいけど、若い人たちには「おまえらもっと前向けよ!」ってことは言いたいの。だからといって俺たちが率先して前向くことはないんだけどさ(笑)。

きたろう そこに恥ずかしさを持ってるから、俺たちはまだ救われるんだって。恥ずかしさを持たないで、若い奴にあんまり前向かれると俺、ぶん殴りたくなっちゃうもん。

大竹 今、一番ぶん殴りたいのはおまえだよ。

――今回はザ・ギースとラバーガールの2組4名が参加されます。

大竹 若いものの代表ってことだよ。「おまえら、前向け」って話だね(笑)。後ろ向きのラバーガールに「おまえらなにそこで滞ってるんだ、面白いくせに」って言いたいわけ。ザ・ギースみたいに「面白くもないのになんで前向いてるんだ」っていうのもあるけどさ(笑)。

きたろう 1組だけだとなんか俺たちに負けちゃうかもしれないけど、4人もいれば委縮せずにパワーが出せるんじゃないかと。ま、今回の若手はワールドカップのベンチみたいに、俺たちを支える感じがどうかなと思うんだけど。

尾関 ええっ! それじゃ舞台に出られないじゃないですか!(笑)ちょっとは出たいですよ!

きたろう いやいやいや(笑)。チームワークがテーマだから。ベンチにいて応援するイメージでもいいじゃない。

斉木 じゃあ、私たちは前半飛ばしに飛ばしますから、後半はまかせますよ。

高佐 ええ〜?(笑)交代するんですか。せっかくなのでできれば一緒にやらせていただきたいんですけど。

きたろう レッドカードが出た場合は、素直に交代するから君たちの出番。

大竹 じゃ、きたろうを俺が踏んづけたら、それを合図に出てくればいいよ。

――ザ・ギースのおふたりは今回、参加することになってどう思われましたか。

尾関 今までは著名な方が出ていて、その人たちとシティボーイズさんとの組み合わせがすごい面白いなと思っていたんです。だから、そんなところに自分たちが出て、今までのものを越える面白いものが作れるんだろうかっていうのはすごいプレッシャーで。でもなんとか足を引っ張らないように、同じ事務所ということもあるんで甘く見ていただきながら(笑)、がんばりたいです。

高佐 僕らにオファーが来て。「ああ、俺たちも、とうとうそういう位置まで来たか!」と思いました(笑)。

大竹 おい、おまえら、ずうずうしいぞ。

きたろう だから、ベンチスタートだって言ってるだろ。

尾関 えーっ、やっぱり交代なんですか?

斉木 俺が期待するのは、ドリフターズにおける志村けんに4人のうちの誰かがなってほしいなと。

大竹 なんでドリフターズにたとえるの? 意味がわからないよ。じゃ、おまえがドリフターズに入れよ。

斉木 いやあ、たとえば尾関がシティボーイズのメンバーになっちゃうくらいのパワーを出してほしいってことだよ。

きたろう でも全員で顔合わせして話したら、すごくいい雰囲気だった。(中村)有志を入れて今年は全部で8人か。なんかみんな、匂いが似てるんだよね。

大竹 それは俺もそう思う。

「俺たちって、いい男が笑いをやるグループの走りだよね」(きたろう)
「お客様が喜ぶようにするのはもちろん、それ以上に自分を喜ばせたいよ」(斉木)
「今回は「見てほしいなあー!」って、かなり本気で思ってる」(大竹)

――ラバーガールさんが今日いらっしゃらないので、読者に向けてちょっと2人を紹介していただけますか?

尾関 孤独が好きで、現代的な人たちというか。

高佐 2人とも、常に自分の場所を持ってて、そこにずっといるみたいなイメージですね。あまり人と交わろうとしない。まあ、普通に飲みに行ったりはしますけど。

きたろう 2人ともそれほどいい男じゃないのに、ものすごい二枚目だと思ってるよね、自分のことを。

高佐 そうそうそう!

尾関 絶対、思ってますね。

きたろう おかしな顔してるのに。

斉木 自分の世界観というか、知的世界の中にめいめいが入ってる感じがするね。変わりモノだよ。まあ、俺が言うのもなんだけど。

高佐 確かに変わってますね。

尾関 2人とも飄々としているように見えて、めっちゃ女の子にモテたい気持ちが根底にあるんです。

きたろう ああ、あるな。俺はそういうの、すぐ見抜くから。

斉木 同じ匂いを感じた?

きたろう いやあ、俺は全然違うよ。俺の若いときの二枚目ぶりを知らないの?

大竹 全然!年とってからならよーく知ってるけど。斉木は強烈な二枚目で、すごかったけどなあ。

斉木 よく黙ってろって言われたよ。黙ってりゃいい男なのに、って。

きたろう そういう意味じゃ、俺たちはいい男が笑いをやるグループの走りだよね。

大竹 いやいやいや。ピピー!

――レッドカードが出ました(笑)。

尾関 あ、きたろうさん、出場停止ですか(笑)。

――今の時点では、どういう方向で作っていこうとされていますか?

斉木 俺なんか、わりと今までになかった形を提示できそうな予感がしますけど。

きたろう でも演劇チックにはなりたくないんだよなあ。絶対、コントがいい。

大竹 じゃ、俺が演劇担当でいくよ。演劇チックなのをやりたいんで。島田正吾か!というようなものを。

斉木 演劇というか、新国劇だな。

きたろう じゃあ、大竹さんはベンチスタートで。

大竹 いやいや。だから俺はちょっとお笑いを捨てて、立ってるだけで感動を生み出す方向でいくからさ。

斉木 俺は大衆演劇路線をやりたいな。泣かせるような。

大竹 泣かせるのは俺がやるって言っただろ。

斉木 じゃあ、俺は泣き笑いでいくよ。

――ザ・ギースのおふたりは、どういう風に取り組みたいと思われてますか。

尾関 2カ所だけ、自分が超ウケたいんです。それが目標です。

――2カ所だけでいいんですか?

きたろう 充分だよな、2カ所で。

尾関 むしろ2カ所も難しいと思うんです。クスッと笑えるところが1カ所くらいが、リアルな路線かも。

斉木 いやあ、でも最初の登場で1カ所笑えるじゃない。

大竹 それは、おまえと同じやり方でやれってことじゃないか。

一同 (笑)。

高佐 僕は漠然と、エキセントリックなことをやりたいな、と。

きたろう ああ、いいねえ。

大竹 うん。それは、いい。

斉木 うん、見たいな。

大竹 そういうヤツがいないとダメだよね。

きたろう ただし恥ずかしくなく、やってくれよな。

大竹 それでエキセントリックなのをちゃんとできたら、すごいよ。

――今、まさに目の前でハードルが上がった気がして、こちらまでドキドキしますが。

高佐 いきなり自分で上げちゃいましたね。ちょっと今、後悔しています。

きたろう 道具は使っちゃダメだよ。バットとか持つなよ。

高佐 え、道具ナシですか。

きたろう じゃ、ちいちゃいモノ、携帯電話くらいだったらいい。

大竹 そうだな、ナスくらいならいいよ(笑)。

――では最後にお客様に一言ずつ、メッセージをいただけますか。

きたろう 俺は本当に「もうシティボーイズはこの先、見られないかもしれないんだからぜひ見に来なさい」と言いたいね。

――毎年そうおっしゃってますが(笑)。

きたろう でも毎年、内容は違うからさ。今回の感じも絶対に見ておいてもらいたい。

斉木 僕はお客様が喜んで下さるものを、というのはもちろんだけど、それ以上に自分を喜ばせたいよ。今回は、ぜひハンカチをお持ちください!

高佐 僕たちはベンチを温めているだけにならないように、大豆のように飛び出していきますよ!

きたろう お、うまいこと言ったね。

高佐 いや、それほどうまくなかったです……。

尾関 僕はシティボーイズさんの昔を見ているようだと言われるように、がんばりたいです。

大竹 またこいつも、うまいこと言おうとして。だけど俺たちが昔どれだけ浅はかだったか、知らないな(笑)。

一同 (笑)。

大竹 いや、正直に言うとね。年とると本当に時間がなくなるの。でもそのことが、若い人にはわからないんだよね。時間がないって、大変なことなんだよ。その時間のなさ加減は人を狂気に走らせるからね。

きたろう この年齢でしかできないものってある。だからこそ、今のうちに見ておかなきゃソンだってことだよね。

大竹 俺は今まで何度も「見て下さい」と言ってきたけど、社交辞令だった気がするんだ。うぬぼれもあって、どうせ客席はいっぱいになるだろうからって気持ちもあったかもしれない。だけど今回は「見てほしいなあー!」ってかなり本気で思ってる。ま、いいものがちゃんとできるかどうかは、本番当日までわからないんだけどね。


2010-07-23 16:14

累計発行部数5,000万部を超える、美内すずえのメガヒットコミックス「ガラスの仮面」。 2008年に青木豪脚本、蜷川幸雄演出によって音楽劇化されるや否や、原作の魅力を余すところなく伝える展開や、演劇の楽しさを十二分に伝える蜷川幸雄のダイナミックな演出、寺嶋民哉のキャッチーなメロディなど、開幕直後から評判を呼び、再演や続編の上演を望む声が上がりました。あれから2年、いよいよ2010年夏、待望の続編が誕生します。 原作でも人気の『奇跡の人』編がついに登場!!


北島マヤと姫川亜弓、宿命のライバルの対決の行方は−!?

全日本演劇コンクールで敗退し、解散が決定した劇団つきかげ。しかし、北島マヤの演劇への情熱は募るばかり。月影千草のもとでレッスンに励む一方で、さまざまな劇場へ足を運び、出演の機会をうかがっている。そんな中、ライバルの姫川亜弓の舞台の開演直前に怪我人が発生する。大都芸能の速水真澄の思惑もあり、急遽、代役として舞台に立ったマヤだが、月影はそのことを咎める。そして、マヤに『奇跡の人』のオーディションに合格しなかった場合は破門だと伝える。熾烈を極めるオーディションを勝ち残ったのはマヤと亜弓。2人は、亜弓の母・歌子を相手役に、ダブルキャストで『奇跡の人』の上演に臨むことになる。宿命のライバルであるマヤと亜弓の対決の行方は−!?

キャスト・スタッフ紹介

<キャスト>

大和田美帆
奥村佳恵
細田よしひこ
新納慎也
香寿たつき
夏木マリ  他 

<スタッフ>
原作:美内すずえ
脚本:青木 豪
演出:蜷川幸雄
音楽:寺嶋民哉
美術:中越 司
衣裳:宮本宣子
音響:井上正弘
音楽監督:池上知嘉子
振付:広崎うらん
演出補:井上尊晶 石丸さち子
舞台監督:白石英輔

公演概要

▼埼玉公演
公演日程:8/11(水)〜8/27(金)
会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール (埼玉県)
一般発売:好評発売中!


▼大阪公演
公演日程:9/2(木)〜9/5(日)
会場:イオン化粧品 シアターBRAVA! (大阪府)
一般発売:好評発売中!


e+MOVIE★新章突入!音楽劇『ガラスの仮面』大和田美帆さん、奥村佳恵さん、細田よしひこさんからメッセージ!
2010-07-21 16:14

 昨年、 結成30周年という節目を迎え、ますます血気盛んな劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)。座長・三宅裕司を筆頭に小倉久寛ら芸達者な劇団員たちが勢揃いで贈る、 歌に笑いにダンスにアクションと、まさに盛りだくさんのエンターテインメント劇団だ。「30周年は単なる通過点」と、今年も引き続き徹底してミュージカル・アクション・コメディーにこだわり続ける三宅座長に今回の新作の構想を聞いた。




「今までの作品で一番、人間の内面を壮大に描くストーリーになりそうです」

――次回作『オーマイ ゴッド ウイルス』は、どういうお話になりそうなんでしょうか。

 テーマは“必要悪”です。悪のススメということですね。今って教育でもなんでも、いい子を育てるためのもので、非常に厳しい母親が多かったりするじゃないですか。みんな、とにかくいい子にならなきゃいけないような教育状況になっているように思うんですが、果たしてそれでいいのか?ということ。もちろん法律を破るような悪さはいけないんだけれども、つまり人間の心の中にある悪の部分の魅力みたいなものを、もう一回考えてみたほうがいいんじゃないか?というのがテーマなんです。だいたい、男っていうのは自分の学生時代にした悪いことをとかく自慢しがちじゃないですか。そして女性もちょっとワルのほうにひかれる部分もあるでしょう。そのワルの魅力ってなんなんだろうという、そういうところから発想したものなんですよ。ストーリーとしては、わりと普通のシチュエーションから、だんだん奇想天外なところに行くんですが、その部分を詳しく話すと。

――ネタバレになって、つまらなくなっちゃいますね。

 そうなんですよ。まあ簡単に言うと、あるウイルスが突然流行してあちこちに感染していくんですが、それが実はとんでもないウイルスで……、というところから始まるんです。現代の日常生活から、非常に壮大なテーマのほうへ向かっていきます。現在制作中なんですが、今回のポスターやチラシを見ていただけるとイメージがわかるんですが、天使と悪魔、 エンジェルとデビルの顔が僕と小倉になってます(笑)。人間の心の中にある善と悪、 エンジェルとデビルの部分。それと現代の社会のこと、さらに実はもう一つ世界があって、そっちにもリンクしていくという流れですね。

――舞台は現代なんだけど、だんだんSFっぽくなっていくような?

 そうですね。SFっぽくもなるし、日本昔話風にもなるし。

――いろんな展開が待っているんですね。

 そうです。ある意味、今までの作品で一番、人間の内面を壮大に描くストーリーになりそうです。人間の心の中の善悪を大きくクローズアップしていくので。

――テーマを善悪にしようと思いついたきっかけは、なにかあったんでしょうか。

 子育てをしていく上でどうしても起こることだと思うんですよ、そういう悪いことと向き合うというのは。息子には自分が昔ちょっとワルだった思い出を話したくなるじゃないですか。僕なんかはマジメなほうでしたけど、それでもちょっとはそういうところもあったと言いたくなるものなので。それともうひとつは、鳩山さんのことかな(笑)。鳩山さんを見ていると学者的にはすごく頭のいい人で、宇宙人だって言われるくらい、なんかちょっと今までの首相とは違う感じがして期待もしていたんだけど。でも結局、周りも悪かったんでしょうけどいろんなことがうまくいかなかった。それでも近くにいる人たちはみんな「いい人なんだけどね」って言うでしょ。そのあたりがきっかけですね。

――演出面で、なにか狙ってることはありますか。

  そうですね。今回は舞台に小説とか日本の昔話とか、そういう世界も出てくるんですが。

――日本の昔話?

 お客さんたちもみんな知っている、悪のヒーローたちっていますよね。その主人公たちとの戦いになるんです。そこでミュージカル的な音楽の要素を使いたいと思っていて。僕は、急に感情が高まって歌い出すミュージカルがあんまり好きじゃないんですね(笑)。ですからこれまでも、芸能事務所を舞台にした話なら歌手が出てきて歌うシーンができるとか、そういうことを考えて設定をつくってきた。そういう意味でいうと、今回はその悪のヒーローたちが出てきて歌うというのは不自然ではないと思うんです。物語の中の架空の人物たちが音楽を使ってなにか表現をするなら、お客さんも不自然には思わないと思うので。そのミュージカルシーンの表現をどういうふうにするかというのが、今回の一番の演出ポイントかな。そこの音楽的要素が悪のヒーローたちとうまくリンクしたとき、いいミュージカルシーンができるんじゃないかなと思っているんですけどね。

「本当にSETの演出は難しいんですよ(笑)、いろいろ欲張り過ぎているんで」

――三宅さんご自身は伊東四朗一座や熱海五郎一座など劇団外の活動も数多くやられていますが、こうして改めてSETに戻ってきたときに感じる劇団ならではの楽しさ、醍醐味はどういう点でしょうか。

 まず、準備期間が長くとれるというのはありますね。でも最近はだいぶ劇団員も忙しくなってきて、昔ほどはとれていませんが…。一時は、プロデュース公演とは違う劇団公演をやらないと意味がないと考えてまして。それで劇団員にはミュージカル・アクション・コメディーのなかの何かひとつを1年間練習して披露させたりしていたんですが、最近はミュージカル・アクション・コメディーの全体のバランスを考えるようになりましたね。それぞれにレベルの高い人間が育ってきているので。そこをどう使って、劇団の特徴や良さを出すか。たとえば熱海五郎一座だとみんな笑いのプロですから、笑いに関してはものすごいラクなんです。ただ、ちょっと立ち回りやらせると動けないヤツが多かったり、ということはありますが(笑)。それがSET本公演の場合は、あまり知名度のない人間が笑わせるわけなので、台本のセリフの面白さと表現力とで勝負しなければならない。そうやって笑いの部分のレベルを上げつつ、肉体を動かす部分ではふだん訓練している部分を出して全体にレベルアップしていくという。その上でミュージカル・アクション・コメディーのバランスのいいものを作るというのが、今の劇団公演で前面に押し出している部分ですね。

――劇団の演出をするときに、一番苦労されることは。

 やっぱり知名度のない劇団員にギャグをやらせることですかね。どんどん経験させていかなきゃいけないんですけど、でもそのとき、お客さんにとって本当におもしろいギャグじゃないとやはり笑ってくれないですから。

――厳しいですね!

 厳しいけど、しょうがないんですよ。ふだんテレビで見ている人だと舞台に出てきたってだけで心を開いてくれるものだけど、それが劇団公演だとまったくなくなりますから。しかもSETの場合は、笑いだけがテーマじゃないんで。さっき言ったようなテーマなので、ストーリー的に無理なギャグというのはカットしなきゃならない。シリアスなテーマを進めていく上で邪魔になる笑いもできなくなってくる。ここでこのギャグを入れるとラストでテーマが壊れてしまうと思えば、どんなにおもしろくてもカットせざるを得ないこともあるという、そういう難しさが出てきますね。本当にSETの演出は難しいんですよ(笑)、いろいろ欲張り過ぎているんで。

――さまざまな要素がたっぷり盛り込んでありますものね。テーマが社会的なことだと、さらに笑いを生み出すのが難しくなるし。

 そのテーマを大切にすればするほど、難しくなってきます。

――かといって、笑いを排除するわけにもいかないし。

 まあ、お客さんとしてはもちろん、笑いは期待しているでしょうからね。そこははずせません。ラストの緞帳が下りるときに、お客さんがどのくらい感動してニコニコ拍手してるかっていうところはいつも考えます。僕たちは、そのためにやっているのでね。

――やはり、最終目的はお客さんの笑顔。

 ええ。そういうことが書いてあるアンケートも多いですから。「最近いいことが何もなかったんだけど、この芝居を観ている間だけはイヤなことが忘れられました」とかね。そこに、僕たちのやる意味があるんだなと感じます。

――では、お客様にお誘いのメッセージをお願いします。

 なにしろミュージカル・アクション・コメディーですから、まったく何も考えずに楽しんでもらいたい。シリアスなテーマはあっても、そこはSETなので。あまり構えずに、気軽に観に来てほしいですね。

――リピーターの方も多そうなんですが、特に初心者の方へ座長から観劇のおすすめポイントをいただけますか。

 三宅・小倉の台本を無視した自由な時間があるので、そこをぜひお楽しみください。そんなコーナーもありますよ、ということです(笑)。初心者の方は知らないでしょ、そういう場面があること。リピーターの方はそこを非常に楽しみにしている人が多くてですね。簡単に終わると許さないぞ、みたいな空気になったりすることもありますから。

――いつも、小倉さんを困らせる方向のアドリブが多そうですよね?

 いや、小倉の場合は実生活から困ってるんで。だから方向とかではないんです。

――常に困っているんですか(笑)。

 そうです。小倉は困れば困るほど、おもしろいんです。だいたい僕が台本を書いて、そこから小倉がいろんなリアクションをしていくんですけど。僕も毎日ツッコミが変わっていきますし。昨日やったからといって、今日もやるとは限らない。そういう場面があることを知っていると、きっと初心者の方も最初から楽しめますよね。ここはどうなるかわからないんだとスリルも感じられて。ま、僕自身もそのスリルを楽しんでいるんですけどね(笑)。

〈取材・文/田中里津子〉
〈写真/渡辺マコト〉


2010-07-07 18:52

 1年間のロンドン留学から帰国した長塚圭史が、帰国後、最初に演出に挑む翻訳作品である『ハーパー・リーガン』。現代のロンドン、父親の危篤の報を受けたハーパー・リーガンは上司に仕事を休みたいと申し出るが叶わず、その瞬間に心の"何か"が動き出す。そして夫や娘にも何も告げないまま自分自身を見つめ直そうとあてもなく歩き出して――。ひとりの女性の2日2晩の旅を追う本作で主人公のハーパー・リーガンを演じるのは、これが5年ぶりの舞台となる小林聡美。初のタッグとなるふたりに、これから始まる"創造の旅"について聞いてみた。

自分たちの置かれている環境に対して、しっかり「今」というモノを見つめている作家だと思う。長塚

――本作とはロンドン滞在中に出会ったそうですね。

長塚 僕はロンドンではナショナルシアターってところにいたんですけど、そこのボスに一度「こっちのいいホンを教えてください」ってインタビューを試みたことがあったんです。そこで何人かの現代作家を教えてもらったうちとても興味を引かれる戯曲がいくつかあって、中でも一番インパクトが強かったのがこの作品だったんです。

――どんなところが魅力的でした?

長塚 彼女(ハーパー)の場合はお父さんの死が契機だったけど、人間誰しも生活の中で突然「あれ?」っていう疑問が起きる契機に出会い、自分の人生を振り返ることってあると思うんですよ。ハーパーほどドラマチックでないとしても何かこう…陥ってしまうことが。僕は英語で読んだんですけど―

小林 凄ーい!

長塚 仕方なくですよ(笑)。まあ単語なんかは難しいところもあるけれど、不思議なものでね、英語なのにすごくリズミカルに一気に読めてしまったっていうところがまず「スゴイな」って思った。

小林 物語にチカラがあるんですね。

長塚 で、怖くなるんですよ。読んでるうちに。最初の上司との会話のところなんかも、真正面から完全に向き合ってないとなかなか生まれないような相手に対する緊張感だったり威圧感だったり相手の恐怖につけ込んだりっていうモノが凄く描かれていて。どのキャラクターもそうなんだけど、お互いグッと向き合って来るからみんな正直にならざるを得ない。根本は家族の話なので一番近くにいる人たちとどう向き合うかっていうところがキチンと描かれているし、しかも、僕らの許容量を超えた情報が溢れる現代の闇のような中でいかに人間が生きて行くかってことをしっかり見つめている。

――作者のサイモン・スティーヴンスは長塚さんと同年代の作家です。

長塚 そこも大きいですね。英国人の特性もあるのかもしれないんだけど、自分たちの置かれている環境っていうものに対して、経済的にも政治的にも人種的にもしっかり「今」というモノを見つめている作家だと思う。それでこれはもう日本に持ち帰って絶対どこかでやってやろうと思ったんですよ。

――素晴らしいお土産です。

小林 留学した甲斐がありましたねぇ(笑)。

長塚 それはもうホントに(笑)。

俳優さんにはぜひやったことないものをやって欲しいし、自分は現場でそれに一緒に立ち向かっていきたい。長塚

――小林さんは5年ぶりの舞台になりますね。

小林 そうなんですよ。特に舞台はやらないとか決めてないんですよ。でもあんまり舞台の出演依頼がこないんです(笑)。

長塚 ホントですか!?

小林 ホント、ホント。それで気がついたら5年も経ってたっていう。

――お2人はこれが初顔合わせですが、お互いの印象はいかがでしょう?

長塚 実は僕、子どもの頃に…

小林 あ、子どもの頃とか言ってる(笑)。

長塚 (笑)。子どもの頃、父の仕事場に連れて行ってもらって見学してたときに紹介して頂いたのが最初で、「あ、見たことあるお姉さんだ」って思いました(笑)。なにしろまだチビッコでしたから。

小林 (笑)。私が二十歳くらいのときですかね。今思えばあの子だったのか、と。スタジオで、ホントにごあいさつ程度だったんですけれど。

長塚 いや、でも僕からすると子どもの頃に会ってるっていうのは割とデカイですよ! 勝手な親近感が湧いてしまうというか。

小林 フフフフ(笑)。私はお父様に大変お世話になっているので…長塚さん、年々お父様に似て来ているじゃないですか。そういった意味ではホントに昔から知っているような気持ちが強いです。

長塚 良かった(笑)。僕が小林さんのお仕事で一番印象的だったのは舞台の『おかしな2人』ですね。本来男の人たちの話(陣内孝則/段田安則)で、そちらもとても良かったんですが、個人的には女性バージョン(小林聡美/小泉今日子)のほうがより面白かったんですよ。

小林 へぇ〜。

長塚 男と女をすり替えたことでそこにまた一個大きな嘘が生まれて劇的なモノが増えるというか。とにかく主演のお2人がとてもチャーミングで「2人とも好き!」って。で、僕もどっかでなにかをと思いつつ…僕の話って大概イヤ〜な(笑)、話ばっかりでしょ。

小林 血みどろ!

長塚 そう。だから絶対…いや、絶対ってことはないだろうけど、やっぱりどうなのかなぁ、僕の話の中では小林さんはなかなか出て来て頂けないんじゃないかなぁって思っていて。ずっと興味はあれど機会がないという状態でした。

小林 舞台、何本も拝見してますよ。

長塚 でも…苦手な作品も多いんじゃないですか?

小林 突然、バーンッ!とか、ガーンッとかね。そういうところは「あー、来る来る来る…ギャーッ!」ってなってますけど(笑)。でも非常にナイーブで劇的な作品をたくさんやってらっしゃって。もちろんご一緒してみたいという思いもあったんですけど、でもあの血みどろの世界に私の場所はあるのかって感じてて…。

長塚 ほらね、やっぱり! お互いそうだったんですよ!

――片想い同士。

長塚 (笑)。それで今回の作品の打ち合わせのときにふっと小林さんのお名前が挙がって、これは…!と。

小林 ちょうどいい!

長塚 ちょうどいい! もちろんハードな部分もいっぱいあるんだけど、いろいろ考えて…やっぱりね、見たことないモノを見たいんですよね。俳優さんにはぜひやったことないものをやって欲しいし、自分は現場でそれに一緒に立ち向かっていきたいと思うし。

小林 ご一緒するにはとてもいいタイミングでしたよね。ハーパーは私の年齢にも近いですし、物語の内容が読んでいていちいち腑に落ちるというか、凄くわかるっていうか。長塚さんがおっしゃったように、人と人がちゃんと向き合って正直に自分をさらけ出して行くっていうことは普段の生活ではなかなかないことだし、そこはきっと見てる人も気持ちいいところでもあるので…うん、そういうところをちゃんとやっていきたいですね。

――逃れられないモノに対峙して行くのは怖いけれど、同時に清々しさもありますからね。

長塚 現代の現状に対して劇作家が筆を執って書くっていうのはね、やっぱり、非常に強いんですよ。僕自身は偏っているので(笑)ここまで現実味のあるタイプの作品を書けなかったりするんだけど、でも演出だけをやらせてもらえるというところで、こういう戯曲を見つけたときに上演することが出来る。「俺が書いた」みたいな気持ちにさせてもらえるのは幸せですよね。

――"今"の物語を"今"やる意味。

長塚 そう。僕の頭の中にある構想では、翻訳モノだっていう抵抗感を持たずに見られる作品だって思ってるんです。今回は初演だし、言葉にしても例えば「うん」なのか「はい」なのか「ええ」なのか。そういうところをひとつひとつホントにぎりぎりまで探りながら、この作品をこのキャストでどう上演するのかっていうところを突き詰めていきます。

小林 今回ご一緒するキャストの皆さんも素晴らしい方たちばかりなので、「いい作品だね」って言われるよう、みんなの力が最大限に出ていいお芝居が出来たらいいですよね。台本も読めば読むほど深いところにいける感じがするので…まあ、そこを探っているあいだは頭がずっと働いていて眠れなくなったりもしますけど。

長塚 やっぱりそうなりますよね。神経おかしくなるほど考えてすり減らすような作業をたくさん経験した上で、稽古場のみんなで持続できる道順を見つけていく。そこからさらにスリリングでフレキシブルなところで芝居をやっていけたらいいなぁとは思いますけど。

小林 そうですね。舞台は肉体的だけじゃなく、精神的な強さも持っていないと出来ないですからね。

――クリエイティブで刺激的な稽古場になりそうですね。では最後に改めて本作の魅力をお聞かせください。

小林 けっこうタフな部分もある内容ですけど、見終わったあとは、「よし、頑張ろう」っていう気持ちになれる作品だと思います。終わり方がね、いいんですよ。ここから再びみんながそれぞれに歩き出して行く、人生を続けて行くっていう。結婚して家庭を持っている方には特に共感していただけるんじゃないかと思います。

長塚 登場人物もみんな魅力的。あの風景の中、ハーパーと旅、冒険をして、そのあとの一歩をまた踏み出していく…たぶん今どこへ歩き出してもマイナスには行かないんじゃないかっていう余韻がいい。本当に、誰にでもシンパシーを感じ共有出来る部分が大きくある物語だと思います。自分自身今まで書いて来た作品を思い返すようなところもあったし、いい出会いでした。

小林 大人が楽しめる物語ですね。

長塚 そうですね(笑)。女性の方はもちろん、僕を含めた男性の面々も「おお、女性ってこうなんだ」という発見もいろいろ出て来ると思いますし、また夫の視点も大変興味深いものになっていますよ。たくさんの人に観て欲しい家族の話。お友達をいっぱい連れて来てくださいね(笑)。

〈取材・文/横澤由香〉
〈写真/渡辺マコト〉

公演概要

パルコ・プロデュース「ハーパー・リーガン」

作:サイモン・スティーヴンス
訳:薛珠麗
演出:長塚圭史
出演:小林聡美 山崎一 美波 大河内浩
    福田転球 間宮祥太朗 木野花

【東京公演】
公演日:2010/9/4(土)〜9/26(日)
会場:PARCO劇場

【大阪公演】
公演日:2010/10/2(土)〜10/3(日)
会場:梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

2010-06-22 13:22

 全国からのリクエストによって、演目・配役を決定する毎年恒例の「納涼 茂山狂言祭」。今年もリクエスト史上最高の強力ラインナップ、全18演目がずらり!

古典から新作狂言、人間国宝・茂山千作から茂山正邦の息子竜正・虎真まで、茂山千五郎家勢揃いで、お楽しみいただきます!

 どの公演にするか、究極の選択!でもやっぱり全部観たい!

 シアトリックスをご覧の皆様に、茂山千之丞、茂山茂、茂山童司が注目の演目をご紹介いたします。

【e+Movie】『納涼茂山狂言祭2010』の魅力を出演者がご紹介!

東京公演 会場:国立能楽堂

第1日 第1部
8月7日(土)13時30分開演

お話:茂山童司

主従に翻弄される客の命運は!?
口真似(くちまね) ★

主人:茂山茂
太郎冠者:茂山正邦 ★
:茂山千五郎
後見:井口竜也

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酔って帰る途中に寝てしまった悪太郎が目覚めると…
悪太郎(あくたろう)

悪太郎:茂山あきら ★
伯父:松本薫
:茂山童司
後見:増田浩紀

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茂山千之丞の当たり役、かわいい「豆腐小僧」は一見の価値アリ!
京極夏彦 作 茂山あきら 演出

妖怪狂言 豆腐小僧(とうふこぞう)

豆腐小僧:茂山千之丞 ★
大名:茂山千五郎
太郎冠者:茂山茂
次郎冠者:茂山童司
後見:島田洋海


第1日 第2部
8月7日(土)17時開演

お話:茂山千之丞

人間国宝・茂山千作の福の神が、リクエスト狂言東京公演初登場。
福の神(ふくのかみ)

参詣人A:松本薫
参詣人B:島田洋海
福の神:茂山千作 ★
後見:井口竜也
地謡:茂山千之丞
:茂山正邦
:茂山茂
:茂山童司

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瓜畑に盗みに入った盗人が、畑主扮する案山子相手に始めたことは…?
瓜盗人(うりぬすびと)

盗人:茂山千五郎 ★
畑主:茂山あきら
:一噌幸弘
後見:井口竜也

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舅への聟入りの挨拶。1枚しかない袴で、兄弟は…
二人袴(ふたりばかま)

:茂山千之丞
太郎冠者:茂山童司
聟の兄:茂山正邦 ★
:茂山茂 ★
後見:増田浩紀

第2日
8月8日(日)14時開演

お話:茂山千三郎

贈り物の「末広かり」を買いに出かけた太郎冠者ですが… 晴れやかな楽しさあふれる演目です。
末広かり(すえひろがり)

果報者:茂山千之丞
太郎冠者:茂山童司 ★
すっぱ:島田洋海
後見:増田浩紀

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独りで演じる珍しい狂言。山に松茸を採りに来た男は…
復曲 独り松茸(ひとりまつたけ) 茂山千之丞 台本制作

:茂山宗彦 ★

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気の弱い夫VSわわしい女房・姑!? 最後に笑うのは…?
新作狂言 濯ぎ川(すすぎがわ) 飯沢匡 作 武智鉄二 演出

:茂山七五三 ★
女房:茂山千三郎
:茂山あきら
後見:島田洋海

大阪公演 会場:大槻能楽堂

第1日 第1部
8月21日(土)13時30分開演

お話:茂山千三郎

蚊と大名が相撲!? 奇想天外なアイデアがつまった夏の定番曲。
蚊相撲(かずもう) ★

大名:茂山千之丞
太郎冠者:茂山逸平
蚊の精:茂山あきら ★
後見:島田洋海

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ベテランの芸をじっくりと楽しむ、人間の深層に問いかける秀作。
月見座頭(つきみざとう)

座頭:茂山千五郎 ★
上京の男:茂山七五三 ★
後見:井口竜也

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田舎者を騙したすっぱ。 仲間二人と六体の地蔵になりすまし…
六地蔵(ろくじぞう)

田舎者:茂山童司 ★
すっぱ:茂山宗彦 ★
:増田浩紀 ★
:山下守之 ★
後見:茂山茂
:鈴木実

第1日 第2部
8月21日(土)16時30分開演

お話:茂山あきら

威張る大名の弓矢と、道通りの者が投げた石礫。雁に命中したのは…?
雁礫(がんつぶて)

大名:茂山千五郎 ★
道通りの者:茂山茂
仲裁人:丸石やすし
後見:山下守之

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茂山千作演じる出家の説経に、大注目の一曲。
魚説経(うおぜっきょう)

出家:茂山千作 ★
都の者:茂山あきら
後見:井口竜也

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熊本弁が飛び交う不思議な演目。嘘つきの彦市は…
彦市ばなし(ひこいちばなし) 木下順二 作 武智鉄二 演出

彦市:茂山千三郎 ★
天狗の子:茂山童司
殿様:茂山千之丞
:杉信太朗
後見:丸石やすし
:茂山茂
:増田浩紀
:鈴木実

第2日
8月22日(日)14時開演

お話:茂山千之丞

佐渡に狐がいるか、いないか。言い争う二人は…
佐渡狐(さどぎつね)

越後のお百姓:茂山逸平 ★
佐渡のお百姓:茂山宗彦 ★
奏者:茂山七五三 ★
後見:井口竜也

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鬼に扮して「いで食らおう!」 立場逆転の顛末は…
清水(しみず)

主人:茂山正邦 ★
太郎冠者:茂山童司 ★
後見:増田浩紀

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ちびっ子たちが大活躍!かわいらしい舞台は必見!
(くさびら)

庭の主:茂山あきら
法印:茂山茂 ★
茸の精:茂山竜正 ★
:茂山虎真 ★
:茂山莢 ★
:茂山宗彦
:茂山逸平
:茂山童司
:増田浩紀
:井口竜也
:山下守之
姫茸:丸一やすし
後見:茂山千五郎
:茂山正邦


★・・・リクエスト配役・番組

※出演者は都合により一部変更する場合がございますので、予めご了承ください

詳細情報は、公式サイト「能狂言ホームページ」へ!

2010-06-10 18:50

 グレアム・グリーンの小説『叔母との旅』を読んだことがある人なら、こんな叔母さんがいたらなあと、必ずうらやましく思うに違いない。75歳で年下の恋人あり、年をとってもチャーミングで、バイタリティにあふれている。もっとも、彼女に振り回されることになる甥っ子にとっては、災難だったかもしれないが。無類に面白いこの長編傑作小説の舞台版は、日本でも演劇集団円が上演しているが、今回、久しぶりの登場となった。

 銀行の支店長を務めあげ、引退して静かな生活を送っていたヘンリーは、55歳。ダリアの栽培だけが趣味の平凡な男で、結婚もしていない。このまま何事も起こらない人生のはずだったのに、母の葬儀で50年ぶりに叔母オーガスタと再会したことから、ヘンリーの生活は大きく動き始める。叔母に誘われるままに、最初はブライトンへの小旅行、次はオリエント急行に乗って、イスタンブールへ。ついには、南米アルゼンチンからパラグアイへ。

 旅の途中で、叔母が語る昔話は、途方もないものばかりで、犯罪の匂いさえする。自由奔放で、かなり冒険的な人生を送って来た叔母にびっくりしながらも、ヘンリーは、次第に叔母に共感していく。叔母が提案する旅は、実はみんなある目的があってのもので、時には警察が介入してきたりもする。冒険などとは、一切縁のなかったヘンリーが、叔母との旅を通して、人生の喜びを知り、まるで違う生活を選びとることに。常識やモラルにとらわれない叔母の生き方や考え方は、痛快そのもの! ユーモアとアイロニーたっぷりの、そして密やかなロマンスもある冒険物語は、面白い!の一言につきる。

 小説では登場人物も多く、時代もいろいろで、舞台もイギリスから南米までころころ変わる。スピード感を活かすために、舞台版では、4人の俳優が老若男女24人もの役を演じ分ける。主人公のヘンリーは3人の俳優が交互に演じ、その一人はオーガスタ叔母さんの役も演じる。会話の途中でも役が変わるので、大げさな衣裳の変更などはなく、例えばスカーフ一枚やスカートなどで、女性役も表現することになる。一瞬で、そこがどこなのか、誰が話しているのか、観客に分からせなければならない。この難しさに挑戦できるのは、選ばれた俳優だけに許される特権のようなものだ。今回は、段田安則、浅野和之、高橋克実、鈴木浩介の4人。実力派証明済みの俳優ばかりで、きっと、素晴らしい「旅」に連れて行ってくれるに違いない。劇場の椅子の座っていても、世界旅行が、そして魂の旅ができるのだということを、体験してほしい。

文/沢 美也子

公演概要

日程:8/20(金)〜9/19(日)

会場:青山円形劇場 (東京都)

最速プレオーダー:5/31(月)12:00〜

一般発売:7/3(土)


2010-05-28 12:19

 ミュージカル『美女と野獣』は、エンターテインメント業界の雄 ディズニーが、演劇ビジネスに発進出した作品です。 大掛かりな舞台装置、豪華絢爛な衣装、数々のイリュージョン、心に残る美しいメロディーなど、同名アニメーションを忠実に再現した舞台は、ディズニー作品ならではの魅力に溢れています。

 瞬きする間も惜しい華やかなステージと、アカデミー賞受賞の有名なナンバー「美女と野獣」を始めとした名曲の数々に彩られた純粋で美しい珠玉のラブストーリーに、どうぞご期待下さい!


ミュージカル『美女と野獣』 栄光の軌跡

 1994年4月18日、ブロードウェイのパレス劇場で、ショウ・ビジネスの歴史を塗り替えるミュージカルが誕生しました。エンターテインメント業界の雄、ウォルト・ディズニーが総力を結集し創り上げ、初めてライブミュージカルに進出した作品、『美女と野獣』。この作品は従来の演劇の限界を軽々と超え、「魔法にかけられた舞台!」と大絶賛を浴びました。

 『美女と野獣』の原作は、1757年に出版されたボーモン夫人(仏)のおとぎ話とされ、また、ジャン・コクトー監督、ジャン・マレー主演の映画としても広く知られています。コクトーの映画は、野獣を演じたジャン・マレーの美しさとともに一世を風靡しました。

 誰もが知っているこの作品をディズニーが新しい要素を盛り込んで、楽しいアニメーション映画にしたのは1991年のこと。野獣の家臣たちのキャラクターを生み出し、ベルに恋する「ガストン」という敵役を登場させるなど、新しいアイデアが盛り込まれたこのアニメーション映画は、アニメ映画史上最高の3億4千万ドル(3年間)の売上を記録しました。また、アニメーション映画としては初めて、アカデミー賞作品賞にノミネートされ、作曲賞と主題歌賞(♪美女と野獣)を受賞しました。

 1993年12月2日に、テキサス州ヒューストンのアンダー・ザ・スターズ劇場でトライアウト公演をオープン。この劇場のチケットの売上記録を瞬く間に破り、その勢いのまま史上最高の製作費1,190万ドル(11億6千万円)を投入して、ブロードウェイ初日を迎えたのです。ブロードウェイでも勢いは止むどころか強くなり、連日超満員の観客でパレス劇場は埋め尽くされました。

 1994年のトニー賞では、最優秀ミュージカル賞、最優秀演出賞など、9部門にノミネートされ、最優秀衣裳賞を受賞しました。受賞式(6月13日)の翌日には、それまで『オペラ座の怪人』が持っていた一日のボックスオフィスの売上記録(92万9千271ドル/1987年11月23日)を更新。

 129万6千722ドル(1億3千万円)という空前の記録を樹立。正に世界のエンターテインメント界の雄、ディズニーの実力が遺憾なく発揮された大ヒットミュージカル。それが『美女と野獣』なのです。

夢の世界を創る衣裳と特殊効果

◆トニー賞最優秀衣裳デザイン賞に輝くコスチューム

 ミュージカル『美女と野獣』には燭台、時計、ポットといった"物"に姿を変えられてしまったキャラクターが多く登場します。また、ストーリーが進行するに連れて、徐々に"物"そのものになっていく家臣たちの過程を衣裳で表現することも要求されました。『美女と野獣』の生物と無生物の入り混じった世界を創り出すため、普段舞台衣裳ではあまり使用されない特別製の真空形成プラスティックやラテックス、バネといった素材が慎重に組み合わされたデザインを生み出しています。こうして創り出された衣裳と装置、特殊メイク、カツラなど様々な要素が組み合わさり、ミュージカル『美女と野獣』の世界が舞台に出現するのです。

◆めくるめくイリュージョンの世界

 古くから伝わるおとぎ話をもとに構成された『美女と野獣』。当然そこには日常生活のなかでは起こり得ないことが起こります。しかし、ミュージカル『美女と野獣』では、この起こり得ないことが実際に舞台上で繰り広げられます。

 ポット夫人の息子チップはティーカップに姿を変えられているのですが、ワゴンの上に首だけが載っている状態で登場し、観客を驚かせます。

 また、野獣の運命を握っている一輪の薔薇が散っていく様子や野獣の変身の場面は、これまでに観たことのない、そして忘れられないエキサイティングなものになるに違いありません。また、ショーストッパーである「ビー・アワ・ゲスト」の場面を始めとして、たくさんの場面で花火や様々な特殊効果が綿密な計算のもとにストーリーのなかに無理なく組み合わされて、まさにイリュージョンの世界が創り出されています。

『美女と野獣』その音楽の魅力

◆二人の天才

 二人の天才音楽家――アラン・メンケン、ハワード・アッシュマン――が野獣に生命を、そして心を与えました。1982年、オフ・ブロードウェイ初演のミュージカル『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』でもコンビを組んだメンケンとアッシュマン。彼らとディズニーとの記念すべき第一作は、1989年公開のアニメーション映画『リトル・マーメイド』。

 アッシュマンは作詞だけではなく、製作総指揮も担当。二人の作った「アンダー・ザ・シー」は、アカデミー賞主題歌賞を受賞しました。この後、アッシュマンとメンケンの二人が取り組んだのが、映画『美女と野獣』でした。

◆アカデミー賞作曲賞・主題歌賞の名曲

 1991年に公開された映画『美女と野獣』でアッシュマンとメンケンの作ったナンバーは、心に残る名曲ばかり。1992年アカデミー賞では作曲賞を受賞、有名な野獣とベルのダンス・シーンのナンバー「美女と野獣」(作詞:ハワード・アッシュマン、作曲:アラン・メンケン)は、同主題歌賞の栄誉にも輝きました。同年度ゴールデングローブ賞では、作曲賞と主題歌賞を受賞。

 アッシュマン、メンケン二人の作った曲はこの他にも多くの賞が与えられました。思わず口ずさんでしまうダンス・ナンバー「ガストン」や、客席と舞台が一体となるまさにショウ・ストップ・ナンバー「ビー・アワ・ゲスト」など、映画『美女と野獣』は音楽によって生命をあたえられたといっても過言ではないでしょう。

◆ミュージカル化と第三の天才

 1991年3月、映画の完成を待たずして、ハワード・アッシュマンは病に倒れ、40年の短い生涯を閉じました。アッシュマン亡き後を継いだのは、『ジーザース・クライスト=スーパースター』、『エビータ』で知られる作詞家ティム・ライス。ライスはアッシュマンの作り上げた作品全体のバランスを崩さぬよう、歌詞の微妙なフィーリングを研究、彼独自の色を加えていきました。

 『美女と野獣』舞台化に当たって、メンケンはさらに精力的にオリジナル映画の音楽に手を加えていきました。メンケン、ライスという新しいコンビによって「愛せぬならば」、「ホーム」など7曲の名曲が新たに生まれました。また、映画では上映時間の関係上外されてしまったメンケンとアッシュマンの隠れた名曲「ヒューマン・アゲイン」が、舞台版では復活し、舞台に一層の華やかさを加えています。故ハワード・アッシュマンとアラン・メンケン、そしてティム・ライスの三人の音楽家の情熱によって、ミュージカル『美女と野獣』は成功を収めたのです。

ストーリー

◆第一幕

 昔、ある国の光り輝く城に、若くて美しい王子が住んでいました。王子はわがままで優しさを知りませんでした。ある夜、城にみすぼらしい老婆がやってきて、一輪のバラと引き換えに宿を乞いますが、王子は老婆の醜い姿を嫌って追い払います。「外見で人を判断してはいけない」と説く老婆を、王子が再び追い払おうとしたとたん、老婆は魔法使いに変身し、王子を醜い野獣に、召使たちを「もの」に変えてしまいます。そのバラの花が散る前に王子が人を愛し愛されなければ魔法は永遠に解けず、人間に戻ることは出来ないのです。

 ある日、近くの村に住む美しくて聡明な娘ベルが城に迷い込んできました。家臣たちは呪文を解くチャンスだとベルをもてなします。野獣はベルに思いを寄せますが、その愛を伝える術を知らず悩み、また、自分の醜い姿を恥じて苦しみます。

◆第二幕

 城を抜け出したベルは、森で狼の群に囲まれます。危機一髪というところで野獣が駆けつけ、ベルを助けます。城に戻り、傷を負った野獣の手当てをするベル。いつしか二人の心は通いはじめます。

 野獣はベルに図書館をプレゼントし、本が好きなベルは大喜び。ベルは夕食をともにしたいと野獣に頼み、二人だけの晩餐会が開かれます。野獣は愛を告白しようとしますが、言い出せず、父親のモリースを案じるベルを、愛するがゆえに家に帰してやります。

 その頃、村ではガストンがベルを自分のものにするため、モリースを狂人に仕立て上げようとしていました。ベルは父親が正気であることを証明しようと、野獣を魔法の鏡に映し出しますが、ガストンは村人たちを引き連れ野獣を殺そうと城へ向かいます。ベルが城に駆けつけた時、野獣はガストンの手にかかり死に瀕していました。ベルは野獣を抱き、涙ながらに愛を告げます。しかしその瞬間、最後のバラの花びらが…。

2010年夏、劇団四季 首都圏で6館目の専用劇場、四季劇場[夏]が誕生!

 2010年夏、劇団四季の新たな拠点として首都圏では6番目となる専用劇場、《四季劇場[夏]》が誕生します。四季劇場[春][秋]や電通四季劇場[海]と同様、「舞台と客席に一体感がある、濃密な空間」をコンセプトに、大井町駅に隣接する品川区有地内に開設される《四季劇場[夏]》。是非この機会に足をお運びください。

【劇場アクセス】
・JR京浜東北線「大井町」駅 東口/東急大井町線「大井町」駅より徒歩5分
・東京臨海高速鉄道りんかい線「大井町」駅 出口Bより徒歩5分


公演概要

劇団四季「美女と野獣」

公演日時:2010/7/11(日)〜11/30(火)
会場:四季劇場[夏] (東京都)
プレオーダー:5/19(水)12:00〜5/20(木)18:00
一般発売:5/23(日)

2010-05-18 13:58

Bunkamuraシアターコクーンにて上演中の『2人の夫とわたしの事情』。第一次世界大戦直後に上演された文豪W.サマセット・モームの戯曲ながら、日本ではこれが初上演。コメディエンヌとしての魅力を発揮する松たか子を中心に、現代の感覚にもマッチする“進んだ”結婚観がテンポよく描かれて行くライトコメディーの秀作だ。

主人公・ヴィクトリアは戦争で最初の夫・ビルを亡くす。今の夫はビルの親友フレディ。ヴィクトリアは貞淑な未亡人の常識として1年間(素敵な喪服で)きっちりと喪に服し、その後結ばれた。悲劇を乗り越え手に入れた平穏な日々。ところが、ある日死んだはずのビルがひょこり我が家に帰って来る。まさか、愛する妻が信頼する友人と結婚しているなど思いもしないで――。

美しい妻・ヴィクトリア役の松は「女の幸福」を逃さないよう、常に女磨きを怠らないバイタリティ溢れるレディを好演。自身の体験を辿りながら独自の結婚観を(あくまでも上品に)まくしたてていく物語の冒頭から、そのあっけらかんとした生き様に一気にひきつけられてしまった。己の美徳を信じて疑わない可愛い人。こんな女性になら振り回されても仕方ないかもと思わせる説得力はさすが。

渡辺徹演じるフレディは一見堅物の軍人に見えるが、思いやり溢れたソフトな紳士。押しの強いヴィクトリアの前では言いたいことも言い切れないもどかしさを抱えている。一方の段田安則演じるビルは、3年ぶりの感動の再会にもおちゃらけて登場するような楽天家。ヴィクトリアを持て余しながらも何気に色っぽいトークではしゃいでみたりと人生を楽しむタイプだ。しかし、立ちはだかるのは現実。一家に2人の主はいらない、というわけで、物語の焦点はどちらがこの家で愛する妻と生きて行くのかに絞られて行くのだが…。

本来なら1人の女性を巡って決闘でもしかねないシチュエーションなのに、男2人は至って平和。むしろ、今が手に余る妻をどうにかするチャンスだとお互い遠回しに夫の座を譲り合う始末。当のヴィクトリアも「どちらかを選ぶなんて無理。ドングリの背比べだもの」と、どこかのんきである。気づけば観客も「まぁ誰にでも事情はあるし、結婚と恋愛は違うものね」などと納得し、登場人物たちの思惑のすれ違いをクスクス笑いで楽しみながら事の成り行きを見守り始める。

戦争中は愛国心から(2人もの)少佐と結婚したヴィクトリアだったが、戦争が終わった今、実は次の夫候補にと、皆川猿時演じる商売人のペイトンをロックオン中。いかにも成金だがジェントルマンなペイトンに対してあくまで人妻、世間知らずのか弱いレディーとして接しつつ、「ここぞ」というところで発揮する愛され攻撃は天晴!(天性のセンスで時流を読み、自身の売り時を心得て行動するヴィクトリアの抜群の機動力、“婚カツ”なんて生温いこと言っている今ドキの女子は絶対に見習うべき!)

シンプルながらモダンでポップな色使いのセットはキュートでクセのあるヴィクトリアの存在感を引き立て、同時に男たちのいたたまれない居心地の悪さを象徴するようにも見える。とにかく事態は常に女性主導で進めざるを得ないムードなのだ。

上演台本も手がけた演出のケラリーノ・サンドロヴィッチは、時代を超えても変わることのない夫婦の機微、人間が持つずるさや可愛らしさをいい塩梅の毒気でコーティング、絶妙のさじ加減でサバサバとしたテンションを生み出している。職業婦人代表のコック(池谷のぶえ)、トリッキーな手腕で活躍する弁護士(猪岐英人)と協力者のミス・モンモラシー(水野あや)といった屋敷への訪問者たちも、ピンポイントで強烈な印象を残して行く巧さが光った。

幕切れもオシャレ。人生は喜劇、「でも結局やっぱり結婚っていいかもね」と、笑って劇場を後に出来る“軽さ”の余韻がいい。

(文:横澤由香)
(写真:谷古宇正彦)
2010-04-28 22:28

2009年、若手俳優たちを中心に、お子様はもちろん、大人も楽しめる本格エンターテイメント作品として大好評で幕を閉じたミュージカル「冒険者たち」の東京・名古屋での再演が決定!様々な困難を乗り越えながら旅をする、小さな生き物たちの冒険がまた始まる!

2010年6月、あの可愛いネズミたちと一緒に海の旅へ、さぁ出かけよう!


『冒険者たち』とは

斎藤惇夫氏原作の『冒険者たち ガンバと15ひきの仲間』は、72年の発表以来、今でも多くの人に愛され、読み続けられている児童文学の名作。75年には『ガンバの冒険』としてTVアニメ化もされ、広く知られるようになった。また、放送から30年以上経った現在でも、DVD−BOXやキャラクター商品が販売されるなど、根強い人気を誇っている。

これまでも劇団四季をはじめ、いくつかのカンパニーや劇団等で繰り返し上演されているこの物語を、2009年に、内藤大希、お笑いコンビ「あさりど」の川本成、演劇ユニット*pnish*の佐野大樹、RUN&GUNの宮下雄也や各方面にて活躍中の若手キャストを中心とした様々な個性がぶつかり合う、パワー溢れる布陣でリニューアル。2010年6月、待望の再演が決定!

あらすじ

町ネズミのガンバは、初めての海、そして冒険への期待と不安を膨らませながら港へやってきた。
港では、ちょうど船乗りネズミたちの会合があり、宴に参加したガンバは、荒くれものだが陽気な船乗りネズミたちと出会う。
そこへ、忠太と名乗る傷ついた小さなネズミが現れる。忠太は、恐ろしいイタチのノロイ一族に支配された”夢見ヶ島”から逃げてきたのだという。そして、ガンバたちに夢見ヶ島に残してきた家族を助けてほしいと請う。ガンバとその仲間たちは、夢見ヶ島へ向かうため、船へ乗り込むのだが…。
ガンバたちは、さまざまな困難を乗り越え、知恵と勇気の限りを尽くしてノロイ一族と戦う。だが、凶暴なノロイを前に、仲間たちは次々と倒れ…

登場キャラクター紹介

■ガンバ:内藤大希

台所の床下の貯蔵庫に住んでいる、町ネズミ。正義感があり、勇気があるが、無鉄砲な一面もある。同じ町ネズミのマンプクに誘われて、海を見に港へ行ったことで、夢見が島のノロイ一味討伐に赴くことになり、リーダーとなる。始めはリーダーとしてやや頼りない面があり、仲間のネズミに教えられる事も多かったが、冒険を通して成長していく。

■ヨイショ:川本 成

海流丸に乗る100匹のネズミを束ねるボス。力持ちで、男気があり、豪快な性格。右目の傷はかつてノロイに襲われた時に付けられたもので、そのためノロイの恐ろしさを誰よりもよく知っている。

■ガクシャ:RUN&GUN 宮下雄也

船乗りネズミで、ヨイショの親友。物知りで理屈っぽい。ガンバやイカサマと度々衝突する。

■イカサマ:*pnish* 佐野大樹

いかさま博打が得意。
2つのサイコロをいつも持ち歩いていて、時々サイコロの目で吉凶を占う。ひねくれ者だが、人情に厚い一面も。

■ボーボ:佐藤永典

港ネズミ。うすのろで、いつもぼんやりしていて、夢見がちな性格。水平線の向こうを見てみたいと、船に乗り込んでしまった。

■シジン:平田裕一郎

いつも酔っぱらいながら詩を考えている、変わり者のネズミ。だが、傑作が出来たためしがない。

■オイボレ:外波山文明

身元の不明な年寄りネズミ。いつも仲間たちの足を引っ張り、お荷物と思われている。謎の多き老人。

■忠太:山田 諒

夢見が島の島ネズミ。ノロイに襲われ、家族たちと離れ離れになり、島から命からがら逃げ出してきて、ガンバたちに助けを求める。

スタッフ紹介

原作:斎藤惇夫(岩波書店)


脚本・作詞:うえのけいこ

演出:カサノボー晃

音楽:大石憲一郎 ・滝千奈美

振付:紀元由有

公演概要

ミュージカル『冒険者たち』−ガンバとその仲間たち−


【東京公演】

公演日:2010/6/10(木)〜6/13(日)

会場:サンシャイン劇場 (東京都)


【名古屋公演】

公演日:2010/6/19(土)〜6/20(日)

会場:名古屋・テレピアホール(愛知県)


2010-04-16 20:41

「"この舞台版があって映画が出来た"とイメージして書いた」
―脚本・演出 マキノノゾミ

 この舞台『ローマの休日』は、主役のジョー・ブラッドレー、アン王女、そして、ジョーの友人であるカメラマンのアーヴィングの3名だけで構成。映画の視点に変化を加え、当時の時代背景をベースに、新聞記者ジョーにもスポットをあて、彼の生い立ちや背景をしっかりと捉え、人物像をより深く描き出します。そしてジョーと、彼の友人であるカメラマン・アーヴィングのコンビネーションを軽妙に、時に男同士だから分かり合える胸のうちを切なくもあたたかく描きます。
 映画よりも凝縮された舞台空間で、ジョーとアンの恋愛模様、ジョーとアーヴィングの友情、そして3人の人間模様、それぞれの役の人間性を感じることができるでしょう。

e+(イープラス)プレイガイド独占販売!"オードリー・ヘップバーン"バースデー記念クルーズ!セットチケット販売中!

 東京公演中の5月4日は、映画『ローマの休日』のヒロインである【オードリー・ヘップバーンさんのお誕生日】にあたります!皆でこの日をお祝いするために、物語の重要なシーンである「船上パーティ」をイメージした、“バースデークルージング”が開催されます!
 銀河劇場から運河をはさんで反対側にある、美しいレストラン「クリスタルヨットクラブ」 (http://www.crystal-yc.co.jp/)のクルーズ客船が、この日だけ『ローマの休日』ヴァージョンに!
レインボーブリッジをくぐる東京湾の景色に加えて、なんと“舞台『ローマの休日』特典映像”が船内限定でお楽しみいただけます!しかも嬉しいワンドリンクつき!
 皆さんもジョーやアン王女のように、優雅なひと時をお過ごしください。
 さらに、夜公演をご観劇頂くと、出演者のアフタートークもあります!スペシャルな一日をお楽しみ下さい☆
 スペシャルクルーズと観劇がセットになった特別チケットは、イープラスにて絶賛発売中!

開催日時:5月4日(火・祝)
※東京公演限定
※定員になり次第受付終了

■マチネ観劇&クルーズセット
《マチネご観劇》13:00開演 & 《クルーズ》16:00〜17:00(予定)

■ソワレ観劇&クルーズセット
《クルーズ》16:00〜17:00(予定)& 《ソワレご観劇》17:30開演(アフタートーク有)
チケット料金:観劇+クルーズ(1ドリンク付)10,000円
※クルーズは、今回販売する上記観劇セットのみの販売です。
※クルーズ出航時間は、若干変更になる可能性があります。詳細は銀河劇場ホームページ(http://www.gingeki.jp/)にてご確認ください。

さらに耳寄り情報!

■出演者と記念写真♪ 客席集合写真をプレゼント!
日本初のストレートプレイ化となる、「ローマの休日」。この新たな挑戦を記録に残す、出演者とお客様のコラボレーション企画が決定!
東京公演5月6日(木)18:30公演の終演後、出演者3人が客席へ座りお客様と一緒に集合写真を撮影します。この写真は、希望される方全員にプレゼント!
※5月6日18:30の回を観劇された方全員が対象です。
※写真は、当日会場にてご希望された方のみ後日郵送。

■初日プレミア写真プレゼント
東京・大阪ともに初日公演をご観劇のお客様全員に未公開の扮装写真(3人バージョン)サインプリント入りを当日劇場にてプレゼント!

■アフタートークショー開催決定!
東京公演:4/29(木・祝)夜公演、5/2(日)夜公演、5/4(火・祝)夜公演
大阪公演:5/15(土)夜公演
出演者はキャスト3名に加え、4/29・5/2のみマキノノゾミも参加予定です。
※いずれの回も公演終了後に開催。各該当公演をご観劇のお客様はどなたでもご参加いただけます。

キャスト・スタッフ

 この3人芝居に臨むのは、スタッフ・出演者ともに強力な布陣。
 ジョー役には、最近ではNHK「だんだん」の父親役も好評、テレビのみならず映画・舞台にと活躍目覚しい実力派俳優【吉田栄作】。バツグンのスタイルで映画に劣らぬ二枚目ぶりと確かな演技力で、映画の素晴らしさを残しつつも、舞台ならではの奥深さを表現します。
 アン王女には、東宝ミュージカル「エリザベート」でタイトルロールを演じ、最近では日生劇場「シラノ」においてヒロインであるロクサーヌ役を演じ、ますます磨きがかかる元宝塚歌劇団雪組トップスター【朝海ひかる】。オードリー・ヘップバーン主演映画『暗くなるまで待って』の舞台化で主演も務めたばかり。多くのファンから是非『ローマの休日』のアン王女をという声に応え、今回の上演・配役が実現。
 アーヴィング役には、スーパー・エキセントリック・シアターの【小倉久寛】。劇団のみならず、テレビドラマやバラエティで活躍するその個性を活かしたアーヴィング役ぶりに期待がかかります。
演出は、作品の中に時代を投影させ人物を描くことにかけては定評があるマキノノゾミ。脚本は鈴木哲也・マキノノゾミの共同執筆。そして音楽はさだまさし氏の音楽プロデューサーであり、NHK大河ドラマ「利家とまつ」・映画「UDON」「解夏」「リング」などの音楽監督でもおなじみの渡辺俊幸が手がけます。


ジョー:吉田栄作

アン王女:朝海ひかる

アーヴィング:小倉久寛

公演概要

舞台「ローマの休日」
【東京公演】
日程:2010/4/27(火)〜5/9(日)
会場:天王洲 銀河劇場(東京都)

【大阪公演】
日程:2010/5/12(水)〜5/16(日)
会場:シアター・ドラマシティ (大阪府)

2010-04-09 19:26

世界の著名なバレエ団で引っ張りだこの人気振付家、オハッド・ナハリン率いるバットシェバ舞踊団がイスラエルからいよいよ来日する。
公演の度に、新しい顔を見せるオハッド・マジック、4/15(木)〜17(土)彩の国さいたま芸術劇場で上演される『MAX』にはどんな企みが……。
現地で一足早く“MAX体験”した乗越たかお氏のレポートをお届けします。

文=乗越たかお Takao Norikoshi(作家・ヤサぐれ舞踊評論家)

日本でも人気の高いオハッド・ナハリン率いるバットシェバ舞踊団。初来日の97年に3プログラムを一挙公演し、日本のダンスファンに強烈なインパクトを与えた。しかしその後、アンサンブル(バットシェバ舞踊団の若手カンパニー)の公演や、他のカンパニーによるオハッド作品の上演はあっても、本体のバットシェバ舞踊団の公演は、じつはそんなに多くはない。二度目の来日公演(2008年)『テロファーザ』までは11年という月日が経ってしまった。しかし今回、時を置かずして彩の国さいたま芸術劇場で『MAX』を上演されるのは、大きな悦びである。
 というのも、アーティストは刻々と変化しているからだ。当然、オハッド・ナハリンも変化があった。『テロファーザ』を見た観客はわかるとおり、オハッド・ナハリンは、大量の椅子を使った雪崩のようなダンスの『アナフェイズ』からは遠く離れたところに来ている。その間にオハッド・ナハリンには芸術監督を退いていた二年間があった。筆者は10年間、毎年テルアビブでのダンス・フェスティバルを訪れ、その変化を見守ってきたが、激しさよりも癒しをもたらすような、まるでリハビリを思わせるいくつかの作品(だがその魅力は減じることはない)を経て、再び彼の揺るぎないエネルギーを感じることができたのが、この『MAX』なのだった。

『MAX』をテルアビブで見たのは2007年。本拠地であるスザンヌ・デラル・センターで毎年行われているインターナショナル・エクスポージャーというフェスティバルであった。ちなみに同センターは昨年20周年を迎えた。
 暗い無音の舞台上には男女五人ずつのダンサーがいる。ラクフェット・レヴィによる衣装はシンプルなものだ。しかし彼らが、これというきっかけもなく、それでいて完璧にシンクロした挙動で「ふわり」と動くのである。その瞬間、ゆったりと観ていた観客の感覚は置き去りにされる。ワンテンポ置いて観客が知覚するのは、ダンサーの動きそのものよりも、舞台全体の空気がふわっと動く、不可視なはずのムーブメントである。自分が知覚したものが一体何なのか、認識できるまでにさらに数秒かかる。そしてその頃にはもうオハッドの魔術に取りこまれているのだ。それは観る者の心の奥深くにまで入り込み、かつて味わったことのない仕方で揺さぶる。

後半にはオハッド・ナハリン自身の声によるカウントに合わせた動きのシーンもある。いわば音ハメで、しばしば彼の作品に出てくるシークエンスではある。しかしそのハメ方がヒップホップのようにバチッと当てるのではなく、闇のなかに灯火をそっと置いてくるような、胸にしみるようなシーンとなっている。
 良く通るオハッドの声はまるで祈りのように、厳格さと優しさを持って舞台を包む。「1、2、3……」と続いていくように聞こえるカウントは、途中から何語かよくわからなくなる不思議なものだが、これもオハッドによるデタラメな言語なのだった。

カンパニーのダンサー達の素晴らしさも特筆するべきだろう。今はカンパニー全体が若返っている。バットシェバ舞踊団のダンサー達は、オハッド・ナハリンが生み出した独自の身体訓練メソッド『GAGA(ガガ)』によって鍛えられ、動きの発想が独創的で、他に類を見ない。新しいことをやっているつもりでその実、小さな枠を出ることができない悩める若いダンサーたち、そういうダンスにウンザリしている人たちは、是非ともこのダンスを見てみてほしい(ちなみに『GAGA』は日本でも受けることができる)。

この『MAX』において、オハッド・ナハリンは、ダンサーのみならず、舞台空間全体を踊らせようとしているかのようである。ふわりとした直後にはシャープで冷たい風が吹くような時もある。観客の予断を裏切ったかと思うと、ふっと寄り添う。動きの快感、構成の妙、円熟してなおパワーを失わないオハッド・ナハリンの真骨頂を味わってみてほしい。

[(財)埼玉県芸術文化振興財団 情報誌「埼玉アーツシアター通信」第25号より転載]

オハッド・ナハリンOhad Naharin

1952年イスラエル生まれ。20代から舞踊を始め、ダンサーとしてバットシェバ舞踊団で活躍の後、ジュリアード音楽院で学ぶ。80年に振付家としてデビュー。90年バットシェバ舞踊団の芸術監督に就任し、『キール』(90年)、『マブール(洪水)』の成功により評価を高める。彼の作品はネザーランド・ダンス・シアター、リヨン・オペラ・バレエ団など世界中の著名なバレエ団で踊られており、現在世界で最も注目される振付家の一人である。

公演概要

公演日:2010/4/15(木)〜4/17(土)

会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール (埼玉県)

2010-04-09 19:21

オペラやバレエに興味はあるけど、何を観るのがいいかわからない。そんな方にお勧めするのが、新国立劇場のシーズン・セット券です。
世界最高水準の舞台を一般発売にさきがけ優先的に、しかも、お得な料金で、多岐にわたるセットのなかからライフスタイルにあわせて選べるのが魅力です。

>>オペラ公演セット券はこちら

新国立劇場は、海外の第一線で活躍する歌手やダンサー、スタッフが集結し、世界水準の舞台を提供し続けている、日本が世界に誇るオペラハウス。豊富で多彩な演目も魅力で、2010-11シーズンには、バレエ6演目・35公演が予定されています。

ビントレーの「ペンギンカフェ」

バレエを楽しむすべての要素がそろった、豪華なトリプル・ビル。『ペンギン・カフェ』は、80年代一世を風靡したペンギン・カフェ・オーケストラに触発されて創られたとってもおしゃれな作品。ウェイター姿のペンギン、舞踏会のドレスに身を包んだ羊など次々に踊りを披露します。でもこの陽気なダンス(ボールルームダンスやスコティッシュダンスなど!)を披露している動物は実は絶滅あるいは絶滅危惧種ばかりなのです。楽しいなかにも、ちくりと現代を風刺する珠玉の傑作バレエです。視覚の美しさを追求したバランシン振付『シンフォニー・イン・C』、ロシアのダイナミズムの溢れるフォーキン振付『火の鳥』などバレエ・ファン垂涎の公演となること間違いなしです。

アシュトンの「シンデレラ」

今年はちょっと早いクリスマスを『シンデレラ』でお楽しみください。かわいそうなシンデレラのもとに仙女が訪れ、魔法によって美しいドレス姿となったシンデレラは舞踏会で王子と恋に落ちる…。皆さん良くご存じの、誰もが憧れるようなおとぎ話がそのままバレエとなりました。自身も秀逸なキャラクターダンサーだった振付家アシュトンの傑作で、その小気味よい振付は、豪華な舞台美術、そしてプロコフィエフの魅惑的な音楽とブレンドされ夢のひとときを醸成します。見すぼらしい姿のシンデレラが一瞬のうちに豪華なドレス姿へと替わるシーン、シンデレラと王子の夢のようなパ・ド・ドゥ、意地悪な義理の姉たちのユーモラスな踊りなどバレエが初めてというお客様にも十分お楽しみいただける多彩な魅力が満載です。

牧阿佐美版「ラ・バヤデール」

プティパの大スペクタクルバレエを牧阿佐美が改訂した作品。次期芸術監督のビントレーが、世界で一番素晴らしい『ラ・バヤデール』と絶賛する舞台が再び新国立劇場に登場します。オリエンタルな雰囲気にあふれた壮麗な舞台で繰り広げられるのは、インドの寺院に仕える舞姫ニキヤをめぐる愛憎に満ちた物語―― 戦士ソロルの舞姫ニキヤへの裏切り、大僧正の横恋慕、女同士の争い、そして罠…。全身を金色に塗った神像の踊りや、神殿が崩れていく場面など見どころの多い作品ですが、中でもつづら折りにスロープとなった舞台を一人ずつアラベスクを繰り返しながら降りてくるシーンは圧巻。この豪華な舞台は世界中で新国立劇場だけです。圧倒的なスケールと詩情あふれる名作を心ゆくまでお楽しみください。

ビントレー監督が贈る「ダイナミック・ダンス!」

若き振付家としてアメリカに滞在したことのあるビントレーが、アメリカの持つダイナミックな魅力にあふれた3作品をセレクトした必見の舞台。アメリカで活躍した巨匠バランシン振付の宝石のような作品『コンチェルト・バロッコ』、本格ジャズカルテットの生演奏で贈るビントレー振付『テイク・ファイヴ』、そして、掉尾を飾るアメリカ人振付家サープの『イン・ジ・アッパールーム』はスタンディング・オベーションが毎回巻き起こるという超人気作品。音楽にフィリップ・グラス、衣裳デザインにノーマ・カマリを起用するという贅沢な布陣にも注目です。クラシカルバレエとサープ特有の現代的な振付が融合したサープの最高傑作とも言われている作品、ぜひお見逃しなく!

ビントレーの「アラジン」

2008年11月にここ新国立劇場で次期芸術監督ビントレーにより世界初演され、大成功をおさめた舞台です。そのスケールの大きさ、ストーリーの面白さ、踊りの多様さで子どもから大人まで楽しめる、芸術とエンターテインメントが見事に融合した作品として話題になりました。宙に舞う空飛ぶじゅうたん、宝石が踊りだす洞窟、神出鬼没のランプの精ジーンなど、楽しい場面が目白押しです。バレエで物語を紡いでいくことにかけてビントレーは今世紀随一と言っても過言ではなく、その手腕がいかんなく発揮されたこの『アラジン』は、お客様を一瞬のうちにアラビアンナイトの世界へとお連れすることでしょう。

マクミランの「ロメオとジュリエット」

シェイクスピアの最も有名な同名悲劇を20世紀英国を代表する振付家、マクミランがバレエ化した作品です。人間の内面を描くことに長けたマクミランの傑作の一つで、若さゆえの破滅をも恐れない一途な愛を見事に描ききっており、観るものを感動させずにはいられません。新国立劇場でも2004年の上演から7年ぶり、待望の再演となります。バレエ初心者にも、バレエ通にも胸をしぼるような感動をお約束します。

初日限定のシーズン通し券

バレエ公演のシーズン通し券「プルミエ」では、各公演を初日限定でお楽しみいただくことができます。
ファーストキャストで楽しむ初日の贅沢。幕あけの感動をご堪能ください!
※中劇場公演『ダイナミック ダンス!』はお好きな公演日が選択できます。


>>オペラ公演セット券はこちら
2010-03-04 18:47

 2010年2月3日、『飛龍伝 2010ラストプリンセス』が新橋演舞場で開幕しました。作・演出のつかこうへい氏が、病床から稽古ビデオを見て指示を飛ばすという異例の演出を経て迎えた初日。しかし、その圧倒的な出来映えは、どこからどう見ても、紛うかたなき、完全無欠の「つか芝居」でした。感動でした。
 この公演を開幕早々にご覧になられたのが、毛皮族を主宰する江本純子さん。現在、東京芸術劇場の『農業少女』に向けた稽古に毎日多忙の江本さんですが、つかこうへい作品にはひとかたならぬ思い入れがあるとのことで、今回e+は無理を言って、観劇レポートを緊急執筆していただきました。

私流・つか作品の楽しみ方〜『飛龍伝 2010ラストプリンセス』を観て
江本純子(「毛皮族」主宰)

 これは極・私的な、とても私(わたくし)流のつかこうへい作品の楽しみ方であるので、あまり参考になるかはわかりませんが、「つかってどんな?」「難しいんじゃない?」「暑苦しいんじゃない?」と首を傾げてしまいそうになる私と同世代の方(ちなみに私は現在31歳、演劇歴約10年)や、私よりも若者な者達の首をまっすぐにして差し上げたいので、そして願わくばそのまま首をまっすぐにした状態で現在『飛龍伝 2010ラストプリンセス』が上演されている新橋演舞場に直行して頂きたいので、記しておきます。

 余裕がある方はお弁当代も持参して下さい。そして30分ある休憩中には是非演舞場名物のお弁当を食べて…と、それはそれぞれの意志に任せましょう。お腹空いてない人もいるでしょうし、その後デートの食事がある人もいるでしょうし…と、無駄に饒舌な私が芝居とは関係ない食べ物の話を始める前に、とっとと芝居の話をしましょう。はい。

 私が近年観たつか作品は『売春捜査官』『幕末純情伝』そしてこの度の『飛龍伝』である。いずれの物語もヒロインは大多数の男達に「やらせろ」と野卑なことを必ず言われ、「うん、わかる」と私は芝居をみながら大多数の男達と同じ感情を抱かずにはいられない。彼女達は「やりたい」と思わせるに十分な魅力がある、それぞれがそれぞれの理由で戦っている強く美しい女性達なのだ。
 そんな罪作りなヒロイン達が、物語が進行していく上で時に繊細に、時に大胆にこぼしていく、その人間性溢れる凄まじい程の色気を「絶対逃さないぞ」と拾い集めながら鑑賞するのが私の常だ。ヘンゼルとグレーテルが帰り道を忘れないために道にお菓子をこぼしていったように、このつかヒロイン達の目的は何かとわからないままだが、彼女達も進むべき道を進みながら必ずや色気を落としていってくれているので、それを拾って連れ添ってやらなきゃ男じゃない(私は女だが)。そうしていつ帰れるかもわからない物語の渦中に自らの身を置く。
 ちなみに、私にとっての色気とは「人間らしさ」みたいなものであり、転じてそれが「色気」と感じ、つまり「やりたさ」と同意となる。だから「やりたい」と言う気持は野蛮ながらも非常に人間らしい感情であると認識しているし、つか芝居における「やらせろ」と言うセリフに代表される人間らしさの諸々が私は観たくてつかこうへい作品を好んで観に行っている。

 さて、『飛龍伝』の主人公・神林美智子(黒木メイサ)は、分厚い瓶底メガネをかけてマンガのようなガリ勉女スタイルで登場する。彼女は早々にして、愚直気味に描かれている貧弱な青年・ひょっとこ(矢部太郎)に「やらせろ」と言わるがまま処女を奪われるも、それまで相手にされていなかった初恋相手である全共闘のカリスマ・桂木順一郎(東幹久)の前でメガネを外した途端「美女だ。やらせろ」と桂木に見初められ、彼の女になる。その後、あれよあれよと全共闘40万人の委員長に納まり、革命闘争の作戦のためと、常々「やらせろ」と言われていた機動隊員・山崎一平(徳重聡)の女になり、子供を産み、いよいよ愛の関係で結ばれた山崎と殺し合わなくてはならない日を迎える。

 この美智子・桂木・山崎3者の狂おしき三角関係を中心に激しい人間感情のあれこれが学生達の革命闘争の社会背景(他、「核」のことなど諸々)を以て描かれる。戦うあばずれ女の一代記だ。すごく雑な説明をしてしまって申し訳ない。(「やらせろ」を中心に筋を紡いでみました。本当はもっと・・色々あります。)

 とにかく、その最中で描かれている「細かいこと」への理解は、もうそれぞれ観る者の知識レベルに委ねられているわけで、私なんかは例えば核関連の話は難しすぎて大雑把にしか理解しえず、自分の頭の悪さを嘆くばかりだが、どうだっていいんだそんなこと。話が難しくなってついていけなくなってもヒロインについていけばいいんだ、ヒロインの激情にその生き様に理屈なく陶酔して身を委ねればよいのだ、と思う。
 なんせ、ヒロインや登場人物達の向うべき先は人として間違っていない。生きるための愛があり、だからこそ傷が生まれ、悪がある。その汚くて美しい人間らしい姿に、私は感動する。胸がいっぱいだ。実に「やりたい」女だ、なんて不埒な気持で観ていた私の俗な性根を打ち崩し、明日からは聖人になりたいような清らかな気分が訪れる。

 とそこへ、さっきまで唾を飛ばしまくって叫び狂っていた俳優達がタキシードを着てバリっと踊っている。聖人気分はグッとアップ?いや、その姿はただただカッコいい。あれ、カッコいい、なんてのは俗っぽい気分だぞ。そして他の俳優達と同じく上下黒ジャージだったヒロインも、いよいよ女らしいドレスを纏って登場する。これです、これ。これが観たかったんです、私は。休憩入れて約3時間、「女」を封印するような姿でずっと焦らされていたけども、ようやくエロス決壊の時です。

 「やらせろー!」私もつか作品に出てくる野蛮な男達が言うようにヒロインに叫びたい。それが最も人間らしい姿だと、思いたい、帰り道でありました。



<執筆者プロフィール>

江本純子:千葉県出身。女優、劇作家、演出家、小説家。2000年9月に町田マリーと共に劇団毛皮族を結成。以後、主宰として全作品の脚本・演出を手がける。2009年には、新プロジェクト「劇団、江本純子」シリーズ開始。2010年3月1日〜『農業少女』(作:野田秀樹、演出:松尾スズキ)に出演。

2010-02-12 18:53
パントマイムという表現方法を武器に、日本はもちろん数多くの国でそのパフォーマンスが高く評価されているサイレントコメディー・デュオ、が〜まるちょばの最新公演がスタート! 現在上演中の天王洲 銀河劇場を皮切りに、日本全国32会場を巡る一大イベントとなるこのツアーの見所を探るべく、初日幕開け直前に行なわれた会見取材と公開ゲネプロを直撃した。

 今やが〜まるちょばの“正装”ともなった、光沢のあるグレースーツ&ドクターマーチンのブーツという出で立ちで取材陣の前に登場したケッチ!(赤いモヒカン)とHIRO-PON(黄色いモヒカン)。「ツアーの楽しみはやっぱり食事。スタッフ同士“美味しいランキング”を作って楽しみます」(HIRO-PON)。「お客さんの反応にしっかり県民性が出るのが面白い。チケットはギリギリにならないと買わないとか、すっごく下ネタが受けるとか(笑)」(ケッチ!)と、ツアーへ出発するのが今から待ち遠しいと微笑むその表情は、とても晴れやかだ。

 結成11年、過去に創った傑作ネタの数々に新たな息吹を吹き込んで臨む大舞台。「ネタのリニューアルに関しては、今まで150〜300人規模の会場でやっていたモノを2000人規模の立派な劇場に対応出来るよう、距離感を大きく創ることを心掛けました」(ケッチ!)。「結成時からやっているモノも多くの人に見てもらいつつ、今回、そこにまた新たな自分たちの魅力を見出してもらえればいいですね」(HIRO-PON)。台詞のないパントマイムを駆使し、大きな笑いを生み出す彼らのステージ。会見は終始“準備は整った。あとはみんなに楽しんでもらうだけ”という自信がこちらにもビシビシと伝わる、期待感溢れる空気に包まれていた。

 そのパッションは、ゲネプロ開始直後の1幕冒頭からすでに全開。お馴染みジュラルミンのトランクを絡めて見せるストリートネタ『が〜まるSHOW』では敏感に会場の空気に反応。コール&レスポンスで会場を温め、カメラマンにも「撮影する暇があるなら拍手と歓声を!」と(もちろんジェスチャーで)容赦なくあおりまくる。会見で「お客さんの反応しだいでネタの内容も長さもどんどん変わる」と言っていた通り、会場が盛り上がれば盛り上がるほど舞台上も熱くなるというわけだ。

 続く『M&D』はマイケルVSドラゴンの対決! 常にボケ役のドラゴンに突っ込み続けるマイケルというコンビネーションが愉快。お決まりのポーズを次々に繰り出すマイケルのジェスチャーがそのまま彼の感情を表すという巧妙さから、“身体で伝える”というパントマイムの原点を自然に感じ取ることが出来た。

 舞台上に透明人間を配することで登場人物の数を増やすことに成功、こちらのイマジネーションを存分に働かせて“見えないもう1人”の姿も追いながらの『透明人間』が始まる頃には、会場にいる誰もがノンヴァーヴァルな世界に身を委ねる楽しさと気持ち良さの虜になってしまっていた。

 休憩を挟んだ第2幕は約50分に渡る大作、長編ラブストーリー『BOXER』の一本勝負。世界各国で上演して来た演目をこのツアーのために練り直した意欲作だ。HIRO-PONが演じるのは主人公のボクサー。また老トレーナー、ボクサーの恋人、さらに何人もの役を次々にケッチ!が演じ分け、壮大な愛の軌跡が描かれていく。挫折、出会い、挑戦、栄光と、描かれるストーリーは明快だが、それらのすべてを“なにひとつセットのない舞台上でたった2人の人間がマイムで演じている”という事実を思うと、ただただ驚愕するばかり。スローモーションで戦うボクサーの躍動感、スピーディーな役の入れ替わりと演じ分け、そしていつしか心の中に聞こえて来る彼らの絶叫――。まさに「パントマイムはとても面白いモノ。観る人もやる人も増やしていきたい」(ケッチ!)、「パントマイム界の裾野を広げていくのも自分たちの仕事ですね」(HIRO-PON)という2人の想いが詰まったサイレントコメディーの真骨頂と言える、感動の物語に仕上がっている。

 パントマイムの限りない可能性を全身で伝える2人のオリジナルなパフォーマンスを体感できる本ツアーは5月まで続く。見逃すことのないよう、早めのスケジュールチェックをお忘れなく!

〈取材・文/横澤由香〉

2010-02-03 10:33

1982年のニューヨーク初演以降、多くの人々に愛され上演され続けているオフ・ブロードウェイミュージカル『リトルショップ・オブ・ホラーズ』。日本でも人気の高い本作の2010年版がいよいよ始動する。小さな花屋で働くさえない主人公・シーモアを演じるのは、これがミュージカル初出演のDAIGO。シーモアの片想いの相手・オードリーに安倍なつみ、2人の恋に立ちはだかる歯科医・オリンに新納慎也というフレッシュな顔合わせによる“B級ホラーロックミュージカル”。「楽しさ満載の舞台にしたい!」と盛り上がる3人が、作品にかける意気込みを語ってくれた。

★オフィシャル先行プレオーダー:2/1(月)〜2/14(日)
★一般発売:2/27(土)


――DAIGOさん初のミュージカル。出演が決まったときのお気持ちは?

DAIGO ミュージカルやお芝居は人並みには観に行ってましたしすごく興味はあったんですけど、やっぱり最初は「まさか!?」っていう感じで。でも自分の人生的にはいろいろチャレンジしたいっていう気持ちがホントに強いので…とはいえいきなり出番の多い主人公っていうのはちょっとビビリましたけど(笑)、新しい挑戦っていうのはいつも楽しみですし、せっかく声をかけて頂いたんだから全力でやろうと思いましたね。

――安倍さんは舞台に出る機会が増えていますね。

安倍 そうですね。この作品のことは知らなかったんですけど、ミュージカルで、B級ホラーで、面白い部分もいっぱいあるし、しかも本多劇場でっていうお話しを聞いてたらうれしくなってきて「ぜひやらせてください!」って。とにかくすっごい楽しみでわくわくニコニコしてます。私、稽古に入ると結構壁にぶつかってしまうほうなので(笑)、今のうちいっぱい笑っておきます(笑)。

――新納さんはオリンは「いつかやってみたい役」だったそうですが。

新納 好きで気になる役でしたし、いつかは来るんじゃないかな〜とは思ってたんですよ。だから「とうとう来たか」と。年齢的にはもうあと10年くらいはできる役柄だと思うので、これを機会に10年間は演じ続けます。

DAIGO おぉ〜。

新納 だから振付けもね、今は出来るけど10年後はキツくなって来ることも多いだろうし、激しいのはやめてくださいとか、長いスパンを感じながら作っていこうかなって(笑)

――それはある意味、プロデューサー的な目線で作品創りに関わっていこうという決意ですね(笑)。

新納 まあ…そういうことなんでしょうかね(笑)

安倍 新納さん、スゴ〜イ!(笑)

新納 でもほら、やっぱり再演出来るのが舞台のいいところでもあるから。

DAIGO この3人が、10年後も…。

新納 出来たら、ね。いいでしょ?

安倍 フフフッ。

――それぞれの役柄についてはいかがですか?

DAIGO さえない青年、シーモア。まあ俺もやっぱシャイだし照れ屋だし…って、そんなの知らねえよって感じ??

安倍・新納 (爆笑)

DAIGO (笑)。傷つきたくない草食系なんでね。まあ客観的に見て自分は頼りがいのないタイプだと思うので、そこはあえて役づくりの必要もないかと。でもちょっと気弱なんだけど上手く行くと調子ブッこいちゃうみたいな、人間らしいといえば人間らしいキャラクターだなって自分なりにすごく理解出来るところがあるので、そこを手がかりに楽しく演じられたらいいなと思ってます。

――そのシーモアの想い人が、安倍さん演じるオードリー。

安倍 彼女、とっても天然ですよね。オードリーのような役はこれまで演じたことがないし台本もこれから頂くのでまだ見えないモノもいっぱいあるんですけど、映画版を観て感じたのは、オードリーは私が持ってないモノをいっぱい持ってるすごく魅力的な女の人だってこと。オリンに殴られても「やっぱり好き」って思えるほど愛に真っすぐで…どうなんだろう、でも…そう、ひとつだけじゃない、いろんな表情のオードリーを演じたいな。

――そしてオードリーを殴ってしまうサディスティックな歯科医、オリン。

新納 今さら僕に王子様的な役は回ってこないんです(笑)。もうね、際物役を全うしますよ! オリンはこれまでもいろんな素敵な役者さんが演じて来た役ですけど、陣内孝則さんが演じられた印象が強いと思うんです。5年くらい前に共演させて頂いた際、その陣内さん本人が「俺の次に歯医者が出来るのはニイロ、お前だよ」って言ってくださった。だから自分の中では陣内さんが観に来てくださって「よし」と言ってくれたらOKかなっていう密かな目標はありますけど、影響されるのも悔しいので(笑)、僕はまた新たな“平成のオリン”を創りあげたいですね〜。ガ・ン・バ・リ・マ・ス!

――DAIGOさんにとって初体験尽くしの初舞台。稽古を前に改めて今の心境は?

DAIGO いろいろ勉強させて頂きます! 自分たちのライブでもリハーサルにひと月とかそんなにはやらないし、毎日ステージで歌って、しかも1日2回公演もあってとか、ホントにそこはやってみなくちゃわからない未知数なことばかりなので、正直今はつかめない部分もたくさんあります。でも先ほど新納さんが“プロデューサー的な視線で”って言ってくださったんで、これからは何か言いにくいこととかあったらまず新納さんに伝えて、と(笑)。

新納 やだよ〜、責任取れないよ(笑)。でも武道館を満員にしちゃうロックスターが下北でB級ミュージカルなんてイイよね! 超近くで観れてお得だし。それに今回本多劇場って聞いて思わず「最高〜!」って拍手しちゃった。この作品はもともとオフブロードウェイ作品で100人、200人って劇場で上演されてる作品だから、シチュエーション的にも本来持ってる空気感が存分に出ると思う。

安倍 歴史ある劇場だから楽しみです。『三文オペラ』のときに(宮本)亜門さんに「舞台上で裸になっている位の気持ちでいなさい」って言われて、あのときはもう恥ずかしいって感覚よりも「どこまで行っちゃえるか」みたいな感覚でやっていて…もちろん、作品によっていろいろですけど、今回も「お客さんが近い!」っていうこととかは特に気にせず、みんなに伝わるよう、全力で歌っていければいいですね。

DAIGO 俺、本多劇場の前はもう何百回も通り過ぎてるぞっていう下北育ちなんですけど、そんな場所に初めて足を踏み入れるのが自分の主演ミュージカルっていうのは、何かとても運命的なものを感じます。

――では改めて本番へ向けての意気込みをお聞きかせください。

安倍 ドキドキするちょっと怖いシーンも愛情いっぱいのシーンもある素敵なお話しなので、やっぱり一番は「お客さんに楽しんで欲しい」ってことですね。あとこれは私自身も楽しみにしてる部分なんですけど、人喰い花のオードリーIIがどんな風に出て来るのか。気になる〜。オードリーとしてはもう愛の溢れる作品にしたい、それだけです。

新納 今回、DAIGOファンをはじめ「これが初ミュージカル」っていうお客さんもたくさんいらっしゃるだろうけど、この『リトルショップ・オブ・ホラーズ』は初ミュージカル体験にぴったりの作品だと思うんですよ。曲もポップだしロックだし……

安倍 ゴスペルやバラードもあるっ。

新納 そう! とにかくナンバーはどれもカッコイイし、物語は“花が人を食べちゃう”っていうホントにおバカな世界。この素晴らしきB級の世界を大いに楽しんで、盛り上がって、帰りに喧騒溢れる下北の街でちょっと飲んでほろ酔い気分で帰る、とか。

DAIGO コース、完璧じゃないですか。

新納 ね。若い人たちからファミリー層まで、カジュアルに楽しんでもらえる作品をお届けしたいと思います。

DAIGO まさに“お子さまからおじいちゃんまで”。ライブもそうですけど、SFホラーロックミュジーカルってことで、劇場にいる間はいつもの現実を忘れて「来てよかった」「メチャ楽しかった」って思ってもらえるような舞台になったらいいですね。そのためにも自分がやるべきことをちゃんとやって、あとはチームワークでイイ感じに、共演者のみなさんとうまくコミュニケーション取って、足を引っ張らないようにしたいと思います。

(取材・文/横澤由香〉
(写真/坂野則幸)

公演概要

『リトルショップ・オブ・ホラーズ』

東京公演
2010/5/13(木)〜5/30(日) 下北沢・本多劇場

宮城公演
2010/6/1(火) 仙台市民会館 大ホール

千葉公演
2010/6/5(土) 君津市民文化ホール 大ホール

福岡公演
2010/6/11(金) 福岡市民会館 大ホール

大阪公演
2010/6/12(土)〜6/13(日) 森ノ宮ピロティホール

神奈川公演
2010/6/19(土) 神奈川県民ホール 大ホール

富山公演
2010/6/21(月) オーバードホール(富山市芸術文化ホール)

★オフィシャル先行プレオーダー:2/1(月)〜2/14(日)
★一般発売:2/27(土)


※訂正のお知らせ(2/1)
東京公演の会場表記に誤りがあり修正いたしました。大変申し訳ございませんでした。
2010-01-28 11:31

 その過激かつ豊かで大胆な表現力で、人間の本質をえぐり出す作品を上演してきた、ポツドール主宰の三浦大輔。新作を発表するごとに演劇界に刺激を与え続けている彼が2010年、また新たなステップを上がり始めた。注目の書き下ろし作品『裏切りの街』は、秋山菜津子、田中圭、松尾スズキといった、三浦とは初顔合わせの個性はキャストがズラリと揃う。果たして、どんな舞台を作り上げようとしているのか、三浦と秋山に話を聞いた。

「人が人を裏切る行為を、共感を持たせながら見せたいというのが狙いです」(三浦)

――この作品を書かれるにあたって、三浦さんとしてはどのような狙いがあったんでしょうか?

三浦 タイトルどおりに、人が人を裏切る瞬間というものをしっかり描きたいなと思ったのが発端なんです。人が人を裏切る瞬間って、悪だけじゃないような気がするんですよ。裏切りという行為自体は悪意にとられがちなんですが、そこには罪悪感とか後悔とかいろいろな感情が含まれていると思うので。そのあやふやなというか、善と悪が振り子のように行ったり来たりする感じを丁寧に描きたいんです。裏切る行為を、共感を持たせながら見せたいというのが今回の狙いです。

――観ているお客様が、自分にもそうやって人を裏切ることがあるかもしれない、と思えるような?

三浦 そうですね。その行為自体は本当に見るに堪えないものではあると思うんですけれども。でも、やはり皆思い当たる節のあることだと思うので、そこに共感してほしいですね。人は、一貫性がないものだと思うんですよ。もうやめようと思うのに、一晩寝ると翌日は結局また同じことをやってしまう。そういう人間のつかみどころのなさを、エンターテインメントとして見せようという目論見なんです。

――そして今回、秋山さんをキャスティングした一番のポイントというと?

三浦 ぶっちゃけて言いますと、秋山さんに出てほしいなというのがまずあって。そこからストーリーを考えたんです。

秋山 そうでしたっけ? 私がいかにも人を裏切りそうなイメージだったから、とかじゃなくて?(笑)

三浦 いえいえ(笑)。ポツドールの劇団公演だと、どうしても若い人たちの物語しかできないんですが、実は夫婦の話とかも書いてみたいという気持ちが前からあったんですよ。秋山さんには、色気があるのはもちろんですが、いい意味で大人気ない感じもあるかなと。

秋山 ふふふ。

三浦 美しいんだけれどもダメで弱い感じを見てみたいなと、僕が思ってしまったんですよね。そもそも、この芝居の始まりはそこなんです。

――秋山さんは、このお芝居に出ることになって、まずどう思われましたか。

秋山 三浦さんの舞台はこれまでに『顔よ』(2008年上演)という作品1本しか観させていただいていなかったんですよ。でも、なんだか楽しそうですし。私、挑戦することが好きだから、やってみようかなと思いまして。その『顔よ』を観たときは、ちょっとビックリしましたけどね(笑)。噂には聞いていたんですけど。でも、以前はもっとすごかったそうですね。

三浦 はい(笑)。今は結構、落ち着きました。

秋山 なんだか、新しいことをやるときってすごくいいじゃないですか。初めてパルコ劇場でやる、とか。私、そうやって初めてのことに関わるのが好きなんです。気付くと、そんなことになっていることが多いんですよね。

――智子という役を、三浦さんとしては秋山さんにどう演じてもらいたいですか?

三浦 そうですねえ。秋山さんのままで演じてくださればいいと思うんですけれども。

秋山 そうですか。今回の役の場合は現代が舞台なので、自分自身が置かれている立場にちょっと近かったりすると思うんですよね。年齢的にもそうだし、場所も東京だったりするし。そういう役を演じるのって、意外と照れくさいんです(笑)。近いからこそある壁を乗り越えなきゃいけないので。

――三浦作品ということは、やはり激しい絡みのシーンがあったりするんでしょうか。

秋山 あるの?(笑)

三浦 まあ、妥協はしないつもりでいます。

秋山 松尾さんはやる気マンマンですよ(笑)。

三浦 ハハハ! 本当ですか。ただ、普段からいつも思っているのは、そういう表現が目的になっちゃだめだということなんですよ。そのテーマを描くために、演出として露骨な表現が必要であればやらなきゃいけないとは思うんです。そこを省略しちゃうとテーマが弱くなると思えば、きちんと描かなくてはいけない。でも、その点は役者さんとしっかりコンセンサスをとってやっていきます。役者さんも同じようにそういう表現が必要だと思ってくれたならば、きっとやってくださると思うんです。それが単に露悪的なものだったら、誰だってやりたくないですからね。だからそこは慎重に考えていきたいと思っています。

――秋山さん、ご覚悟のほうは。

秋山 いや、今の話を聞いてすごく安心しました。私も、必要だと思えばやっていくほうだから。そんな感じなら大丈夫です。だけど、三浦さんって、もっとガーッて自分からやっていく感じの方かと思ってました。

三浦 そんなことないですよ。逆に、役者さんが自ら「ここは脱いだほうがいいですよね」って言ってくれることのほうが多いんです。

秋山 へえ〜、そうなんだ。

三浦 無理やり脱がせるわけにはいかないので。ただ、うちの劇団はそういうことをやり過ぎて、感覚が多少マヒしちゃってるところはあるかもしれないですけどね(笑)。

「ポツドールらしさと私たちらしさを出しつつ、新しい何かを生み出したい」(秋山)

――田中圭さんと共演されることに関しては、いかがですか。

秋山 圭くんとは岩松了さんの芝居で一緒だったこともあって、なんだかやっぱり照れくさいんです。

三浦 でも先ほど、二人が並んでいる姿を見ていたんですが、すごくいい雰囲気でしたよ。

秋山 息子みたいじゃなかった?(笑)

三浦 いやいや、逆にこの二人が…というのがグロいというか、生々しいんですよ。田中さんってあまりセックス的なアピールはないじゃないですか。それが逆に秋山さんとだと、いい意味でちぐはぐになる。

秋山 そうだよね。ちょっとちぐはぐ感があるよね(笑)。

三浦 そこがいいなあと思いました。そこが逆にピッタリ。

秋山 ハマり過ぎてもね。

三浦 ええ。どこかマヌケだったりするので。そのデコボコな感じがいいんです。

――松尾さんとはもう、何度も共演されていますが。

秋山 今回、夫婦役をというのがまたこれも照れくさいんですよ(笑)。圭くんよりも、もっとよく知っている相手だから。でもまあ、気心が知れてるからやりやすいと言えばやりやすいし、心強いです。だけど松尾さんのお芝居はすごく面白いから、オイシイところをみんな持って行かれそうな気もする(笑)。

三浦 ハハハ!

秋山 だけど今回、二の線でいくんでしょ?

三浦 そうですね。エキセントリックな感じではないです。そこら辺にいそうな中年おじさん役をやってほしいと思っているので。

――三浦さんは松尾さんとは、今回が初顔合わせですよね。

三浦 そうなんです。僕はもともと、松尾さんに影響されて芝居をやってきたというところもあって。だから、自分の作品に出演していただけるのは、とても光栄です。

秋山 ああ、だから三浦さんの作品もちょっとダークな感じがあるんだ。

三浦 そうですね。でも、作品の空気は違うと思います。結局、今みたいな作品を書くようになったのは、松尾さんのマネをしちゃいけないというところから始まっているんです。

――では最後にお客様へ、お誘いのメッセージをいただけますか。

秋山 ポツドールらしさを出しながらも、そこに若くない私とか松尾さんも出ているので私たちらしさも出しつつ、みんなでぶつかりあって、新しい何かを生み出したいと思っています。大勢の方に、観に来ていただきたいですね。

三浦 パルコ劇場進出ということで「ひよったな!」とは思われたくないので(笑)、ポツドール色はなくさないつもりです。だけど本当に、いろいろな人が観にいらっしゃると思うんです、たぶん今までポツドールを一度も観たことない人もいらっしゃるでしょうし。せっかくの機会なので、だからこそ自分のやりたいことは曲げないで、いつものようにやるつもりです。こういう作品をやってはいますが、実はいろいろな人に観てもらいたい欲は人一倍あるんです。普遍的なことをやっているという自負はあるので、受け入れられる気はするんですよ。

――初めて観る人は、ビックリするかもしれないですけどね。

三浦 その驚きと嫌悪感も含めて(笑)、ぜひ楽しんでいただきたいですね。

(取材・文/田中里津子)
(写真/渡辺マコト)
(衣裳協力:VICTRIA WEBB)

2010-01-28 11:18

 個性派俳優として、あらゆる舞台や映像でインパクトのある演技を披露してきた池田成志。実は演出家としての顔も持つ彼が、今回取り組むのはここ数年、自らの劇団外の公演でも注目を集めている猫のホテルの千葉雅子による書き下ろし脚本だ。日本統治の幕切れが迫る台湾を舞台にしたこの『博覧會』という作品は、芸人の師匠と弟子を中心にした物語になるという。

 この弟子を演じるのが、どんな作品に出ていても強烈なキャラクターがひときわ目を引く大人計画の人気役者、荒川良々。役者同士として共演経験はあるものの、演出家と役者という関係になるのは今回が初めてという池田と荒川に、話を聞いた。

「いろいろな役者さんを横に並べたときに、そこに良々がいると面白そうだなと思ったんだ」(池田)

――池田さんは、この公演の企画段階から関わられているんですか?

池田 はい。2年半くらい前から。千葉さんとは以前、"月影十番勝負"(2006年上演『SASORIIX 約束』)でも一緒に芝居をやっていまして、「いつかまたやろうね」って言っていたんです。それから何度も頓挫しそうになりながら、ようやくここまでこぎつけました。

――ということは、千葉さんと一緒に芝居をやりたいという思いが、この公演のそもそものきっかけだった。

池田 そうです。千葉さんを男にしたい、というかね。

荒川 えっ、千葉さん、男なんですか?

池田 いやいや(笑)。千葉さんって、書き手として本当に面白いことを書くんだけど、ものすごく遅筆で、なかなかふんぎりがつかない人なんですよ。だから「なんか、やろうよ! 千葉さんはもっともっと面白いはずだよ!」みたいな気持ちがあって。それで今回、一生懸命たきつけてみようかと。まあ、今もたきつけている最中なんですけどね(笑)。

――千葉さんには、こういう物語を書いてほしいと注文されたりしたんですか?

池田 いや、千葉さんが書きたいものを書くべきだと思ったので、特にしていません。でも案の定なかなかアイデアが出てこないので、いくつか候補を出してもらって。その中で台湾を舞台にした戦時中の話というのがあって、面白そうだからそれでいきましょうということになったわけです。

――そして今回、荒川さんをキャスティングした狙いというのは。

池田 いろいろな役者さんを横に並べたときに、そこに良々がいると面白そうだなと思ったから。良々と、(篠井)英介さんや大谷(亮介)さんが並ぶことって、めったにないんじゃないかな。あまり一緒にやったことないでしょ?

荒川 ええ、ないですね。共演しても、あまりからんでいないし。

池田 そうやって「これって、どうなるかわからんわい」と思える組み合わせのほうが、面白そうじゃないですか。

――荒川さんはそのオファーを受けて、どう思われましたか。

荒川 「じゃ、やらせてください!」と二つ返事でした。千葉さんの脚本の舞台は何本か観ているけど出演したことはないし、成志さんの演出した舞台も観たことはあるけど、演出を受けたことはなかったですし。

――今回の、演出のポイントとしては。

池田 あまり、ふざけるのはよそうかなーとは思っていますけどね。みなさん、なんでもできちゃう人たちが多いから。骨太なというか、そんなに軽くならないようにしたいなと。ふだん、軽いのばかりやっているのでね(笑)。

――物語としては、芸人さんの話なんですよね。

池田 そうです。なにをやってもうまくいかない人たちがたまたま、台湾のある地点に集まって、なんとかしようとあがく話にしたいんです。終戦間近、1940年代の台湾を舞台にするつもりなので、社会全体もうまくいっていないはずだし。そうなると、ふざけるにしてもきっと逆に悲壮感のあるふざけになると思うんですよね。だから、あまり軽はずみなノリでやるのではなく、しっかり作っていこうかなと思っています。

「初めての成志さん演出で、見たことのない自分を見せられるといいなと思います」(荒川)

――荒川さんは今回、どういうキャラで、どう演じようと思われていますか?

荒川 どうなんでしょうかね。まだよくわかっていないですけど。芸人の師匠と弟子の話なんですよね。

池田 うん。英介さんが師匠で、良々が弟子。そして、その師匠がこさえるつもりのなかった娘を、弟子のほうが親代わりに育てているという関係があって。この弟子が、師匠になぜか盲目的にずっとついていっているので、彼はどうして師匠から離れないのか、結局は離れるのか、みたいなお話を軸に持っていこうとしているんです。だけど、英介さんが師匠で良々が弟子っていう、その絵づらがもうおかしいよね。全然、合ってなくて。ただこれも今のところの話ですわ、もうしわけないけど、今から大幅変更もあるかもです。

――池田さんとしては、荒川さんにどう演じてほしいと思われていますか?

池田 今の時点では、特にないですね。まだ、どう転ぶかわからないんでね。ただ、良々の場合はいじめている役が多いじゃない?

荒川 はい。

池田 いじめられている役ってあまりなかったと思うんだよね。いじめられてても気づかないというのはあるかもしれないけど。

荒川 ああ、そうですね。

池田 すごく人がいい役もいいんじゃないかなと、僕は思っているんですけどね。そのへんは、これから千葉さんがどう書いてくるか、僕自身も楽しみですよ。

――では最後に、お客様へお誘いの言葉をいただけますか。

池田 僕はもう20年以上芝居をやっていて、英介さんや大谷さんとも長い付き合いなんですけど、仕事を一緒にするのは実は今回が初めてなんです。それに、たとえば(星野)真里ちゃんに英介さんとか大谷さん、良々、(菅原)英二たちをここで紹介するというか、こうやって人と人とを会わせることができるだけでも、いいことができたなと思っていて。きっと、面白い化学反応が起きるはずですよ。今回って、みんなそれぞれバイプレイヤーみたいな人が多いじゃないですか。自ら看板しょってやってるような人は英介さんくらいでしょ。意外と、ありそうでない組み合わせだと思うので、その顔合わせの妙をぜひ確認しに来てもらいたい。それに今回はお値段もお手ごろになっております!(笑)ホント、このメンツにしては出血大サービスですから!

荒川 僕は……ただひたすらがんばります、としか言えないなあ。

池田 もっといいこと言ってよ(笑)。

荒川 いいことですか。まあ、英介さんと大谷さんとの化学反応をですね……。

池田 俺と同じことじゃないかよ(笑)。

荒川 いやいや本当に。僕としては、千葉さんの脚本が初めてなので、これまで見たことのない自分を。

池田 見たことのない荒川良々を出す? いいねえ!(笑)

荒川 はい。初めての成志さん演出で、それが見せられるのではないかと思います。

池田 言っちゃ悪いけど、良々って不気味じゃないですか。そういうキャラも多いしさ。

荒川 いや、本当は好青年ですよ。

池田 意外にこう見えてイイヤツなんだよね。それも含めて出していこう、と。

荒川 ええ、自分の殻を破って。みなさんに、力を貸していただきながら。僕も貸します。

池田 貸すんだ(笑)。新しい自分を見つけるために。

荒川 はい、絶対。

池田 あとで笑っちゃわない、そんなこと言っちゃって?(笑)

荒川 そうですね、かなり恥ずかしいかも(笑)。まあとにかく、僕は一生懸命やらせていただくだけですよ!

(取材・文:田中里津子)
(写真:渡辺マコト)

公演概要

「博覧會〜世界は二人のために〜」

公演日:2010/4/8(木)〜4/21(水)

会場:東京グローブ座 (東京都)

作:千葉雅子   演出:池田成志

出演:荒川良々/星野真里/大谷亮介/菅原永二/千葉雅子/池田成志/篠井英介


2010-01-25 18:13

ブロードウェイ+ハリウッド+アイルランド島が激震! 驚異のタップダンス・エンターテイメント、シカゴより降臨 「トリニティ・アイリッシュ・ダンス」

 1987年に世界アイリッシュ・ダンス・コンクールで優勝して以来、現在までに実に18回もの世界タイトルを獲得!まさにアイリッシュ・ダンス界最高のグループであるトリニティが4年ぶりに来日します。アイルランド人の両親を持つ芸術監督のマーク・ハワードは、トム・ハンクス等ハリウッド・スターのプライベート・コーチを務める名振付家で、アイリッシュ・ダンスを芸術の域に高めて後の「リバーダンス」「ロード・オブ・ザ・ダンス」の誕生に影響をもたらせました。地殻を揺るがすようなタップの洪水と整然とした群舞の美しさ、肉体の極限に挑むひたむきな舞台は人間が人間に感動する稀有な瞬間を作り出します。

公演概要

【公演】2010/7/17(土)14:00/19:00
     2010/7/18(日)12:30
     2010/7/19(月・祝)12:30
【場所】BUNKAMURA オーチャードホール
【演目】ケルティック・サンダー、トレブル・ジグ 他
【芸術監督】マーク・ハワード
【プリンシパル・ダンサー】ギャレット・コールマン

プロフィール

世界選手権最年少で2連覇
プリンシパル・ダンサー:ギャレット・コールマン
Garrett Coleman Principal Dancer

 幼少からアイリッシュ・ダンスを習い、テレサ・バーク等に師事。早くもその才能を発揮し10代半ばまでに米国内の選手権にて16回の優勝を果たす。2004年に16歳でアイルランドでの世界選手権に優勝、また翌年に2連覇の快挙を成し遂げ世界に名を馳せた。競技ダンスの活動に加えショーダンサーとしても活躍、これまでにリバーダンスのミュージシャンとして名高いアイリーン・アイヴァース率いる「チェリッシュザレディース」や「チーフタンズ」と共演する。2006年国家芸術振興基金(NFAA)銀賞授与、またアメリカ大統領奨学生に選出されケネディ・センターにてブッシュ大統領の訪問を受け絶賛を博す。2006年よりトリニティのプリンシパル・ダンサー。

トム・ハンクス、ポール・ニューマン、ケイト・ハドソン
ハリウッド大スターのコーチとしても活躍
芸術監督 マーク・ハワード
Artistic Director Mark Howard

 アイルランド人の両親のもとヨークシャー(イギリス)に生まれる。幼少時シカゴに移住、9歳からアイリッシュ・ダンスを学ぶ。北米選手権優勝の後、17歳でトリニティ・アカデミー・オブ・アイリッシュ・ダンスを設立、数々の世界大会優勝を果たす。「プログレッシヴ・アイリッシュ・ダンス」の思想の下、これまで競技会中心であったアイリッシュ・ダンスをエンターテインメントの要素を伴う総合舞台芸術として昇華させたが、これが後続のリバーダンス等の出現に影響を与えた。1991年「100名のアイリッシュ・アメリカン」選出、1993年には米テレビ界最高の栄誉とされるエミー賞を獲得。また『バックドラフト』『アメリカン・ビューティ』『ロード・トゥ・パーディション』等多くの映画、TV、舞台作品で振付を手掛ける。トム・ハンクス等大スターのプライベート・コーチとしても有名。

トリニティ・アイリッシュ・ダンス
Trinity Irish Dance

 1979年トリニティ・アカデミー・オブ・アイリッシュ・ダンスとしてシカゴに創設。主宰は、著名なダンサーで振付師、舞台演出家のマーク・ハワードであった。1987年アイルランドで行われた世界アイリッシュ・ダンス・コンクールでアメリカの団体として初めて優勝したのを始め、現在まで実に18度世界タイトルを獲得。1990年世界のさまざまな舞踏や音楽の要素を取り入れたプログレッシヴ・アイリッシュ・ダンスを発信させるため、ソロ世界チャンピオンを含む18歳から26歳のダンサー22名、ミュージシャン、スタッフを現名称で独立設置、ワシントンD.C.のケネディ・センター、ニューヨークのジョイス・シアター、シカゴのオーディトリアム・シアター等で公演を行ってセンセーションを巻き起こす。以来、全米、欧州のツアーは常にソールド・アウトを記録、日本の鼓童、ボストン・ポップス等とも共演を行っている。

アイリッシュ・ダンスとは

 16世紀のイングランドによるアイルランドの支配以来、同国の伝統的文化活動が禁じられ、厳しい統制は400年も続きました。民族楽器の演奏が禁止されてから、伝統的なアイルランド音楽の旋律は家庭の中でひそかに歌い継がれ、またそのリズムは、窓の外から監視する兵隊に見えぬよう、足だけを踏みならすことでこっそりと伝えられるようになりました。人々は強い民族的精神を内に秘めながら、静かに大地を踏みならし続けてきたのですが、1800年代にその支配が解かれるとアイルランド復興運動が起こり、抑圧の反動からアイリッシュ・ダンスは爆発的な広がりを見せました。1900年代初頭には、アメリカに渡ったアイルランド移民により、国境を越えて普及するようになりました。映画「タイタニック」でアイルランド系移民の役を演じたディカプリオが、3等客船の中でタップダンスを踊っていたシーンはまさにこの場面です。
2009-12-28 18:01

 全国の読者に感動を与えた実話集『届かなかったラヴレター』。シリーズ累計35万部のこのベストセラーを、歌手・クミコとミュージカルスター・井上芳雄が朗読し、そして歌うハートフルコンサートが2009年に引き続き、再び開催される。前回の好評に応え、今回はさらにパワーアップ! 朗読&ナビゲーター役として徳光和夫、上柳昌彦という大御所アナウンサーがふたりも参加することになった。

「なんだか家族写真を撮っているみたい!」と顔合わせの時点から和やかなムード満点だった4人に、今回のステージへの想いを語ってもらった。

「ナマで朗読をするというのは、実は初めての経験なんです」(徳光)
「いつかクミコさんと何か一緒にしたいと話していたんですよ」(上柳)

――クミコさんと井上さん、おふたりにとっては2回目の『届かなかったラヴレター』になりますが。徳光さんは、この企画に初めて参加することになって、まずどんなことを思われましたか。

徳光 僕はほら、もう“アラシチ”ですから。

上柳 “アラシチ”?(笑) 今、おいくつなんでしたっけ。

徳光 68歳。このトシだとどんな仕事をやってももう仕事慣れしちゃってて、いただく仕事をどっちかというと“こなす”という感じだったんです。だけど、今回のように舞台で。ちゃんと声づくりをするというか、毎日、声に出して読んで準備をしておきたいです。手紙には微妙なニュアンスが書かれていますから、その言葉のニュアンスを音で出せるようにしていかなきゃいかんかな、と。

――上柳さんも同じく、初参加ですね。

上柳 そうです。そもそも、僕はクミコさんの『わが麗しき恋物語』という曲を7年前、勝手に自分の番組で毎日かけていたという、そんなご縁があってね。いつかクミコさんの歌に合わせて、僕が何かを読むのか司会をするのかわからないけど、とにかく何か一緒にしたいですよねって話はしていたんです。それが、小さな炎みたいにチョロチョロ燃え続けていて、今に至るわけなので。だから今回は本当にうれしいですね。

クミコ だけど徳光さんと上柳さんという最強の、言葉を伝える達人がおふたりもいらっしゃるんですから。きっと、ものすごく助けていただけるんだと思って、心強いですよ。

井上 僕も、こういう試みはずっと続けていきたいなと思っていたんです。だからこうして2回目があってとてもうれしいし、新しい形でおふたりとご一緒できることは、すごく幸せで、すごく楽しみです。

――前回やってみて、感想としてはいかがでしたか。

井上 もう、とにかく稽古が大変だったんですよ。演出が結構しっかりあって、芝居とか舞台に近かったので。

クミコ そうなんですよね。最初はセリフを覚えるわけじゃないし、ただ手紙を読んで、歌うだけじゃない?って簡単に考えていたら(笑)、それどころではなくて。これってなんなんだろう?っていうくらい、あれほど疲れた舞台もなかったですね。

井上 アハハハ、本当ですよ。

クミコ なんでこんなに疲れるの?って、ふたりでゼイゼイしてました。それって、手紙に詰まった何十人分の想いを背負ってやるせいなのかな、と思うんです。ひとつひとつ、いろんな人の想いに沿わなきゃならないので、それで自分の体がバラバラになっていくような緊張を強いられたのかもしれません。

井上 僕も、読んでみて初めてわかることがいっぱいあって。手紙を書いたのは一般の方、つまり文章のプロじゃない方じゃないですか。だからどうしてもリズムが難しかったりして、読みにくい部分もあって。でも、だからこそリアルに届くものもあるんですよね。

クミコ 芳雄くんは、よく泣いたよね(笑)。

井上 もう、舞台上でもボロボロ泣きながら。

クミコ 私は最初「え、なんで泣くの?」と思っていたのに、結局は同じような状態になってました。鼻水の処理の仕方を、芳雄くんを見ながら覚えましたよ(笑)。

――だけど、涙といえば徳光さんですよね。

徳光 そうなんですよ。だから、今から困っててね。涙って、こらえていると一度噴き出したときにはもう尾を引いて、止まらなくなるんです。

クミコ ああ〜。

井上 そうそう!

徳光 これもまた、僕のひとつの課題だな。 

上柳 いや、実話っていうのは、僕もよくラジオで読むんですけども、演者は泣いちゃいかんよって言われるわけですよ。

徳光 うん、本当はそうなんだよね。

上柳 自分の感情は置いておいて、その上でいろんなことを想像するのはお客さんの力なので。だから僕の仕事は、どこまで自分の感情を抑えられるかってことなんですが、これがひとりが泣き始めるとね。

クミコ そう、そうなの、そうなの!

上柳 女子中高生みたいな連鎖になるんじゃないかと、今、ふと思ってね。これはなんとかしなきゃな。

クミコ 気をつけます。

徳光 一番心配なのは、やっぱり僕ですかね。今朝も、電車でスポーツ紙を読んでいて、これがまたうまいこと書いてあるもんだから。

クミコ アハハハ、電車の中で泣いちゃうんですか。

徳光 いや、ホントそうなんです。もう、嗚咽ですよ。みっともないけど、止めようと思っても止まらなくなっちゃってね。

上柳 周りの人、ビックリするでしょうね(笑)。だけど、人がそうなると逆に自分は冷静になるかもしれないなあ。

クミコ じゃ、上柳さんを船長と呼ぼう! みんなが沈みかけたら、よろしくお願いしますね!

井上 最後の砦として頼りにします!(笑)

「おのおのの中で見えてくるものがいっぱいあるコンサートにしたい」(クミコ)
「実人生が全面に出てくる手紙や歌からいろんなことを受け取りたい」(井上)

――朗読を実際にやってみて、難しさは感じられましたか?

井上 いや、本当に難しかったです。僕はふだん役を演じることが多いので。朗読では、演じてその人になって読むのがいいのか、ある程度距離を置いて、聴いている人の想像にまかせて読むようにしたらいいのか、悩んでしまって。まあ、正解というものもはっきりはないんでしょうけど。手紙によっては方言だったり、おじいさんだったり、女の人だったりっていうのもありますし。ふだん自分がやらないような人物の手紙も読ませてもらったので、すごく勉強になりました。だから今回は、徳光さん、上柳さんおふたりが読まれるのを見て、さらに勉強しようかなと。

クミコ 私もこの、言葉を伝える達人おふたりがどういう風に読まれるのかが、本当に楽しみ。私も同じように、勉強するつもりでおります。

上柳 だけど、クミコさんは歌もいいけど、実は朗読もいいんですよ。

クミコ ええ〜?そんなことないですよ。

上柳 MCはちょっとオバチャンぽいですが。

クミコ アハハハ!

上柳 このちょっと、ハスキーな声がまたいいんだ。

徳光 隣で声を拝聴していましても、ああこの声でナレーションするのは、いいんじゃないかと僕も思いますね。どっちかっていうと歌は語れっていうほうでしょ。

クミコ 語るように歌うとか、よく言われますけど。それって結構極意かもしれないなって、このごろ思うんですよ。語るように歌う、歌うように語る。まさしく今回はそれですね。

――では最後にお客様へ、それぞれからお誘いのメッセージをいただけますか。

上柳 まずはクミコさんと井上芳雄さんのファンの方にはぜひ、歌をじっくりと聴きに来ていただきたい。そして朗読という表現には日ごろそんなに接する機会がないと思うんですが、これが意外とハマるんですよ!意外と人間っていろんなことを想像しますよ!っていうことを、多くの方に体験してもらいたいですね。

徳光 ああ、確かにそれは非常にいい経験かもしれないね。

クミコ 実は先ほど、演出のほうから「これは目を閉じて聴くコンサートにしたい」というコンセプトを言われまして、それってすごく正しいなと思ったんです。私のお客様でも、目の悪い方がすごく多いんですよ。私の声なんて目を閉じて聴く声でもないだろうと思ったんですが、そんなことないって言ってくださってね。ということは、まさしく今回なんて、もっともっとそういう方に来ていただいたら、喜んでいただけるような気がしていて。目の見える方は目を閉じていただいて、もし目の見えない方はそのままで、おのおのの中で見えてくるものがものすごくいっぱいある、そんなコンサートにしたいですね。

井上 うーん、もう僕は本当にひとりだけ、本当に未熟者なので……。

クミコ っていうか、ひとりだけすごく若いのよね(笑)。

井上 まあ、しょうがないと思うんですけどね、実際に若いから(笑)。

徳光 ハハハ。

井上 でも今、皆さんのお話を聞いていたら、年だけの問題だけではないと思えてきて。新しい取り組みとして向き合おうとしていらっしゃる皆さんがすごく素敵で、僕なんかもっとそうしないといけないなと改めて思いました。こういうステージってごまかしがきかないというか、実人生がボーンと全面に出てくる手紙や歌ばかりになると思うので。本当に一生懸命になって僕もいろんなことを、歌や手紙から受け取りたいです。前回知ったんですが、人生で最後に人が言うのは「ごめんなさい」と「ありがとう」だと。これは僕にとっては大きな発見だったんです。それを知っているだけで何か心に灯がともるみたいなところがあったので、今回もそういう経験をまたもうひとつしたいな、と思っています。

徳光 僕も本当に今、皆さんがおっしゃられた通りの想いなんですけどね。でも、ちょっと開き直りみたいに聞こえるかもしれないですけど、僕は放送屋なんでね。“放送”という字は“送りっ放し”って書きますから。

クミコ あ、本当だ!

徳光 送りっ放しで、こちらはナレーションいたしますんで、皆さんは自由にお受け止めください、と。

クミコ ピッチャーですね!

徳光 うん。たまに暴投になるときもあるかもしれませんが(笑)、皆さんにはぜひともいいキャッチャーになっていただきたいと思っております!

2009-12-28 14:22


1973年の初演以来、時代を象徴する旬の女優が主演して来たつかこうへいの名作『飛龍伝』。12月9日、都内にてその『飛龍伝』の最新作『飛龍伝 2010ラストプリンセス』の製作発表記者会見が行なわれた。今回のヒロインは黒木メイサ。つか作品でデビューを飾った彼女が6年ぶりにつかこうへいとタッグを組み、全共闘の委員長に祭り上げられる神林美智子役に全力で挑む。会見にはほかに美智子と恋に落ちる機動隊員・山崎一平役の徳重聡、学生運動のカリスマ的リーダー・桂木順一郎役の東幹久、東京公演のみ出演する演歌歌手の大江裕が登壇。人気作にふさわしく大勢の取材陣が詰めかける中、作品にかけるそれぞれの思いを語ってくれた。

製作発表記者会見レポート



 つかとの出会いは中学生の頃という黒木は「6年ぶりのつか作品です。うれしいのと同時に、今までにはない緊張感とプレッシャーがあります。美智子は強い。でも女性として、人間として、強さだけではなく弱さも抱えているはずなので、そこを身体と心を使って表現して行きたいです。稽古が激しいものになるのは明らかだし、体力的にも精神的にも正直疲れますが、それがだんだん気持ちよくなってくるんです(笑)。ここにいるみなさんがあの稽古場でどう戦うのかも楽しみですね」と、年月を経ての恩師との再会と新たなチャレンジに向け、静かなる闘志の炎を燃やして見せた。

 これが自身にとって2度目の舞台出演となる徳重は「学生運動の時代については本などで得た知識しかありませんが、歩道のレンガを剥がして投げつけたとか今では想像出来ない激しさがあるので、背景も勉強しながらしっかり表現したいですね。これもひとつの修行。すべてをつかさんに委ねて頑張って行きたい」と、真摯に抱負を語った。

 映像を中心に活躍、久々の舞台出演となる東は「やりたくてもなかなかできない役者が多い中、こうしてつかさんとご一緒できるのは本当にうれしい。稽古を通じて自分の弱さ、足りなさを感じることも幸せだと思うと今からウズウズと心が昂ります。スポンジのような吸収力でゼロから頑張りたいです」と、大いなる刺激を前に掻き立てられる役者魂をむき出しにした。

 「新人なものでとにかく何でもチャレンジしたいと考えております。舞台のことについては黒木先輩にたくさん教えてもらいたいです。若輩者ですがよろしくお願いいたします」とは、演歌界からの異色の抜擢となった大江。真面目で朴訥としたキャラクターながら舞台上では“狂犬”がキーワードになるとか。その変貌ぶりにも注目したい。

 『飛龍伝』で描かれるのは、“国家を救う”という信念を持って生きていた若者たちの姿。残念ながら当日は風邪による発熱で欠席となったつかだが、会場には「21歳の大人の黒木メイサとまともにぶつかり合えるのが楽しみ」とのコメントも届いた。そしてその思いを受け黒木も「時代の流れを受け、つかさんもホン(台本)を書き換えてくださっていますし、“今やることに意味がある”『飛龍伝』になっているはず。新しい『飛龍伝』を楽しみにしていてください」と応えた。まさにタイトル通り、“2010年の『飛龍伝』”が動き出した。

徳重聡×東幹久 スペシャルインタビュー

――おふたりはこれが初共演ですか?

 いや、5年くらい前にドラマで共演してますね。結構一緒にいる時間もあったんだけど、彼はねぇ、真面目で不器用で…しかも頑固(笑)。まあ5年も経てばいろんな出会いがあるだろうから、徳重くん自身も引き出しが増えていろいろと変化しているとは思うけど。

徳重 今でも頑固は頑固です(笑)。東さんとはホントに「お久しぶり」という感じで、なんだか新鮮ですね。東さんは何でも器用にこなすし社交的な方っていうイメージだったんですけど、実はそうではなくて意外に照れ屋さんなところがあったりしていて…。

 俺、人見知りでシャイなんですよ〜。

徳重 そうそう! 僕は色々面倒見て頂いたりしてましたけど、こうしてまたご一緒出来てうれしいです。

 久しぶりの共演。あれからお互いどんな風に成長しているんだろうって僕も楽しみだよ。

徳重 はい。

――おふたりの恋の相手であり本作のヒロインである黒木さんの印象はいかがでしょう?

 いろんなお仕事をされてますけど、その経験をひとつひとつしっかり積んで生かされてる方ですよね。もちろんお綺麗だし。それと、実際お会いすると目力がなんとも言えないんですよ! 強さの中に優しさが垣間見えるというか、とてもチャーミングな目で。

徳重 カッコイイタイプの綺麗な方というイメージだったんですけど、台本を読むと可愛らしい仕草や台詞も多いので、僕はそういう黒木さんを目の前で拝見できるのが今から楽しみだし、幸せですね。しっかり恋しようと思います。

――徳重さんと東さん、互いに映像での活動が多いかと思いますが、舞台にはどのような思いをお持ちですか?

徳重 僕は去年初舞台を踏んだんですけど、正直こんな早いタイミングでまた舞台が経験出来るとは思ってませんでした。しかもつかこうへいさんの作品ということで、有り難いなぁという思いと同時に、ほとんど舞台経験がない自分がそこへ入ってくことにかなり不安も感じています。舞台は毎公演毎公演が本番で、ミスもその場で即挽回しなくちゃいけないし、やっぱり怖いですよね。でもそれを怖がってばかりもいられない。やはり一発一発が勝負だから、そのための準備を稽古でちゃんとやっておかなくちゃいけないんだってことは初舞台の時にかなり痛感しました。

 今年40歳になったんですけど、そこでまた舞台をやる、厳しいところに飛び込んでいけるのはやっぱり出会いなんだなぁって思ってます。ともすれば守りに入ったり腰が重くなってしまいそうなところでつかさんとご一緒できる。実際始まったら何を感じるのか、どうなっちゃうのか…。今はまだ全然想像もつかないんですけど、いいことなのか悪いことなのか、とにかくここで自分が変わるだろうなって思うとわくわくしますね。

――『飛龍伝』は何度も上演されてきている名作ですが、作品自体からはどんな魅力を感じていますか?

 人間の生々しさ。それは決して負の部分だけじゃなく、プラスの部分もしっかり描かれている。強さと弱さ、美と醜さ…相反するものが同時に存在しているところにすごくひかれます。同時に、つかさん自身が生きて来られた人生のあらゆるものが詰まっているような気もしますし。

徳重 「人間って生きて行くのは大変なんだよ。ぐちゃぐちゃ言っててもしょうがない、なんとか笑って生きて行こうよ」みたいなことを言いたいんじゃないかなぁって思いました。辛くても踏ん張ったら何かいいことあるんじゃない?っていう気持ちというか、そういうところの力強さや生々しさを吐き出す…役者としての僕自身もそんな気持ちで作品に臨んで、そういう生々しいモノを見せられたらいいですね。

 わかるわかる。

徳重 山崎一平という男の生き方はすごいしんどい生き方だと思います。ただ稽古場ではもう僕なんかがいろいろ細かいところ考えてても仕方ないですから、そこを表現するためにとにかくしっかり台本と向きあって、あとはもうどーんと飛び込む。まな板の上の鯉じゃないけど、つかさんの世界にいかに乗っかっていけるか、だけでしょうし。

 俺も同じ気持ち。映像は自分の持っているモノで演じていく瞬発力が求められるけど、舞台は“無”というか、俺の考えなんか全くかなわない領域。自分の得意不得意とかも考えずに、つかさんの演出に委ねるのみですよ。とにかくニュートラルな状態で稽古場に入って、何か新しいモノを出す…出さなきゃいけない。意外とくじけないタイプなので、いろいろ言われるのは好きですしね。なんかホントにどうなるかわかんないですけど(笑)、桂木順一郎が持つ熱さを表現するため、くたばりながらやっていきたいですね。

――気持ちはすでに稽古場ですね。それでは改めて本作に寄せる意気込みをお聞かせください。

 僕にとって久しぶりの舞台。1ヶ月かけて稽古して芝居を創って行くというのは役者として、また人間としてとても貴重な場になると思いますし、真摯に取り組んでいきたい学ぶべき場だと思っています。僕は舞台のライブ感がすごく好きだし、劇場という同じ空間の中でお客さんと同じ空気を感じられる幸せは僕ら役者の元気の源なので、みなさん是非観に来て頂ければうれしいです。

徳重 台本を読んでてもすでにとても面白いパワーのある作品だと感じています。また、僕にとってはダンスを始め新しいチャレンジ尽くしの作品。今までにない徳重聡を観て頂けると思います。もちろんつか作品ファンの方々にも楽しんで頂ける舞台になると思います。ぜひ観にいらしてください!

〈取材・文/横澤由香〉

〈写真/渡辺マコト〉

2009-12-24 18:11

 川下大洋、後藤ひろひと、山内圭哉、竹下宏太郎、腹筋善之介というコメディのスペシャリスト5人で構成される演劇ユニット、Piper。彼らが約1年半ぶりの新作のモチーフに選んだのは海底だ! 相武紗季、岡田義徳、川田広樹(ガレッジセール)という意外性のある豪華ゲストを迎え、爆笑必至の舞台が今回も繰り広げられるはず!

舞台となるのは、最優秀な海底作業員を選ぶための研究施設!

――今回は、なぜ海底のお話にしようと思われたんですか?

後藤 前回の公演が宇宙がらみの話だったから、今回は海底にしようかと思っただけなんだけどね(笑)。でも、海底って面白そうでしょ。

川下 宇宙は「行きたーい!」ってみんな思うけど、「海底に行きたーい!」っていう子供はまずいないよね。

後藤 確かに。宇宙で死んでもいいって思うけど、海底で死んでもいいって思わないかも。

川下 どっちも生身の人間は生きていけない場所なんだけどね。

腹筋 でも僕「もし何か人生で一個だけ買うなら何?」って聞かれたら、子供の時からずっと「潜水艦」って答えてましたよ。

後藤 ほお〜。乗ったこと、ある?

腹筋 ないな。

山内 俺も、ないっす。

後藤 こーちゃん(竹下)、ないの?

竹下 うん、ないよ? なんで?

後藤 いや、島に住んでいるからありそうな気がして(笑)。

竹下 見たことならあるよ。それに、島の近所で駆逐艦が大島を標的にした訓練をしたりしているしね。釣りしてると、4隻揃ってきれいに方向転換して、こっちに向かってきたりするんだよ。

後藤 絶対、冗談で「あいつを狙え!」とか言われてそうな気がする(笑)。でもさ、コバさん(腹筋)がほしい潜水艦って、そういう潜水艦じゃないんでしょ。

腹筋 うん。一番安いヤツ。4人乗りの黄色い潜水艦で、アームがあってね。

川下 おぉ、それはいいねえ。そういえば俺も、サンダーバードで一番ほしいのが4号だったなあ〜。

山内 ……というわけで、今回は海底です。

――舞台は、潜水艦の中ということになるんですか?

後藤 いえ、違います(笑)。海の中ですら、ないです。最優秀な海底作業員を選ぶための研究施設が舞台になります。実際にJAXA(宇宙航空研究開発機構)でやっていたことなんですけど、公募した中から1人だけ宇宙飛行士を選ぶっていう試験があってね。その最終試験がまさに今回のテーマになっているんです。一部屋、といっても広いスペースに7日間、見ず知らずの人たち同士で共同生活をさせるという試験というか実験みたいなもので。それを30〜40人くらいの人がモニターで24時間監視していて、いろいろな事件を彼らにふっかけていく。そのときにどういう行動をとるかを観察するわけです。

――では、皆さんの役どころは?

後藤 今はまだちゃんと決まってはいないんですけど、たぶん俺は部屋の外にいる人だと思います。実験をする側の人。俺以外のPiperのメンバーは、その部屋の中に入る人になるんじゃないかな。今回のゲスト3人も一緒にそこに閉じ込めて。その部屋でいろんな実験をしていく中で、人間関係がぎくしゃくしていく、というお話です。その実験の中のいくつかは、お客さんにその場で決めてもらおうと思っているんですよ。

――じゃ、芝居の流れが毎回、変わるかもしれない? すごく実験的な舞台なんですね。

後藤 ええ、そうなんです。だからそこでの俺の立場は、お客さんと部屋の中の人間たちをつなぐ唯一の人になると思います。

メンバーにとって、Piperはホームみたいなものです

――改めて、Piperで舞台に立つことの面白さ、醍醐味はどこに感じられていますか?

山内 ヨソでやったらアカンことがここではできることかな。それがやっぱり一番の醍醐味じゃないかなと思いますね。

川下 逆にヨソでやってることを、やったらアカンって言われてる人もいるけどね。

腹筋 そう。僕の場合、Piperではパワーマイム禁止だから(笑)。

山内 後藤さんが他の演出家と違うのは、稽古場で6割ほどできればいいよっていうところ。残りはお客さんと100%にしようっていうスタンスで稽古しているのでね。それを不安に思うゲストもいらっしゃるかもしれないですけど。それはお客さんの前じゃないとわからないことがあるからで。でも他の稽古場ではそうそう、そういうことはできないですからね。

後藤 コメディの場合は8割まで作って舞台に立っちゃうと、お客さんの笑い声でどうしていいかわからなくなる瞬間が役者にはあったりするんです。だから「俺は100%作ってから出たいんだ」っていうような人は、舞台でコメディをやること自体が難しいのではないかと思う。100%作っていっちゃうと、お客さんの笑い声との間合いがつかめなくなるので変な笑い待ちをしてみたりして、大混乱になってしまう。だけどこのメンバーにとっては、Piperはホームですからね。今更、特に気を遣うこともないし。

竹下 Piperの稽古が始まると「ただいまー!」って感じがする。久しぶりに、遊べる親戚に会ったような、「今回は何して遊ぶの?」って感じ。

山内 根本的な考え方からして違うんですよね。お仕事をしに行こうっていうのと、家に帰ってきたっていうのでは。だから、良い意味でまったく仕事感覚じゃない。

川下 いや、仕事って本当はそうあるべきなんだと思うよ。

山内 まあ、そういう意味では僕らは本当に幸せですよ。

腹筋 うん。僕もいつも、早く稽古始まらへんかなって思う。稽古が終わったら、普通は「ああ終わった―」ってなるのに、Piperの稽古の時はすぐに「早く明日にならないかな」って。そんなこと、他ではあまりないですよ。

後藤 だけどさ、大洋さんだけは何を考えてあれをやってるんだろ?って、わからない時があるよね。

全員 (笑)

後藤 稽古の最終日に、いきなりキャラクターを変えてきたりするしさ。

川下 みんなもチャレンジし続けようや! 千秋楽まで、全員で前に進んで行くべきだって!(笑)

山内 アンタ、いつも後退してるやん! 途中で手を引っ張ってあげる時、あるよね。「ホラ、遅れてるよ!」って。

全員 (笑)

――では最後に、まだPiperを知らないお客さんに向けて、どんな心構えで劇場に行けばいいかアドバイスをいただけますか。

山内 演劇の中ではかなり敷居の低いほうだと思うので、何も気を遣わないで大丈夫ですよ。演劇が初めてという人にも、ここは絶好の機会だと思います。

竹下 ちょっとしたダーツバーで、お酒をいっぱいやるくらいの気持ちでいいと思うな。

腹筋 老若男女の方に来てほしいですね。お年寄りにもぜひ。子供も絶対喜ぶよね。

竹下 毎回、子供の笑い声を聞くたびに「やった!」って思うよ。

後藤 俺は、圧倒的に女性客が多い演劇界の中で男性ファンが多いということがものすごく誇りではあるんだよね。俺らは女の子にモテたいって気持ちでやってるんじゃなく、俺らみたいな男も楽しめるものを作っていこうと思ってるので。

竹下 まぁ、(川下に)中には違う人もいるみたいだけど。

川下 モテたくないのかよ、おまえら!(笑)

全員 (笑)

後藤 いや、だから女性の方はぜひ彼氏、もしくは彼になりそうな予感がする相手を連れてきたらいいと思います。その相手にも、ものすごく楽しい思いをさせた上で、きっとあなたの愛も上手に手に入りますよ!(笑)

(取材・文:田中里津子)


2009-12-09 10:39
キャスト全員が競技ダンス出身者というダンスエンタテインメント集団、バーン・ザ・フロア・カンパニーのブロードウェイ最新バージョンがこの春、日本にやってくる!ダンサーの2組にスペシャルインタビュー!

デイモン&レベッカインタビュー

――デイモンとレベッカは「バーン・ザ・フロア・カンパニー」にいつから参加して、どのくらいの期間所属しているのですか?

レベッカ 1999年の10月にバーン・ザ・フロアに入ったので、今年で2人とも10周年になります。

――色々な国で公演をされてきて、今回は満を持してブロードウェイに来られたのですが、感想は?

デイモン やはりブロードウェイでショーをできるということは非常に特別なことだと思っています。ブロードウェイに来ることが出来たのは大きな名誉であり、光栄なことだと思っています。

――ブロードウェイ公演の舞台に立たれての感想は?

デイモン 本当に特別な"想い"がありました。ブロードウェイというと、演劇の世界も含めて、パフォーマンスに関しては非常に長くて濃密な歴史があるわけです。今回公演させて頂いているロングエイカー劇場に関してもそうです。
私たちとしては、我々自身がこれまで本当に愛してきたこのダンスショーを、この素晴らしい劇場で出来ることに、感無量の想いでした。

ジェレミー&サラインタビュー

――2人がバーン・ザ・フロア・カンパニーにいつ入ったのか、また、そのきっかけを教えて下さい。

ジェレミー 入ったのは昨年の1月です。当初は3ヶ月の予定で入ったのですが、リハーサルを始めて2日目に、このカンパニーの素晴らしさに惚れ込みました。カンパニーの素晴らしさもそうですし、ダンサーたちの素晴らしさもそうですし、それから持っているエネルギーの素晴らしさ、それらに惚れ込んでこれからもやっていこうと決めました。

――日本にはブロードウェイで生まれ変わった「バーン・ザ・フロア」が来ることになっています。「是非ともここは見るべきだ!」という見どころやアピールポイントがあれば教えて下さい。

ジェレミー&サラ 日本の熱烈なファンの皆さんに伝えたいのですが、3月の公演では、皆さんがこれまで経験したことがないようなショーをご覧に入れます。
これまでの中でもベストなものをお見せします。
私たちも今まで以上に汗もかきますし、スピードもどんどん速くなっています。また新しい音楽も入れていますのでそういった意味でも本当に良いショーになっています。
かつてないようなショーになっていますので楽しみにしていてください!

――今まで見たことのない人に一言お願いします。

ジェレミー&サラ これまで「バーン・ザ・フロア」「フロアプレイ」をご覧いただけなかった皆さん、ぜひ今回は見逃さないでください。見なければ損をします。このダンスのエネルギーと情熱、それからワクワクするような興奮、こういったものがローラーコースターのようにドンドン押し寄せてきます。そんな素晴らしいショーになっていますのでとにかく見逃さないで見に来てください。
かつてないような素晴らしい、ベストなショーをご覧に入れます。
私たちダンサーだけでなく、お客さんも、手を叩いたり、ニコニコ笑顔になったり、みんなで汗をかきながら、楽しんでいただければと思います。
楽しみにしていて下さい!

地元ニューヨークメディアの劇評

■観客の目をくらませる!スピード感あふれるテンポ。
伝統的なスタイルにポップなバリエーションを加え、精密で洗練されたダンスで魅せるノンストップパフォーマンス

――The New York Times

■カリスマ性を持つダンサー達の洗練されたパフォーマンス!
――New York Daily News

■ハートがドキドキする!素晴らしいダンス、華麗なダンサー
――Time Out New York

■わくわくドキドキさせられる振り付け!世界中から選りすぐった最高のかっこいいボールルームダンサー達が繰り広げる2時間のアドレナリンが出っ放しの興奮。とてつもない才能をもったカンパニーが魅せる圧倒的なダンスショー
――NY1

■熱狂のピークに達したかと思えば、またさらに高みへと興奮が
何度も何度も押し寄せる。素晴らしいダンサー達!

――The Record

■溢れ出るエネルギー!じっと座ってなんかいられない!
――WOR Radio


>>芸術監督・振付を担当するジェイソン・ギルキソンのインタビューはこちら

2009-11-19 20:55
パルコ・プロデュース公演「海をゆく者」が好評上演中だ。
アイルランド演劇界をリードする気鋭の若手劇作家コナー・マクファーソンが、2006年にロンドン ナショナル・シアターでデビューを飾った傑作であり、ブロードウェイ公演でも人気を博したストレートプレイである。




日本を代表する演出家の栗山民也のもと、出演は小日向文世、吉田鋼太郎、浅野和之、大谷亮介、平田満という百戦錬磨の実力派俳優5人が揃った。
アイルランド、ダブリン郊外の海沿いの町にある古びた一軒家。最近盲目になった兄リチャード(吉田鋼太郎)と、その世話のために帰郷した弟シャーキー(平田満)が過ごす家だ。舞台は、陽の差し込む明るい、でも男住まいらしい少し散らかった半地下のリビングルームで展開する。一見豪放で駄々っ子のような大酒呑みの兄リチャード。一方で物静かに彼の世話を焼く弟シャーキーだが、実は酒癖の悪さで沢山のもの失い今は禁酒中。
クリスマス・イブ。朝まで近所の友人アイヴァン(浅野和之)と飲んだくれていたリチャード。シャーキーは、ドタバタ騒ぐリチャードをトイレに連れて行き、眼鏡が見つからないと探し回るアイヴァンに一緒に探すと声をかける。シャーキーが別室に行った隙に、隠れて酒瓶に手を伸ばすリチャードとアイヴァン。それぞれの鬱屈した想いの中に、三人のやりとりが観客の笑いを誘う。



クリスマスの準備をと買出しに出かけた折、リチャードは飲み友達のニック(大谷亮介)を、イブの夜を楽しむためのポーカーゲームに誘う。ニックと折の合わないシャーキーが嫌がる中、やがて訪れたニックには、ロックハートと名乗る見知らぬ男(小日向文世)を連れてきた。やがてポーカーにという時に外で騒ぎが。ロックハートとシャーキーの二人だけが残ったリビングで、シャーキーは驚くべき賭けをロックハートから持ちかけられる。運命を掛けたポーカーが始まる・・・。
ゲーム中での駆け引きや戯れ言など、短い台詞の応酬の中に、それぞれの人生にある陰や寂しさと、無邪気さが交じり合う。半地下の窓から差し込む光が暖かく感じる舞台で、それぞれの演技力が光る。じっくり味わいたい舞台だ。



パルコプロデュース公演「海をゆく者」
【東京公演】〜12/8(火)まで PARCO劇場
【大阪公演】12/11(金)〜13(日) サンケイホールブリーゼ
【愛知公演】12/22(火)〜23(水) 会場:名鉄ホール

関連記事 ★e+Theatrix!
栗山民也&小日向文世&吉田鋼太郎 スペシャルインタビュー!

2009-11-19 19:58

 1年間の充電期間を経て、今年2009年から俳優活動を再開した石丸幹二。1月に上演した『イノック・アーデン』を皮切りに、『ニュー・ブレイン』『サンデー・イン・ザ・パーク・ウィズ・ジョージ』『コースト・オブ・ユートピア』と、それぞれに個性の違う大作に切れ目なく出演が続くという、華やかな再スタートの1年となった。そんな大きな節目となった2009年の締めくくりの作品となるのが『兵士の物語』だ。これは『イノック〜』に続く“言葉と音楽のシリーズ”の第2弾となる。ストラヴィンスキーの名曲にのせ、石丸は“朗読”というスタイルで兵士、ストーリーテラー、悪魔、王女という4役をひとりで演じ分ける。この1年間の多彩な経験で何段階もステップアップを果たした感のある彼に、改めて“朗読”という表現の可能性や魅力を語ってもらった。

“朗読”は、自分の世界観みたいなものがお客さんと共有できる表現方法

――今回この『兵士の物語』という作品をやることになって、まずどんなことを思われましたか。

 もともと僕、学生時代にクラシック音楽を学んでいたんです。このトシになってというか、クラシックからかなり離れてしまった今、ストラヴィンスキー作曲の作品ができるなんて夢のようだなと思いました。しかも、役者、語り部として参加できるというのは嬉しいですね。

――朗読というのは、お芝居でする演技とはまただいぶ違うものだと思うのですが。

 そうですね。でも朗読にも多種多様な形があると思うんです。今回は台本を手に4つの役を演じ分けていく、もしかすると動きもかなり入ってくるかもしれない、……俳優としての朗読になると思います。

――前回の『イノック・アーデン』で語りの舞台を実際にやってみて、感想としてはいかがでしたか。

 朗読という形態をとりながらも、ひとり芝居を演じているような感覚がありました。演出の白井晃さんが、台本の文章を眼で追いながら読むばかりではない状況を創られたんですね。だから、椅子にじっと座っていることが少なく、身体でかなり演じることにもなって、「こんなに動くのか!」って驚きました。

――そうなると、朗読でもなく演劇でもない、新たなジャンルというか。

 自分にとって何か新しい形態のものを、と思っていましたので、とても面白くチャレンジできました。「今までの石丸幹二じゃないものをお届けしたいと思います」と言って再スタートした最初の作品としても良かったんじゃないかと思います。何より、自分の世界観のようなものをお客さんと共有できる貴重な表現方法だと改めて確認できました。だから、朗読は今後も続けていきたいですね。

――朗読だからこそ表現できることって、どういうことだと思われますか?

 耳を傾けてくださる方のイマジネーションの扉を、言葉で叩く、ということでしょうか。語り手の想いと、聴衆の想いとは一致しないかもしれない。味わい方は多種多様であっていいと思うんです。僕は、作家の言葉を聴き手に届ける調理人のような存在だと思っています。

――なるほど! それほどたくさん調味料は使わない、素材を生かした料理みたいなものですね。シンプルで、でもとても奥深い感じがします。

 今回の舞台も、そういう料理になるといいんですが。そうなったら理想的ですよね(笑)。

とても上質で、相当に聴きごたえも見ごたえもある作品になると思います

――今年はたくさんの華やかな作品に次々と出演されて、大きな節目の年になったのではないかと思います。振り返ってみて、ご自分としてはどんな1年でしたか。

 これまで僕を応援してくださった方たち、さらには、初めて僕を知ってくださった方たちに、「石丸幹二って一体どんな俳優なんだろう?」と思っていただけるような仕事の積み重ねをしたくって、様々なことに臨んでみたのですが、自分としてはとても満足な1年になりました。自身の可能性を、色々な角度から見つめられたことも、大きな収穫だったかと思います。

――見事なほどに、すべて雰囲気の違う舞台でしたね。

 ええ、違いましたねえ(笑)。そして、ちょうど1年を経たタイミングでもう一度、「言葉と音楽のシリーズ」に立ち返ることができるのも良かった。

――今後も続けたいとおっしゃっているということは、節目、節目でこの朗読というスタイルが続いていったら。

 きれいな竹になるかもしれませんね!(笑)

――そして、来年はどんな年にしたいですか。

 こうして今年、多くのことを経験させていただいた結果、さらに未知のものに挑戦できるんじゃないかと思えるようになりました。そういう新たな石丸幹二をいっそう模索していきたい。そのひとつとして、歌手活動を展開していく予定です。来年の春先あたりにオリジナルのCDを出し、6月にはコンサートで東京、名古屋、大阪、福岡を訪れます。歌手として、また違った意味での自分らしさを発信できたらと思っています。

――では最後に、お客様に向けて今回の舞台のおすすめポイントを教えていただけますか。

 『兵士の物語』は、とても上質な作品だと思います。年末年始の一番忙しい時期ですが、少し日常から離れて、劇場に足を運んでいただき、この作品に触れていただけたらなあって思います。ピアニスト、パーカッショニストのお2人との少人数でのセッションです。こんな『兵士の物語』は滅多になく、聴きごたえも見ごたえもある作品になるかと思います。劇場でお待ちいたします!

(取材・文:田中里津子)

(写真:坂野則幸)

【東京公演 アフタートークショー決定!】
12/26(土)と27(日)の16:30公演終了後、アフタートークショーが決定いたしました!

12/26(土)16:30公演終了後 出演:石丸幹二
12/27(日)16:30公演終了後 出演:白井晃 石丸幹二

※各日の該当公演のチケットをお持ちのお客様が対象となります。
公演終了後、約10分ほど休憩をはさみ、30分程度のアフタートークを行います。


2009-11-10 12:13

 マーロン・ブロンドやアル・パチーノも習得した20世紀演劇界最高の功労者、スタニスラフスキーの演技理論"スタニスラフスキー・システム"に基づく舞台で名高い、国立モスクワ音楽劇場バレエ団。
 2008年に新しく芸術監督に就任した元ボリショイ・バレエのトッププリンシパル、セルゲイ・フィーリンが率い、専属オーケストラも含め総勢130名で来日する。クラシック・バレエの美しさに新しい息吹を加えながら進化を遂げた、舞踊スペクタクルをお見逃しなく!

>>チケットの詳細・申込み

観るものすべての心を震わすドラマティック・バレエ

 3年ぶりの来日公演となる今回は、「オープニング・ガラ」でスタートし、1941年の創立から30年間にわたり同劇場の芸術監督を務めたブルメイステルの遺した名作「白鳥の湖」と「エスメラルダ」を上演。この劇場の歴史だけでなく世界のバレエ史上に衝撃を与えたブルメイステルの演出の魅力は演劇的という一言では言い尽くせない。ストーリー展開の面白さと、踊る役者とも呼ばれるダンサーたちによる舞台は、観るものすべての心を震わし、「エスメラルダ」の悲劇の結末と「白鳥の湖」の幸せの結末に、観客は最後には放心状態必至。

「オープニング・ガラ」Opening Gala
4月13日(火) 19時

ボリショイ・バレエのプリンシパルとして一世を風靡した、セルゲイ・フィーリン (現モスクワ音楽劇場芸術監督) 出演予定!

【セルゲイ・フィーリン Sergei Filin】
現国立モスクワ音楽劇場バレエ芸術監督(2008年3月就任)。
1970年10月27日モスクワで生まれる。1988年モスクワ舞踊学校卒業と同時に、ソリストとしてボリショイ劇場入団、2年後の1990年にはプリンシパルに昇進した。フィーリンは、瞬く間にボリショイでトップに上り詰め、屈指のダンスール・ノーブルとして活躍。1994年、ブルノヴィル版、ヴィノグラードフ演出再現のジェイムズ役を初演。1996年、ロシア連邦功労芸術家、2001年、ロシア連邦人民芸術家。 2008年4月末にダンサーを引退し、国立モスクワ音楽劇場バレエの芸術監督に就任。同年12月のボリショイ・バレエ団来日公演では、日本のファンの強い要望により、ゲスト・プリンシパルとして参加。また、英国ロイヤル・バレエ団、東京バレエ団、ハンガリー国立バレエ団などを含む世界中のバレエ団に客演している。

※セルゲイ・フィーリンが出演するのは、ガラの一部になります。ガラの内容は 決定次第、公式ホームページにて発表。また、万が一、セルゲイ・フィーリンが 怪我や病気等のやむを得ない事情により出演出来なくなった場合でもチケットの 払い戻しは致しませんのでご注意ください。

ブルメイステル版「エスメラルダ」La Esmeralda(全3幕)
4月14日(水) 19時 / 4月15日(木) 14時・19時

音楽:プーニ(グリエール、ワシレンコ改編) 
振付・演出:ブルメイステル(1950年)

奇跡の悲劇大傑作。―美しきエスメラルダをめぐる、サスペンス溢れるストーリー。
原作は、ヴィクトル・ユーゴーの小説「ノートルダム・ド・パリ」。 中世のパリを舞台に、麗しきジプシーの踊り子エスメラルダを取り巻く男たち3人が、愛憎劇を繰り広げる。1950年の初演時からの人気レパートリーが、美術、衣裳を一新して色彩的にも鮮やかに生まれかわり、2009年11月末にモスクワで初披露される。全幕作品としては、世界でも滅多に観られない幻の作品。

あらすじ
15世紀のパリ。美しいジプシーの踊り子エスメラルダにノートルダム大聖堂の聖職者フロロは、一目惚れする。フロロは醜い鐘つき男カジモドを使ってエスメラルダを誘拐させようとするが、カジモドは捕らえられ、エスメラルダは御兵フェビュスに恋心を抱き始める。捕らえられたカジモドは広場でさらし者になるが、ただ一人彼をかばうエスメラルダに、カジモドは恋心を抱くのであった。めくりめく愛欲、嫉妬、そして復讐。エスメラルダを巡る三者の愛憎劇の結末は・・・



ブルメイステル版「白鳥の湖」 Swan Lake (全4幕)
4月17日(土) 12時・17時半 / 4月18日(日) 12時

音楽: チャイコフスキー
振付・演出:ブルメイステル (1953年)

スワンレイクの名バージョン。
―息をつく間もない迫力の展開と幸せの結末。

いくつものバージョンがある「白鳥の湖」だが、始まりから終わりまで、これほど統一感と緊張感のあるバージョンは他にない。とくに傑出しているのは第三幕、舞踏会のシーン。スペイン、ナポリといったさまざまな民族舞踊が繰り広げられる中に、黒鳥が王子をあざむくドラマが巧みに描かれていて、たたみかけるように展開されていく。宮殿をはじめとする舞台セットも見事で、これを観なければスワンレイクは語れないと言わしめる、劇場人気ナンバーワン作品

あらすじ
成人式の最中、王妃から明日の舞踏会で花嫁を選ぶことを命じられた王子ジークフリードは、その夜、森の湖で美しいオデット姫に出会い、恋に落ちる。オデットは、悪魔の呪いによって白鳥にされ、夜の間だけ人間の姿に戻っていたのだ。王子は彼女をすくうために永遠の愛を誓うが、悪魔の策略にかかり舞踏会でオデットそっくりに化けた悪魔の娘オディールに愛を誓ってしまう。過ちに気づいた王子はオデットに許しを乞い、悪魔に立ち向かう。そしてついに二人の愛が呪いを打ち破る。




「国立モスクワ音楽劇場バレエ」について

 スタニスラフスキー&ネミロヴィチ=ダンチェンコ記念国立モスクワ音楽劇場は1929年、元ボリジョイ劇場のダンサーであったヴィクトリア・クリーゲル創設のモスクワ芸術バレエ団が基盤。舞踊芸術を一般の人にも浸透させようとした、クリーゲルの試みは、劇作家ネミロヴィチ=ダンチェンコを魅了し、またロシア演劇界の巨匠スタニスラフスキーをも魅了し、1941年スタニスラフスキー率いるオペラ劇団と合併。バレエダンサーも役柄を深く理解し、秀でた役者であるべきとバレエの中に持つ演劇的要素を高めた。 ソ連崩壊前後の政治や経済の混乱の中でも、常に新しい作品を作り出し、国民からも広い支持を受け、世界中から最もエキサイティングでレベルの高いバレエ団として賞賛されている。

スタニスラフスキー&ネミロヴィチ=ダンチェンコ記念
国立モスクワ音楽劇場バレエ

◆日程:2010年4月13日(火)〜18日(日)
◆会場:Bunkamuraオーチャードホール(東京都)

※表記の演目は2009年10月現在の予定です。やむを得ない事情により変更になる可能性もございますので、ご了承ください。

※各公演日の出演ダンサーは、決定次第公式ホームページで発表されます。また、その際、発表されたダンサーも怪我等、やむを得ない事情で、変更になる場合もございます。ご了承ください。

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2009-10-22 21:39
 ジェラール・フィリップ主演の映画版も名高い、フランスの文豪、スタンダールの手による傑作小説「赤と黒」。19世紀フランスを舞台に、貧しい青年ジュリアン・ソレルが、立身出世と恋を夢見、野望のままに貴族社会をのし上がろうとするも破滅してゆくまでを描く長編小説だ。



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 赤坂RED/THEATERにて上演中の舞台「赤と黒」は、「黒色綺譚カナリア派」を率いる赤澤ムックが脚色・演出を担当。物語を、"サクセスストーリーのRPGゲーム"としてとらえ、主人公ジュリアン・ソレルの中に、現代を生きる若者とも通底する自意識過剰さといった特性を見出して、名作文学の世界を舞台化した。

 ステージを斜めに横切るのは、ファッション・ショーでおなじみの"ランウェイ"。その両サイドにはカラフルなコスチュームが多数吊るされ、物語が進行するにつれ、キャストたちが次々と手にとって着替えてゆくというポップでユニークな趣向だ。いくつもの役を演じわける四名のアンサンブルの役名も、"モデル"となっている。

 また、主人公ジュリアンは、ナポレオンの時代が過ぎ去った後もなお、己の才覚と力だけで社会をのし上がったこの英雄にひそかに憧れを抱いてやまない青年なのだが、今回の舞台では、もう一人のジュリアンとして"英雄ナポレオン"が鏡の中に現れるという二人一役的趣向も凝らされている。

 主人公の美貌の青年ジュリアン・ソレルに扮したのは、三島由紀夫作品「弱法師」(新国立劇場)でも好演を見せた木村了。今回の舞台でも、少年らしいナイーブな心と熱い野心をあわせもつジュリアンとして、求心力のあるパフォーマンスを見せている。キュートであどけない笑顔から、激して思いつめた表情、苦悩、困惑ぶりまで、くるくると変わる多彩な表情が非常に魅力的だ。赤いTシャツ姿で登場し、出世のたびに次々と違う衣装を身につけてゆく様子は、さながらコスプレのよう。ジュリアンという主人公は、ふてぶてしさと繊細さ、優しさと冷酷さ、愛と憎しみといった、さまざまに異なる要素を兼ね備えた、実に複雑怪奇なところのあるキャラクターなのだが、その表現にも矛盾がない。

 一世を風靡した世界名作文学ともなれば、現代の観客にあわせて舞台化するのはなかなかに難しいところ。今回、それが可能となっているのは、前述したようなポップな趣向が効いているのと、いかにも現代の若者らしさを持ちながらも、現代の世の中ではちょっと遠く感じられないでもない主人公ジュリアンの激しい生きざまを丁寧に見せる木村の演技があってこそだろう。遠い世界の話としてではなく、物語を近しく見守ることができた。基本的にテンポよく展開されてゆくのだが、ジュリアンがかつての恋人レナール夫人を撃って投獄されてからは、いかんせん、ドラマ的にあまり盛り上がる要素がないので、そのあたりの処理でさらなるテンポアップが図られれば、一層舞台の流れがよくなることと思う。

藤本真由(舞台評論家)


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2009-10-06 12:57


「劇団、江本純子」の連続公演を経て、毛皮族がこの秋再び始動する。その第一弾として、毛皮族軽演劇シリーズより生まれた異端文芸作品「ふれる」が、10月9日〜10 日の二日間、下北沢駅前劇場にて再演される。再演に際し、キャスティングも改められた新生「ふれる」とは。 本番を目前に控えた江本純子さん、町田マリーさん、柿丸美智恵さんに話を伺った。

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毛皮族流軽演劇とは

――まずは、軽演劇作品を再上演することになった経緯を教えてください。

江本 今回は、今年の11月に予定している本公演を上演する前に「毛皮族を初めて見る人」に向けて、毛皮族を知る一つの入り口として公演自体を企画しました。毛皮族本公演が製作期間も製作費用も莫大にかかる大作なんで(笑)、毛皮族の面白さを瞬発的に堪能できる作品を上演したいな、と思って、軽演劇演目の中から1作選びました。

――軽演劇シリーズと江本さんが活動されてきた「劇団、江本純子」では決定的に違う点はありますか?

江本 基本は会話劇、と言う意味では「劇団、江本純子」と重なってしまう部分があると思うけれど、決して現代口語ではないし、テーマや物語性を重視する'まじめ'さもないです。軽演劇シリーズではとにかく「笑い」を一番に考えて作っていましたので、例えば「リアル系」なものを想像されるとちょっと違うかも(笑)。

町田 リアル系・・。

柿丸 軽演劇はだいぶエンタメ芝居だよね。

江本 完全な娯楽作です。そもそも軽演劇シリーズはお客さんがふらっと遊びに来て、小一時間ひたすら笑っていってもらうと言う、ただそれだけを目的として作った作品が多いんです。例えば毛皮の本公演が全国ロードショーの気分だとしたら、「劇団、江本純子」はこじゃれた単館系、で、「軽演劇」は雑多なシネコン、たまに名画座にもなり、ピンク映画館にもなり・・映画館に例えたらちょっと分かりずらいですね、とにかく特殊な実験作をいっぱい作れる場としてノンジャンルでやっているシリーズです。演劇工場、ですかね。

柿丸 もはや例えにもなってないね。

町田 本公演がデパートで、「劇団、江本純子」がセレクトショップで、軽演劇シリーズが・・商店街みたいな?

江本 うーん。じゃあそんな感じで。

柿丸 映画館の例えよりはわかりやすいね。


なぜ「ふれる」なのか

――数ある軽演劇作品の中で、なぜ「ふれる」を選ばれたのですか?

江本 雑多でシュールな店が軒を連ねる商店街に、その中でもクロウト好みの品揃えで、それでいてお客さんが入りやすい雰囲気のお店な気がしたからですかね。

柿丸 すっごい分かりずらい。

町田 商店街の例えが生きになった!

江本 見た目は至って平凡なお店なんだけど、中に入ったらベーシックな茶葉からちょっと変わったマニアックな茶葉まで色々置いてあって、なんか一周したら結構いいお店だった、みたいな。

柿丸 しかもお茶屋なんだ。・・全然わかんないな。

町田 地元の人達の間でじわじわと口コミで流行りそうなお店かね、また来たくなるようなね。

江本 そうだね。それいいね。そんな作品だからです。地元以外の人達もやってくるといいですね。

柿丸 「ふれる」はストーリーにちゃんと喜怒哀楽があるよね。

江本 あ、まじめに答えてる。

町田 グッとくるものもあると思うんで、そういうところも感じてもらえたらいいいな〜

江本 あ、町田さんまで。そうですね、単純にふざけた作品が多い軽演劇の中でも『ふれる』はバカバカしくもちょっとまじめな優等生演目なんです。「人間らしさ」についてとことん変化球で攻めていってます。

町田 変化球?

江本 フォークとかカーブとか。

柿丸 例え禁止ね。

江本 はいそれで、この演目を、今このメンバーで作ったら、ただの現代口語演劇でも軽演劇でもない、毛皮族なりの新種のストレートプレイが生まれるのではないかと、そういう可能性も感じられる本だったからです。まあ単純に「好評作だった」と言うことも勿論あるのですが。

柿丸 ということは、初演をなぞるだけじゃないということですね。

江本 初演の「ふれる」もそうだったけど、いつも毛皮族ではどれだけお客さんに笑ってもらうかと言うことに重点を置いて稽古していて、でも今回は人物自体の人間性をもうちょっと突き詰めていこうかなと思っています。それが出来れば、もうちょっと説得力のあるドラマが作れるのではないかと。

――稽古はいかがですか?

柿丸 今日から稽古が始まったところなんです。今日稽古に来るときは軽演劇と思っていたので、割とラフな気持ちで稽古に臨んだんですけど・・。

町田 いきなりジャック・ニコルソンの話から始まってましたね(笑)。

柿丸 江本は今回女版ジャック・ニコルソンを目指すそうです。役作りとして。

江本 昨日も『シャイニング』を観たばっかりなのでしばらくマイブームです。ジャック・ニコルソンが。町田さんにも柿丸さんにも「ジャック・ニコルソンになろうよ」って話をしていたところです。軽演劇用に作った台本だから軽演劇的な笑いを求めてやるのは簡単じゃないですか、既に一度は正解が出てるし。だからキャストに対して、演じる上でのハードルを上げて欲しい意味でまずはジャックニコルソンの魅力について語ってみたと。

柿丸 ちなみに前回の『ふれる』では私は志村喬さんの研究を強いられました。今回は・・ジャックってこと?

江本 そうすね、私もジャックニコルソンを目指しますので、是非柿丸さんもジャックを目指して頂き、ジャックニコルソンVSジャックニコルソンでいきますか。

柿丸 ・・・。

江本 町田さんはどうしましょうか。ジャック・・?

町田 ジャックは置いておいて、もういいから(笑)。

柿丸 カッコーの巣の・・

江本 郵便配達は・・

町田 はいはいはい。とにかく初演の時以上にそれぞれが演じる役の人物をもっと掘り下げていくってことで私は解釈しています。

江本 でも今日久しぶりに本読みして、気持ちをつなげようとしても絶対繋がらないセリフがいっぱいあった。やっぱりギャグ重視でやろうとしてた本なんですね。最近、現代口語の世界に傾きかけていたから(笑)、その方法論でやろうとすると全然できないんです。一旦「笑い」のことを忘れてちゃんと芝居しようとすると、必ず笑いのためのセリフに出会うから、「笑い」の方向にすっごいいきたくなっちゃって、「あ〜どっちでやろう」って常に迷ってしまうんです。すごい難しい本ですね、これ(笑)。初演で今回私が演じる役を演じていた2人(町田、柿丸)は、相当大変だったろうな、と改めて同情しました。あー難しい。あー大変だ。

町田 軽演劇の面白さも残した状態で、一体どんな方向で終着するのか、楽しみですね。

柿丸 とりあえず稽古の終盤でジャックじゃない人が登場する可能性はおおいにあるからね。

毛皮族のバース、掛布、岡田

――最後に、「ふれる」を再演するにあたって何かメッセージはありますか?

柿丸 少ししか出ない役なんですけど、重要な役なので・・

江本 今回初演とあきらかに変えようと思っているのは、心理的な「サスペンス」が強いものにできないかと。そういうところで柿丸さんの役は、会話の中でもその存在感だけでも色んなことを脅かせる役だと思います。柿丸さんの役は初演では私がやってたんですけど、この稽古に入る前に、「私がやった時よりも、爆発的に笑いを取らないと、死刑だよ」みたいなことを言ってたんですけど(笑)。でももはや、それは重要じゃなくなったんだよね。もう今は、笑いじゃなくていいよとも思ってる。

柿丸 じゃあ、サスペンスを生み出せるように。あと、初演の時、今回私がやる役をやっていた江本に対して、この人うざいわ。って心底思って。すごい殺意を持って演じていました(笑)その「うざさ」をだせるように頑張ろうと思います。

町田 私は、初演よりも作中の年齢的な関係性のリアリティがあるので、そういうところで入り込みやすいんじゃないかなと思っています。そこに頼りながらも役を真剣に取り込もうと思います。

あとは、初演とは全く違う作品になりそうなので、初演をご覧になっている方にもぜひ見てもらいたいと思います。

江本 そうね。この毛皮族のバース、掛布、岡田の三人でやるんだから、はずすことは絶対にないと思ってます。誰が三振しても誰かがフォローみたいな。三人でホームラン打ったら最高だよね。

町田 それって結局笑いをとれって要求してるよね(笑)?

江本 まぁまぁ。ホームラン笑いも生みつつ、サスペンスのバントをして、感動でホームベースに戻ってくるって感じの作品に仕上がると思います(笑)。

柿丸 (江本に)実はそんなに野球好きじゃないよね?

江本 初演をご覧になった方も、初めての方もぜひぜひご期待くださいね〜。

町田 わ〜。

柿丸 わ〜。

――ありがとうございました。


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2009-10-02 15:05

 ブロードウェイで生まれ、2001年には映画化もされた伝説のロック・ミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』。日本でも過去に何度も上演しており、熱心なファンが多いこの舞台がまたもや帰ってくる! これが三演目となる山本耕史に、ヘドウィグへの想いを語ってもらった。


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「僕は、お客さんも含めてみんながヘドウィグだと思うんです」

――『ヘドウィグ〜』を再々演することが決まって、率直なご感想としてはいかがでしょうか。

この作品は定期的にやるから意味があると思うんですよ。だからまたやれるということは本当にうれしいですし、しめしめというか(笑)、やっぱりな!という思いもありました。でも今回は公演期間が短いので、そういう意味ではお芝居やミュージカルというより、今まで以上によりライブパフォーマンス的なものになりそうな気がします。

――特に今回変わりそうなところとか、逆に変えたくないところはありますか。

 基本的な部分は何も変わらないと思います。でも、たとえば視覚的なこと、衣裳とか照明に関してはまだわからないので。僕としては、衣裳は変えようかなーと思っていますけどね。既に、核みたいなものはできているので。前回までの衣裳もいいんですが、あれは日本版の『ヘドウィグ』をやるにあたって、みんなで気合いを入れて作ったものなんです。でももう、そのスタイルにこだわらなくてもいいようにも思えて。

――多少、冒険した衣裳にしても大丈夫ということですか?

 いや、逆にあれが冒険している状態だったんですよ(笑)。だから、元のものに戻すというか。やっぱり原作があれば、それに忠実なものが一番いいと、僕は思うので。

――じゃ、ヘドウィグ本来のイメージに戻るということ?

 ええ。僕の中ではそうしたいなと思っていますけど。

――もう何度も演じられてきていますが、ヘドウィグを演じるとき、一番意識することはどういうことでしょうか。

 これは言葉では簡単に言えちゃうことなんですが、“ウソをつかない”ってことですね。つまり、お芝居をしないってこと。芝居で怒るとか、演技で泣くとか悲しむとかじゃなくて。もうリアルにステージ上にその人がいて、感じるままそこで生きていないといけない。やっぱり、怒ってるお芝居をしている人と、本当に怒ってる人とでは、見ればわかりますよね。感情の奥にあるものが、ちゃんと動いているかどうか。動いているように見せているのではなくてね。このヘドウィグっていうのは、そこが一番大事なところなんです。


――上演中はずっと、ヘドウィグになりきっていないと成り立たない?

 いや、その“なりきる”っていうのも、ちょっと違う言葉なんですよね(笑)。うーん、なんだろう。いや、そこにいるのはあくまで“僕”なんですけど。僕の感情が動いているんです、ヘドウィグの感情ではなくて。

――ヘドウィグという役、キャラクターではない。

 僕、よく思うんだけど、お客さんも含めてみんながヘドウィグだと思うんですよ。お客さんそれぞれの人生を、舞台の上で鏡に映して見せているような感覚なんです。これが人間の姿なんだなあって思ってやっているので。人間を目の前にして人間の姿を、お芝居では絶対に表現できないので、もうそこに生きるしかないというか。そういう意味で“ウソをつかない”ってことなんですね。だから、今までもお芝居を見せようと思ったことはないです、ヘドウィグの場合は。

――それは、他のお芝居をやる時とは違う感覚なんですか?

 基本は一緒なんですけどね。ヘドウィグの場合は、人間らしさっていう部分がより多いのかな。ストーリーを追うことよりも、その人の魂みたいなものが出せないとダメな作品なんじゃないのかなって思いますね。

「ヘドウィグを演じるのは試練の場。気合いと根性が必要です」

――今回も演出は鈴木勝秀さんですが。山本さんは『ヘドウィグ』以外の作品でもご一緒に舞台を作られています。改めてスズカツさんの演出の魅力とは?

 何も言わないところですね(笑)。何か言われた記憶、演出された記憶がほとんどないんです。それがいいという人と、何か言ってほしいって人がいると思いますが、僕はやりやすいほうかな。みんなで一緒に作れるっていうのが、僕には理想なので。

――役者も演出家も一緒になって、ひとつのものを作っていきたい。

 ええ。だから、これはいい意味でとらえてほしいんだけど、ある意味プランがないんです、スズカツさんって。今起きていることを見て、その場で具現化するタイプというか。それも役者のアイデアを優先するし。自分でピンときたことは「こういうのどうかなー」って。

――さりげなく、提案してくれる。

 そうすると、こちらもちょっとやってみようかなって気にもなるし。それにしても本当に、目の前で行われていることをよく見ている人だなっていつも思いますよ。

――そして『ヘドウィグ』といえば、楽曲の魅力も大きいと思うのですが。山本さんにとって、この音楽に関してはいかがですか?

 全部、どの曲も好きです。ジャンルとしてもグラム・ロックってハードな感じですけど、わりと好きなジャンルなので。でもやっぱり、この楽曲の良さがヘドウィグの特長だと思います。そして特に集約されているのが『The Origin Of Love』の歌詞でしょうね。僕は英語で歌っているから、それを改めて日本語では伝えていないけど。つまり、人はひとりじゃ生きられないってことがテーマになっているんです。

――今回、本番に向けて今一番楽しみにしていることは。

 またヘドウィグの世界に入れるということは、すべてが楽しみです。でもやはり、それなりの気合いと根性が必要ですからね、あの中に飛び込むのは。だから楽しみなだけではないかな。でも過酷な場所に自分を追い込んで、そこで自分を磨くということも大切なことですからね。またしてもそういう試練の場が来るな、という感じです。

――最後に、お客様にお誘いのメッセージをお願いします。

  東京公演は今回Zepp Tokyoになるので、また雰囲気がガラッと変わると思います。ずっと観てくださっていた方も、もしかしたら初めての方も、どちらも納得できるようなヘドウィグの世界をまたお届けするつもりなので、ぜひみなさん見逃さずに来てください!

<衣装:COMME CA MEN>
<取材・文:田中里津子>
<写真:渡辺マコト>


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2009-09-11 11:59
慶應義塾大学の演劇サークルで知り合ったメンバーが集まり、2008年に正式に独立したコメディユニット「ゴジゲン」。悲劇的なテーマを、笑えるが優しい世界観へ昇華させる、軟弱なシチュエーションコメディが作品の特徴。結成以来、東京のみならず全国を視野に入れて活動を展開し、既に大阪と福岡でも公演を行っている。一方で、映像製作にも力を入れ、主宰者はTVドラマの脚本も手がける。そんな順風満帆な彼らだが、最新公演のタイトルは『ハッピーエンドクラッシャー』(新宿THEATER BRATS 9/9〜9/15)。どういう心境で今回の舞台に臨むのか。全ての作・演出を手がけている、主宰の松居大悟に話を聞いた。



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慶應のおしゃれな雰囲気に溶け込めない寂しさから旗揚げ

――まず、今回のインタビューが「e+ Theatrix!」に掲載される心境を教えてください。

「きたな!」と。いや違う(笑)。ありがたいです。でも、他の取材を受けている方々と肩を並べたとは全然思ってないので、プレッシャーを感じてます。ゴジゲンは知名度もまだまだなので、この記事を読んでくれた方には、とりあえず興味を持って頂きたいです。観に来てもらえたら最高で、作品で答えたい。ゴジゲンは出会いで今までやってきたので、これがまた新しい出会いを生むきっかけとなれば、と思います。

――ゴジゲンは、旗揚げしてから1年足らずで1公演1000人以上を動員するようになりましたね。来年の4月には吉祥寺シアター公演も決定とのことで、小劇場の劇団としては、順調な経歴だと思います。それなのに、いつも描くテーマは「悲劇」なんですね。最新公演に至っては、「幸せをぶっ壊す」と?

うーん……僕は全然順調だとは思っていないです。というのも、全然一つの場所に留まっていたくなくて。演劇だけじゃなくて、映画もラジオも喫茶店もやりたい。ミーハーですね(笑)。変化し続けること。これ、人生の目標にもなってます。

――どこからその気持ちが来るのでしょうか?ゴジゲンを旗揚げするに至った経緯を教えてください。

元々芝居にそんなに興味はなかったんです。高校生まではずっと漫画家になりたかった。でも、上京して出版社に漫画を持ち込みしたら、「こういうのは芸人さんがやってるよ」と言われたんです。悔しいから、じゃあ芸人目指そうと思って。そのために大学でコントや演技を勉強しようと。第一志望は早稲田大学でした。でも、早稲田全部落ちて、慶應しか受からなくて。いざ入学しても、慶應のおしゃれな雰囲気にとけこめなくて、毎日学校の図書館にある立入禁止の場所に入り、1人でお昼食べてました(笑)。

――その後、「創像工房 in front of.」という演劇サークルに入りますね。

友達欲しいなと思って。そしたら、同じように下を向いてる人たちばかりが集まってる演劇サークルがあったんです。飲み会でもコールなんてしないし、自虐ネタとか下ネタとか下世話なことばっかり話してるけど、絶対人を傷つけようとしない。どこか暖かくて、コントも出来るって言うし、最高だなと思って入りました。そんな気持ちで入ったから、1年ちょっとで演劇自体に飽きてしまった。そんな時に、ヨーロッパ企画の『サマータイムマシン・ブルース2005』を観て、衝撃が走った。こんなに面白いことができるならと、それがきっかけで、僕も芝居を書いてみようと思ったんです。仲間にも「ヨーロッパ企画みたいなことやろう」って言って。

――それが、2006年5月、事実上の第1回公演『かけぬけない球児』ですね。この時はサークル「創像工房 in front of.」としての公演で、ゴジゲンはまだ旗揚げされてませんが。

その後、第2回公演『ロックンロール逃げる』で池袋シアターグリーンの学生芸術祭に参加して、大阪選抜に選んで頂いて。その大阪で第3回公演『エイトビートニート』をやっている頃ですね、劇団を旗揚げしようと思ったのは。4年間、ずっと芝居しかしてなくて、気がついたらサークルを卒業しちゃう。しかも休学中。寂しくなって、慌てて1人で劇場を押さえた。それまで、全ての作品に出演してくれていた同期の目次立樹(めつぎりっき)と第3回公演で制作をしてくれていた後輩の半田桃子をメンバーに誘いました。そうして、今でもサークルの延長で、ズルズルと続けてしまっている感じです(笑)。

カッコ悪い人やダサい人を肯定したくて、コメディ作ってます

――ヨーロッパ企画の第26回公演『あんなに優しかったゴーレム』では、文芸助手を務めていますね。どんな影響を受けましたか?

ヨーロッパ企画の上田さんとは、2007年の池袋シアターグリーンの学生芸術祭をきっかけに知り合いました。とにかくストイックで、笑いだけではなく、その芝居の世界観を大切にしているんです。しかも、上田さんは役者からボランティアスタッフの方まで、色んな意見を聞くんですよ。辛い意見もあるはずなのに、受け止める。一方で、「努力する姿は人に見せちゃいけない。作品で伝えればいい」と言っていて、それがまたカッコいい!完全に憧れて、上田さんと同じノートパソコンとスケッチブックを使ってます。ストーカーみたいだけど、面白くなれるんじゃないかと思って。これ読まれたらやばいです(笑)。上田さんだけじゃなく、ヨーロッパ企画の方々には、お世話になりっぱなしです。でも、先にヨーロッパ企画がいるから、コメディでは太刀打ちできないと思って、より一層コンプレックスを描くようになりました。

――そもそも、何故コメディを作ろうと思うのですか?

コメディにするのは舞台だからです。実際、自主制作で作った映画は、完全な悲劇で、何も笑えないんです。笑いって、お客さんの反応の中で一番分かりやすい。お客さんの笑いによって、役者の演技も変わって、芝居の形までも変わっていく様子が面白い。映画や小説じゃ出来ないことですよね。それに、笑ってしまうっていうことは気持ちが理解できたということだから。僕は、カッコ悪い人やダサい人が好きで、それを肯定したくてコメディをつくっています。稽古でも、笑いについては特に言及しません。

――今までの稽古場で一番インパクトに残っている役者さんは?

最新公演に出演する予定の田中美希恵ちゃんですね。インパクトのある外見なのに、シャイ。でも、シャイゆえの堂々とした演技が面白いんです。ゴジゲンのメンバーの目次もストイックですよ。チェ・ゲバラに憧れている役の時は、ゲバラの映画20本くらい見てた。「チェ・ゲバラ」ってワードは一言しか出てこないのに(笑)。とにかく役目線で、想像以上のことをしてくるんです。だから、演技の上手下手じゃなくて、次の瞬間何をするか分からない人をキャストに選んでいます。演出の言うことは聞かなくていいんです。

――じゃあ、何を演出しているんですか?(笑)

最低限、話が分かるように演出しています。それと、とにかく傷つきたくないんで、人を傷つけるような表現はできるだけ遠まわしに見せます。あとは空間の見栄え。見栄えはこだわります、視覚的情報は何よりも強いと思うんです。だから、舞台はいつもグチャグチャしているし、小道具もやたらと多い。

――過去6回の公演で一番気に入ってるシーンは?

第2回公演の『ロックンロール逃げる』で、主人公たちがパンツ被りながら、女の子のパンツ覗くシーン。あれは芸術ですね(笑)。負け組で、汚くてダサいんだけど、目的を達成するために必死で。いやらしさを超えた、切なさと愛があるシーンなんです。今年5月にやった第6回公演『チェリーボーイ・ゴッドガール』でも「女子なんかムカつく」と言いながら、女の子の匂いが残る座布団をみんなで嗅ぐ。「やっぱり好きなんじゃん!(笑)」と。台詞と行動が逆になっていた方が、気持ちがお客さんに伝わる気がするんですよ。感情が溢れすぎて、バレたら恥ずかしいから、言えない。気持ちを素直に伝えられる人より、素直に伝えられない人の方が、その気持ち自体は勝ってると思うんです。思いたいんです。

テーマは現実逃避。見えないフリをするという思いやり

――今回の公演のストーリーとテーマを教えてください。

簡単に言うと、不幸な人たちが不幸だと悟られないように、幸せなフリをするけど、結局最後はぐちゃぐちゃになってしまう話。テーマは現実逃避。過去の事件のせいで、彼らの関係が変わりそうなんだけど、主人公は変わりたくない。一見幸せそうに見えても、本当は不幸せ。だけど、それを見ないフリをする、という思いやり。そんな、壊れそうでギリギリな世界ですね。まあ壊れるんですけど(笑) 。

――今までの公演と違うところは?

毎回世界観が違うのでなんとも言えませんが、今までは皆で一つの目標に向かっていたけど、今回は自殺・漫才・告白・謝罪…と、皆の行動や動機がそれぞれ違っていて、色んな話が錯綜します。役者もワークショップで色んなところから集めたので、テーマは決まってるけど、どうなるか分からないです。気を抜くと調子に乗ってしまいそうな自分をぶっ殺していきたいですね。ラストも、『ハッピーエンドクラッシャー』と銘打ってハードルも上げていますが、まだ悩んでます。僕の中でやりながら、答えを見つけていきたいです。

――最後に今回のテーマに因んで、人生最大の現実逃避を教えてください。

与那国島に行ったことですね。日本の最西端に。その時は失恋して、体調も悪化しちゃって。もうわかんないですけど、世界変えてやろう、と思って。そのためにひとまず、日本の端に行けば日本のトップになれるんじゃないかと思いました。あれは寂しかったですね。

(取材・文:上野紗代子)


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2009-08-14 19:35
ミュージカル『フロッグとトード 〜がま君とかえる君の春夏秋冬〜』
都電荒川線「フロッグとトード号」貸切車両に乗って劇場へ!
“ぷち旅”付き観劇プラン


都電「フロッグとトード号」に試乗したキャスト
(左から川平慈英、石丸謙二郎、高谷あゆみ、おかやまはじめ、中山昇、宮菜穂子)と演出・鈴木裕美。
※この観劇プラン貸切車両にキャスト等は乗車しません。

2009/8/15(土)〜23(日)に東京・サンシャイン劇場で上演されるミュージカル『フロッグとトード 〜がま君とかえる君の春夏秋冬〜』を記念して、都電荒川線では『フロッグとトード』のキャラクターを彩った「フロッグとトード号」が8/23(日)まで運行されています。
今回、その「フロッグとトード号」貸切車両に、「荒川車庫前」停留所から劇場最寄りの「東池袋四丁目」停留所まで乗って、ミュージカル観劇に出かける“ぷち旅”プランをご提案!日時・定員限定ですので、お早めに観劇チケット購入&お申込みください。

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【開催日程】
8/16(日)、17(月)、20日(木)、21日(金)の4回

【スケジュール】
12:30 都電荒川線・荒川車庫前すぐ「都電おもいで広場」に集合・受付
12:50 「フロッグ&トード号」乗車(約20〜25分の乗車)
13:15 都電荒川線・東池袋四丁目で下車 → 徒歩にて劇場へ(徒歩約10分)
13:30 サンシャイン劇場到着(14:00開演)
※詳細時間については多少の変更となる場合があります。

【対象】
【ぷち旅】チケット(大人1名+子供1名の2枚1組)をご購入の方

【定員】
各日とも10組20名まで
※座席数の都合上、子供優先でお座りいただき、大人はお立ちでの乗車となります。

【申込方法】
1.【ぷち旅】チケット(大人1名+子供1名の2枚1組)をご購入ください。

2. 参加確認のため、2日前までにチケットスペースへお電話ください。
  チケットスペース TEL.03-3234-9999

東京・サンシャイン劇場公演では、都電一日乗車券または都電まるごときっぷ持参すると『フロッグとトード』オリジナルエコトートバッグをもれなくプレゼント!

“ぷち旅”プラン ご参加の方には、『フロッグとトード』オリジナルの「エコトートバッグ」を1組につき1個もれなくプレゼント!



7月初めに都電荒川車庫内で行われた制作発表&都電「フロッグとトード号」テープカット

名作絵本から飛び出した良質なミュージカル
『フロッグとトード 〜がま君とかえる君の春夏秋冬〜』

世界中で人気のアーノルド・ローベルの名作絵本シリーズ『ふたりはともだち』(1980年から小学校2年生の国語の教科書の題材にもなっている)などを原作にしたミュージカルが、この『フロッグとトード』です。 ブロードウェイでは2003年のトニー賞に3部門ノミネートされている傑作。原作の面白さ、台本の完成度、楽曲の素晴らしさにあいまって、日本版演出・出演陣のチームワークが輝く、これぞ親子で観たい、そして大人にも見応え充分な“良質なミュージカル作品”。


日本では2006年に初演。3回目の上演を迎える今回も、初演と同じく石丸謙二郎、川平慈英、おかやまはじめ、高谷あゆみ、中山昇、宮菜穂子が出演。演出も初演からの鈴木裕美が務めています。 物語は、かえる君のフロッグ(石丸謙二郎)と、がま君のトード(川平慈英)が、冬眠から目覚めて、また冬眠に入るまでの1年間におきる出来事を描いています。 春の訪れ。フロッグとトードは、いつも仲良し。ある日フロッグが「手紙を一通ももらったことがなくて寂しい」と話すのを聞いたトード。そこでトードは自分の家で、フロッグあての手紙を書いてカタツムリさんに届けてくれるように頼んだが……。 流れる季節の中で繰り広げられる、おかしくも心温まる2匹の友情。純粋な優しさ溢れる物語の中にも、せつなさと深い味わいがある、ミュージカルです。

上演台本・訳詞:高橋亜子 演出:鈴木裕美
出演:川平慈英/石丸謙二郎/おかやまはじめ/高谷あゆみ/中山昇/宮菜穂子

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2009-07-31 18:47

19世紀の英国を舞台に、孤独と戦いながらも強くたくましく生きたひとりの女性をドラマティックに描き、今もなお世界中の人々に読み継がれている『ジェーン・エア』。この不朽の名作がブロードウェイでミュージカル化されたのが2000年のこと。当時、自ら脚本を執筆したという演出家、ジョン・ケアードが、このたび日本版として改めてこの作品に新たな息吹を与えることになった。脚本を練り直し、音楽も再構成、劇場に合わせ新たな演出を加える完全版ともいえる舞台となる。

ジェーンを演じるのは、今回が初のミュージカル単独主演となる松たか子。彼女と運命の恋に落ちるロチェスターにはここ数年、大作ミュージカルでの活躍が目覚ましい橋本さとしが扮する。

 

この待望の日本初演を迎えるにあたり、6月某日、製作発表が行われた。


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「ダンスもコーラスもない、演劇的要素の強い“ミュージカル・ドラマ”です」
(J・ケアード)

 まず、演出を手掛けるジョン・ケアードは、この作品を「いわゆる普通のミュージカルとは違う素晴らしさを持つ作品。ダンスもコーラスもないので、演劇的要素の強い“ミュージカル・ドラマ”と考えてください」と説明。さらに「人類史上で一番のラブ・ストーリーでもあります。ただ、演技ができ、歌をしっかり歌える人であると同時に、自分の心の中に強い精神力を持っている女優がいないと、この作品は成立しない。でも、たか子さんの舞台を観たとき、それらを全部兼ね備えていたので「ジェーンをやる人が見つかった!」と思いました」と語り、また「ロチェスターのキャスティングも同様に、簡単なヒーローではないので難しいのですが。今日、橋本さんは素敵なスーツとネクタイ姿ですが、これは仮の姿。本当は原作者のシャーロット・ブロンテが描いたロチェスターのようなワイルドさを持つ人なんです。もしブロンテが関西弁を知っていたら、小説も関西弁で書いてくれたんじゃないかと思うくらいですよ」と、メインキャストのふたりを大絶賛。

 凛とした佇まいがいかにもジェーンにぴったりな松は「ついに来たなという感じがします。まだ稽古もこれからという段階なので、今は少しでも多くの希望と期待を持って、稽古に臨みたいです。ジョン・ケアードさんとの初めての出会いの作品であるということや、非常に限られた登場人物のなかで物語が進んでいくユニークなミュージカルであることなど、挑戦し甲斐のある作品。9月の1カ月間を集中して、この舞台に捧げたいと思っています」と、やや緊張した面持ちで語った。

 橋本も「台本を読んだときは「うわー、こんなビターで大人っぽい、ひとすじ縄ではいかない恋愛ストーリーなんだ。こういう恋をしてみたい!」と思いました。でも松さんと一緒に、演技ではありますけどそういう世界に自分が入れるというのは、改めて役者っていい仕事やなーと思います」と笑いを誘いつつも、「最近すっかりトキメキを忘れたという中年の方、もしくはこれからいろいろな恋を経験していきたい若人たち、老若男女の方々に観ていただきたいです」と力強くコメント。

 イープラスでは、この会見の直後に松と橋本の独占取材を決行! この舞台への思いを語ってもらった。

「ラブ・ストーリーで共演できるなんて、もう、ごちそうさま!って感じです!」(橋本)

――おふたりはこれまでに『ミス・サイゴン』と『ひばり』で共演されていますが、今回は初めて恋人役での共演になりますね。 

松 この『ジェーン・エア』という、初めての挑戦要素が非常に多い舞台をやる上で、さとしさんがロチェスターであるってことは本当に心強いんですよ。歌のうまさはもちろんですけど、ハートがあること、そして何よりもジョン・ケアードさんの信頼もありますし。しかも今回は、お芝居の要素のあるミュージカルですから。いろんな課題に一緒に立ち向かっていってくださることを、すごくありがたく思っています。

橋本 僕も、めっちゃうれしいですね!(笑) あえて今、コテコテの関西弁で言うてもうたんですけど。これが本心なので。たかちゃんとは何回か一緒の舞台に立たせていただいていますが、今回は今までになかった距離感で共演できるわけですから。ラブ・ストーリーですから。もう、ごちそうさま!って感じです。世の男性諸氏、ゴメン!(笑)。

――それぞれ、ジェーン、ロチェスターという役をどう演じようと思われていますか。

橋本 台本を読んだ上での自分のイメージで、浮かんできたのはなぜか音楽教室に貼ってあったベートーベンの肖像画でした(笑)。でも偏屈な男というか、いろいろ素直に物事を表現できない理由が彼にはあると思うんですね。でもジェーンとの出会いで救いの光が見えて、そこから彼女のことをまっすぐに見るようになる。そして、聞こえることのない声を届かせるくらいの奇跡を起こすような、そんな男ですからね。アツイものは常に気持ちの中に流していたいなと思いますね。

松 私は、観た方に最初は疑問を持ってもらってもいいと思うんです。初めてジェーンを観たとき「え? こんな地味な人のことを、私たちずっと観ていくの?」って思っちゃってもいい(笑)。だけどジェーンの生き方を観ていくうち、最終的には「見届けて良かった」と納得していただけるようにしたいんです。そんなジェーンを演じるにあたっては、感情をいかに閉じ込め、抑えるかが大事なんじゃないかと。感情を爆発させるのは簡単だけど、そうではないキャラなのでそこが辛抱どころ。自分との戦いですね(笑)。

橋本 でも、ジェーンのそういうところってまるで“大和撫子”みたいやねえ。

松 あ、そうかもしれないですね。

橋本 すごく芯の強いところもあるし。きっと、日本人の女性はすごく共感できるんじゃないかな。

「J・ケアードさんは愛嬌があって、ズルイ距離感のある人だなと思うんですよ(笑)」(松)

――演出はジョン・ケアードさんです。松さんとは初顔合わせですが、橋本さんは『レ・ミゼラブル』『ベガーズ・オペラ』で演出を受けていますから、今回が三度目ですね。ジョン・ケア―ドさんの演出の魅力はどういうところに感じられていますか?

橋本 稽古場の雰囲気がとても柔らかいんですよ。あと、役者のどんな質問にもわかりやすく対応してくれて、言葉の壁を乗り越えてこっちの気持ちを理解してくれる。自分で気づかないところもふっと突っついてきたりするんですよね。

――実際にお会いした印象は、いかがでしたか?

松 いかにもイギリス人っていうか。すごくズルイ距離感があるような気がするんですよね(笑)。

橋本 ああ、それ、わかるな!

松 すごくチャーミングに、スーッてこちらの心に近づいて来られるんですよ。そこが、ズルイなーって感じ。日本語で言うと“愛敬”がある人だなと思います。ヘンな意味でなく包み込むような目線を持っている。上からじゃない、人をちゃんと見る目があるというか。

橋本 いや、よく見てるなあ!(笑) まさにそうで、稽古でもニコニコしながら試練を与えてくるわけですよ。

松 へぇ〜、そうなんだ!

橋本 リラックスムードで言われるから気づかないんだけど、あとから考えるとものすごく高度なことを要求されていたり。それで「ジョン、これは僕にとって最高の試練だよ」って言うと「何を言うんだ、ビッグチャンスじゃないか!」って。

松 うわぁ、ポジティブですね〜!(笑)

――では最後に、お客様にお誘いのメッセージをいただけますか。

松 女性はすごく感情移入しやすいストーリーだと思うんですよ。男性は男性で、ロチェスターのような気分を味わいつつ、世界に入り込んでもらいたいですしね。そうそう、さっき舞台装置のスケッチを見せていただいたんですけど、非常にユニークだったんですよ。

橋本 うん、今までに見たことない感じでね。役者が、あの装置をどう使いこなすかってところも。

松 ちょっと想像がつかないけど、すごく楽しみ。

――舞台上に客席も作るそうですね。

松 ええ、そこも楽しみなんですけどね。素材からして、見たことのない世界なんですよ。

橋本 ちょっと非現実的だけど、どのシーンにも合うようになってて、あれはすごいね。外にもなり、室内にもなり。派手に舞台転換するわけではなさそうだけど、その辺の演出の仕方も上品な感じになりそう。

松 すごく工夫があるし。そういう舞台の上に気品あふれる……。

橋本 このふたりが現れるわけで(笑)。

松 そうそう。劇場で、みなさんをお待ちしています!(笑)

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2009-07-30 17:20
夏の暑さに浮かされて見る白昼夢のような、切なさとユーモアと懐かしさが入り交じった、あまりにも不条理で幻想的な世界。もはや小劇場ファンの間では夏の風物詩となっている、名古屋の劇団「少年王者舘」本公演の季節が、今年もやってまいりました。とはいえ昨年は『アジサイ光線』再々演が、大阪で上演されたのみだったので、物足りなく思った方もさぞ多かったことでしょう。しかしその分今年は、主宰・天野天街の3年ぶりの新作で、名古屋・京都・東京の3都市を巡演! しかも京都での本公演は、劇団創立27年目にして初めてのことだそうです。そこで天野天街に、題名通り「夢」がテーマとなるという新作の構想について、いろいろとうかがって参りました。

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──このタイトルって、一瞬『夢十夜(ゆめじゅうや)』と読みそうになりますけど、夏目漱石の同名短編小説とは何か関係あるんですか?

  あの字面から発想はしたけど、単純に「十」が「+(プラス)」に見えたという、遊戯でしかないですね。あれに出てくる夢の話や、漱石の無意識がどうっていうことは、今やろうとしている芝居とは全く関係ない。ただ書いてるうちにネタに困ってきたら、何か引っ張ってくるかもしれないけど(笑)。

──「これを次の芝居のタイトルにしよう」と思った決め手みたいなのは、何かあったんでしょうか?

“夢+夜”って見えた瞬間に、まず「夢と夜を足すってどういうことだろう?」と。そこからいろいろこねくり回すと、何か変なモノがピョッと出てきそうだなと思ったんです。それと「夢」というのはものすごく個人的な物だけど、「夜」は完全な共有物……地球とか太陽とか月とか、すべての関係でできている物。そういう対照的な要素を、同じフィールドに持ち込んだらどうなるか? というのもありました。

──ただの言葉遊びから始まったものが、どんどん広がりを持ち始めたと。

王者舘の芝居のタイトルは、割とそんな感じで決めてますね。フッと何かの言葉が出てきた拍子に、そこからまた別のモノが浮かんできたり、何かとつながりそうだなという感触が発生すれば。たとえば『それいゆ』(98年)だと、太陽(soleil)と原爆というつながりから、話を作っていきましたし。

──その2つの言葉から連想される物事やシーンを、とにかくガンガンつなげていくって感じの作品でしたもんね。

  それで今回のタイトルの話に戻すと、これまで自分の作品の中では、なるたけ「夢」って言葉を使わないようにしていたんですよ。夢って言葉を使っちゃうのはダサイというのもあるし、あと芝居の中で「夢だ」と言い切ってしまうと、安易に流されてしまいそうだなあという恐れがあって。

──確かに王者舘の世界は全体的に夢っぽいから、「これは夢です」と言い切ってしまうと、身も蓋もなくなっちゃう気がしますね。

  うん、それで終わってしまう。『くだんの件』(95年)という作品で「夢」って言葉を執拗に使ってからは、割と「夢」が芝居中に出てくるようにはなったけど、それでも極力避けてました。なのに最初っから、タイトルに「夢」なんて付けてしまったら、自分自身がどうなっちゃうのか? という、そういう興味もありますね。

──あえて「夢」って言葉で自分を縛り付けちゃおう、と。

  実際夢というか「眠る」という人間の特質については、昔からズーッと興味を持ち続けていること。だからこの機会に、無理をして失敗することになってもいいから、一度このテーマを全面に出してやっとくべきかなとも思ったんです。

──夢や睡眠のどの辺りに、一番興味を惹かれるのでしょうか?

  詩的に言うと、眠るってことは「軽い死」だから。アタシという者の意識から一時離れて、もう一個の意識に移行してるという状態。それは軽い死であり、アタシがこの世からいなくなることの予行演習とも取れるわけ。そうやって寝ている時の意識と、覚めた時の意識がある……と、俺らは思ってるでしょ? でもよくよく考えたら、自分の中ではそれが結構揺らいでいたりすることがある。このどっちがどっちだかわかんないような状態っていうのは、すごく面白いなと思います。

──ただ「夢」というテーマは、古今東西の数多くの表現者がすでにモチーフにしてきたものですが、天野さんとしてはどういう切り口で描いていこうと思ってますか?

  夢的な状態をいろいろ組み合わせて、入れ子のように見せていこうとは思ってますが、夢や睡眠って何? ということを解明しようとは、全然考えてないんです。俺が観せたいのは「夢を見ている状態とは、一体どういう状態か?」ということ。夢を見てる時って、みんな「夢を見てる」という意識はないわけでしょ? だから目が覚めてから夢のことを語ることはできても、「今現在夢を見ているその状態」を他の人に語るということはできない。

──漱石じゃないけど「こんな夢を見た」という、過去形の語り方でしか伝えられない。

  それだけは、一番したくないこと。本当に人が知りたいと思ってるのは、すでに誰かが見た夢の話ではなく、まさに人が夢を見ているその現場のはず。つまり実際にその現場にいなければ、本当の意味で「夢を語る」ということにはならないと思うんです。なので今回は、演劇で“夢の現場”にどこまで近づけられるか? ってことがやりたい。それこそとことんまで、いろんな手法を使ってね。そもそもどうしても行き着けない所や、不可能なことにギリギリまで近づきたいというのが、俺が芝居を作る上での一番の初動なわけだから。それで、こういう夢の現場の状態を「覚(かく)」の意識において考えてしまうと、きっと気が狂ってしまうでしょう……という話がしたい。

──相当危険な世界ですね。

  ただ夢というのは極私的な題材だから、別の意味で危険というか、自己満足に陥りやすいんですよ。誰もが落ちてしまいそうな罠がいっぱい隠されていて、それをどう回避するかということに、力点がある感じがします。油断してると「あいつ“俺は落ちない”と言いながら、結局落ちやがった」ってなりかねない(笑)。

──具体的にどういう見せ方にしようとか、そういうのは考えてますか?

  最終輪郭地帯での話というか……人間が生まれる前か、生きてる状態か、死んだ後かはわからないけれど、この先にはもう“輪郭”がないという、そんな場所での話を考えてます。もはや場所かどうかもわからないけれど。それと主観と客観、つまり「夢を見る/見られる」の関係を、観客と役者の関係性に当てはめてみるとどうなるか? というのも、ちょっとだけ見せてみようかなとも思ってます。

──というと?

たとえば夢の話を芝居にした時に、夢を見る主観となる人物が、役者として舞台の上にいるっていうのは、俺はおかしいと思うわけ。夢主はそこには存在しないか、登場しても台詞とかだけで、視界に入ってくることはないはず。本当なら、Point Of View(註:映画撮影用語。『クローバーフィールド/HAKAISHA』などのように、登場人物の視線とカメラの視線を一致させたカメラワークを指す)みたいな見え方になるはずなんですよ。ただこの見せ方を演劇でやろうとすると、かなり無理がある。カメラと違って、客席は動かないから(笑)。だから全編、この見せ方で通すってことはないだろうけど。

──やれたらすごい! とは思いますけどね(笑)。

  そういう演劇の見せ方に「夢」を荷担させると、どういうモノがにじみ出てくるかという、そんな作業になるでしょうね。もともと演劇という表現自体が、観測不可能なことを観測させるような状態なわけですから。そんな背反したモノを、どうアウフヘーベンするかですよ。2つのモノを寄り添わせて、1つのモノを見せるっていう。

──その1つのモノが、どんなモノになるかという、予想とか希望みたいなものはありますか。

  俺じゃなくて誰かが言ってたんだけど、水の底にある石ってものすごくキレイに見えるけど、地上に出して乾かした途端、あんなにキレイだった物がすごく色あせて見えてしまうって。その感じは、夢と全く一緒だと思う。

──つまり水底の石のキレイさを、地上でも保てるようにというか……夢を見ている状態の楽しさや不思議さを、極力そのままの状態で舞台上に提示するのが、今回の究極の目標だということで?

  うん。その感触が、瞬間でも見えたらいいなと思います。

(取材・文:吉永美和子)

※京都公演の期間中に、天野天街のアートワークを展示する「天野天街萬華鏡展」が、大阪で開催されます。詳細は展覧会ブログにて。http://amanomangekyo.seesaa.net/


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2009-07-21 16:31
高木珠里。劇団宝船の看板女優として、繊細さと大胆さ、そして、キュートさとエキセントリックさを持ち合わせた、その稀有なる演技力によって、私たち観客を釘付けにしてきた、まさに<日本小劇場界の至宝>。そんな彼女が原宿のリトルモア地下で、ひとり芝居に挑む。題して『一人オリンピック〜千の仮面をもつ女』 。脚本・演出を担当するのが、福原充則とブルースカイという、今をときめく二人の演劇クリエイター。福原は「ピチチ5」「マンションマンション」「ニッポンの河川」など次々に主宰する傍ら、最近では宮崎あおい主演舞台の脚本・演出で注目を集めた、いま話題の異才。一方、ブルースカイは、「劇団猫ニャー」「演劇弁当猫ニャー」を通じて、日本のナンセンス・コメディ演劇の歴史を塗り替えた天才。劇団解散後も舞台や放送の世界で旺盛に活動を続け、いまなおリスペクターを増やしている。そんな最強の布陣でおこなわれる高木珠里ひとり芝居を、イープラスは心底から猛プッシュします! そこで、高木さん・福原さん・ブルースカイさんに話を伺ってまいりました。

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  この人の書く台詞は、わたしが言わないとダメだ!

――今回の、高木珠里ひとり芝居『一人オリンピック〜千の仮面をもつ女』を企画されたのは高木珠里さんご自身なんですよね。

高木珠里(以下、高木):そうです。ひとり芝居は以前からやりたいと思ってて、ずっとタイミングを探っていました。福原充則さんとブルースカイさんに出会って、このお二人とならやれると…、背中を押された感じです。

――ひとり芝居は今回が初めてなんですね。

高木:はい。でも、子供の頃から、学校の休み時間や放課後などに「高木珠里のコーナー」というのを披露してました。空いてる教室で。

ブルースカイ(以下、ブルー):コントをやってた?

高木:物真似とか。ツタンカーメン王とか樋口一葉とか。授業で習ったことをすぐにやってみせてたんです。

――今回、脚本・演出を担当されるお二人(福原充則さん、ブルースカイさん)との出会いについて、少し詳しく教えていただけますか。

高木:まず福原さんですが、彼の主宰するマンションマンションという劇団の第一回公演を私が見に行ったのが最初で、その時、なんて美しいんだろうって思いました。あ、いや、福原さんが、じゃなくて(笑)、作品がですよ。作品がなんて美しいんだって。それですぐに「出たい」というようなことを彼に言ったんですよね。

福原充則(以下、福原):言いました。

高木:私は普段、自分からそういうことを働きかけるようなタイプじゃないんですけど…。

福原:その時ぼくが、マンションマンションじゃなくてピチチ(福原の主宰する別の劇団)のほうに出てくださいって言ったら、「え? ピチチですか…?」って、ちょっと納得いかないようだったのを憶えてます(笑)。

高木:そんなこと言ってないよぉ。

福原:いや、言いました。

高木:あれ? 言ってないよぉ…。

福原:「ピチチもいいですけど、マンションマンションに出たいです」って珠里さんが言うから、その時に二本、立て続けに出演することが決まったんですよ。

――ピチチとマンションマンションには、どのような違いがあったんですか?

福原:いや、最初は特に違いはなかったんですが…(笑)。ただ、しょうがないので、ピチチはオムニバスで男メインの芝居。マンションマンションは一本の芝居で、しかも女の人が主役をとるっていうルールを後で決めました。もっとも観るほうは、完全にゴッチャになっていたと思います(笑)。

高木:とにかく、その時は、「この人の書く台詞は、わたしが言わないとダメだ」という思いがあって…。

ブルー:ぼくも、福原さんの芝居を初めて観た時、実に面白いと思って、「ぼくはこの人の書く台詞を喋らなくてはいけない、どうしても演じなければいけない」って…。

高木:ちょっと待ってよ。そういう話しじゃないでしょ。(一同笑い)

ブルー:いや、本当に。彼の芝居に出たいって思ったんです。

高木:出たいの?! そうやって、すぐ自分のほうに持って行こうとするんだから。

ブルー:いや、だから珠里さんの気持ちはわかるってことを言いたいわけで。

高木:わかるんだ? 同じ役者として。ああ、そういうことね。(一同爆笑)

ブルー:喋りたくなる台詞を書くんですよ、福原さんは。

高木:そうですね。台詞がウソ臭くないんです。ウソなんだけど、どう考えても出鱈目なんだけど、だけどウソ臭くないんです。ちょっと矛盾したような言い方ですけど。だから、役者さんによっては、やりにくいという人がいるかもしれないけれど、私にはすごく合っている気がするんです。

――もう一方の、ブルースカイさんとの出会いは?

高木:猫ニャーを初めて観た時に、私、すごい号泣しちゃって。

ブルー:劇団猫ニャーの解散公演の時?

高木:いや、弁当になった時(劇団猫ニャーは解散後ほどなくして、演劇弁当猫ニャーという弁当屋名義で演劇活動が再開された)。猫ニャーをちゃんと生で観たのは、その時が初めてだったんですよ。感動して泣いちゃって…。自分でもどうしてかわからないんだけど、ブルースカイさんのお芝居観ると毎回泣いちゃうんですよ。うるるるるっって体を震わせて。

――あの深遠な馬鹿馬鹿しさが高木さんの琴線に触れたんでしょうか。

ブルースカイ:(神妙な表情)

高木:なに、そんな顔してるの?

ブルースカイ:いや、その頃のことを思い出して…。

高木:それで猫ニャーが団員募集をしていたから、入りたいって思ったんです。で、ちょうどその頃、KERA・MAPで小村裕次郎さん(元・劇団猫ニャー代表)と一緒だったから、「私、入りたい。オーディションを受けたい」って言ったら、彼が…「入らなくていいよ」って。(一同笑い) 「でも私、ああいうのやりたいんだよ」「いや、入らなくていいと思う。だって、あそこは弁当だって作れないじゃないか」って(笑)。それで「あぁ、そっかぁ」って。

――その時、オーディション受けてたら、団員になってたかもしれませんね。

ブルー:でも、「こんな劇団でいいんですか」って言ってたかもしれません(笑)。

高木:その後、ブルーさんとは同じ事務所になって。忘年会の席でちょっと喋るようになった…って言うか、ブルーさんはあまり喋らないんです。こっちから「あれは面白かったです」と話しかけても、「あぁ、あぁ」って答えるだけで話しが一向に拡がらない。それで一年以上進展なし、1ミリも動かないっていう状況だったんですけど、『レミゼラブ・ル』(作・演出:ブルースカイ)という舞台に出演させていただいて。それがきっかけで、一緒にカラオケ行ったり、セクハラ受けたりして(笑)、ようやくちょっとは心を開いてくれたのかなという…そういう流れでしたね。

ブルー:随分前から事務所は一緒だったんですけど。ぼくは、珠里さんの出演する芝居を観る機会がなかなかなかったんです…。

高木:劇団宝船の第三回公演の時、初めて観に来てくれたんです。

ブルー:宝船…? マンションマンションだったと思うけど。

高木:え? 三鷹に来て、「あ、どうも」って挨拶したじゃない。一緒に来ていた池谷のぶえさんに「面白かったでしょ」ってうながされてたじゃない。

ブルー:うーん…。珠里さんを最初に見て、これは凄い人だなって思ったのは、芝居じゃなくて…。

高木:え、なに? こわい。

ブルー:KERAさんのワークショップを事務所がやったことがあって、そこにぼくも呼ばれて行ったんです。その時、珠里さんが短いネタをやってて、「凄いな、この人は」って思いました。それから珠里さんの出る芝居をチェックするようになりました。

  自分が何をやりたいか、というよりも、人が自分を使って何をやらせたいか。

――今回ひとり芝居をおこなうにあたって、福原充則さん、ブルースカイさんという二人の鬼才に対して、高木珠里さんからの要望事項は何ですか?

高木:お二人がやりたいようにやってくれればいいなって思います。私は歌を歌いたいくらいで、他には、特に自分の何かを見せたいっていうのは、ないんです。自分が何をやりたいか、というよりも、人が自分を使って何をやらせたいと思うかっていうほうに興味があります。

――ならば福原さんのほうは高木さんをどうしたいと思ってますか。

福原:そうですねぇ。でも、どうしたいかというより…。いままで珠里さんとは何度かやってきましたけど、自分が書いて持っていった脚本の字面が、彼女を通して立ち上がる瞬間。これがとても楽しいんですよ。ぼくの場合、書いてる段階では“これはこの方向で”みたいな作為的なものはないんです。ただ、そうやって好き勝手に自由に書いちゃうと成立しない役者さんも結構多いんですが、珠里さんは作家の気持ちを汲んだうえで足し算して返してくれる。だから彼女となら、久しぶりに何の制約もなく自分のことばかり考えて自由にやれるなぁ、と。

――相互に信頼しあってる感じがいいですね。ところで演出家のタイプとしては、福原さんは役者にまかせるタイプなんですか?

福原:わりと好きにやってもらうタイプですね。でも、馬鹿だと思われない程度に最低限の指示はしますけど。

高木:まあ、福原さんはそう言ってますけど、意外と妥協のない気がします。結構きびしいところがある。でもそこが私は好きです。やりたいことをしっかり持っている人なので、言われたとおりにやればいいのかなぁって、私は思っています。

――ブルースカイさんは高木さんをどうしたいですか?

ブルー:珠里さんの面白さの表面的な一部分なのかもしれませんが、彼女の瞬間的な変わり目、これが気持ちよくて。大泣きしたその一秒後には大笑いできるとか、なんか、そういうのはぜひやってもらいたいです。あと、『レミゼラブ・ル』というミュージカルに出てもらった時に歌がすごく良かったんで、今度も歌ってもらいたいと思ってます。

  二人とも「オレがオレが」っていうタイプではないからこそ…。

――劇団宝船で高木珠里さんを見ていると、女の情念のドロドロを演じるのがすごく上手いなと思うんですが、高木さんご自身の内面にはそういうところはあるんですか。

高木:ないです(笑)。まあ多少、情の深いところはあるかもしれませんが、宝船でやってることは、一種のエンターテインメントとして見ていただければと思います。

――人間の魂の叫びを描くのが得意な福原さんは、高木さんの“女のサガ”の部分を抉り出すことに興味はありませんか。

福原:男とか女とか関係なく、掘り下げてゆくことで人間が見えてくると思う。珠里さんも、女優というより、人間という感じですよ。

――その人間の叫びを引き出すために、演出的な方法は何かあるんですか?

福原:いや、ないんですよ。以前から一緒にやってきた役者さんだと、ぼくが何も言わなくてもできていた。でも、最近いろいろなところでやるようになると、そう簡単にできるものじゃないんだと、気付きました。むしろ、できていた役者たちはすごかったんだなって思いましたね。

高木:福原さんの芝居は、人(役者)を選ぶ感じのところがあるよね。

福原:そうです。音楽でいえば、クラシックでトランペット吹いている人、邦楽で三味線弾いてる人、パンクバンドでベースをかき鳴らす人、これらが全然違うってわかりますけど、芝居って一括りで捉えられやすいから、出自の違う人たちが一箇所に集まって、簡単だと思われるようなことが案外難しくてできない、というようなことがあるんですね。

高木:福原さんのは、どちらかといえばアングラ的なのかな。

――たしかにアングラ的で肉体志向の感じはありますね。一方、ブルースカイさんのほうはナンセンスなんで、頭脳志向というか…。そういう意味では今回バランスがよくとれてますね。

高木:ブルースカイさんは、あんまり頭脳っていう感じはしない(笑)。頭脳っていうより、感覚的。私自身、あまり考えるタイプじゃなくて、感覚的なところがあって。考えると難しくてできないんだけど、考えなくてもやりやすいのが、ブルースカイさん、そして福原さんもそう。どちらも自分の中にあるから、今回お願いしたんです。

ブルー:ぼくは、考えるタイプですけどね…。(一同笑い)

――高木さんとブルースカイさんは劇団宝船の舞台で役者として共演してますよね。

高木:或るかたが、二人は真逆だっておっしゃってました。役者としてのタイプが真逆。その二人がオープニングから絡んでいたのが感動的だったって。

ブルー:いや、たまたまあの時は真逆の自分を出してたんですよ。

高木:引き出しはもっと沢山あるって言いたいのかな?

ブルー:無難に上手い感じもできるんです。ただ宝船の時は、あえて、ちょっとヘタめな感じを出してみました。でも結局、普通にヘタな人だと思われていたみたいですけど(笑)。

高木:あと、役者としての福原さんには、私から賞をあげたことがあります。ジュリデミー賞最優秀男優賞!

福原:ゴミ・ソムリエの役(ゴキブリコンビナート『my life as a punishment-game』出演時)で、いただきました(笑)。

――そんな福原さんとブルースカイさんは、今回作り手として、お互いをライバルとして意識されてますか?

福原:いや、ぼくは完全に後輩気分です。大学生の頃から猫ニャー観てますし。だから、勝負みたいな意識は全然なくて、ブルーさんの手のひらの上で遊ばせていただこうと…。

――大人のコメントすぎるね(笑)

ブルー:ぼくも福原さんのお芝居が大好きで…。出たいとも思っていて…。

高木:だから、それはもうやめて! (一同笑い)

ブルー:福原さんはいま注目の人ですが、ぼくのほうはもう終わった存在なので…。(一同笑い)

――高木さん的には「私をめぐって、もっと競い合って」という気持ちはないんですか?

高木:ないです、そんなの(笑)。二人とも「オレがオレが」っていうタイプじゃないことはわかってるからこそ、お願いしたんです。三人仲良くやってゆける気がしたので。

――では、そんな三人から読者のかたがたに向けてメッセージをお願いします。

福原:やりたいことを純粋にやらせてもらえる企画だと思ってますので、それがうまくできたらいいなあと思ってます。他では見られないような芝居にしますので、ぜひ観に来てください!

ブルー:ぼくは今、劇団とかやってないので、これが最後になるかもしれないっていう気持ちで臨みたいと思います。歌あり踊りあり笑いあり涙ありの面白い芝居にします…そう言うと、かえってつまらなそうにも聞こえますが、そんなことありません。絶対、絶対に面白いものになります。

高木:今回、脚本・演出として私の大好きなお二人を、人間としても大好きなお二人をお迎えして、一緒にお芝居を作れることが、とても幸せです。まあ、自分の企画なんですけど、足を引っ張らないようにして、良い舞台をお見せしたいと思います。よろしくお願いします。

(進行・構成:イープラス安藤光夫)

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2009-06-08 19:13

 前作『幸せ最高ありがとうマジで!』で第53回岸田國士戯曲賞を受賞した、若手最注目株の劇作家・本谷有希子。彼女の受賞後第1作にあたる新作舞台が『来来来来来』だ。映像作品だけでなく舞台出演にも意欲を見せるりょうを主演に迎えるほか、女性ばかり6人の個性派キャストが顔を揃えた。現代女性の心の裏側を描かせたらピカイチの表現力を誇る本谷の、真骨頂が発揮されそう。ますます勢いづく彼女に、まだ始動したばかりのこの新作への企みを聞いた。


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  「暗い状況も不幸と思わず、図太くたくましく生きる女たちの話です」

――今回はまた、おもしろい顔合わせになりましたね。キャスティングの狙いとしては?

 まず、そこです。おもしろそうだなと思っていただけるかどうかがカギですね。女が6人ってことは私にとって初チャレンジではあるんですが。なんだか、オソロシイですよ(笑)。

――女子6人ってことは、やはりドロドロした感じに?

 いえ、ドロドロじゃなく、どっちかというとアッパーな感じ。『SEX AND THE CITY』みたいな? まだ今、プロットを考え中なので、最終的にどうなるかはわからないですけど。暗さよりもたくましさ、冗談とシャレにならないことの間みたいな感じかな。女の人たちはたくましく図太く生きてて、暗い状況も特に不幸と思わない。そういうエネルギッシュな雰囲気にしたいんです。よくある女の足の引っ張り合いとか、OLの給湯室みたいなのではなくて。だって1カ月そんな雰囲気の稽古場に行くなんて、私が怖くてイヤ(笑)。まあ、みんな日常的にケンカはするけど、それが「タフだなあ」って思えるくらいの女の人が描きたいんです。

――陰湿な関係ではないんですね。

 そうです。今まで私は、弱い部分を持った女の人を主人公に書いてきていましたけど。エキセントリックだけど、精神的にもろい部分もあるみたいな人。だけど今度はたくましさを書くことで、弱さみたいな、逆のことが浮かび上がらないかなと。

――物語的には、どういう話ですか?

 お麩を揚げている主婦たちの話。工場があって、お麩を生け簀みたいなところで揚げるんです。私が田舎でよく見ていた光景なんですけどね。真中に煮えたぎった油があるのが日常というのが、ちょうど書きたい世界と重なるなと思って。冗談なのか本気なのかわからない感じがおもしろいし。

――お麩工場ですか。女性たちが、おしゃべりしながらできる仕事ということですね。

 それも「仕事ツライねー」とかじゃなく「あいつどうやったら殺せるかなー」って言ってる感じ。そんな女の人たちを書きたいんです。前回の『幸せ最高〜』から引き続き、元気なものが書きたくて。とはいえ、前回に比べたらもう少し重く暗い部分もあるかな。

――じゃ、舞台はお麩工場がメインに?

 あとは、鳥園も出てきます。

――鳥園、ですか?

 木野花さん演じる女性が鳥狂いという設定で、鳥をつかまえては自作の鳥園に放してる。しょぼい鳥しかいないんですけどね。鳥を溺愛する、結構アグレッシブなババアの役です(笑)。その家の長男の嫁が松永玲子さん。そしてりょうさんが次男の嫁。次男は新婚1カ月なのにある日「鳥をとってくる」と言っていなくなるんですが、その嫁は行くあてがないから鳥園の世話をし、お麩を揚げながらだんなさんを待ってる。ほかの女性たちもみんなそれぞれ、恋に苦しんだりしていて。なんだかメチャクチャやん!って感じですね。どうやってまとめるんだろう、私(笑)。

  「恋ってスゴイなぁ〜とか思いつつ、女の人の強い部分を楽しく見てほしい」

――前回公演で岸田國士戯曲賞を受賞されました。ご感想としてはいかがでしたか。

いい具合でホッとして、今後の公演に対して力が抜けそうな気がします。あとはもう、作品を生み出して、それが痛い目にあったり、うまくいったりってことを繰り返していくだけ。好きにやれるなーって感じです。もちろん役者さんに対してはホッとはできないですけどね。「私に何書いてくれるの?」みたいなのはビンビン感じるので。特にりょうさんとかスゴイですよ。「私の知らない私を見せて」って。「ええ? りょうさんが知らないりょうさんをなんで私が知ってるの?」って(笑)。

――りょうさんには今回、どういうお芝居をしてもらいたいですか。

 ただひとり異物としてそこになじまないものとして入ってくる役なので。みんなとは違って、まだたくましさがなくて、どちらかというと弱さというか、ほろ苦さみたいな。つまり、いろんなことを乗り越えていったらこんな女たちになるんだろうな、という。なくなっていくものを惜しむ気持ちというか。

――刹那的な美しさを?

 そうそう。でもやっぱり強い女性ですよ。いなくなっただんなが帰ってくるってことを疑わずに信じていられて。ヘタしたら一番強いのかも。今まで書いてきたヒロインの中では受身なほうですね。わりと攻撃的なヒロインが多かったんで、今回は受け止めるほうの人を書いてみたかったんです。

――そういう意味では、前回の『幸せ最高〜』の永作博美さんは攻撃的でしたね。

 その真逆かもしれないですね。でもどっちが強いかというと、ああいうイケイケな女は強くは見えても案外もろくて。それと逆に、一見すごく弱そうでも実はすごく芯がある女性みたいな。

――演じるの、難しそうですねえ! だけど、楽しそうな稽古場になりそうじゃないですか。

 どっちに転ぶかですよ。楽しそうな稽古場になるか、男がいないからカラッカラになっていくか(笑)。マイナスイオンとか、ちゃんと与えていかないとね。

――あと、タイトルも気になったんですが。これはどういう意味ですか?

 なんだかもう、タイトルがカッコイイとかカッコ悪いとかってレベルすらも超越した言葉を生み出せないかなと思ったんです(笑)。「なに、よくわかんない」って思われたい。いいか悪いか以前の境地に行きたくて。いつも、芝居のタイトルはそのときの時代の感じや、自分の価値観を象徴的にする言葉にしたくて。それが、そのあとに作った芝居と、全然気にしてなかったのに意外に意味がかぶってくるのが一番いいと思っているんです。だから、意味があると思ってくれればあるし、ないと思ってくれればない。そこに行ければ最強だなと。

――お客さんには、どんなことを感じてもらいたいですか?

  恋ってスゴイなぁ〜とか、愛って強いなぁ〜とか思いつつ、女の人の持つ強い部分を楽しく見てほしいです。「ここまで人を動かすのか、恋は!」みたいなことを、感じてもらえたらと思いますね。

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2009-06-01 00:00



  5月某日、本年10月3日より電通四季劇場[海]にて上演されるミュージカル『アイーダ』の制作発表会が行なわれた。
  壇上には劇団四季代表・浅利慶太、専務取締役・田中浩一と共に、コスチュームに身を包んだアイーダ役の濱田めぐみ、ラダメス役の阿久津陽一郎、アムネリス役の五東由衣が並び、会場はとても華やかな雰囲気。

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 ミュージカル『アイーダ』は、『ライオンキング』を手がけたエルトン・ジョン&ティム・ライスというトップクリエイターが手がけた作品。ディズニーと劇団四季のコラボレーションによって『美女と野獣』『ライオンキング』に続いて発表され、日本では2003年の初演。全国各地での公演に力を入れて来た劇団四季が、日本演劇史上初となる関西発信のロングランミュージカルとして大阪でその幕を開き、その後京都、福岡、名古屋で公演を行ってきた。そして今回、満を持しての東京公演の実現。自信を持って作り上げて来た作品の“凱旋”とあって、出席者も皆晴れやかな表情だ。

 タイトルロールを演じる濱田は「大阪初演からの6年の間にスタッフ、キャスト一同、ひと周りもふた周りも大きくなりました。みんなで考え、創り上げて来た『アイーダ』。前回公演よりもより繊細に、よりダイナミックに、スピリチュアルな世界をお届けします」と力強くコメント。また、「久しぶりのアイーダの扮装でしたが、メイクをするうちに自分の中にしまっていたアイーダの人格が出てきました。この想いを丁寧に洗い直して、最善を尽くした舞台にしたい」とも。
  阿久津は「愛情や憎しみを描く『アイーダ』は、お客様自身の人生とも重ね合わせられる物語です。ラダメスは強さと弱さを併せ持ったキャラ。この作品でラダメスとして初めての東京公演。東京出身者としてもとても楽しみです」と、終始笑顔で語った。同時に「劇団の中に若い力が確実に育って来ている。後進の指導にあたり、作品を脇から固めて更に育てて行くのも自分の役割と感じています」と、カンパニーの一員としての責任を新たにしていた。
  「『アイーダ』はアイーダとラダメスの恋物語であると同時に、アムリネスの成長物語でもあります。試練を乗り越え、4000年の時を超えて魂が浄化されて行くアムリネスの姿を観て欲しい」という五東。同じく久しぶりとなった衣裳姿には「ちゃんとアムリネスになれてるでしょうか?」と照れた様子も見せながら「舞台では王妃アムリネスの華やかな姿、おしゃれな衣裳の数々も楽しんでもらいたいです」と、見どころを教えてくれた。

 古代エジプトを舞台に、哀しい運命に引き裂かれて行く恋人たちを描いた『アイーダ』。オペラ作品としても有名だが、このディズニー/四季版ミュージカルはオペラとはまた一味違った新しい切り口でクリエイトされたミュージカル。「やはりエルトン・ジョンの曲はなかなかのもの。娯楽性を大切にするディズニー作品の中にあって、『アイーダ』は娯楽性とともに特に芸術性が高いのが特長。現代劇を観る感覚で楽しめる、現代人の心を打つ作品ではないでしょうか。全回公演を経て、やっと東京でもご覧頂けます。さらにレベルの高いところでの作品がお届けしますよ」と、浅利氏もその手応えを力強く語った。

 会場内のスクリーンにオリジナルスタッフであるエルトン・ジョン、トーマス・シューマーカー、ティム・ライスのコメントが流れたあとは、プチサプライズ。出演者3名が生歌を披露してくれた。まずは『アイーダ』を代表するデュエットナンバー「星のさだめ」。パープルのドレスをまとったアイーダと、深紅のスーツのラダメスが2人の恋の熱さを切々と歌い上げる。続く「どうしたらいい」は、えび茶のドレスのアムリネスも加わり、三者三様、それぞれの苦しい恋心を綴ったナンバー。生きる強さを滲ませるアイーダ、凛々しさをたたえるラダメス、気品ある立ち姿が凛としたアムリネスの歌声は、エルトン・ジョンが持つポップなテイストと相まって、想いを突きつけることなく、吹き抜ける風のような爽やかを感じさせる聴き心地のよい三重唱となって、会場内を静かな感動で包み込んで行った。

 かねてより上演リクエストが多かったという本作。いよいよ実現した東京公演、その幕開けが待ち遠しい。

〈取材・文:横澤由香〉


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2009-05-27 15:38
5/2(土)開幕のミュージカル「春のめざめ」報道関係者向け公開稽古が、さる4/13(月)、あざみ野の四季芸術センターで、行われました。



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公開されたのは、全二幕の通し稽古。すべてのシーンが本邦初披露とあって、会場につめかけた大勢の報道関係者はどのシーンも見逃すまいと必死の様子。シャッター音が響く中での演技となりました。衣装こそ稽古用のものでしたが、いくつかの椅子と小さなテーブルといった最小限の小道具を色々なものに見立てながら、虐待、落第、思いがけない妊娠、そして思春期の身体の変化に戸惑う少年・少女と、そんな子どもたちを力で制することしかできない大人たちとのぶつかり合い、そこから起きる悲劇が、本番さながらの迫力で演じられました。

3/10の制作発表時には明言を避けていた性行為や同性愛などのシーンも、ほぼオリジナル上演通りに演じられていました。100年前の物語に現代の音楽と独特の振り付けを組み合わせてブロードウェイでも若者を中心に熱狂的な支持を得た作品が、劇団四季版でもその形をほとんど変えることなく上演されるとみてよさそうです。舞台に見立てたスペースをたっぷり使いながらの歌とダンスも非常に見ごたえがありました。

 

なお、この日のキャストは以下の通りでした。

女性キャスト

 ベンドラ   林 香純

 マルタ    勝間 千明

 イルゼ    金平 真弥

 アンナ    宇垣 あかね

 テーア    有村 弥希子

 大人の女性  中野 今日子

男性キャスト

 メルヒオール 柿澤 勇人

 モリッツ   三雲 肇

 オットー   加藤 迪

 ハンシェン  南 晶人

 エルンスト  竹内 一樹

 ゲオルグ   白瀬 英典

 大人の男性  志村 要

 

あくまでこの日の公開稽古のキャストとのことです(つまり、本番で変動する可能性は大いにあります)。少年たちは3/10の制作発表の時と同じでしたが、少女たちはアンナとテーアが前回とは別のキャスト、また大人の男性と女性はこの日が世間的には初登場となりました。メルヒオール役の柿澤さんは高めの音域も歌いこなし、堂々とした演技には主役のオーラが感じられました。モリッツ役の三雲さんは、ロックミュージシャン風の歌い方が板についてきた感じです。コミカルな演技もなかなかでした。本番に向けてさらなるパワーアップが期待できそうです。ベンドラ役の林さんは目を輝かせながら純粋で一途な少女を演じ、好感が持てました。大人の男性と女性は帽子をかぶったり、声のトーンや姿勢を変えながら、子どもたちの親や先生、牧師、医師などを演じますが、その変貌ぶりもみどころのひとつです。

日本語歌詞については、原詩に忠実に訳すというよりは、曲のイメージを日本語でわかりやすく伝えることを重視しているようです。そのために、詩的で抽象的な原詩からやや離れていると感じられた部分もありましたが、直訳でなくてもこれはいい訳だなと思うところもあり、言葉の抑揚とメロディラインが合っているので、聞き取りやすかったです。制作発表後に手を加えたあともみられ、最終的な歌詞がどうなるか興味深いところです。芝居の部分の訳についても、もともとややくどい部分をはしょったりするなどはあったものの、大方原文どおりだったと思います。

性描写が多い衝撃作という評価ばかりが一人歩きしている本作ですが、そのシーンに至るまでの少年少女たちの心とからだの変化が丁寧に描写されているので、劇団四季版ではじめて本作を観るという方にも、それぞれのシーンの必然性が伝わると思います。ブロードウェイ版を数回観ている筆者は、性行為などのシーンよりも、初めて日本語で聞く、親から虐待されている少女たちの歌の内容の方により衝撃を受けました。日本語で観ることで認識を新たにした部分もあり、ブロードウェイで観て細かいところがよくわからなかったという方にもお勧めしたいと思います。

公開稽古の後、振付補として来日していたジョアン・M・ハンターさん記者会見がありました。はじめにジョアンさんから、「今回は2回目の通し稽古で素晴らしい出来映えであったと思う。経験の少ない役者が稽古を積んでいくプロセスには難しさもあったが、それぞれが自分の人生経験をこの作品に生かして欲しい」というようなお話しがありました。引き続いての質疑応答では、大きな声で笑ったり身振り手振りを交えながら、記者の質問に答えてくださいました。

アメリカのキャストと日本のキャストのちがいについては、「アメリカ、イギリス、オーストリアのキャストと比べ、日本のキャストはみんなダンスの素養があるところがまず気がついた違いで、それはすばらしいが、本作は決められたタイミングで決められたステップを踏むことではなく、内側から沸き起こるいらだちや怒りをぶつけることが大切なので、いったん身につけたダンスをはぎ取ることが課題になっている」とのことでした。また、従順で、稽古熱心なこと、失敗したがらない傾向も特徴であり、間違ってもいいから思いきって大胆に演技をするよう伝えているそうです。日本の悩める若者に対してはどうしたらいいかという質問には、「自分も性のことについては親に相談できなかったが、本作を親子で観ること対話のきっかけが生まれるのではないか。オープンな対話が大切。」と答えていました。

現時点での出来映えは何点か聞かれると戸惑いながらも「10段階評価で6点か7点。いい状態だと思う」と評価する一方、今後の課題については「同じことを何度も言われないようにすること、演技は相手役があってのことということを忘れないように、常に新しい白紙のページをめくるような気持ちで臨むように、と、このあとキャストに伝えようと思っている」と指導者としての顔をのぞかせました。最後に作品の魅力について「音楽がロック・ミュージックであることから若い人たちに受け入れられ、そのことで舞台芸術に触れるきっかけにもなると思う。そして、誰もが経験する性の目覚めを描いた作品に共感することによって若者が成長していくことができるはず」と述べた後で「しかも娯楽性もありますよ」と本作の本当の魅力について付け加えていました。

思春期の若者たちにまつわる様々なテーマを含んだ作品ですが、重い内容に反比例するようにはじけるロック・ミュージックにのって繰り広げられるエキサイティングなステージは、一度体験したら病みつきになるかも? いよいよ日本で初公開となる本作を、どうぞお見逃しなく!

(取材・文 himika)

 

イープラスでは、5月28日(木)と7月3日(金)各18:30、イープラス会員限定の貸切公演を実施します。座席選択&すぐチケのサービス適用にて現在絶賛発売中!
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2009-04-30 18:44

 

 作・鈴木聡、演出・ラサール石井、主演・上川隆也という豪華な布陣で贈る、舞台『その男』の幕がついに開かれた。04年に上演された『燃えよ剣』でもタッグを組んでいる3人。彼らが再び集結し、今回は池波正太郎の人気時代小説を初めて舞台化する。


 物語は、主人公・虎之助の叔父・金五郎の一人語りから始まる。旗本の嫡男として生まれながらも、病弱で、跡取りとしての地位も危うい虎之助。金五郎を心のよりどころにしていたが、13歳の若さで大川へと身を投げてしまう。それから6年、金五郎が浪人に絡まれていたところに、一人の男が助けに入る。彼こそが、一人前の男として成長した虎之助。池本茂兵衛という人物に助けられ、立派な剣士として生き抜いていたのだ。そして時は江戸末期。時代の激しい波は、虎之助の人生にも大きな影響を与えていく。


 全3部から成る舞台は、幕末から始まり、昭和初期までと続く虎之助の一代記。安政の大獄に大政奉還、西南戦争に二・二六事件と、激動の日本を背景に描かれていく。その中で虎之助が徹するのは、“生きる”ということ。もちろん剣士である彼には、時代に殉じてこそ男という想いがある。しかし“生きる”ことは、父として慕う茂兵衛の教え。自分の在り方に葛藤しつつも、虎之助は誠実に生きていこうとする。そこに重なって見えるのは、演じる上川の役者としての実直さ。時に勇ましく、時に怒りに身を震わせながらも、芯にあるのは、男としての心の広さと優しさ。上川がこの虎之助に体当たりで挑み、血の通った男として舞台に存在していることが、作品に大きな柱を与えている。


 また本作にさらなる深みを与えているのが、茂兵衛を演じた平幹二朗。ベテラン俳優としての安定感と、圧倒的な存在感。彼がいることで舞台がより締まり、また彼が幾度となく虎之助に語りかける「生きろ」という言葉が、観客の心にも響いてくる。そして茂兵衛と同じく、時代の中で命を落としていった者がいる。それが虎之助の親友である中村半次郎と伊庭八郎。半次郎演じる池田成志は、薩摩弁を巧みに操り、緊張した舞台空間にひと時の笑いを生む。そのことが、後の運命をより悲しいものにしていくのだが。伊庭八郎を演じたのは、近年成長著しい波岡一喜。いいライバル関係にありつつも、虎之助とは真逆の生き方を選んだ八郎。クセのある役を演じることが多い波岡だが、本作では颯爽とした若き剣士役を好演している。


 作品に華を添えているのが、内山理名とキムラ緑子の2人の女優。礼子役の内山は、薩摩の剣士とも対等な立ち回りをこなす隠密の一面と、虎之助を慕うけなげな一面。その二面性を切なく演じ分け、二度目の舞台とは思えない堂々とした姿を見せた。妖艶な女の色気を醸し出していたのは、「劇団M.O.P.」の看板女優でもあるキムラ。演じる秀は気風のいい女性だが、その裏には虎之助と半次郎に対する複雑な想いもある。そんな女心の悩ましさは、やはりこの人に演じさせたら右に出る者はいない。ほかにも金五郎を演じた六平直政や、陰山泰、鈴木率いる「ラッパ屋」の福本伸一や木村靖司、弘中麻紀などが参加。演劇界の巧者たちが、しっかりと脇を固めた。


 本作の大きな魅力として、音楽というのも忘れてはならない。津軽三味線界のトップランナー、上妻宏光が劇中曲を手がけているのだ。時代感を表す壮大な音楽。特に印象的なのは、真剣勝負の場面に響く三味線の音色。その単純ながらも力強い音色が、殺陣の緊張感と迫力を増大させたことは間違いないだろう。


 ただ“生きる”ことに自らの価値を見出した虎之助。こんなご時世だからこそ、彼の生き方に共感する人も多いはず。そんな虎之助の姿は、現代の我々の目から見ても、たまらなくカッコいい。


(取材・文:野上瑠美子)



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2009-04-10 13:03


  4月3日東京グローヴ座にて、森見登美彦の人気小説『夜は短し歩けよ乙女』舞台版の幕が開いた。

 京都の町で春・夏・秋・冬に巻き起こった物語がそれぞれ「夜は短し歩けよ乙女」「深海魚たち」「御都合主義者かく語りき」「魔風邪恋風邪」の4つの章に分けられ展開する本編は、まさに奇想天外、摩訶不思議の世界。ストーリーのメインは意図せざるうちにあらゆる事件の主役となってしまう「黒髪の乙女」の活躍と、そんな乙女に恋い焦がれ、偶然を装いひたすらその姿を追い続けながらも結局は路傍の石ころに甘んじる「先輩」の純愛の記録なのだが…。
 派手な巨大3階建てバスに乗って現れる謎の老人・李白(ベンガル)、春画収集家であり鯉の養殖をしている東堂さん(綾田俊樹)、酔っぱらい美人の羽貫さん(辺見えみり)、天狗を名乗る文学青年風の樋口さん(原口健太郎)ほかパンツ総番長、古本市の神様、学園祭事務局長などなど、ふたりをとりまく登場人物すべてが奇々怪々なキャラクターの持ち主だけに、観客はあっという間にファンタジーの世界に引き込まれてしまう。
 ファンタジーとは言っても、登場人物たちはあくまで現実世界のちょっぴり上を覆っている“紙一重の非現実”的なところを漂っているのがまた心地よい。日常生活の中でふとした拍子に沸き起こる「歩きなれたあの角を曲がったら、今日は何か違うことが起きるのでは!?」という感覚。八百万の神との思いがけない接近遭遇。うっかり逢魔時に踏み込んでしまったような、ありふれた毎日と地続きに存在する魔法の時間がここにはある。

 乙女役の田中美保は本作が初舞台ながら、原作から抜け出したかの如くピュアで凛々しく溌剌とした乙女像を見せてくれた。同じくこれが初舞台の先輩役の渡部豪太も、ピュアでひたむきな(巻き込まれ型の)恋する青年をナチュラルに好演。共通する透明感を称えた2人のコンビネーションは、舞台全体をよりキュートで愛おしいものへと導いていた。

 伝説の老人と一晩中かけて偽電気ブランを呑み比べ(もちろん勝利。乙女は底抜けの酒豪なのだ!)、古本市では見事子供の頃手放してしまった大好きな絵本と再会する。初体験の学園祭では緋鯉の巨大ぬいぐるみを背にゲリラ演劇のプリンセスダルマを演じ切り、秘薬を抱えて世にも恐ろしい風邪の神様と対峙する。それが黒髪の乙女。可愛らしさと力強さ、そして運の強さを兼ね備えた“ザ・ヒロイン”ながら、あり得ないほどの天然さと素直さを兼ね備えている不思議少女でもあるだけに、 一歩間違えば鬱陶しいだけの“勘違い女子”となってしまいそうな彼女の特異キャラをしっかりと3次元に定着させたのは、演出の東憲司(劇団座敷童子)。独特なテンションを持つ物語世界に素直に飛び込んで行った若手俳優と、彼らをしっかりと受け止めながらオリジナルの味つけを楽しんだベテラン勢とのバランスも絶妙に、森見氏本来の個性的な文体を見事に舞台へ再現し、原作ファンも納得の舞台を創り上げた。

 舞台上で転換していく“いかにも書割り”といった手書き風のセットも味わいがあり、京都の町で大学の構内でと騒動に乗って縦横無尽に舞台を駆け回るアンサンブルのテンションもゴキゲン。劇場を後にする頃には、生きる強さ、生きる楽しさ、身の回りに潜んでいる素敵な魔法の存在を再確認しているはず。乙女や先輩たちと一緒に思わずマーチの行進でも踏みたくなる、楽しさあふれたステージだ。もちろん黒髪の乙女と先輩の恋の行方も、是非その目でご確認を。

(取材・文:横澤 由香)

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2009-04-10 11:40
 不朽の名作ミュージカルにして、宝塚歌劇の代表的なレパートリーの一つである『エリザベート』−愛と死の輪舞(ロンド)−が、この春、ついに7度目の上演を迎える。その記者会見が、都内某所にて華々しく行われた。



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 まず会見は、黄泉の帝王トート(死)役の瀬奈じゅんと、エリザベート役の凪七瑠海のパフォーマンスからスタート。瀬奈のソロによる「愛と死の輪舞(ロンド)」と、凪七とのデュエット「私が踊る時」の2曲が披露された。2人で合わせて歌ったのは、なんと会見前日が初めて。しかし2人の息はすでにぴったりで、瀬奈自身、「心通じるもの、高め合う何かっていうのは、回数を多くやれば分かるというものではないんだなって。それは瑠海ちゃんの目を見て感じましたね」と発言。パフォーマンスを通し、本番への手応えを確実に掴んだようだ。

今回トート役を演じる月組トップスターの瀬奈は、『エリザベート』への出演はこれが3度目。過去にはルキーニ役、さらにはエリザベート役をも経験しているだけに、まさに満を持してのトート役での登場となる。「私自身、この作品に育てていただいたと言っても過言ではないと思っています。私らしいトートを作り出せるよう頑張りたいです」と、この役にかける熱い想いを語った。またトートに魅入られ、数奇な運命を辿っていくエリザベート役の凪七は、宙組からの特別出演。そんな凪七は、大役への大抜擢ということもあり、会見では終始緊張したようす。だがそんな中、「瀬奈さんや先生方に、ひたすら死ぬ気でついていきたい。今はただそれだけです」と語った時に見せた、強い眼差しが非常に印象的だった。

 演出を手がけるのは、『エリザベート』といえばもちこんこの人、小池修一郎。初のトート役に挑む瀬奈の魅力を、「瀬奈のトートとは、ずばり“パッション”ではないでしょうか。宝塚歌劇のトートは、エリザベートに恋い焦がれるというところが最大の魅力だと思っております。そこで今回瀬奈が、恋の煩悶をどう見せてくれるのか、私自身も楽しみですね。“トート=死”としての超越したものは、スターのカリスマ性として、すでに充分持ち合わせていると思うので」とコメント。また男役である凪七の意外なキャスティングについては、「エリザベートという役はプロポーションの大変いい、生命力のある美しさを持った女性の役だと思っています。凪七はそれにぴったりと合いますし、彼女はまだ若いだけに、男役として完成していない。その分、エリザベート役が必要とする音域を、うまくカバーできるのではないか」と、この大胆なチャレンジへの狙いを明かした。凪七も「男役の私を選んでいただいたということも念頭に置いて、一本芯の通った、強いエリザベートを演じたいと思っております」と、小池の言葉に続いた。

 また『エリザベート』といえば、ビジュアル面も大きなポイントの一つ。今回のトートの衣装は、瀬奈が好きだという濃い紫色の衣装を採用。死の暗い影を感じさせながらも、宝塚歌劇らしい華やかさをも併せ持った衣装となっている。またヘアーには、小池のオーダーで赤いメッシュが、さらに瀬奈のアイデアで編み込みが入れられ、これまでにないトート像が完成。この美しいトートの姿には、スチール撮影を担当した世界的なフォトグラファー、レスリー・キーも絶賛したと言う。そんな撮影時の感想を聞かれ、「私は欲深いので、もっともっときれいに撮れると思っていたんですけど(笑)」と、会場を和ませる場面も見られた。

 トップスター瀬奈と若き凪七の見せる、これまでにない新たなる『エリザベート』。宝塚歌劇の歴史に大きな布石を残すであろう作品なだけに、見逃してしまうにはあまりに惜しい。

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2009-02-27 19:02
 千作(人間国宝)と千之丞の兄弟を筆頭に、絶大な人気を誇る京都・茂山千五郎家一門。春の訪れと共にお届けしてきた「春狂言」も2009年で6年目を迎えます。



 今年は、公演初日に東京初披露の千之丞による「三番三」、さらに、東京公演の「釣狐」、大阪公演の「狸腹鼓」と、大曲を東西にて上演。また、大阪公演の最終日には、ゴールデンウィーク特別企画として、家族や友達同士で楽しむワークショップを中心とした公演も。狂言を初めて見る方も、よく知ってる方も、狂言の魅力を存分に味わっていただけます。この機会、ぜひお見逃し無く!!

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【東京公演】
<4/18(土)14:00>大蔵流「三番三」「文相撲」「腰祈」
<4/18(土)18:00>大蔵流「文荷」「釣狐」「六地蔵」
<4/19(日)14:00>大蔵流「呼声」「無布施経」「花盗人」

【大阪公演】
<5/3(日)14:00>大蔵流「隠笠」「土筆」「狸腹鼓」
<5/3(日)18:30>大蔵流「筑紫奥」「子盗人」「寝音曲」
<5/4(月・祝)14:00>「お話とワークショップ」大蔵流「附子」「蝸牛」


■ 東京公演 ■ (国立能楽堂)
公演日:09/4/18(土)〜09/4/19(日)

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□東京公演 第一日【昼の部】 4月18日(土) 14時00分開演
<東京初披露!千之丞の<三番三>>
お正月や記念公演など特別な公演のみで上演される<翁>の中で、狂言方が担当する舞事<三番三>。10年連続で元旦上演を行ってきた千之丞の<三番三>が、いよいよ東京公演に初登場です。最高齢の<三番三>上演記録を更新し続ける千之丞の力強い舞台をぜひ、ご覧下さい。また、<文相撲>、<腰祈>はそれぞれ七五三・宗彦、あきら・童司の親子共演でお届けします。
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<演目>
☆大蔵流<三番三>(さんばそう)
【出演】  
  三番三: 茂山千之丞
  千歳: 茂山茂
  笛: 藤田六郎兵衛
  小鼓: 鵜澤洋太郎、古賀裕己、飯冨孔明
  大鼓: 亀井広忠
【あらすじと見どころ】
  能楽の中でももっとも神聖視され、特別な公演でのみ演じられる祝祷の演目曲「翁」(正式には式三番)のなかで、狂言方が担当する舞事。多くは「三番叟」と記しますが、大蔵流では「三番三」と記します。面をつけずに力強い掛声をかけながら軽快かつ躍動的に舞う「揉ノ段」と、黒式尉の黒い面をつけて鈴を振りながら荘重かつ飄逸に舞う「鈴ノ段」から構成されます。五穀豊穣を祈願するとされ、技法上、足拍子を多用することから、この舞を舞うことを“踏む”ともいいます。

☆お話 茂山童司

☆大蔵流<文相撲>(ふずもう)
【出演】  
  大名: 茂山七五三
  太郎冠者: 丸石やすし
  新参者: 茂山宗彦
【あらすじと見どころ】
  太郎冠者の連れてきた新しい使用人は相撲が得意と聞き、大名(シテ)は自分が相手になってその腕前をみることにしました。最初は大名が負けますが、相撲の書を読んで対抗策を知り、二度目は勝ちます。三度目に再び負けた大名は・・・。
     

☆大蔵流<腰祈>(こしいのり)
【出演】  
  山伏: 茂山正邦
  太郎冠者: 茂山童司
  祖父: 茂山あきら
  笛: 藤田六郎兵衛
  小鼓: 古賀裕己
  大鼓: 亀井広忠
【あらすじと見どころ】
  修行を終えた山伏が、本国へ帰る途中、都の祖父(おおじ)を見舞いに立ち寄ります。出てきた祖父の腰があまりに曲がっているので、山伏が祈って治そうとしますが・・・。あきらは普段演じることの少ない老け役に挑みます。
     

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□東京公演 第一日【夜の部】 4月18日(土) 18時00分開演
<大曲<釣狐>でみる狂言の真髄>
狂言方の卒業論文とも言われる大曲<釣狐>を、若手の中でも型の美しさに定評のある茂が演じます。表現力、体力、精神力すべてにおいて高いレベルが必要とされる演目。東京で茂山家の<釣狐>が見られる機会はあまりありません。この機会をお見逃しなく。その他にベテラン七五三、あきらによる<文荷>、若手が賑やかに演じる<六地蔵>をお届けします。

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<演目>
☆お話 茂山宗彦
   
☆大蔵流<文荷>(ふみにない)
【出演】  
  主人: 丸石やすし
  太郎冠者: 茂山七五三
  次郎冠者: 茂山あきら
【あらすじと見どころ】
  主人から恋文を届ける仕事を言いつかった太郎冠者と次郎冠者。しかし、二人は道すがら恋文を持つ仕事を押し付け合います。しかたなく文に竹を通して二人で担ぐことにしますが、なぜか文が重くなり・・・。能『恋重荷』をパロディ化した作品です。太郎冠者と次郎冠者が謡うのは『恋重荷』の一節で、荷に竹を通して担ぐ型は『恋重荷』の古い演出に通じます。
     

☆大蔵流<釣狐>(つりぎつね)
【出演】  
  狐: 茂山茂
  猟師: 茂山千之丞
  笛: 藤田六郎兵衛
  小鼓: 鵜澤洋太郎
  大鼓: 亀井広忠
【あらすじと見どころ】
  猟師につぎつぎと一族の狐を釣り殺された古狐は、猟師に狐釣りをやめさせようと伯蔵主(はくぞうす)という猟師の伯父の僧に化けて意見に行きます。猟師に狐釣りをやめる約束をさせ、罠も捨てさせます。喜んだ狐ですが、帰り道、捨ててあった罠を見つけ・・・。「猿に始まり狐に終わる」と言われるように、狂言方の修行の卒業論文と言える大作です。体力はもちろん、高い精神力や表現力を必要とする演目です。本公演では、現当主・千五郎の次男、茂が4年ぶりの再演をいたします。
     

★大蔵流<六地蔵>(ろくじぞう)
【出演】  
  田舎者: 茂山童司
  すっぱ: 茂山宗彦
  その仲間: 増田浩紀、山下守之
【あらすじと見どころ】
  辻堂に安置する地蔵を作ってもらおうと、田舎者が都にやってきますが、肝心の仏師の居所を知りません。そこへ一人のすっぱが通りかかります。親切そうにするすっぱに田舎者が事情を話すと、すっぱは自分こそが仏師だと言い、翌日までに地蔵を作ってやろうと約束します。翌日田舎者が地蔵を受け取りに行くと因幡堂の表堂と裏堂に三体ずつおいてあるというのですが、どこか印相がおかしくて・・・。
     

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□東京公演 第二日【昼の部】 4月19日(日) 14時00分開演
<人間国宝・千作の<無布施経>>
 この日の見どころは人間国宝・茂山千作の登場です。狂言の笑いのエッセンスたっぷりの名曲<無布施経>を、現当主・千五郎と演じます。見る者を幸せにしてくれる天衣無縫の千作の芸をお楽しみ下さい。また、<呼声>は若手がパワフルに上演いたします。色々な節回しが登場する賑やかで楽しい演目です。<花盗人>は春らしく桜の立木が舞台に登場し、その桜をめぐってストーリーが展開されます。盗人の運命やいかに・・・!

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<演目>
☆お話 茂山千之丞
   
☆大蔵流<呼声>(よびこえ)
【出演】  
  主人: 茂山正邦
  次郎冠者: 茂山宗彦
  太郎冠者: 茂山童司
【あらすじと見どころ】
  無断で旅に出ていた太郎冠者を叱ろうと、主人と次郎冠者が太郎冠者の屋敷を訪ねます。主人は次郎冠者に太郎冠者を呼び出させますが、主人と気づいた太郎冠者は、居留守を使います。主人が声を変えたり、平家節や小歌節で呼び出しますが、太郎冠者も同じ調子で応えなかなか出てこようとしません。最後は浮かれて踊り節で呼び出すと、とうとう太郎冠者も耐えきれず・・・。中盤からのリズミカルな掛合が楽しくにぎやかな作品を、正邦、童司、宗彦の若手たちの共演でお楽しみ下さい。
     

☆大蔵流<無布施経>(ふせないきょう)
【出演】  
  出家: 茂山千作
  檀家: 茂山千五郎
【あらすじと見どころ】
  毎月のきまりで檀家の家へお経をあげに来た出家が、勤めを終えて帰ろうとしますが、毎月出るはずのお布施が出ません。しかたなく帰ろうとしますが、今後毎月のお布施がなくなってしまっては困ると思い直し、催促に戻り・・・。出家を演じる、人間国宝・茂山千作の愛嬌ある演技から目が離せません。90歳を間近に第一線で活躍し続ける千作とその芸を受け継ぐ千五郎の親子の笑いの「間」をご堪能ください。
     

☆大蔵流<花盗人>(はなぬすびと)
【出演】  
  亭主: 茂山あきら
  花見の衆: 茂山七五三、茂山茂、茂山宗彦、茂山童司
井口竜也、丸石やすし
  三位: 茂山千之丞
【あらすじと見どころ】
  桜を盗みに入った三位(位の高い高僧)は、待ち構えていた花見の衆たちに捕らえられてしまいます。しかし、和歌で上手に言い訳をした三位は許され、やがて酒盛りになりますが・・・。桜の造り物が舞台上に登場する春らしい演目です。花を盗みに入った三位が最終的にどうするのか・・・。最後まで、目が離せません。
     

■春狂言
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*出演者は、やむを得ず変更となる場合がございます。予めご了承ください。


■ 大阪公演 ■ (大槻能楽堂)
公演日:09/5/3(日)〜09/5/4(月・祝)

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□大阪公演 第一日【昼の部】 5月3日(日) 14時00分開演
<大曲<狸腹鼓>上演!>
 東京での<釣狐>上演に対し、大阪公演の目玉は千三郎による<狸腹鼓>です。<釣狐>同様、極重習に分類される大曲であり、<釣狐>以上に上演機会の少ない演目です。前半の緊張感と、後半狸の着ぐるみで腹鼓を打つユーモラスな場面のギャップをお楽しみ下さい。また、<土筆>は千之丞・あきらの親子による上演。作品に和歌が折り込まれ、土筆=つくしが登場する春らしい演目です。

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<演目>
☆お話 茂山千之丞
   
☆大蔵流<隠笠>(かくれがさ)
【出演】  
  果報者: 茂山宗彦
  太郎冠者: 茂山童司
  すっぱ: 丸石やすし
【あらすじと見どころ】
  宝比べが流行し、果報者も参加したいと思いたち、都へ宝物を買いに太郎冠者を行かせます。太郎冠者が都へ行くと、都の男(すっぱ)が姿の消える隠れ笠を売ってやろうと言います。太郎冠者は喜んで買い求めますが・・・。宗彦の果報者と、童司の太郎冠者というフレッシュな配役でお楽しみ下さい。
     

☆大蔵流<土筆>(つくづくし)
【出演】  
  甲: 茂山千之丞
  乙: 茂山あきら
【あらすじと見どころ】
  友人を誘って春の野遊びに行った男が、土筆(つくし)を見て「土筆の首しをれてぐんなり」と歌を詠みます。友人から「和歌に<ぐんなり>はおかしい」といわれた男は、「…風さわぐんなり」という古歌があると反論するのですが・・・。
     

☆大蔵流<狸腹鼓>(たぬきのはらづつみ)
【出演】  
  狸: 茂山千三郎
  喜惣太: 茂山茂
  笛: 杉信太朗
  小鼓: 清水晧祐
  大鼓: 上野義雄
  太鼓: 前川光範
【あらすじと見どころ】
  猟師の喜惣太が、田畑を荒らす狸を射るために出かけます。すると尼に化けた狸が現れ、猟師に殺生をやめるよう意見し、約束させます。喜んだ狸ですが、帰り道に犬の鳴き声に怯えた姿を喜惣太に見つけられ・・・。千五郎家に伝わる「狸腹鼓」は、幕末の大老・井伊直弼が台本を作り、当時お抱えであった千五郎に型付けをさせ、1852年に初演したもので、茂山家では<家の狂言>として大切に扱っています。動物が人間に化ける点など、「釣狐」を意識して作られた曲ですが、「釣狐」は中入りし狐の姿で再登場するのに対し、「狸腹鼓」では、舞台上で尼から狸の姿に早変わりするのが見せ場となっています。千三郎の軽快な可愛らしい狸をお楽しみ下さい。
     

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□大阪公演 第一日【夜の部】 5月3日(日) 18時30分開演
<<寝音曲>でみる千作の至芸>
 <筑紫奥>は、現在では考えられないことですが、無事に納税できることがめでたいと考えられた中世の物語です。お正月らしいこの演目を茂・童司が清々しく演じます。<子盗人>では、盗みに入ったはずの家で、赤ん坊をあやすのに夢中になってしまう気のいい盗人を演じる千之丞にご注目下さい。最後に2009年に90歳を迎える人間国宝・千作の<寝音曲>。朗々と響く声は、歳を重ねても衰えることなく、観客を魅了し続けます。

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<演目>
☆お話 茂山あきら
   
☆大蔵流<筑紫奥>(つくしのおく)
【出演】  
  筑紫の
お百姓:
茂山童司
  丹波の
お百姓:
茂山茂
  奏者: 丸石やすし
【あらすじと見どころ】
  筑紫と丹波のお百姓が、それぞれ年貢を納めに行く途中、道連れになります。領主の館で、筑紫のお百姓は持参した唐物(唐からの輸入品)を、丹波のお百姓は柑類(果物)の種類を拍子にかかって述べると、褒美に万雑公事(諸雑税)を免除されることになりました。二人は喜びのあまり大声を上げてしまい・・・。
     

☆大蔵流<子盗人>(こぬすびと)
【出演】  
  乳母: 茂山あきら
  盗人: 茂山千之丞
  主人: 網谷正美
【あらすじと見どころ】
  無一文の博奕打ちが金持ちの家に忍びこみ、茶道具などを物色しているところで、寝かされている赤ん坊に気づきます。かわいらしいので、浮かれてあやしていると、その騒ぎを聞きつけ乳母がやってきて・・・。子どもとは縁遠いと思われる博奕打ちが、子どもをあやすという趣向が面白く、そのあやす言葉や所作に、当時の様子がうかがえます。
     

☆大蔵流<寝音曲>(ねおんぎょく)
【出演】  
  主人: 茂山千三郎
  太郎冠者: 茂山千作
【あらすじと見どころ】
  たまたま太郎冠者の謡の声を聞いた主人は、冠者を呼んで自分の前で謡うよう命じます。太郎冠者は、今後たびたび謡わされてはかなわないと、酒を飲まないと声が出ないとか、妻の膝枕でないと謡えないといって断わりますが・・・。演者の仕どころかつ聞きどころ満載で、千作本人も好きな狂言のひとつとしてあげている演目です。
     

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□大阪公演 第二日【昼の部】 5月4日(月・祝) 14時00分開演
<ゴールデンウィーク特別企画>
最終日は、狂言についてのお話に加え、お客様にも体験していただくワークショップをたっぷりとお楽しみいただき、「附子」や「蝸牛」といったお馴染みの人気曲をご覧いただきます。お一人様はもちろん、お子さんやお孫さんとご一緒に、あるいは狂言初心者のパートナーとペアでお楽しみ下さい。

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<演目>
☆お話とワークショップ 茂山千之丞、茂山逸平、茂山童司
狂言についての基礎知識を知り、狂言の発声などを実際に体験するワークショップを通して、狂言をより身近に感じていただきます。
     

☆大蔵流<附子>(ぶす)
【出演】  
  主人: 増田浩紀
  太郎冠者: 茂山あきら
  次郎冠者: 茂山千三郎
【あらすじと見どころ】
  外出する主人は、太郎冠者と次郎冠者に桶の中に、猛毒の附子が入っていると嘘をつき、留守中は注意するように言いつけます。しかし、二人がおそるおそる開けてみると中に入っていたのは・・・。小学校の国語の教科書や、一休さんのとんち話でお馴染みの人気曲。あきら、千三郎の二人による絶妙なかけあいをお見逃しなく!
     

☆大蔵流<蝸牛>(かぎゅう)
【出演】  
  山伏: 茂山逸平
  主人: 丸石やすし
  太郎冠者: 茂山童司
【あらすじと見どころ】
  主人は太郎冠者に、長寿の薬と言われている蝸牛(カタツムリ)を取りに行かせます。ところが太郎冠者は蝸牛を知りません。こともあろうに藪の中で寝ている山伏を蝸牛だと思い込んでしまいます。驚いた山伏でしたが、からかうつもりで蝸牛になりすまし・・・。狂言の人気アンケートで必ず上位に入る人気曲です。思わずウキウキしてしまう狂言のおおらかな笑いをぜひ体感して下さい。
     


■春狂言

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2009-02-23 17:23
『おかしな二人』や『サンシャイン・ボーイズ』などのウェルメイド・コメディだけでニール・サイモンを認識していた人が、この舞台を観たとしたら「こんなニール・サイモン作品もあるんだ!」と目から鱗が落ちるかもしれない。『ビロクシー・ブルース』は、そんな新鮮さを感じさせる舞台だった。

 これは80年代に書かれた『ブライトン・ビーチ回顧録』『ブロードウェイ・バウンド』と共に“BB三部作”と呼ばれる一連の作品の二作目にあたる、ニール・サイモンの半自伝的な戯曲。新兵としてミシシッピー州のビロクシーにある訓練所に送られた若きアメリカ兵たちの姿が、等身大で描かれる。戦争の問題だけでなく、人種差別や、軍隊での上下関係、女性との初体験、そして淡い初恋。年代も国籍も越えて、誰もが共感できそうなエピソードが綴られていく。

 ベッドを役者たちが自ら移動させる舞台転換や、新兵いじめの腕立て伏せシーンなど、体育会系的な場面も多い。このシンプルで男っぽく、それでいて陰影の深い演出を手がけたのはTHE・ガジラの鐘下辰男だ。これまでの鐘下演出といえば、ニール・サイモンとは真逆の印象が漂うものだったが、今回はこのミスマッチが見事に成功した例といえる。当然、物語の背景には第二次世界大戦があるわけなので、暗く重い展開になっていくのかと思いきや、主人公・ユージンの明るさや前向きな行動といい、同じ班になった仲間たちとのやりとりといい、意外なほどに爽やかな青春グラフィティに仕上がっていた。

 キャストはそれぞれの個性が、登場人物のキャラクターにうまくハマっており好演。作家志望の青年、ユージンを演じる佐藤隆太は若いころならではアツさや青さを自然体で表現していて、舞台役者としてもまた一歩、成長した様子だ。マイペースなインテリ、エプスタインを演じる忍成修吾は初舞台とは思えない落ち着きで繊細な演技を披露。また、理不尽な新兵いじめとも取れる指導をするトゥーミー軍曹を演じた羽場裕一も、これまでの彼の温厚なイメージを覆すような狂気を含んだ役柄を熱演している。

 もちろん、ただただ爽やかな青春群像劇というだけではないというところも、やはり名作たるゆえん。若者たちのその後がさりげなく語られる、ほろ苦さ、哀しさが溢れ出す幕切れには胸がしめつけられた。

(文:田中里津子)

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2009-02-20 16:34
2007年の第1弾『SHOW店街組曲』、2008年の第2弾『SHOW店街組曲2』と息のあったコンビネーションで魅せる中山秀征&真琴つばさ。前回公演から1年を待たずして、早くも“あの二人が帰ってくる”。 『SHOW店街組曲』シリーズは、てんこ盛りの歌とダンス、ポップなストーリーで楽しめるミュージカルショウ。第1弾(パート1)では、ポップス界の最強の作曲家「筒美京平」、第2弾(パート2)では昭和の大作詞家「阿久悠」と、2人の巨匠のヒットナンバーがたっぷりと盛り込まれ、観客を喜ばせた。噂では、観劇の帰りにカラオケで2人の名曲たちを歌う人が続出したとか、しないとか!? そして、2009年2月。今回は第2弾の舞台をベースに、筒美京平と阿久悠の二人のナンバーを一挙にバージョンアップして楽しませてくれるという、まさにBEST版が登場する。 出演の中山秀征、真琴つばさの二人に話を聞いた。

>>前回公演「SHOW店街組曲2」のダイジェスト映像はこちら!
>>インタビュー映像はこちら!

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──今回なぜ新ストーリーでのパート3でなく、パート2をバージョンアップした「THE BEST」になったのですか?

中山:パート2は、観て頂いたお客様も、演じた僕たちの感覚も非常に良かったんです。ここまで作ったので、これをベースに、今まで以上のものに仕上げてみたいなと思ったのがきっかけです。

真琴:自由人な私たちにとっては、ここで1回「BEST」として、「SHOW店街」をひとつの完成版にしてみよう。掘り下げて、じっくり取り組んでみたいなってね・・・。

中山:それはありますよね。3年前のとき、僕と真琴さんと一緒にできることって何だろうっていう、ざっくばらんなミーティングから歩みはじめた「SHOW店街組曲」シリーズ。これまで培ってきたものの集大成をお見せしたいですね。そこで今回は、筒美京平さん、阿久悠さんのお二人の曲を入れさせてもらいます。名曲中の名曲ですからね。お芝居に関しても前回をより上回るような内容になればいいなあと思っています。

真琴:じっくり練りこんで・・・。口紅も練り込めば練りこむほど、華やいでくる。

中山:漬物も漬け込めば、漬け込むほど・・・。

真琴:ちょっとしょっぱくなりますけど(笑)。味が染み込んでますよ!

──2回の舞台を通じて、お互いの印象は?

中山:まず、真琴さんの姿勢に驚いたんですよ。とにかく稽古場に来る時間が早い! 例えば12時集合だったら、真琴さんは11時に来てウォーミングアップを終えて、集合時間からは始められるというふうにしてるのは素晴らしい・・・。

真琴:あったりまえでしょう(笑)

中山:とにかく見習わなきゃと・・・。

真琴:それは、Me Tooよ。ヒデさんは夜遅く11時、12時まで、翌朝「ラジかるッ」の生放送があろうが無かろうが自主練習。あれにはビックリ。タップダンスなんて、脚がしびれても練習続けてるんですよ。

中山:納得いくまでやらないと気が済まないタイプですね。稽古が終わってから、1人で覚えたことを整理してます。 稽古場といえば、普段真琴さんはイヤホンで聞きながら、台詞や歌などを覚えていらっしゃる。稽古場ならいいですど、外の廊下で大きな声で歌いながら歩いているので、真琴さんの声だけが外からドーンと聞こえてくる・・・。

真琴:宝塚時代からずっとです。「申し上げまーす」って言いながら走ったりすると、上級生から「熱心なのはわかるけど、ちょっとうるさいかな?」って言われてた(笑)

中山:途中で休憩しないんですよ、真琴さんは・・・。

──筒美京平さんの中で好きな歌は?

中山:最初(パート1)では筒美さんの曲を40以上やったんですよね。

真琴:やりましたねー。筒美さんの曲だったら1幕の最後に歌った「東京ララバイ」が好き。

中山:僕は「スニーカーぶる〜す」。僕の青春時代でまさに“たのきん時代”。レコード買って覚えたっていう時代の歌なので、「スニーカーぶる〜す」は中学生時代の気持ちに帰れる。

真琴:マッチより多くうたってるんでしょ?

中山:そう(笑)。学生時代から歌ってて、今もカラオケで歌ってるじゃないですか。だから、たぶん回数ではマッチを超えてますね

真琴:(笑)

──阿久悠さんの作品で好きな歌は?

中山:パート2では、沢田研二さんに名曲が多い。

真琴:そう!やっぱ、ジュリーだもん。「時の過ぎ行くままに」とか「ダーリン」とか。好きなんですよ、カバー曲まで出してますから。

中山:「勝手にしやがれ」も歌わせてもらいましたし、「ダーリン」も歌わせてもらいました。 今回は、新しい歌も入れていただいて、そしてタップも復活させようかと思っています。沢田さんの曲で(タップを)踏んでみようかと。この辺は是非期待していただきたい!

真琴:いいですね!

──今回の舞台「SHOW店街組曲 THE BEST」の見どころをお聞かせください。

中山:パート1、パート2とやってきて、3回目ですからトーンダウンしないでテンションを(さらに)上げていくっていう所が一つありますよね。積み重ねてきて、発見した事がいっぱいありますからね。やり切れてない事もいっぱい。

真琴:あります、あります。

中山:公演回数が5回や6回だったりするんで、「これから」って時に、いつも(公演期間が)終わっていたので、今回は「それ以降」をやりたいですね。

真琴:やりたいですね。熟して熟して・・・

中山:漬け込んで、漬け込んで・・・

真琴:味のある作品になるのかな〜と。

中山:やっと「自分たちの作品」になったらなって思いますね。

真琴:うん。そして楽曲の素晴らしさとともに・・・。

中山:アレンジなんかも変わっていると思います。いろんな世代の人に、いろんな思い出を感じてもらえる舞台になるのかなと思います。

真琴:ミュージカル慣れしてない方にはとても向いてる作品だと思います。

中山:敷居が高くなくて、観客の皆さんにとても“近い”。自然に笑って、泣ける。

真琴:ある意味、“日本のミュージカル”の一つの形と言えると思います。これ、(東京芸術劇場の)「ミュージカル月間」の参加作品なんです。他のいろんな作品が、この期間中に上演されるわけですけれども、気分をミュージカルにして、とくに「SHOW店街組曲」で思う存分“日本のミュージカル”を楽しんでください。

中山:古き?良き昭和をたっぷり味わってもらえます。現代風にアレンジしている所もたくさんありますので、是非感じていただきたいなと思います。


(撮影:渡辺マコト)

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2009-01-21 14:11

人気グループ、嵐の相葉雅紀が主演を務める舞台『グリーンフィンガーズ』(演出:宮田慶子)の製作発表が都内で行われた。

本作では、囚人たちが庭師を目指して奮闘する実話をもとにした同名映画(2000年・イギリス)を、世界ではじめて戯曲化。ちなみに「greenfingers(グリーンフィンガーズ)」とは「天才庭師」を意味するイギリス英語。

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物語の舞台は、イギリス。人生を諦めた男・コリン(相葉雅紀)が移送されてきたのは、自由で開放的なエッジヒル更生刑務所。コリンは、年老いた風変わりな囚人・ファーガス(平幹二朗)からもらった一粒の種がきっかけで、命を育てる喜びをガーデニングの才能に目覚める。そんな中、女王陛下も鑑賞する由緒あるフラワーショウ出場の話が舞い込み、コリンら囚人たちは庭師を目指して奮闘。ガーデニングを通して仲間との信頼を築き、生きる喜びを取り戻す…。優しさと感動が溢れた心温まるストーリー。

作品にふさわしく緑のアーチと花が飾られ、座りきれない程の報道陣が集まった会見会場には、相葉雅紀、平幹二朗のほか、共演のいとうあいこ、山田純大、住田隆、なすび、演出の宮田慶子が出席した。

作品にかける想いについて、相葉は「演出の宮田さんとは今回で3回目。相葉雅紀の違った一面を見せたい。一度も共演した事のない皆さんとゼロから作り上げて本番には200%になるように頑張りたい。青山劇場は1作目・2作目とは違う大きさなので、身で表現したい」「生きる希望もなかった主人公・コリンが踏み出す新しい一 歩を、観客の皆さんに感じて頂けれるように、役にぶつかって行きたい」と語り、 平は「死ぬほど人を愛したり、狂うほど憎んだりする役柄ばかり長年演じてきた。こんなにハートウォーミングな作品にであったのは初めて。演出の宮田さんはじめ、出演のみなさんとは初めて(の共演)。年齢の差も大きいので、どんな事になるか(笑)園芸のように共演者の皆さんと一緒に創る喜びを共有したい。とても楽しみ。」と語った。

ガーデニング専門家の娘・プリムローズ役のいとうは「台本と原作映画を通じて、素直に心が安らぐ“良い作品”だと感じました。TVドラマ『愛讐のロメラ』では笑顔の無い女性を演じたのですが、今回は笑顔をたくさんお見せしたい」。山田、住田、なすびの3人は、相葉演じるコリンと同期で共に園芸に夢中になっていく囚人役。山田は「外国人役は初めて。アメリカに長く住んでいた経験を、ちょっとしたニュアンスや台詞に活かしたい」。住田は「宮田先生と今回初めてで、今から演出を受けるのが楽しみ」。なすびは「最初の台本では“ハンサムな25歳”という役設定が書いてあったが、改訂台本では“ハンサムでは無く、気が弱くて心優しい25歳”に…。一時でも天にも昇る喜びからの悔しさをバネに頑張りたい(笑)」と意気込みを語った。

演出の宮田は「1990年頃のイギリス実話を元にしたチャーミングな映画が土台。翻訳・脚色の高平(哲郎)先生と4稿、5稿と台本改訂を重ねて、面白い内容になっていると思います。人生に大きな悔いを残した男たちの再生のドラマ。相葉さん演じるコリンと平さん演じるファーガスが(互いに)一番奥深いところで心の交流をする、年齢を越えた男たちの友情の物語。楽しいだけでなく、心に熱いものがズシンと残る舞台にしたい。相葉さんは全身でぶつかってくれて、豊かで面白いアイデアを持つ、演出家にとって信頼の置ける役者さん。本作で新たな顔を引き出したいと思っています。平さんには本作に参加して頂けて感激で、とても緊張しています」「音楽にはピアニストの稲本響さんを迎えました。舞台美術についてはスタッフと打合せ中ですが、青山劇場の広い舞台を緑でいっぱいにしたい」と抱負を語った。

舞台『グリーンフィンガーズ』の東京公演は2009年2月23日〜3月10日・青山劇場にて、大阪公演は同3月20日〜23日・梅田芸術劇場メインホールにて行われる。チケットはいずれも2009年1月10日(土)10:00〜一般発売開始(詳しくはこちら)。

2008-12-26 13:53
 劇中音楽に以前から深いこだわりを持っていた演劇集団キャラメルボックスが、結成24年目にして初めての"新年会"を開催! 過去の作品のテーマ曲などを手がけたアーティストたちが集まり、彼らの演奏の合間にはもちろん劇団員たちも顔を出す、にぎやかで楽しい4時間にも及ぶノンストップのパーティーとなる。製作総指揮かつ音楽監督でもある加藤昌史にこのイベントへの思い入れ、さらには演劇と音楽、演劇と映像とのコラボレーションという新たなエンターテインメントの行方についても語ってもらった。

■CARAMELBOX New Year Party 2009
公演日・会場:09/1/17(土) SHIBUYA-AX(東京都)
出演:演劇集団キャラメルボックス
GUEST ARTIST:石田ショーキチ/OCEANLANE/鈴木理一郎/
竹中三佳/堂島孝平 (五十音順)

★動画コメントが届きました!!
(1)PVをチェック!
(2)石田ショーキチ
(3)OCEANLANE
(4)鈴木理一郎
(5)堂島孝平

★コメントが届きました!!
(6)竹中三佳


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◆◆舞台を彩るテーマ曲を中心にしたライブ。とにかく楽しい新年会にしたいです!◆◆

――キャラメルボックスといえば、というくらいにクリスマス公演は恒例ですが"新年会"は今回が初めてというのは意外ですよね。

 僕自身も意外でした。まあ、劇団の新年会は、僕の家で毎年のようにやっていたんですけどね(笑)。いつも12/25で公演が終わるスケジュールなので、年が明けてすぐの公演やイベントはやったことがなかったんです。いつかやりたいと思ってはいたんですけど。そうしたらたまたま今回はナイスなご提案をいただきまして、断る理由は何もないな、と。

――内容的には、キャラメルゆかりのアーティストが集まって劇中音楽を演奏していくということですか。

 基本的にはキャラメルの曲を中心に、ということで。アーティストのみなさんも芝居は観てくださっているので、だいたい「この曲は入れておかなきゃ」っていうのはわかるでしょうから(笑)。たとえば石田さんは、彼の曲のタイトルをお借りしてキャラメルのお芝居を作っていたくらいなので、その『MIRAGE』や『さよならノーチラス号』とかははずせないでしょうね。

――劇団員の方々も参加されるんですか。

 春にハーフタイムシアターをやるんですけれども、その出演者は基本的に全員参加です。それ以外もスケジュールが空いている人は何人か来るんじゃないかな(笑)。前説や、演奏の間のセットチェンジタイムに何かやる予定です。ただ、新年会らしく楽しめるものにしたいですから、あえて劇団の出し物は無準備、フリースタイルでいきたい。役者の素の顔が見られるのも、そんなにないことだと思いますしね。

――改めて今回のゲストの方々それぞれについて、加藤さんの思い入れコメントをいただきたいのですが。

 まず竹中三佳さんは、今回mikaigaというユニットで参加してくださいます。今まで僕らがおつきあいさせていただいてる間はずっとソロだったんですが、ユニットだと音の幅が全然違うんですよね。新しい竹中さんの世界を楽しめるなと思うと、僕もウキウキします。

 鈴木理一郎くんは今回、バックにすごい人を連れてくるらしいですよ。『クロノス』シリーズというお芝居がありまして、そのシリーズのテーマ曲は全部彼なので、そのオープニングとエンディングあたりをやってもらおうかと思っています。

 そしてOCEANLANEも『クロノス』シリーズで曲をいっぱい使わせてもらっているんですけどね。今年の渋谷AXでのライブもめちゃめちゃカッコよかったし、本当にいいバンドなんですよ! ルックスもカッコいいし、声はいいし演奏は上手。そんな彼らにみなさんも惚れに来ていただきたい。

 それから堂島孝平さん。彼は本当にショーマンでね、ライブに行くとファンサービスの嵐なんですよ。MCもおもしろいしね。ある意味、大御所といっても過言ではない方ですから、もう、とにかく楽しいと思います。当然、『Lucky Sad』はやってもらうつもり。これは『トリツカレ男』というお芝居のテーマ曲で、超ハッピーな曲なんです。

 そして最後に石田ショーキチさん。SPIRAL LIFE、SCUDELIA ELECTROを経てソロでもですからね、こんなに長い付き合いになろうとは思いもよりませんでした。この人クチは悪いですが、ライブはカッコイイんだな、これが! 自分のことトシだって言うわりにライブでは本当にすごいんで、きっとノリノリでやってもらえるはず。というわけで、各アーティストのファンの方々も、ぜひお越しください!!

――Over40シートがあるというのも、おもしろいですよね。

 まあ、着席だと踊れないというツラさもあるんですけどね。40歳くらいになると、ライブハウスに行くことに恥ずかしさっていうのもあるのかなと思ったんです。若いころはライブハウスによく行ってたけど、最近は行っていないからどうだろうとか、不安に思う方もいるかもしれない、と。それに、キャラメルのお客様には小学生からおじいちゃん、おばあちゃんもいらっしゃいますからね。なので、座ってゆっくり観たい方は二階へどうぞ。ちなみに、Over40シートはe+限定のチケットです!

◆◆『嵐になるまで待って』を映画化! 来春始動する"LiveSpire"にも注目◆◆

――キャラメルボックスは以前から音楽とのコラボレーションを重視していたり、映像にもこだわっていらっしゃいます。最近は演劇界全体でも、演劇と音楽、演劇と映像という形での新たなエンターテインメントの動きが顕著になってきたように思うのですが。そういった、新たなエンタメの可能性ということに関しての加藤さんのお考えをお聞かせ願えますか。

 それは、劇団を始めたときから僕がずっと考えてきたことなんですよ。演劇の致命的な欠点は、音楽にとってのCDがないということなんです。拡大再生産ができない、つまりシングルが切れないということ。演劇の場合は、3〜5分の場面だけ観ても何もわからないですからね。

――直接劇場に足を運んで、2〜3時間かけて全部を観ないとわからない。

 そう。それを、どうしたらいいんだろうって20何年ずっと考え続けてきているんです。芝居のPVも昔からつくってきてはいるものの、迫力は伝わらないし。でもPVをつくっても昔は発表する場がなかったけど、今はインターネットがあるので状況は変化してきてはいるんですが。舞台そのものに関してはいつでも観られるというわけではない。特に地方都市には、劇団本体はなかなか行けないですしね。それで地方では10数年前からビデオライブとか、クローズド・サーキットとかいうのも僕らはやってきているんで、ウチのお客さんはみんなで映像を観にいくことには慣れていると思いますよ。

――そんな流れもありつつ、2009年早春からは"Livespire(ライブスパイア)"という新たな試みで、『嵐になるまで待って』の映画館での上映も始まります。

 そうなんです。ソニーさんから話をいただいて、『嵐に〜』を映画化したんですね。最初に映画化するのには『嵐に〜』が一番わかりやすいかなと思ったものですから。クライマックスの嵐のシーンは、テレビの画面じゃなかなか伝わらないだろうけど、映画館でサラウンドでだったら限りなくナマに近い迫力が出せるんじゃないか、と。でも僕この間、試写を観てきたんですけど、ちょっと予想外にすごいことになっていました。なにしろソニーですから!(笑) 役者全員と、舞台上にマイクを仕込んで50チャンネルくらいで音を録っているんですよ。客席では聞こえなかった音が聞こえますし、役者たちのアップの細かい表情も見られますし。

――舞台を観るのとは、まったく違うおもしろさがある。

 確かに、まったく違うものですね。みなさん、きっと度肝を抜かれると思います! 20何年もずっとキャラメルのビデオを撮り、編集し続けてきた私が言うんですから間違いないです。ソニーはホント、すごい! 監督も素晴らしいんですけど、カメラとマイクの進化もすごい! ホント、油断していました。

――まさに、新たなエンターテインメントに。

 ええ、なっています。舞台を観ていない方はもちろん、観た方ほどよりビックリできるかも。舞台とは別の、新しいエンターテインメントです。ぜひこちらも、大勢の方に観に行ってみていただきたいですね。



竹中三佳さんよりコメントが届きました!

●加藤さんとの出会い
2000年の冬に「ある劇団で曲を使いたい」というお話が舞い込んで、初めてキャラメルボックスのことを知りました。 加藤さんとは初めてお会いしたのに、どこかなつかしい感じがしたのを覚えています。

学生時代、私は早大生とBandを組み、よく早大祭や部室で歌っていて、たぶん、あのキャンパスで、同年代の加藤さんや成井さんと幾度となくすれ違っていたかも知れません。

次々と新しくて鮮やかな夢を見せてくれるキャラメルボックス。 誰より元気で多忙なくせに、誰よりさびしがり屋の加藤さんのような社長と一緒に走り続けるスタッフの方々も、みな素晴らしくパワフルな人たちばかりです。

数々の公演で音楽や歌を使っていただきありがとうございます。 そして、これからもどうぞよろしく。

新しい物語はいくつでも綴られ、そこに音楽もまた、いくつでも生まれていくのでしょうね。


●Liveへの意気込み

今回は大きな会場で、おまけに新年会ということなので、『君の心臓の鼓動が聞こえる場所』でお世話になったmikaigaのギターリスト五十嵐 洋さんや、Collageのピアニスト斎藤麻里子さんを サポートメンバーにお呼びします。

客席はスタンディングなのですが、私の歌をずっと立って聴くのもお互いに大変な気がするので、みなさんにはどうぞ楽な姿勢で、ゆっくりしたひとときを過ごしていただければいいな、と思っています。


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2008-11-28 14:46
xanadu2_s.jpgニューヨークで話題の新作、初来日公演決定! 1980年、伝説的ヒットを遂げたオリビア・ニュートン・ジョン主演の同名映画を舞台化した、ブロードウェイミュージカル「XANADU」。 ≪トニー賞4部門ノミネート!≫ ・ベストミュージカル賞 ・ミュージカル脚本賞 ・ミュージカル主演女優賞 ・振付賞 ■歌あり!ダンスあり!笑いあり!最高にポップなTHAT’S アメリカンミュージカル ただの観客じゃいられない!! 音楽の殿堂 “ローラーディスコ” を作る事を夢見る青年と、彼を応援する伝説の女神との恋を描いたラブストーリーミュージカル。 2007年ブロードウェイで開幕するや、ニューヨークに大旋風を巻き起こし、今年トニー賞・最優秀作品賞ほか4部門にノミネート。 おしゃれなニューヨーカー達が一目ぼれ、こぞって絶賛した大ヒット話題作が早くも日本へやって来る! >>チケットの詳細・申込み

xanadu4_s.jpg この舞台には、魅力がたくさん詰っている。 そのひとつが「特別ステージ席」。席数限定のこの席、その名のとおり、舞台上に客席が設置されるのだ。 舞台だからこそ、ただの観客じゃいられない。キャストが間近に座って演技をするなど、まるで物語に参加しているような気分を味わえるはず。 演出もこの作品ならでは。 まず音楽。おなじみの「そよ風の誘惑」(Have You Never Been Mellow)をはじめ、オリビア・ニュートン・ジョンが歌ったナンバーが劇中にたっぷり。 「そよ風の誘惑」は1980年代に人気を集めたTVドラマ「花嫁衣裳は誰が着る」(主演:堀ちえみ)の主題歌でカバーされ、主題歌「XANADU」は最近ソフトバンクモバイルのCMソングになるなど、老若男女が耳なじみの曲。その他にも「Magic」、「I’m Alive」などお馴染みの80年代キラーチューンばかり。客席でうっかり口ずさんでしまうかも。もちろん、バンドが生演奏! xanadu6_s.jpg ローラースケートを活かした演技と登場人物も魅力爆発。 これぞ欧米か!とばかりに、思わず笑ってしまう愛すべき(?)キャラクターたち。宣伝写真にペガサスが登場している“おかしな怪しさ”でピンと来る・・・おかしな格好の女神たちや、一ッ目の巨人サイクロプス、ケンタウロス、メドゥーサなども登場。 ■あなたをHAPPYにしてくれる“効き目たっぷり” という訳で、ブロードウェイミュージカル「XANADU (ザナドゥ)」は、こんな皆さんに良く効く癒しの特効薬になること間違い無しです。 例えば、 ミュージカルファンの方、笑って踊りたい方、 青春時代=オリビア・ニュートン・ジョンの方、 海外ドラマは絶対見逃さない方、恋も仕事も頑張っている方・・・などなど、すべての方へ。 ブロードウェイミュージカル「XANADU (ザナドゥ)」 Don't Miss it! ArchingPose_s.jpg ■STORY 時は1980年のカリフォルニア。 ある時、女神キーラは、大きな夢を持ちながらも今ひとつ売れずにさえない貧乏画家のソニーと知り合う。 ソニーの大きな夢、それは「今までに無い、新しい流行発信基地=音楽の殿堂“世界で始めてのローラー(スケート)ディスコ”を作りたい!!」というもの。 2人を取り巻くのは、ソニーの夢に賛同してくれる粋なお金持ちや、キーラの父で厳格なゼウス王、そして身体は男だけど心は乙女な女神など・・・様々な人間(?)たち。 人間と女神2人の許されない恋の行方はどうなる?果たしてソニーの夢は叶うのか!? ■有名人もメディアも絶賛 “最後まで笑いっぱなし!みんなで楽しめる素晴らしいミュージカル!”  ・・・・オリビア・ニュートンジョン “XANADUは最高のミュージカル! 恋人や友達と、もちろん“お一人様”も思いっきり楽しめます!”  ・・・・ウーピー・ゴールドバーグ “これだけ笑わせてくれる舞台は本当に久しぶり!  XANADUはあなたを癒す特効薬!純粋な快感!”  ・・・・ジャーナルニュース誌 “大騒ぎ!お腹をかかえて笑える90分間!”  ・・・・ニューヨーク・ポスト紙 “ローラースケート天国!”  ・・・・ニューヨークタイムズ紙 “「SPAMAMLOT」以来、ブロードウェーで最もおバカなショー!  おマヌケでド派手なミュージカル!  クリストファー・アシュレーのシャープでスピード感溢れる舞台は90分間休みなく展開。  ダグラス・カーター・ビーンによる脚本と豪華カンパニーは、客席を不条理の頂点へと導く!  10数曲のELOのヒットソングもこの甘いショウの魅力の一部だ。この狂気には不思議な魔力がある!”  ・・・・ニューワーク・スター・レジャー紙 xanadu12_s.jpg ■ブロードウェイミュージカル「XANADU(ザナドゥ)」 公演日・会場:2009/5/9(土)〜31(日) 赤坂ACTシアター(東京都) ※日本語字幕あり >>チケットの詳細・申込み

2008-11-20 18:20
<連載・第9回>       エンゲキとシネマはベストフレンド!       今回はエリアフリーで映画化←→舞台化の話題作に注目  常に数ヶ月先、ワンシーズン先の情報をあれやこれやとたぐり寄せて心待ちにするのが観劇の楽しさだったりするわけですが、やっぱり日々の身の回りの変化にも敏感でいたいものです。少しずつ陽が短くなったり、遊歩道に落ち葉が増えたり、食卓に並ぶ野菜のメンツが変わっていたり。深まって行く秋の歩みって、なんだかとっても好きです。特にコートを羽織る前くらいの気温のこの時期はいいですよね。今年最初のセーターに袖を通す瞬間にも思わずハナウタが♪ そんなとき、なぜか遠い昔の文化祭の頃の気分を思い出したりして。フコフコセーターに包まれながら、春や夏に感じるのとはちょっと違う、そんな静かなドキドキを味わってます。  さて、今年の秋の初めにヒットを記録した映画の1本に『パコと魔法の絵本』がありますが、本作はご存知の通り'04年に上演され今年再演も果たした・・・・後藤ひろひと作の『MIDSUMMER CAROL ガマ王子 vs ザリガニ魔人』の映画化です。大貫老人とパコちゃん、そして愉快な病院ピープルが心が震えるようなファンタジックなお話を魅せてくれたガマザリの世界は、中島哲也監督の手によって見事にもうひとつの命を与えられていました。(そういえば初演の舞台を観に行ったとき、後半、室町役の伊藤英明さんが赤いかぶり物をまとってドラッグクイーン的なテンションで舞台に登場した瞬間に客席がドッと沸き、思わず拍手喝采が起こったのが印象的でした)  まあ、この作品を例に取るまでもなくこれまでも映画と舞台はなかなか密接な関係があったわけですが、改めて見回してみると舞台→映画・映画←舞台という作品、この秋冬のラインナップにも結構あるんですよね。  現在赤坂ACTシアターで上演中の『CHICAGO』(出演:米倉涼子、川村隆一、和央ようか ほか)もその筆頭。もともとは演出家・振付家であるボブ・フォッシーによるトニー賞受賞ミュージカルですが、'02年にロブ・マーシャルが映画化。レニー・ゼルウィガー、リチャード・ギア、キャサリン・ゼダ=ジョーンズという豪華キャストの競演でミュージカル映画としては予想外と言えるほどのヒットを記録し、日本でも大いに人気を博したのは記憶に新しいところ。その後来日キャスト版のミュージカルも上演。さらに作品ファンが増えた今、満を持しての日本人キャストでの舞台が実現された1作です。  レオナルド・ディカプリオ主演の『タイタニック』も日本で国民的ヒットとなった映画ですが、ミュージカル『タイタニック』は映画の舞台化ではないんですよね。悲劇的な事故で海に沈んでしまった豪華客船タイタニック号の乗客たちの様々な人間ドラマを描いているのは共通ですが、舞台はブロードウェイミュージカルの日本版で、松岡充さん演じる設計士を中心にした物語になっています。映画を観て感動したという方も、映画とミュージカル、歴史的な事件をそれぞれ異なった角度から描く2作を見比べてみると、そこにいた人々の心情をさらに深く感じ取ることができるはず。    市村正親さんと鹿賀丈史さんが20年来パートナーとして生きて来たゲイカップルを演じる『ラ・カージュ・オ・フォール』は、'73年にフランスで上演されたのが最初。その後'78年に『Mr.レディ Mr.マダム』というタイトルのコメディ映画として日本にもお目見えしました(公開後、“Mr.レディ”という言葉は今で言う“おネエマン”的ニュアンスで定着したそうです)。映画はその後'96年にロビン・ウィリアムズとネイサン・レインのカップルで『バードケージ』としてハリウッドリメイク版も製作されています。一方、舞台版は'83年にブロードウェイでミュージカル化され'84年にトニー賞を受賞と、初演以降各年代で必ずカタチになっている本作。世代を超えて多くの人々を楽しませてきた愛すべき作品ですね。  11月に幕を開ける大地真央さん主演の『月の輝く夜に』は、'87年にシェールとニコラス・ケイジが主演したロマンチック・ラブコメディ。月の輝きの不思議なチカラに誘われるかのように恋の迷子になっていく大人たちを、やさしくハッピーエンドに導いてくれるちょっとお洒落な物語。秋の夜長のデートにもぴったりかも。    『スーザンを探して』は、平凡な主婦がちょっぴりの好奇心とひょんなきっかけで“人生の冒険”を体験する'84年の映画が元ネタ。ポップスターとしてのマドンナの放つ魅力とロザンナ・アークエットのキュートさをうまく取り入れた80'Sテイスト溢れる映画の世界、結構好きでした。舞台版の『スーザンを探して』は、'07年にロンドンで誕生したジュークボックス・ミュージカル。使われているのはマドンナの楽曲ではなく、「コール・ミー」などでおなじみのブロンディのサウンドです。演出のG2氏はロンドンミュージカル『OUR HOUSE』でもマッドネス・サウンドとガップリ組んだ経験がありますので、今回も音楽にもしっかりと愛情を注いだ舞台を届けてくれるはず。真琴つばささんと香寿たつきさんがマドンナが演じたスーザンをダブルキャストで演じ、ロザンナ・アークエットが演じたロバータを保坂知寿さんが演じる今回のバージョン。きっと、アラサー&アラフォー女子の心にピピッとくる一本になりますよ。    ほかにも現在上演中の『から騒ぎ』は'93年にケネス・ブラナー、エマ・トンプソン、キアヌ・リーブスらが出演していた映画があったし、来年春の上演となる『マイ・フェア・レディ』は'64年にオードリー・ヘプバーンが主演した映画は名作中の名作となっています。最近なら『スウィーニートッド』『ラストゲーム』あたりが上演時期と映画の公開が割と近かったような気もするので、同時期に両方を見比べることができた人も多いでしょうね。  駅伝にかける青年たちの熱い日々を描いている『風が強く吹いている』も、来年の舞台ではずみをつけるかのように映画化の話が決まっているとのこと。中谷まゆみさん作の舞台『今度は愛妻家』は、行定勲監督のメガホンで来年公開されるようです。  一方、“舞台作品を映画館で観る”という新しい楽しみ方を教えてくれたのは劇団☆新感線のゲキシネですが、ゲキシネ同様にスクリーンで演劇体験のできる作品はいろいろ。 『FROGS on Screen』は、'09年2月に4度目の公演が決定している舞台『FROGS』(出演:桜田通、青柳塁斗、植原卓也、柳澤貴彦ほか)の前回公演を映画館上映用に収録したモノ。好評だった今年6月の公開に続き、10月から全国各地で上演されます。  '05年にスタートした歌舞伎の新たなるプレゼンテーションのカタチ「シネマ歌舞伎」では中村勘三郎×山田洋次監督の初タッグで10月18日より『人情噺文七元結』、12月27日より『連獅子』の2本の上演が決まっています(上映時間や劇場は公式サイト http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/ でご確認を)。  来春には演劇集団キャラメルボックスが公演内容を収録したものをデジタルシネマとして映画館で上演するサービスを始めるとのこと。現在、『嵐になるまで待って』『君の心臓の鼓動が聞こえる場所』の2本の上演が決定しています。  好きだからこそのめりこむのか、好きだからこそ厳しい目で挑むのか…は人それですが、自分の好きな作品、好きなストーリーがスポットを浴びて新たな命を吹き込まれるっていうのもなかなかオツなもの。それに、素敵な映画に出会ったとき「これを舞台でやったらどうなるのかな」なんて妄想するだけでも楽しいし!(もちろんその逆も)  そんな中、私が最近楽しみにしているのが『鈍獣』の映画化。すでに浅野忠信さん、北村一輝さん、ユースケ・サンタマリアさん、真木よう子さん、南野陽子さんといった素敵キャストで着々と撮影は進行、来年全国公開が決まっているわけですが、あの混沌としていかがわしくも怖面白い世界がどんな映像となって現れるのか。ものすご〜く興味があります。そういえば、舞台で生瀬勝久さん、池田成志さん、古田新太さんがやっていた“キオスクおばさん”のシーン。本編とはちょっとズレてるかもですが(笑)、ギュウギュウの売店ボックスで3人があれこれ絡むくだり、悪夢チックで気に入ってたんだよなぁ…。映画でもあるかしら??
文/横澤由香
*楽しい話題を求めて目を皿に、首をキリンに! 11月のハナウタもどうぞヨロシク*
2008-10-14 19:30
『女の一生』と並び称される、劇作家・森本薫と名女優・杉村春子の代表作『華やかなる一族』が、若尾文子主演、石井ふく子演出で、新たなドラマとして蘇る。 舞台は華やかに見える家庭。そこには映画美術会社社長の鉄風と、日本舞踊家の美しき諏訪の夫婦、小説家を目指す長男・昌允、活発な長女・未納、おしとやかな次女・美l、そして鉄風の弟子・須貝が暮らしている。彼らはそれぞれの立場と恋心ゆえに迷い、やがて思わぬ展開に巻き込まれていく。そんな可笑しくも切ない物語を、若尾文子のほか、西郷輝彦、 藤谷美紀、松村雄基、吉野紗香、徳重聡という豪華な顔ぶれで上演。今回は、主演の若尾文子と初舞台となる徳重聡に、この大舞台に挑戦する思いを語ってもらった。 2154s.jpg >>チケットの詳細・申込み
◆e+Theatrix Special インタビュー 「喜んでお引き受けしたんですが、すぐに『大変なことになった』って」(若尾) ―――今回若尾さんが主演なさる『華々しき一族』は、杉村春子さんの代表作として知られている作品ですが、オファーがあった時に、どのようなお気持ちになられましたか? 2117s.jpg若尾 オファーがあったというより、私もスタッフのみなさんと一緒に作品を選ばせていただいたんです。どんな作品が適当なのかを考えることも、楽しみというか仕事のひとつなんですね。もともと前2作が翻訳ものでしたから、今度は日本のものを、という希望は出していました。それでいろいろ挙げていただいた中で、この『華々しき一族』に決まったんです。私は女優の中で、杉村春子さんが一番好きな人でしたから、この作品に決まった時は嬉しくて喜んでお引き受けしました。でもそれは1日だけのことで。今は「大変なことになった」って思っています。いろんな声も耳に入ってくるんですよ。「私もあのお話いただいたけれど、とてもできないって思ってわ」なんておっしゃる方もいて。つい簡単に喜んでしまったんですけどね。 ―――そんなことが! 若尾 ええ。だから今回は、新しく書き直してもらっています。杉村さんがやられた時は、ご自身の魅力で惹きつけておられたと思うんです。でも私の場合はそうはいかないので、お話の内容は同じですけども、今の若い方が観ても分かりやすく、それぞれの登場人物の背景もよく伝わるような台本に。例えば、私が演じる主人公の諏訪と、西郷輝彦さんが演じる夫の鉄風は再婚になるんですけど、そのいきさつを書き足したりしています。 ―――徳重さんは初舞台とお聞きしましたが、舞台出演を前にどのようなご心境ですか? 2115s.jpg徳重 皆さんからいろいろ学ばせていただきたいです。最初はびっくりしたんですよ。突然会社に呼ばれて、専務の小林から、石井先生からのお話で、しかも若尾さんとご一緒させていただくと聞かされて…。 若尾 運がいいと思いました? それとも悪いと思いました(笑)? 徳重 微妙です。嬉しい反面、ご迷惑をかけてしまわないかって。何しろ経験だけにしても相当な差があるわけですから。舞台は、もう少しドラマや映画をやってからだと思っていたので。 ―――ドラマや映画より舞台のほうが難しいということですか? 徳重 僕には難しく感じられます。でもおそらく会社は、石井先生と若尾さんの舞台であれば、お預けしてもいいと思ったんじゃないでしょうか。専務の言葉で言えば、「先生と若尾さんにちょっと揉んでもらえや」と(笑)。 若尾 大きいから揉みでがありますよねぇ(笑)。 「人の優しさや思いやり合う気持ちを誠実に演じられたら」(徳重) ―――このところ昭和の作品がドラマや映画などでリメイクされています。この作品も戦前が舞台になっていますが、何かこの時代ならではの魅力があるのでしょうか。 若尾 もしかしたら現代ってドラマが作りにくいのかも知れません。あまりにも思いがけないようなことが起きているから。この時代のほうがドラマティックなことを描きやすんじゃないかしら。 2133s.jpg ―――ではこの『華々しき一族』という作品の魅力は、どんなところだと感じておられますか? 若尾 読ませていただいて、とても洗練された脚本だと思ったんです。台詞も無駄がなくて洒落ていて、高度なユーモアが含まれていて。家族の物語なんだけど、とてもドラマティック。それぞれ複雑な背景を持ってる人たちが絡み合っていて、下手すると誤解が生じてしまう。でもそうならないようにみんな気を使ってるんですね。 徳重 僕も、人と人とが思いやり合っていているところが、すごくいいなぁと感じました。僕が演じる昌允は、23歳で小説家を志してるんですが、お金を稼げているかといえばそうでもなくて。親父のすねをかじって生きてるんです。生意気な口をきいたりしますし。でも優しさはちゃんともっているんですね。そういうところを、誠実に表現したいと思います。 若尾 そう、この本に描かれてる人物って、みんな魅力的なんですよ。ただ単に“若い人”とか“生意気な人”だったりじゃない。若いんだけどズバッと本質的なことを言ったり。下の娘も、相当にはねっ返りなんだけど下品じゃなかったり。人物が立体的に描かれていて、とっても生き生きしてる。 徳重 どこかボコボコしているところがリアルなんですよね。 若尾 私が演じる諏訪も、いろんなことに目配りして、問題を解決しようと一生懸命動き回ってる女の人として演じたいと思っています。イメージは、美しくて気品がある人なのかも知れないんですが、それは形で表せるものじゃありませんからね。そんなこと関係なしに動きまわりたい。 ―――主人公だけでなく、登場人物それぞれに魅力があるんですね。 若尾 そんな個性が強い人物が、びっちり絡み合っているところが面白いと思います。やる人間が保証しますなんて言ってもしょうがないんだけど、絶対面白くします(笑)。 徳重 僕も、リアルな家族の一員だと感じてもらえるように頑張ります。
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<Profile> 若尾文子 東京生まれの東京育ち。1951年に大映の第5期ニューフェイスとして映画界入りし、1952年に小石栄一監督『死の町を脱れて』でスクリーン・デビュー。翌1953年の映画『十代の性典』のヒット以降、日本を代表する美人映画女優として活躍する。1971年の大映倒産以降は、テレビドラマや舞台などにも多数出演。近年は、『ウェストサイドワルツ』(2004年・2005年)や『セレブの資格』(2007年)等の翻訳劇にも挑戦している。 徳重聡 2000年に『オロナミンC「1億人の心をつかむ男」新人発掘オーディション〜21世紀の石原裕次郎を探せ!〜』で、応募総数5万2005名の中からグランプリを獲得し芸能界デビュー。数年間の基礎的レッスンを経て俳優活動を開始する。『西部警察スペシャル』、『風林火山』などのテレビドラマで経験を重ね、現在では石井ふく子演出のドラマ『渡る世間に鬼ばかり』に出演中。今作品で舞台デビューを果たす。
◆記者会見レポート 2167s.jpg 戦前のモダニズムの傑作と謳われた『華々しき一族』が、新たなキャストを得て上演決定! 9月26日に大阪で行われた記者発表会には、昭和を代表する名女優・杉村春子の当たり役に挑む若尾文子と、今作で舞台デビューを果たす徳重聡が登壇。それぞれの意気込みを語った。 >シーエイティプロデュース・江口氏> 「若尾文子さんとご一緒させていただくのは、今作で3作目になります。これまで2作が翻訳劇でしたので、若尾さんから改めて日本の作品を演じたいというお言葉をいただき、演出の石井ふく子先生を交えて検討して、杉村春子先生の代表作『華々しき一族』に決定いたしました。今回は、骨子は残しつつ新しい観点で脚本を書き直して上演いたします」 >若尾文子> 「杉村先生の代表作である『華々しき一族』のお話をいただいて、ぜひにとお受けしたんですが、1日経ってから私にはとても無理だと思いました。だから石井先生にもご相談したら、私、若尾文子で演じられるものに変えてくださったんです。設定の説明や背景のふくらみも書き足していただいたので、はじめてこの作品をご覧になる方にも、わかりやすいものになっていると思います」 >徳重聡> 「舞台は、いつかはやってみたいとは思っていたのですが、まさかこんなに早く立てるとは思っていませんでした。ですからまだ、こうしよう、ああしようというところまで考えられないのですが、台本を読ませていただいて、優しさにあふれた作品だと感動したので、僕が感じたものを、舞台を観る方にも感じていただけるように頑張っていきたいと思っています」
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2008-10-10 19:44
 日本を代表する作曲家でピアニストの加古隆、世界的な振付家で演出家でもある山海塾の天児牛大、ヨーロッパを中心に活躍するブラジル出身のダンサー、イズマエル・イヴォ。彼ら三人がジャンルや表現方法の枠を軽々と飛び越え、共に創作した作品が『アポカリプス―黙示録』だ。1989年の初演時に大評判となり、伝説となったそのステージが約20年という時間を経て、再び蘇ることになった。作品が誕生したいきさつや、長い時を越えて再び取り組むことになったきっかけなどを、加古隆に語ってもらった。 kakoc1.jpg >>チケットの詳細・申込み ■初演は、ダンサーとピアニストとのバトルのようなものでした ――1989年が初演ということは、それから約20年ぶりということになりますね。そもそも、イズマエル・イヴォさんとコラボレーションすることになったいきさつというのは? apo-stage1.jpg 1985年の夏、僕はミュンヘンでレコーディングをしていたんですね。クローズされている劇場でやっていたんですが、そこでピアノを弾いているときに、ひとりの黒人ダンサーがピアノの周りをまわりながら舞っているというイメージをもったんです。それがこの作品の生まれたきっかけになりました。そしてその後1988年に、ソロで踊っている黒人のダンサーで、ブラジル人なんだけれどもずっとドイツで活躍している方がいると紹介してくれる人がいて。それがイヴォさんだった。彼がちょうどその直後に日本のダンスフェスに呼ばれて来日したというので観に行ってみたら、すごく自分と共通するものを感じて。ぜひ、この人と一緒にやってみたいなと思ったんです。さらにその数日後に僕のソロコンサートがあったんですが、彼は帰国を延ばして聴きにきてくれて。それで、二人でやろうということになったわけです。 ――お互いのパフォーマンスを観て、共感するものがあった。  そうですね。音楽家とダンサーという立場だし、日本人とブラジル人なんだけれども。アーティストとしては同じ世界に属している人だなという感じがしたんです。それをきっかけに、初演に向けて準備を始めたんですが、二人だけで舞台作品を作り上げるのは危険であると思いましてね。もっと第三の目というか演出をしてくれる人、作品に一本の骨を通してくれる人が必要だということになり、それで音楽にも造詣が深くて本人も踊られる、山海塾の天児牛大さんにお願いすることにしました。 ――初演で感じた手応えや、やってみて新たに得たものはどんなものでしたか。 kakol6.jpg すごい充実感でした。とにかくダンサーとピアニストとの、バトルのようなものなんですよ(笑)。当時はまだお互いに若かったから、あるだけのエネルギーをステージで全部ぶつけあって。人間がここまでパワフルでエネルギーを出すことができるものなのかと、たぶん観に来た人は驚いたんじゃないかな。それから、普通のコンサートとは違い、ダンサーの身体の動きと音とでコミュニケーションをしていく舞台だったので、それもすごく新鮮でした。とにかく素晴らしい作品を作ることができたということは、実感できましたね。 ――そして今回、東京で再々演しようと思われたのはなにかきっかけがあったんですか。  1992年に一度再演をやったあと、長い年月がたっていたこともあって、もうこの作品をやることはないだろうと思っていました。非常にパワーを使う作品でもありましたしね。それが一昨年の夏に、イヴォさんのほうから彼がずっとやっているウィーンのモダンダンスのフェスティバルで再演したいんだけど、と。僕自身は弾けると思ったので、だからあなたが踊れるのなら大丈夫だよと返事をしました(笑)。それでもう一度ウィーンで3日間、シュツットガルトで4日間やったんです。これが、予想した以上に素晴らしかった。長い時間がたっているし、年齢的にも心配していたんですが、彼は見事に自分の身体を維持していましたね。お互い、20年近い経験が随所に生かされていて。それで、これはもう一度、日本にもってくるべき作品なんじゃないかなと思ったわけです。もちろん、演出をお願いした天児さんの存在も、この作品にはものすごく重要なんですよ。二人で作り上げたものではなく、三人で作り上げたものなので。彼が作る舞台空間の美しさ、それはいわゆる舞台美術で飾り立てたものではない。何もないんです。あるのはピアノだけで、僕がいてイズマエルがいる。その何もない空間がものすごく美しく、特別な空間になっているのは彼の演出のおかげ。照明の力も大きいですし、余分なものをそぎ落としたシンプルさもポイントだと思いますね。 apo-stage2.jpg ■他には存在しない舞台。そして今回が最終公演だと思ってください ――本番に向けて、今、一番楽しみにしていることはどういうことですか。  僕が通常やっているコンサートや、曲のスタイルを楽しみにしてきてくれているファンの方もいるでしょうけど、今回の作品は一味違うと思います。一味違うけど、僕自身は同じレベルで深く感じることができ、楽しむことができるものだと思っているので、そういうふうに聴いていただけたら一番うれしいなぁ。あとはウィーンの公演からさらに2年たっていますので、この2年の経験も生かした上でまたアップグレードして(笑)、ウィーンの公演をも超えられるような舞台にしたい。二人とも現役でやっているわけですからね。 ――もしかしたら劇場には、加古さんの世界をまだ知らないダンスファンも大勢いらっしゃるかもしれません。 kakor4.jpg 当然、そういう方もいらっしゃるでしょう。僕はそんなにダンスに詳しいわけではないですが、だけどね、ダンスファンの方が観た場合これは立派なダンス作品だと思うはずです、それは間違いない。でも、この作品はある意味では僕のコンサートでもあるんですよね。音楽だけでも楽しんでいただくことができますから。そのふたつが一緒になって、しかもお互いにライブで反応し合うという。こういう作品って、他には存在しない舞台だと思うんですよ。古今東西どこに行っても、おそらくこれから先も、ないと思います。僕自身もたぶん、もうできないしね(笑)。かなり稀有な例だと思うんだ、この作品は。だからこそ、これだけ年齢を重ねていても、まだやれるのならやってみたいと思ったわけなので。 ――本当に、貴重な体験ができそうな舞台です。  はい、それはもう。そしてこれが間違いなしに、最終公演だと思ってください。 ――この機会を逃したら、ものすごく後悔しそうですね。そして、今回は加古さんの代表作でもある『クレー』も演奏されます。これはどういう作品なんですか。  これは『アポカリプス』とほぼ同じ時期の、1985年くらいを中心に作曲し、1986年に発表した作品です。スイスの画家パウル・クレーの絵から12作品を選び、それぞれのイメージで作曲したピアノ曲なんです。ちょうどこの頃から、違うジャンルのアートがコラボレーションすることがもてはやされるようになったというか、その最初の頃だったんじゃないかな。僕自身も、他のジャンルのものとコラボレーションすることを始めた、最初の作品なんです。そして、この静止画とのコラボレーションが、人間の肉体が動くダンスとのコラボレーションに広がっていくきっかけにもなったということですね。 ――加古さんのコラボレーション作品としての第一歩と第二歩、その両方が今回の舞台で披露されるわけですね。そしてこちらも、演出をされるのは天児さんです。  はい、これは今回初めて天児さんに演出をお願いすることになりました。今までコンサートでは曲だけを弾いていたんですね。それを今回は視覚的な面でも天児さんにアイデアを出してもらって、クレーの絵を映像素材として見せたり。その見せ方も、いろいろと工夫してやりたいと思っているところです。 kakol7.jpg――耳だけでなく、目でも楽しめる。  もちろん! ちょうどデビュー35周年の記念する公演でもありますし、いずれにしても今回の舞台は、“アートオブコラボレーション”と副題をつけていますけれども、僕のコラボレーション作品の自分なりのひとつのまとめ、という感じです。ぜひ、楽しみにしていてください。

取材・文/田中里津子
公演名:加古隆 アート オブ コラボレーション コンサート 〜アポカリプス〜 第一部「クレー 〜いにしえの響き〜」〜パウル・クレーの絵によせて〜 第二部「アポカリプス」〜一人のピアニストと一人のダンサーと〜 ピアノ:加古隆 ダンス:イズマエル・イヴォ 演出:天児牛大(山海塾) 公演日:10/17(金)〜10/19(日) Bunkamura シアターコクーン (東京都) >>チケットの詳細・申込み

2008-09-10 12:20
<連載・第8回>       渋谷特集その2&エンゲキ人が息づく三軒茶屋       で芸術の秋&食欲の秋を満喫  ♪Me Ke ALOHA〜 と、今月は無条件&唐突にハワイアンでハナウタッ。そう、(これを書いてる時点での)昨日はワタシの年に一度のタマシイ浄化DAY、ケアリイ・レイシェルのライブでしたから! ケアリイの声がホール中に満ちていくオープニングのチャントでは、今年もうっかり泣きそうになってしまった。今回はフラを見せることにより重点を置いた内容になっていてミュージシャンとしてのケアリイは少し抑え目だったのがちょっと残念でしたが、やっぱりあの歌世界は他にないマナに満ちてます。この余韻、来年の再会までゆっくりゆっくり噛みしめようっと。  さてさて。今回の注目スポットは、第5回に引き続きの渋谷・Bunkamura編です。Bunkamuraの開設は1989年。道玄坂2丁目の東急百貨店本店に隣接する形で建てられていて、コンサート・オペラ・バレエ用のオーチャードホール、演劇用のシアターコクーン・・・のほか、映画館(ル・シネマ)や展覧会会場(ザ・ミュージアム)などが併設。本屋さん、ミュージアムショップ、カフェなどもある、まさに多方面から芸術を楽しむことが出来る複合施設となっています。  外観は存在感があるけれど主張し過ぎないシンプルさ。一歩施設内に入れば全体に落ち着きのある雰囲気が漂っていて大人が集うのにもピッタリです。少し行けば高級住宅地の松濤というところも、“Bunka”の名を冠するのにふさわしい立地と言えるでしょうね。  シアターコクーンはオープン以来数々のヒット作、人気作がかけられてきた劇場。利用する側としてはやはりここで観られる演目はある種のステイタスを持つ一流の作品、という印象があります。また、Bunkamura=蜷川幸雄さんというイメージを持たれる方も多いと思いますが、蜷川さんは劇場の芸術監督を務めていますので、まさにここはホーム。それにしても同じハコを用いながら毎回作品によってまったく違う劇空間を次々に創り上げるイマジネーションとパワー! 既に人間業を越えているような気がするのはワタシだけではないはず。歳を重ねるごとに精力的になる生き方。素敵だなぁ。  Bunkamuraでは現在『人形の家』(演出:デヴィッド・ルヴォー、出演:宮沢りえ、堤真一ほか)を上演中。 その後もリンゼイ・ケンプ・カンパニーの『エリザベスI世 ラスト・ダンス』映画動画)、 加古隆×イズマエル・イヴォ×天児牛大『APOCALYPSE アポカリプス』 蜷川幸雄×井上ひさしシリーズの『表裏源内蛙合戦(おもてうらげんないかえるがっせん)』(出演:上川隆也、勝村政信ほか)カラオケ特集)(映画動画)、 一青窈全作詞・出演による岩松了の書下ろし音楽劇 『箱の中の女』と、スリリングな組み合わせの妙が光る注目作が目白押しです。  Bunkamuraは渋谷駅からほぼ一直線に歩いて7、8分というアクセスですが、駅のホームから交差点の先に至るまでの人混みを泳ぎつつ向かうためか、体感時間はいつもそれ以上。開演時刻が迫っているときは特にキリキリと秒読みしながら渋谷タウンの奥座敷を目指すというのがどうも苦手で、気休めかもしれませんがなんとなくサッと地下道に入って109の出口までモグラで行くのがワタシの定番コースになってます。  また、その地下道に乗り場のある新玉川線に飛び乗れば、渋谷から一番ご近所のエンゲキスポット・世田谷パブリックシアターのある三軒茶屋もすぐそこ。  三軒茶屋は知る人ぞ知る演劇人の街。劇場があるのももちろんですが、実は芝居にる人る人、演劇にわっている方々が多く暮らしているエリアでもあるのです。ワタシも以前2年間だけ住んでいたことがあるのですが、商店街で、駅の改札でと当時一番多くお見かけしたのがワハハ本舗の梅垣さんでした。なぜかふと気づくと少し先を歩いてらっしゃって、そのたびに「近くに住んでいるのかな?」なんて思ったものです。本当にご近所だったのかも。ハナウタ担当のTOMOちゃんによると、駅前のTSUTAYAがかなりエンゲキ人率高いそうです。役者さんたちの生活が息づいた街の風景というのもなんだかいいですね。  そんな役者さんたちが時間のある時にふらりと観劇に訪れることも多いのが、三軒茶屋のランドマーク・キャロットタワーに隣接した劇場世田谷パブリックシアター。ここはキャパ600席のメイン劇場と200席のシアタートラムから成る、世田谷区が運営する公共の劇場。1997年の開場以来、上演と学芸の両面から積極的な文化活動を行っていて、ワークショップ、ドラマリーディング、レクチャーや舞台技術者養成講座など、演劇の表から裏までしっかりと体験できる場として活用されているのが大きな特徴です。  多彩な学芸のプログラムはぜひ公式サイトでご確認を。ザッとチェックしてみると…子どもたちがのびのびと本気で演劇の世界に触れる催しが多いのが目をひきます。なんだかうらやましいなぁ。多感な時期に“本物”に出会うチャンスが多いほど、未知の才能や可能性がグングン広がるもの。こうした体験を経て次代の演劇界を活気づけていく人材が確実に育っていくんでしょうね。  秋以降の世田パブのラインナップ。メイン劇場ではもうじき開幕の『偶然の音楽』(演出:白井晃 出演:仲村トオル、田中圭ほか)カラオケ特集)、 the company 『1945』(演出:ロバート・アラン・アッカーマン 脚本:青木豪 出演:山本ゆり、山本亨、パク・ソヒほか)カラオケ特集)(映画動画)など。 シアタートラムではダンカン演出による『悪夢のエレベーター』(出演:吹越満、片桐仁ほか)カラオケ特集)(映画動画)、 野田秀樹の英語劇『The Diver(ザ・ダイバー)』(出演:野田秀樹、キャサリン・ハンターほか)、 岡田利規(チェルフィッチュ)×安部公房『友達』(出演:小林十市、麿赤兒、若松武史、木野花、今井朋彦ほか)のほか、個性的で力強い演目が並んでいます。  気取らない飲み屋さんやおいしいご飯やさんが多いのも三軒茶屋。観劇後の乾杯コースだってよりどりみどりですからね。芸術の秋&食欲の秋をいっぺんに楽しんじゃってください。あー、ワタシも久しぶりに○○のネギ焼きが食べたいっ!  そうそうでエンゲキ人に遭遇なら、インタビュー取材で使い勝手の良いカフェが揃う渋谷の街も、その筆頭かもしれません。室内でお話を聞いて、雰囲気のある街角でスチール撮影。公園通り付近などでも普通に役者さんのお写真を撮らせてもらうことも多いので、平日の昼間あたり、取材スタッフに囲まれた役者さんにバッタリ遭遇なんてことも全然ありえますよ。ただし、撮影は周辺の方々に迷惑のかからないようスマート&迅速に行なっておりますので、もしそういう光景を見かけたらココロの中では思う存分嬉しさを爆発しつつ、表面上はごくごく静かにやさしく見守っていただけるとうれしいです。うーん、大人(笑)。  そして、公園通りと言えばPARCO劇場ですが、11月の『グッドナイト スリイプタイト』はかなりのプラチナになりそうです。三谷幸喜×戸田恵子&中井貴一ですからね。 PARCOプロデュースの1月公演『リチャード三世』(演出:いのうえひでのり 出演:古田新太、安田成美ほか)、 同じく1月のBunkamura・野田地図『パイパー』(出演:松たか子、宮沢りえほか)も早くもプラチナの予感! 見逃したくないという方はぜひぜひマメにe+サイトをチェックして、逃さずチケットゲットしましょうね。
文/横澤由香
*ふと気づけば秋の深まり。10月は冬〜来年のエンタメをおさらいしましょう*
2008-09-09 19:00
まったく違う道を、歩いてきたふたりだ。でもこうして並べてみると、なぜだか“似た匂い”を感じてしまうのは筆者だけだろうか。――12月に幕を開ける岩松了の書き下ろし音楽劇「箱の中の女」。そこで初めて演劇に挑戦する一青窈。ふたりに、話を聞いてみた。 箱の中の女 メイン写真_NEW_.jpg >>チケットの詳細・申込みe+MOVIE「一青窈主演 音楽劇「箱の中の女」作・演出の岩松了さんからメッセージ到着!!」
――そもそも、おふたりは何つながりで出会われたんですか? 一青 篠原ともえちゃんつながりです(笑)。岩松さんの『月光のつゝしみ』(2002年本多劇場、篠原も出演)を拝見したときに、初めてごあいさつをして。 岩松 それでなんとなく「何か一緒にやりたいね」みたいな話になって。彼女は歌手で、自分は演出家だから、じゃあ一緒にやるなら音楽劇であろう、と(笑)。特に彼女の歌は、演劇に取り込みやすいと僕は思ったんですね。 ――映画ではなく、演劇で? 岩松 だって映画は、観てますから。侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督の『珈琲時光』(2003年、浅野忠信・一青窈らが出演)。僕は以前から本当に大好きな監督で、すごくすごく尊敬していたから、スポーツ新聞で『珈琲時光』についての記事を観たとき「……あれっ!?」と思って。「俺の大好きな侯孝賢の映画に、一青窈が出演している……!」。これははっきりと嫉妬しましたね。「俺より先に、侯孝賢と出会うなんて!」と(笑)。 一青 同じような図式が、姉と私の間にもありました。岩松さんとごあいさつしたあと、姉にそのことを話したら、「えー信じられない、私の方がずっと昔から好きなのに!」って(笑)。 ――出会い運、強いですか? 一青 ああ、それはあるかもしれないです。岩松さんも侯孝賢監督も、初めてお会いしたときに「この人と何かやってみたい!」って強く思った、その“何か”がそれぞれ、互いに同じだった気がして。それをいったん感じてしまうと、「早く一緒にそれを楽しみたい!」っていう衝動にかられるんです。企画の目新しさや話題性じゃない、ちゃんと“人と人”として信頼できる人と仕事がしたい、ってつねづね思いますね。 演劇は、まるで恋愛のように。 ――そんな出会いが生み出す舞台で、どんなことが起きるのでしょう。 岩松 物語的にはまだ、だいぶざっくりしたプロットしかないんだけれども(笑)、僕らはやっぱり互いに異質なんだと思うんです。歌を歌ってきた人と、演劇を作ってきた人と。彼女をめぐる男たちも舞台俳優で揃えようと思っているんですが、やっぱり互いに奇異なものを感じたり、身構えたり、するんだと思うんですね。そしてそれはたぶん、観客と舞台との関係も同じことで。 一青 ふと思ったんですけど、音楽のライブだとたまに、歌い手がマイクを観客に向けて大合唱したりしますよね。なんだかものすごい一体感が生まれる瞬間というか。演劇では、そういうことって、あるんですか? 岩松 こういう感じ(ライトを持って手を振る)?……ないなあ。演劇のお客さんはもっと、冷ややかに観てるよね。 一青 そうですよね。じゃあ、演劇のお客さんは、どうやって(劇世界に)入っていくんでしょう。 岩松 いろんな舞台があるけど、僕がやりたいのはどこか、嘘を“見せてる”感じですよね。観客に向かってはっきりと嘘をつくんじゃなくて、舞台上だけで静かに物事が動いていきながら、それが嘘なのだと観客自身に感じさせる。もちろん、観客に向かってる舞台もあるにはあるけど、僕は「手を差し伸べたら逃げるのが観客だ」と思っていて。「どうぞいらしてください」って言われると行く気なくなるけど、「あんたにはもう興味ないよ」って言われると追いかけたくなる、どこか恋愛みたいな関係性が、舞台と観客の間にはあると思う。あんまり与えすぎると、損をするのが演劇なんですよ。 一青 すごくよくわかります。私、マイクを観客に向けて大合唱とか、実はしたことがなくて。皆さんをあおることでスタンディング・オベーションになるよりは、もっと自然に、立ちたい人だけが立ってくれたらいいかな……というスタンスなんです。 ――ステージ観が、深いところで通じているおふたりなんですね。 岩松 そしてその向こうがわには、侯孝賢がいるんだろうね。 一青 あと、(篠原)ともえちゃんもね(笑)。
取材・文/小川志津子

◆プロフィール◆ 一青 窈(ひとと よう) 1976年9月20日東京生まれ。台湾人の父と日本人の母の間に生まれる。 慶応義塾大学環境情報学部(SFC)卒。 大学時代にはアカペラサークルでストリートライブも行う。 2002年、シングル「もらい泣き」でデビュー。 以降、全ての作品の作詞を手がける。 2004年、台湾の巨匠、候孝賢(ホウ・シャオシェン)監督による、映画「珈琲時光」に初主演、活躍の場を広げる。 同年に発表したシングル「ハナミズキ」は、もともとは9・11の同時多発テロをきっかけにつくられた作品。 2007年には、初のベストアルバム「BESTYO」をリリースしロングヒットとなっている。 今年3月には最新アルバム「Key」を、5月に初の単行本「明日の言付(ことづ)け」を発売。 9月16日には初の武道館公演が決定。
◆キャスト◆ hako_cast1.jpghakononaka.jpg
◆公演概要◆ 公演日:08/12/10(水)〜08/12/25(木) 会場:Bunkamura シアターコクーン (東京都) 公演日:08/12/27(土)〜08/12/29(月) 会場;シアター・ドラマシティ (大阪府) 出演: 作・演出:岩松了  主演:一青窈 >>チケットの詳細・申込み
2008-09-08 10:00
 avexの創立20周年を記念して企画された舞台『ココロノカケラ』。誰もが耳にしたことのあるヒット曲の数々を使用する、贅沢なこのジュークボックスミュージカルにAAAの西島隆弘と相葉弘樹がダブルキャストで出演することになった。テレビ番組で共演経験があることから、以前から親交が深い二人。同じ役柄を演じることへの思い、意気込みを語ってもらった。 OK_DSC_1824s.jpg >>チケットの詳細・申込み ♪お二人からの動画メッセージ到着!!♪
「エイフはアツくて男らしくて、正義感にあふれている。こういうキャラクターを演じるのは初めてです」 (相葉) DSC_1717s.jpg――仲良しのお二人が今回はダブルキャストということですが。 相葉 本当は一緒に舞台に立ちたかったんですけどね(笑)。 西島 いやあ、どうにかしたらできるかもしれないよ。 相葉 一言ずつ、セリフを交代で言ったりして?(笑) でも、不思議な感じですね、同じ役をやるというのは。 西島 だよね。一緒に仕事をしたことがあるから、よけいにそう思うのかも。 ――稽古場の様子はいかがですか。 西島 僕のほうは今日が稽古初日なんですよ、どうですか、ばっち(相葉)さん! 和気あいあいとやっているらしいってことは聞いたんですけど。 相葉 意外なほど、和気あいあいですね。最初は、先輩や劇団関係の人もいてビビってたんですけど。最近はわりと、なじんできたのかなーって感じがします。 西島 そうやって演出家さんや、みんなと一緒になって、稽古場で芝居を作っていく過程って面白いよね。決まった答えがない、ということも含めて。それぞれの表現の仕方で方向性が変わっていったり、そういうことを探り探りやっていくことがすごく楽しい。自分の多面性を見せていきたいなと思います。ばっちや演出家さんとも、どんどん話し合いながらやっていきたい。 相葉 今回の演出の岡村(俊一)さんはすごく、役者自体に投げかけてくれる方なんで。「このセリフはどうしようか」って聞いてくれる。その分、自分で考えなきゃいけないことが多いんだけどね。そういう意味で、今回の舞台は演出家さんと演じる側との距離が近いような気がする。 西島 へえ、そうなんだ。 相葉 稽古の内容も、どんどん濃くなってきているし。まだ手探りだから、ああやってみよう、こうしてみようって時間はかかるんですけどその分、いいものができるんじゃないかなっていう気がしています。 ――今の時点で、エイフという役をどう演じようと思われていますか。 相葉 結構、男っぽい役なんですよね。 西島 うん、そうだね。 相葉 ああいう役って、僕はあまりやったことないんですよ。初めてに近いですね、ああいうアツくて男らしくて、正義感にあふれているようなキャラクターは。でも、ダークサイドに入ってしまうんだけど、それも生きるためには仕方がなかったというか。 ――そういうところも人間味があって、共感できる部分がある。 西島 そうですね。操られて自由奔放に動けない、でも本当は動きたいのに…というもどかしさみたいなものが、脚本を読ませていただいたとき、一番浮き出てくる感情のように思えた。そのへんの気持ちは大事にしつつ、演じてみたいですね。でも、ばっちとだったら、たとえ同じことをやっても全然違う役になるんじゃないかな。 相葉 うん。まったく違ってくると思う。ニッシー(西島)と同じことできないもん、絶対。 ――お二人で、稽古中に相談したりする予定ですか? 西島 どっちがいいんだろう。相談したい? 相葉 どうしたい? 西島 自分ひとりでやりたいって言うならそれでもいいけど、一緒にやりたいなら、それでもいいよ。 相葉 俺のお兄ちゃんみたいな言い方だなあ(笑)。 西島 ハハハ、一応な! 相葉 まぁ、方向性があまりにも違っても困るので、多少は相談するかも。 西島 それは、そうだね。あとは周りの人のために、立ち位置と、出て行ったりハケたりするときのタイミングを。 相葉 そこは合わせていかないとね。でも、稽古中にニッシーの芝居が見られるのは、すごい楽しみだな。それを見て客観的に、こういう方向もあるんだって気づけることもあるだろうし。 西島 その点ではある意味、俺たちすごくラッキーだよね(笑)。 「歌われる曲には、いろいろな方の思いが詰まっている。その重みを感じながら歌いたいと思います」 (西島) ――歌の比重も、かなり大きい舞台になりそうですが。 相葉 その点は正直、しんどいですね(笑)。 西島 いやいや、大丈夫だって、ばっち! 相葉 ミュージカルは何度かやってきましたけど、どうしても僕には越えられない壁があって…。 西島 はいはい(笑)。 相葉 それでも、技術じゃないんだなというのは最近わかってきました。 西島 うん! 相葉 ただ歌がうまければ感動を与えられるということではないと思うんで。自分のハートをアツく出して、曲の意味をうまく伝えることが大事。とにかく、思いっきりやってみたいです。 OK_DSC_1730s.jpg西島 でもホント、今回は先輩の方々の名曲ばかりでね。自分は歌い手としては、ほかのアーティストさんの歌を歌うということには正直、多少は抵抗があるけど…。でも、その1曲1曲には、そのアーティストさんのお客さんや、いろいろな方の思いが詰まっていると思うんで。そのへんのこともきちんと把握した上で、1曲1曲の重みを感じながら歌いたいと思っています。 ――ではお互いに、ここでエールを送りあっていただけますか。 西島 「ばっち、がんばれ」! 相葉 がんばれって言われると、なぜかヘコむんだよな。「あ、はい、わかってるけど…」って、よけいがんばれなくなっちゃう。 西島 じゃ、「なるようになるさ…」。 相葉 出た! もっと感情こめて言ってよ。 西島 「なるようになるさっ!!」 相葉 声を変えただけじゃん。 西島 うん、変えただけ。でもホントに「ばっちだったら、なるようになるさ」って、僕は思ってますよ。 相葉 うん。実際、僕の場合、いつもなんだかんだでなるようにはなるんですよね。 西島 はい、ここで言っちゃいましたね! なるんですね!(笑) よーし! 相葉 でも、本当にせっぱつまると力を発揮できるタイプだと、自分では信じているんで。余裕があると、逆にできなかったりするんだけど。 西島 じゃ、僕が追い込みかけていきますよ。「ばっち、ヤバイって! ヤバイヤバイ!」(笑)。 相葉 いや、今はまだ早い。もうちょっと待って(笑)。ラスト3、4日あたりが僕の勝負どころだから、そこで追い込みかけて! 西島 じゃ、次は俺へエールを送ってよ。 相葉 「がんばって、くださいっ!!」 西島 え〜、自分は「がんばれ」がイヤなくせに(笑)。それはないよ。 相葉 じゃあね、「ニッシーは稽古期間が少ない中で参加するので、人よりも大変だなと思うんですが…」 西島 一言、にしてくれる?(笑) 相葉 「なんでもできるよ、キミなら!」 本当に、ニッシーはなんでもできる。僕は前々からそう言っているんですよ。ライブとか見ていても、本当に「西島すげえな!」っていつも思うんで。 西島 ハハハハ、ありがとうございます!!
■〜avex group The 20th Anniversary〜 「ココロノカケラ」 公演日:08/9/15(月)〜08/9/29(月) 会場:青山劇場 (東京都) 出演: YU−KI(TRF)・鈴木亜美・西島隆弘(AAA)・相葉弘樹(ダブルキャスト)/馬場徹/小笠原大晃/篠田光亮/渋谷亜希/テ゛ーモン小暮閣下 ほか  脚本:きだつよし  演出:岡村俊一 >>チケットの詳細・申込み ♪お二人からの動画メッセージ到着!!♪ ※出演を予定していたYU−KI(TRF)ですが、頚椎症により3週間の安静が必要と診断され、急遽本公演を降板せざるをえなくなりました。公演を楽しみにして頂いておりましたファンの皆様、そして関係者の皆様には、多大なるご迷惑とご心配をお掛けする事を、深くお詫び申し上げます。何卒事情をお汲み取り頂けますようお願い申し上げます。(9/9up)
2008-09-01 20:29
ルグリ VS マラーホフ  至高のアルブレヒト対決いよいよ迫る! 東京バレエ団-『ジゼル』_ル.jpg 東京バレエ団-『ジゼル』_マ.jpg 左:マニュエル・ルグリ/右:ウラジーミル・マラーホフ いま世界の頂点を極める男性舞踊手の二大スター、マニュエル・ルグリとウラジーミル・マラーホフ。 間違いなくバレエ史に名を残すであろう、このふたりのスターダンサーによる「ジゼル」でのアルブレヒト対決が東京で実現します! ふたりのアルブレヒトの役作りを対比することは、古典の名作「ジゼル」にこれまでとは違った角度から光をあてることになり、これまでこの作品に潜んでいた魅力を新たに浮き立たせます。 つまり、これまでとは違う「ジゼル」が動き出すのです“この対決はライバルを叩きのめそうという格闘ではありません。ふたりが演じる至高の美を対比させることは、相手を活かし輝かせることでもあるのです。
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東京バレエ団ルグリ‐マラーホフ『ジゼル』   >>チケットの詳細・申込み<クラブ・アッサンブレ発足10周年記念特別公演>『ジゼル』   >>チケットの詳細・申込み <至高の対決シート>★イープラスだけの特別企画  >>チケットの詳細・お申込み
♪e+MOVIE♪東京バレエ団『ジゼル』に出演する「ルグリ&小出領子」よりメッセージ到着!!東京バレエ『ジゼル』に出演するマニュエル・ルグリさんの演技がご覧いただけます東京バレエ団『ジゼル』に出演するウラジーミル・マラーホフさんの演技がご覧いただけます
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ルグリ-小出s.jpg また、ルグリとマラーホフのパートナーは公演ごとに代わりますが、9月11日(木)と9月16日(火)は、同じ小出領子。 ルグリとマラーホフが同じパートナーを相手にどうアルブレヒトを演じるか、比べて見るのも一興でしょう。 そのルグリ氏のインタビューが届きました!
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−ルグリさんにとって『ジゼル』という演目はどんな意味を持つのでしょう。 ルグリ 多くの人は『ジゼル』のような古典作を踊るには何よりも若さが必要だと言います。けれど、私のなかではこの作品は若さよりも円熟味と結びついている。たとえば2幕冒頭でアルブレヒトがケープを羽織って歩いて出てくる場面。 あの哀しみをたずさえて「歩く」という行為が若いときにはできないのです。ですからボリショイ・バレエ団とともに初めてこの作品を踊ったときには、さんざんな踊りしかできず、その後数年間は”ジゼル嫌い”になっていたほど(笑)。本当にこの作品のことが理解できるようになり、好きになってきたのは、ここ10年ほどです。 −小出さんは今回、初めてジゼル役に挑まれますね。 小出 はい。少しずつ個人稽古をはじめているのですが、特に2幕のムーヴメントに難しさを感じています。身体を使って空気感そのものを表現しなければならない。これもテクニックのひとつなのですが、とても苦労しているところです。全体的には、花を愛し自然を愛しとにかく純粋で、目の前に突然あらわれた男性に心から恋に落ちてしまうピュアな女の子を演じられればと思っています。 ルグリs.jpgルグリ 領子とは『眠れる森の美女』で共演しているので、彼女が役柄に対してどのようなアプローチをとってくるのかなんとなく想像することができます。私にとって領子は、純粋なクラシックバレエのエッセンスを持つバレリーナ。一緒に踊っていると、とても優しい気持ちになれる。なので今回も決して女性に乱暴なアルブレヒトにはならないと思いますよ。 −パートナーによって、ルグリさんのアルブレヒトの解釈は変わるということですね。 ルグリ そうです。私にとっては何よりパートナーが大切。ですから今回は(斉藤)友佳理とも踊りますが、そこではまったく違うアルブレヒトが生まれてくるはず。それに経験を積むにつれ20代のころとはおのずと異なるアルブレヒトが生まれている感覚もある。ですから日本のお客さんも今まで舞台やビデオで見たマニュエル・ルグリのアルブレヒトのイメージを固めずに、私が進化しているのと同じように、進化した新鮮な気持ちで観に来てもらいたい(笑)。20代のルグリのアルブレヒトは、きっとそこにはいないと思いますよ。
取材・文 岩城京子(演劇・舞踊ライター)
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イープラスではこの機会にルグリとマラーホフのアルブレヒトを見比べていただく特別企画券「至高の対決シート」をご用意いたしました。 お申し込みいただいた方には、S,A席相当の席を一枚9,500円でご提供いたします! 8月28日(木)から9月4日(木)での期間限定、枚数限定での受付となります。イープラスだけの特別企画です。お見逃しなく!
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東京バレエ団ルグリ‐マラーホフ『ジゼル』 >>チケットの詳細・申込み<クラブ・アッサンブレ発足10周年記念特別公演>『ジゼル』 >>チケットの詳細・申込み <至高の対決シート>★イープラスだけの特別企画  >>チケットの詳細・お申込み ♪e+MOVIE♪東京バレエ団『ジゼル』に出演する「ルグリ&小出領子」よりメッセージ到着!!東京バレエ『ジゼル』に出演するマニュエル・ルグリさんの演技がご覧いただけます東京バレエ団『ジゼル』に出演するウラジーミル・マラーホフさんの演技がご覧いただけます
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2008-08-27 12:46
18〜19世紀に実在した英国のシェイクスピア俳優、エドマンド・キーンの天才的かつ狂気じみた半生を描いた傑作コメディ。2007年、ロンドン・ウエストエンドで上演され絶賛を浴びた舞台が、早くも日本人キャストで上演される。 舞台上での神がかり的な存在感とは打って変わり、私生活では酒とケンカ、金遣いの荒さで天文学的な借金を抱えるキーン。浮名を流した女性は千人に及ぶといわれ、ダメ男をめぐる恋の鞘当も見どころのひとつ。今回そんな悪名高きプレイボーイが嫉妬で狂うほど夢中になるデンマーク大使夫人、エレナを高橋惠子が演じる。 先日の帝国劇場『細雪』から一転、若きイギリス人演出家のもと実在主義哲学者、ジャン・ポール・サルトル(翻案)が描いたユーモア溢れる作品にどのようにして挑むのか。作品の印象や、役柄への意気込みについて伺った。 ピクチャ-4.jpg >>チケットの詳細・申込み ◆e+Movie◆ 舞台『キーン』に出演の高橋恵子さんから動画コメントが到着! ★e+Thetrix特集★ 舞台『キーン KEAN』 市村正親インタビュー&動画コメント掲載!!
e+Special Interview 高橋恵子 サルトルがこんな楽しい作品を描くなんて。 念願だった、初めてのコメディに挑戦します! ピクチャ-12s.jpg―サルトルと聞くと臆してしまいそうですが、実際には難しさとは無縁の作品だそうですね。 面白いですね。サルトルもこういう作品を描くんだなって、台本を読んで思いました。哲学的なものをイメージしがちですが、全然そんなことはないですね。とくに今回はエンターテイナーの市村(正親)さんが主演のキーンを演じられますので、すごく分かりやすく楽しい作品になると思います。 ―確かに、資料などにも“傑作コメディ”の文字が躍ります。コメディへの関心はお持ちでしたか。コメディはずっと以前から「やってみたい!」と言い続けてきました。今回、初めて挑戦します。関心があった理由としては、笑うことが好きだっていうのと、今までシリアスな役が多くて。そういう役ばかり演じていると、私の人生まで悲劇的になりそうだったので(笑)。 ―具体的にコミカルなシーンにも挑戦されるのですか。  面白い行動を取るということはないですね。今回のお芝居は、それぞれの関係性や状況の面白さを楽しんでいただく作品なので。演技としてはむしろ、大真面目です。 ―演出家は英国のウィリアム・オルドロイドさん。公演ブログには“イケメン”とのご紹介もあります。  ほんとに、イケメンですよ〜(笑)。じつは出演を決める前に、たまたまお会いする機会があって。私が出演していた野田秀樹さんの舞台『キル』を観に来てくださったんですね。字幕もなく、言葉も分からないなかで本当によく理解されていて。感想を伺いながら、感性が素晴らしいなと感じました。じつはそれが一番の決め手となって、今回の舞台出演を決めたんです。演出家とお会いしたことが大きかったですね。 ―ウィリアムさんとの出合いに期待されている部分とは。  以前に『死のバリエーション』という舞台でフランス人のアントワーヌ・コーベさんに演出していただいたときも、やはり日本人の感覚とは違う、今までの自分にはない部分を引き出してもらったという感覚がありました。今回もウィリアムさんの感性で、何か新しいものが自分の中から生まれて来るのではという期待はありますね。 やっぱり私でなければ、というものを表現したい。 稽古はこれからですが、面白い舞台になる予感はあります(笑) ピクチャ-13s.jpg―演じるのはデンマーク大使夫人エレナ。階級制度がある中で、俳優キーンと身分違いの恋に燃える役です。  不倫疑惑のある役ですね(笑)。立場を捨ててでも、という気持ちはあるのですが運命のイタズラか、なかなか実際には一線を超えられない。ずいぶん気持ちの面では動いてるんですけどね。 ―エレナという女性に共感する部分はありますか。  大使夫人という身分でもないし、立場を超えて好きな人に向かっていくっていうのも難しい。ただ、才能ある人に惹かれるというのは、私の中にある部分と近いかもしれない。あくまで内面ですから、行動に移すかは別ですけど(笑)。 ―現時点で、どんなエレナ像を描かれていますか。  まず、美しく見えないといけない、それが第一関門。エレガントな役って意外と演じたことがなくて、多少自分の中にもそういう要素はあるかなと思うので、挑戦したいですね。舞台は特に動きが大事なので、社交ダンスをもう一度習いに行こうかと考えています。以前にテレビ番組で経験したことがあるので。踊るシーンはありませんが、ドレスを着たときの動きは洋服のときとは、また違うものがあるから。背中を美しくみせるとか、その辺りが大事になってくると思います。 ―とりわけ舞台で演じることの醍醐味、また演じる際に心がけていることとは。  どんな役でも演じられる健康な自分でいること、あとは柔軟な心です。演出家、俳優さんたちと新しいチームを組む中で、いつもの自分でいるのは好きじゃない。かといって、すべて相手の色に染まってしまうのもつまんない。やっぱりチームの色に染まりつつも、私でなければ、というものを表現しようと心がけています。舞台は観ている人に直接感情が届くのが魅力。エネルギーを出した分、お客さんからも返ってきますから。幕が開いて、その日のうちに終わるのも良い。一回ごとに完結して終演後に美味しいビールが飲める、みたいな(笑)。そういうスッキリ感が舞台にはありますね。 ―今回はコメディ、エレガントな役、さらには市村さんとの共演も初めてとあって、ご苦労される部分も多いと思いますが、観る側としては楽しみです(笑)。  実際、相手役を前にして演出家の意見が加わると、台本を読んだだけでは想像できなかったものが自分の中から出てくるので、未知な分だけ楽しみですね。稽古はこれからですが、面白い舞台になる予感はあります(笑)。相手役の市村さんはキーンとは正反対の方ですが、役柄になるとガラリと変わるでしょうね。私もエレナをちゃんと演じなきゃなという感じです。 ―最後に、以前「女優は天職」という主旨のコメントをされていて印象深かったのですが、今でもそのお気持ちに変化はありませんか。  もともと女優になりたかったわけではなく、たまたま近所の写真屋さんでスカウトされて、15歳で大映という映画会社に入りました。それまでの自分はどこにいても居場所がなく、落ち着かないという感じでしたが、映画の撮影スタジオでカメラテストを受けたとき、「やっと落ち着く場所が見つかった」と思いました。とはいえ若くして入ったので、この世界にずっといてもいいのか、もっと社会勉強したいなとか、その後、いろいろ迷いはありました。バイトをしてみたいと思ったこともありますが、外国にでも行かない限り女優として見られるので、なかなか機会もなくて。それで、転職も難しいと思い35歳ぐらいのときに「これは自分に与えられた仕事なんだ」と、観念しました(笑)。子供のころは引っ込み思案で内気な性格でしたし、女優が合ってるとは思ってもみませんでした。でも仕事を続けていくなかで一枚一枚殻を剥がされていくような感覚があって、自分の中にいろんな面があることを知ったんですね。今では、どんな役でも自分の中に、ないものはない、という気がしていて。そういう意味では向いているのかな。でもやっぱりどこかで、「女優だけでは終わりたくない」という気持ちも、あるんですよね(笑)。
取材・文/石橋法子
>>チケットの詳細・申込み ◆e+Movie◆ 舞台『キーン』に出演の高橋恵子さんから動画コメントが到着! ★e+Thetrix特集★ 舞台『キーン KEAN』 市村正親インタビュー&動画コメント掲載!!
2008-08-14 17:59
<連載・第7回>       まだまだ開拓中!観劇+αをとことん堪能できる       銀座・有楽町エリアをチェック★  先日あるお芝居の打ち上げで、猫好きとして知られる役者さんのお隣に座りました。猫満載のご本人のブログを愛読している身としてはチャンス! 思い切って「我が家にも猫がいるんですよっ」と声をおかけしたところ…グイッとビールを一口飲み、「芝居の話なんかいいから猫の話、猫の話」と目を輝かせたH氏。その笑顔に思わずハナウタ♪です(もちろん、そのあとちゃんとお芝居の感想などもお話しさせて頂きました〜!) お互い携帯に貯め込んでいた画像自慢や猫のお留守番についてなど(笑)、しばし盛り上がりました。猫、最高!グッド(上向き矢印)  それにつけても連日のこの暑さ。猫でなくても風の通り道でお腹を出して昼寝するのが精一杯という気分ですが、人間ですから働くのです。そして、働いたご褒美。この季節一番のリフレッシュ法と言えば・・・やっぱり魅惑のバーゲンを攻めることかも!  ということで、今月は大人の女子のお買い物天国、銀座・有楽町エリアに注目してみました。  銀座と言えば、ここ数年で一気に高級ブランドのショップが建ち並び、女子を惑わす街となっております。また、有楽町イトシアマロニエゲートなど、ファッションとグルメを中心にした複合的なショッピングビルも次々にオープンと、とにかくいつ行っても新鮮な感覚でお買い物が楽しめる素敵エリアですからね。残暑なんかに負けず、ついつい前のめりにお出かけしたくなるというもの。  そんなファッションの街銀座・有楽町エリアはまた、ご存知の通り観劇の街でもあります。ザッと挙げてみても帝国劇場日生劇場東京国際フォーラムル テアトル銀座新橋演舞場銀座博品館劇場東京宝塚劇場歌舞伎座と、いずれも歴史ある劇場ぞろい。そこへ加えて昨年11月にオープンしたのが、シアタークリエ。老朽化し閉館となった芸術座の跡地に誕生したこの劇場は、支配人を始めスタッフはほとんどが20〜30代の女性で、劇場はすべてにおいて女性の目線から作られたそう。  白を基調とした都会的で落ち着きのある館内は清潔感にあふれ、居心地のいい空間となっています。併設された中型キャリーまで入れることができる無料ロッカーはショッピング&観劇コースの人には何よりのサービスだし、ホワイエの売店がまた魅力的(食いしん坊モード発動!)。季節によって具材が変わる小振りのおにぎり、片手でパクつけるおしゃれスイーツ、美容や栄養にも注目したドリンクメニューの数々など、開演前や幕間のひとときを過ごすのに最適、デパ地下もビックリのラインナップとなっているのです。出先では、こういうちょっとしたことが本当にうれしいんですよね。うん、確かにこのあたりの心配りは女性スタッフならではの発想と言えるかも。  その感覚は、劇場にかけられる演目にもしっかりと反映されています。 現在は素敵な俳優さんがズラリ揃った『宝塚BOYS』映画動画)を上演中。戦後間もなく7年間だけ実現した宝塚歌劇団男子部。そのメンバーとして舞台に青春を捧げた青年たちの生き様を描いた本作ですが、つい先日、なんと本物のBOYSが観劇にいらっしゃったそう。華やかな舞台に夢を描いたみなさんも、今や素敵なOLD BOYS。カーテンコールではお一人ずつお名前が呼ばれ、スポットライトを浴びながらごあいさつしてくださいました。この、胸にじーんとくる感動的なシーン。『宝塚BOYS』の公式サイト内ブログで動画で見ることができます。ぜひ覗いてみてくださいね。  シアタークリエではこの先もちょっとレトロでキュートな恋愛喜劇『青猫物語』(演出:山田和也 出演:北村有起哉、黒谷友香、きたろう ほか★近日インタビュー特集もUPします!)、 リアルで可笑しい2組の夫婦の物語『私生活』(演出:ジョン・ケアード 出演:内野聖陽、寺島しのぶ、中嶋朋子、橋本じゅん ほか)、 オーディションで選ばれた若き才能たちが綴るミュージカルの名作『RENT』 といった女性好みのラインナップが待機… と書いたところで、さらにその先、来年一発目の作品が『スーザンを探して』だと判明。これって、あの映画『マドンナのスーザンを探して』('85年)では? と思いちょっと調べてみたところ、やっぱりそうでした。  正しくは、マドンナの映画を元にロンドンで上演されたミュージカルの日本版。映画ではマドンナがスーザン役で、彼女に振り回されつつ自分に目覚めていく主婦をロザンナ・アークエットが演じていたっけ。2人ともキュートで結構好きな作品でした。(劇中のファッションもハマっていたマドンナ。可愛い丸いバッグとか持ってたよなぁ)  当然映画ではマドンナの曲が使われていたけど、舞台ではブロンディ(デボラ・ハリー)の曲が使われるようですね。うーん、80'S。あの頃の映画→舞台というと『フットルース』『ヘアースプレー』なんかもそうですが、実はワタシ、密かに舞台化されればいいのに!と思っている'80Sミュージカルものが他にもいくつかあるんですよねぇ。さて、それは何でしょう? 気になる方はぜひご一報を(笑)。もしかして、ヒットしちゃうかも!?  ちなみにシアタークリエのある建物の上階は、レム日比谷というシティホテル。このホテルは「良い眠り」をテーマにデザインされていて、癒しやリラックスを求める女性には最適の環境。観劇旅行の拠点にもピッタリですね。また、12時〜22時の間で最大6時間利用できるデイユースプランもあるので、ショッピング後、観劇までの小休止に利用するのもオトナな銀座・有楽町っぽくてステキかも。  では、ここで改めてシアタークリエ以外の劇場での演目をチェック。(各劇場、各作品にも様々なエピソードがあるのですが、それはまた次の機会ということで) (写真左から)市川右近/市川猿弥/市川春猿/市川弘太郎/市川笑三郎/市川笑也  まず、銀座一丁目寄りのルテアトル銀座。現在は二十一世紀歌舞伎組『新・水滸伝』カラオケ特集)を上演中で、 その後は美輪明宏の『双頭の鷲』黒柳徹子主演海外コメディ・シリーズ第22弾『ローズのジレンマ』が待機中。  有楽町駅近くの東京国際フォーラムでは、夏〜秋にかけて『ブラスト2:MIX』カラオケ特集)、 『フロアプレイ』とパフォーマンス系の演目を連続で上演。  帝国劇場では根強い人気の名作『ミス・サイゴン』を上演中。 その後は11月より涼風真世、朝海ひかるを迎えて新たなスタートを切る『エリザベート』がスタート。 日生劇場では市村正親主演、12月の『ラ・カージュ・オ・フォール』に注目を。(カラオケ特集 おもちゃの殿堂博品館の上にある劇場、銀座博品館劇場では'60年代のロンドンが舞台のキュートなガールズミュージカル『シャウト!』カラオケ特集)が幕を開け、 その後、伝説のタップダンサーの生涯にオマージュを捧げるMUSICAL『THE TAP GUY』カラオケ特集)が続きます。 『幕末純情伝』カラオケ特集)を上演中なのは新橋演舞場。また、東京宝塚劇場、歌舞伎座も続々と演目が決まっていますので、公式サイトなどでもご確認くださいませ。
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 さて。銀座・有楽町でのお買い物は、何もファッション関係だけじゃないですよね。個人的についつい寄ってしまうのは、プランタン銀座並びにあるわしたショップ沖縄の物産品店ですね。お買い上げの定番はゴーヤ、島らっきょう、ジーマーミ豆腐、ポーク缶、沖縄そばなどの基本アイテム。現地直送の味はハナウタ酒宴に欠かせないのです♪  イトシア向かいの交通会館にも各県の物産品を扱うアンテナショップがたくさん入っているのですが、いきいき富山館のほたるいかの沖漬け北海道どさんこプラザにあるロイズのポテトチップチョコとかも…好きぴかぴか(新しい)  また、東京国際フォーラムで毎月第1・3日曜日に開催される大江戸骨董市も面白いですよ。けっこう通な人たちが出店したりお買い物したりもしていますが、ブラブラと歩くだけでもOK。アンティーク&ジャンクなモノたちとの運命の出会いがあるかもしれないし。そのときはまたお財布と相談ですが。    お買い物&観劇、お食事&観劇、マチソワで観劇&観劇(そしてディナー)や時には宿泊までが同じエリアでできちゃう銀座・有楽町エリア。友だち同士や恋人同士はもちろん、夫婦で家族で…たまにはお母さんやお父さんを誘っての親孝行もスマートに実現するクオリティの高さと使い勝手の良さは、たぶん日本一でしょう。だからこそ、素敵なお店や美味しいレストランなどもそれぞれに贔屓があるだろうし、とにかく時間の許す限り、自分流に過ごせるのがこのエリアの最大の魅力なんですよね。  だって、いつもはギリギリに劇場に滑り込むことの多いワタシも、隙あらば観劇+αの時間を堪能すべく、銀座・有楽町は最低でも30分前行動が基本だし(笑)。
取材・文/横澤由香

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☆次回はまだ間に合う芸術の秋の観劇。そして、そろそろ冬のお楽しみの準備もね☆
2008-08-12 18:14
2004年の『キートン』以来となる4年ぶりの野外劇を、なんと琵琶湖の水上で上演してしまう維新派。これはなんとしてもフィーチュアリングが必要でしょう! …ということで、8月に『あんなに優しかったゴーレム』東京公演を控えているヨーロッパ企画主宰・上田誠に、維新派主宰・松本雄吉へのインタビューを特別にお願いしてみました。前衛的な野外集団×娯楽的なコメディ集団の組み合わせは一見水と油ですが、実は現在のヨーロッパ企画の作風は、維新派の世界にインスパイアされた部分が少なからずあるそうで…その辺りの思い入れも交えつつ、維新派流の野外劇の作り方や、次回公演の構想などを、33歳の歳の差を超えて(笑)いろいろと聞き出してもらいました。 0001_s.jpg維新派『呼吸機械』 >>チケットの詳細・申込ヨーロッパ企画『あんなに優しかったゴーレム』 >>チケットの詳細・申込
野外劇は基本的にお祭り騒ぎで 松本 そういえば『あんなに優しかったゴーレム』は、俺らの芝居(『聖・家族』)のすぐ後に[さきら](註:滋賀県栗東市の劇場[栗東文化芸術会館さきら])でやったらしいな? 上田 ああ、プレビュー公演はそのタイミングでしたね。 松本 あのポスターに写ってたゴーレムの人形は、芝居にも出てきたん? 上田 出ましたよ。あれが舞台上にまずドーンとあって、という所から始まりました。 松本 動きよんの? 上田 そこがまあ、ポイントなんですけど、見た人の間で「動くんじゃないか?」って話が蔓延して、それで「動いた!」みたいなムードになっていくという。芥川龍之介の『薮の中』みたいな……観客からはもう完全に客観でしかないけど、登場人物にはいろいろ主観があってっていう。いわば超常現象があるかないかの、間(あわい)を見せるような話です。 松本 それをああいう風な、役者の芝居の調子でやってしまうわけ? それが不思議やな。俺この前チェルフィッチュの芝居観てんけど、ずっと役者が舞台上で普通にダラダラダラダラしゃべってるのを見せるっていうやり方は、自分らの方が早かったよなあ(笑)。 上田 それは役者全員がそういう話し方というか、そういう身体なんでそうなってしまうというのが。でも最近は役者の身体性も含めて、ごく日常的な要素をそのまま舞台に乗せた上で、どうやってエンターテインメントに仕立て上げることができるかってことを、すごく考えてます。逆に松本さんはここ最近……この前の『nostalgia』もそうでしたけど、タイムスケールがどんどん遠大になってきてますよね。 松本 大げさになってるやろ?(笑)まあ実際、うちの芝居は難民とか漂流民がよく出てくるんやけど、そうなるとどうしても地理や歴史なんかと抵触する部分が出てしまう。漂流をテーマに据える以上は、やっぱりその辺のことは触れておいた方がいいのかなあと。 上田 人間関係がどうこうっていう局所的な芝居とは違って、広い目で時代をとらえるというか、世界を外から描いていくような視点ですよね。僕はすごい……ものすごい、そのやり方に憧れてるんですよ。自分の作品でも、人間を材料みたいに使って時代のムード的なモノを醸し出そうというのは、結構意識してるんですけど。 松本 そうやねえ。わしは人間の心理とかそういうのはよう描かんし、どっちか言うたら映画的に、カメラを引いて全体の雰囲気を映し出すみたいなことの方がね。 上田 僕それって、実はすごく舞台表現向きの描き方だと思うんですよ。むしろ映画の方が、カメラが寄ることでその人の内面を浮かび上がらせるってことができるから、人間の心理とかを描くのに向いているかもしれない。でも舞台はズームとかができない分、引いた視点で世界全体を見せるようなやり方に、どうしたってなるので。 松本 なるほどね。 上田 だから大劇場で観ると何か空々しく見えてしまう芝居もあるんですけど、逆に『nostalgia』は作品のスケールが空間の広さに負けてなくって、すごく観てて心地よかったですね。それでですね、この作品も含めて、ここ数年ホールでの公演が続いてたじゃないですか? なぜこのタイミングで野外劇をやろうと? 松本 ホール公演が続いたんは、海外公演との兼ね合いがあってん。やっぱり野外は雨が降ったら終わりやから、どの国も「小屋でやってくれ」と言われてね。あと前回の『キートン』で無茶しすぎたんで、しばらくこぢんまりとやっとこうかなあと(笑)。 上田 創作上の戦略とかではなく、割と興行的な理由だったわけで(笑)。野外公演って、どの辺りが一番苦労されますか? 松本 野外はね、基本的に間に合わない。 上田 やることが多すぎて? 松本 そうそう。途中で「こうすりゃええのに」と気が付いても、その頃には作業がどんどん進んどって。「いつ言い出そうかなあ」と、ものすごくビビッてたりするわけや(笑)。 上田 そうでしょうねえ。実は僕もむっちゃ野外劇をやってみたいんですけど、やっぱりすごくハードルが高くて。でもそれができてしまうのって、何と言うんでしょう……公演というよりも、言ってみたらお祭の準備に近い雰囲気なんですかね? 松本 まあ基本的にお祭り騒ぎでやってないと、保たんことは保たんね。やっぱり野外は準備期間が長いから、人によっては3ヶ月ぐらいアウトドアライフをせなあかん。だから作品作りとかじゃなく「祭」を支える的な盛り上げ方をせんと、心身共に保たないというのはあります。かと言って俺まで一緒に浮かれてると、やっぱあかんねん。 上田 はいはい、客観的なバランスはどっかで取らなきゃと。 松本 そうやね。みんなつい観客が入るってことを忘れがちになるから、どうしても俺は客席におって「頑張ってるみたいやけど、こっちまでは伝わらへんで」とか、シビアな視線を送っとかなあかん。だから他の人はお祭やけど、俺だけ葬式やってるみたいな感じや(爆笑)。皆楽しそうにしとって、1人だけ寂しい顔して考え込んでるっていう。多分ね、スタッフが一番楽しいんちゃう? 上田 ああ、そうでしょうね。なんか見ていて「参加したい!」って普通に思いますもん。それってすごい、祭度合いが高いってことだと思うんですけど。 松本 だからそれを高めるために、どんな脚本書いたらええのかなあってね。やっぱりベースに祝祭的なモノがなければという、そんな暗黙の要求をされている感じで。ただ維新派のスタッフは、ストーリーがどうこうって説明しても「……」とか「?」にしかならへんから(笑)、結局は今回の水上舞台のように、メインとなる美術的な仕掛けをお題として与えた方が、むしろ盛り上がる気がします。 0002_s.jpg 舞台に立つ人間は身体に対する思想性を持ってほしい 上田 でもそういう視点があるからか、野外なのに感動的なぐらい快適なんですよね。僕ら以前『ロケコメ!』という番組で、京都のいろいろな場所に行って10分ぐらいの芝居を作って、実際に観客の前で上演するってことをやったんですよ。それで屋内はそうでもないんですけど、公園とかの屋外だと声が散っちゃったりしてなかなかうまくできなかったんです。野外でちゃんと芝居を観せるってことは、やっぱり大変なんだなあって。 松本 結局いくら野外でも、基本的な所で劇場に近づけようとする作業は、どうしても必要なんよ。野外やけれどワイルドじゃないっていう(笑)。初期の頃は、そんなこと全然考えてなかったけどね。 上田 初期っていつぐらいですか? 松本 もう、何十年も前の話(笑)。僕はもともと美術の出身なんで、やり始めの頃は「芝居を作る」って意識がそれほどなかったんですよ。すっぽんぽんになって外を走っとったらええやん、お客さんもその辺に座ってもらったらええやんって感じで。 上田 芝居というよりアートパフォーマンスっていう方が、かなり近いですよね。 松本 当初はね。そこからだんだん劇場化していく過程があって、それはそれで面白かった。やっぱり演劇って大きいなあと思ったわ。単なるアートパフォーマンスよりも、雑多な要素がいっぱいあるやん? そういう楽しさを見出したら、やっぱり「劇場的な法則」というのを意識的にやり出すようになった。でも同時にそういう法則を、できるだけ否定していこうって意識も持たないと、やっぱり野外でやるのに面白くないねん。劇場論理に近づきつつ遠のいていくという、そんなことのリフレインでずっとやってる感じやな。 上田 つまりはある程度コントロールしなきゃ成立はしないけど、閉じこめちゃっても面白くないってことですよね? その間を行ったり来たりすることにこそ、楽しさがある。 松本 そうやなあ。 上田 でも先ほどおっしゃっていた、歴史を題材にされたりとか、あるいは場所にインスパイアされて物語を紡ぎ上げるやり方って、演劇よりもアートの考えに近いんじゃないんでしょうか? たとえば白いキャンバスに絵を描く時って、色は白くても素材感とかはあるわけで、それはもう作品を描く上で無視できないというか。 松本 うん、タッチがあるからね。僕らが絵を描いている時には、もうキャンバスというのが「第1現実」としてすでに1つの現実として存在し、その上に「第2現実」という絵の具を乗せていくっていう考え方があった。これが野外だと、まず風景が「第1現実」としてそこにあるというね。とらえ方として、そういうのはあるかもわからへんな。 上田 それで役者さんを、逆に記号化してみたりということを? 白塗りすることも含めて、場の表情は生かしても、役者さんの表情は記号化してるという印象があるんですが。 松本 確かにどっちか言うたら、記号的というか「表情は抑えてくれ」って言う方が多いね。野外はどうしても空間がデカいし遠いから、表情よりも立ち方とか走り方とか、そっちの方を重視する。だから身体のとらえ方が、よりデッサン的になってるかもなあ。 上田 だからですかね? 僕は維新派の役者さんを、顔よりはむしろ「あの形の人」っていう印象で覚えているんですよ。各々の身体のフォルムに合わせて演出を付けるという方が、野外ではより有効ってことになるんでしょうか? 松本 そうやね。ホンマに役者には失礼やけど、素材的な感じ。だから役者をチーム分けする時も、上手い下手じゃなくて、ちんまい奴と中ぐらいの奴とデカい奴って分け方にしてる(笑)。でも役者たちも、自分たちが何を要求されてるのかは、ちゃんとわかってるみたい。やっぱチビにはチビのやれることしかできへんねんなあ、っていう風に。 上田 それに最近は振付というか、役者さんの動きがすごく複雑になってますよね? 松本 それには単純に、複雑にせんと面白くないからやね。俺はよくダンスを観に行くねんけど、なんか最近のダンスってあんまり面白くないねん。ある程度動きのパターンを覚えて、それを繰り返すようなもんが多いやん? やっぱり舞台に立つ人間は、ある程度身体に対する思想性を持ってやってほしい。わしらはダンサーではないけれど、身体に対する論理をちゃんとつかんだ上で、それをゆっくり作っていくってことはやりたいね。 上田 そうなんですよね。たとえば4拍子の曲だったら、自分でもリズムを取りながら観ることができる。でも5拍子や7拍子になってくると、こっちにはない身体の論理というか、レベルが1つ上のモノを見せられてるって感じがするんですよ。では今回も、野外のダイナミズムはありながらも、結構役者さんにはいろいろと細かい要求を? 松本 うん、かなり厳しくね。6月から稽古始めてんねんけど、本番まで4ヶ月あるやん? 普通の芝居やったら4ヶ月も稽古したら十分やけど、それでも足りるかどうかって。 上田 はあー……相当複雑そうですね。 0003_s.jpg 舞台と琵琶湖が一体化し、役者はまるで水の上に立っているかのよう… 上田 『呼吸機械』は、前回の『nostalgia』の続編になるんですよね? 松本 テーマ的には続編やけど、前のとはまた別の話になりますね。ギリシアのテオ・アンゲロプロスって映画監督おるやん? あの人が「20世紀三部作」いうて、その第1弾として『エレニの旅』って映画を作ってるんですよ。それを観た時に「わしも真似しようかな」と……やっぱりなあ、映画って観たらあかんで!(笑)何かしら影響されんねん。まあでも、南米の次はヨーロッパが舞台というのだけはお題のように決まってたんで、取りあえず第二次世界大戦の渦中のヨーロッパから始めようかなあとは思ってます。 上田 このポスターの写真、すごいですよねえ。 松本 うん。一度ね、水の上で芝居をやってみたかったんよ。人間が立っていること自体が何か危ういという、そういう風景が見たいなあと。それで早速、琵琶湖の湖面上に人間が立ってるように見えるポスターにしてんけど。 上田 へえ……実は『ゴーレム』の発想も、それに近いんですよ。舞台が高さ6尺(約180cm)の所に設置されているんですが、それは人間が普段よりも高い所にいるだけで、きっと常識では得られない異様な感覚が生まれるだろうという狙いがあって。 松本 なるほどね。この写真「CGちゃうか?」って言われるけど、実際に水の中に台を置いて立たせてるんよ。だから舞台の方も同じような感じで、目の前で観てるのに「うそ! これCGちゃうん?」って思ってまうような、異様な風景にできたら面白いなあと。 上田 ……あ!「水上舞台」っていうのはそういうことなんですか? 松本 うん。最後の方で舞台の上に水が流れ込んで河となって、それが琵琶湖と一体になって、役者がまるで水の上に立ってるような状態になるっていうのを考えてる。 上田 水の上に板場を組んで舞台にするのかなあ、ぐらいの印象でした。 松本 やっぱり「びわ湖水上舞台」言うたら、能や歌舞伎のように四角に切った感じの、スウーッと静かに動くような芝居を想像するやろうな。でも琵琶湖って「鏡の如き水の面」とか、静かなイメージを皆持ってるみたいやけど、秋から冬にかけては結構日本海並みに荒れるんですよ。だからそれに合わせて、「静」ではなく「動」って感じの舞台にしたいね。 上田 『nostalgia』に出てきた巨大モンスター〈彼〉は、今回も登場するんですか? 松本 うん。〈彼〉は最初「20世紀が生んだ奇形児」みたいなある種の哲学を持って作っててんけど、それとは関係なしに、そこにおるだけで面白くなってきて(笑)。なんか哀れで、滑稽な存在。だから〈彼〉はこれから、僕の脚本を離れて一人歩きしていきよるんちゃうかなあと。その姿を後ろから見つめて、シナリオ化していく感じになりそうです。さらに今回は〈彼〉に加えて、もっとデカいモンスターを出そうと思ってる。〈彼〉が身長4mだから、もう1つは10mぐらいにするつもり。ただそれぐらいデカいと人力では歩かされへんし、どうやって動かそうか今考えてるところです。だから自分らの芝居の話を聞いた時に、あの人形をどないして動かすのかが気になってね(笑)。 上田 いやもう延々と、ゴーレム取り囲んでいろいろやってるだけですから(笑)。その辺りの所は、東京公演……は見られないでしょうから、ぜひDVDでご覧下さい。 松本 『Windows5000』はDVDで観てんけど、「ガーディアン・ガーデン」の頃からは、ずいぶん作風変わったよね?(註:ヨーロッパ企画が01年の「ガーディアン・ガーデンフェスティバル」の最終予選に出場した際、松本は審査員を務めていた) 上田 そうですね。あの頃はそれこそ会話のアンサンブルだったんですけど、最近は野球みたいにグラウンドとルールだけを決めて、あとはプレイヤー……役者に自由に動いてもらってっていう。それで「誰がどんなプレイをしても面白い見せ物になる」という新しいフィールドを作れないかなというのが、最近の作劇の動機です。そういう「フィールドから発想する」ってやり方は、もう完全にあれですよ、維新派を観て(笑)。 松本 よう言うよ(笑)。 上田 いやいやいや、だってそうですよ。今って映像で何でもできる時代なので、舞台でしかやれない……演劇だからこそ面白いモノって、結構探すの大変やなあと思うんですよ。そういう意味では維新派は、身体を思想的に使うこととか、世界をパノラマ的に見せていくこととか、劇場を飛び出して野外に行かれることとか、全部が演劇だからこその必然という風に、僕には見えるんです。 松本 まあ確かに、演劇とかのライブもんって、これからどうなって行くんやろうなってのはあるね。なんかやっぱり先細りしかね、見えないのが普通やんか(笑)。 上田 だから僕は「横につなげる」っていうのを、最近すごく意識してるんです。たとえば舞台と映像とか、舞台と音楽とか、インターネットとかと。やっぱり横につながっていかないと、どんどんその領域だけで血流が悪くなって終わっていく気がしますんで。 松本 まあ、若いからな! 俺もそういうのんってやろう思ったらできるやろうけど、なんか「おっちゃん無理すんなや」って言われそうで、恥ずかしくてできない(笑)。 上田 いやー、そんなことないですよ! 松本 いや絶対言われるって! まあだからこそ、琵琶湖みたいな所で実験的な芝居をやりたいって思うわけ。それがうまいこといったら、何かライブもんの表現の明日みたいなことが、ちょっとは見えてくるんちゃうかなあと期待してるねんけどね。 0004_s.jpg
取材・文/吉永美和子
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2008-07-24 21:25
関根勤エド・はるみが「ブラスト2:MIX ミュージック・イン・エクストリーム」のオフィシャルサポーターに就任! 早速、お二人からのメッセージが到着しました! >>チケットの詳細・申込 [公演日・会場] 2008/7/26(土)〜27(日) まつもと市民芸術館 主ホール (長野県) 2008/7/30(水)〜8/3(日) 兵庫県立芸術文化センター大ホール (兵庫県) 2008/8/6(水)〜8/31(日) 東京国際フォーラム ホールC (東京都) 2008/9/3(水)〜9/7(日) 中京大学文化市民会館オーロラホール (愛知県) 2008/9/11(木)〜9/15(月) 福岡サンパレス (福岡県) ★☆★ 関根勤さんからのメッセージ ★☆★ sekine_s.jpg このたび、ブラスト2:MIXのエキサイティング・サポーターに就任しました。 僕はずっと前からブラスト!の大ファンでしたが、このブラスト2を一言で言うと、エキサイティング、スピーディー、間違いなく観客を楽しませてくれるショーです。  僕がお薦めしたい見所は、なんといってもたった1人の日本人キャストでもある、本庄千穂さん。彼女は、バトントワリングで世界チャンピオンに何度もなっている選手で、そのバトンさばきは見物です。他の出演者のパフォーマンスももちろんすごいです。トランポリンでジャンプしながらサックスを演奏するシーンがあるんですが、あれは考えられないです。あの人達の脈拍は1分間に50ないですね。そうじゃないと、あれはできないです。  もし、自分がブラストの一員になるとしたら。僕はドラムをやってみたいですね。ショーの中に、ステージの後ろではバンジージャンプ、その前でずらーっと並んだドラマー達が一斉にドラムを叩くというところがあるんですが、あれには圧倒されっぱなしでした。その激しさといったらまるでナイアガラの滝を観ているようですよ。  ブラスト2:MIXは、楽しくて、迫力満点で、驚きの連続、そして何より元気をもらえるショーです!生で体感すれば、日頃のストレスが発散できること間違いなし!免疫能力まで高まっちゃいます。僕だったら、軽いウイルスなんてパーン!とはじき返しちゃう勢いでした。  更に進化して帰ってくるブラスト2:MIX!ぜひ会場で体感してください!
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★☆★ エド・はるみさんからのメッセージ ★☆★  edo_s.jpg 私は、ブラスト2の大ファンで。サポーターに就任させていただいて大興奮でございます。サポーターを引き受けた理由?むしろ、私がお聞きしたいです。引き受けない理由がございますか?こんな素晴らしい、パフォーマンス。そしてこの仰せつかった任務、全うさせていただくこの喜び。あふれ出る想い。断る理由など、ございません。  ブラスト2の魅力。それはまさに、演じている皆さんの熱い心、そうハート。そしてそれを体現する高い高いテクニックー!その二点です。神はいくつの天賦をこの43人の方々に与えたのでしょう。そのパフォーマンスをご覧いただけたらと思います。  出演される43人の方々。やはりみなさん、イケメン、そしてお綺麗。そして鍛えられた肉体と磨き上げられたテクニック。その一人一人が、ステージ上の一瞬でさまざまなことをやられています。どこを見ても、手を抜いている方など1人もいらっしゃいません!みなさんも、それぞれその瞬間を楽しんでください。色んな想いが溢れ出るキラキラした瞬間がございます。ぜひ、瞬きなどお忘れになって!!  ダンシングー!もすごいです!さらに、バトントワリングー!も加わって生音の迫力はまさにエキサイティングー!更に進化して帰ってくるブラスト2:MIXにショッキングー!ぜひ、会場に行ってミーティングー!してください!!
▼「ブラスト2:MIX」関根勤さんからの動画メッセージ&舞台映像をご紹介!! http://mv-theatrix.eplus2.jp/article/96951174.html ▼スポーツバトンの“世界チャンピオン”本庄千穂インタビュー! http://etheatrix01.eplus2.jp/article/89333249.html ▼公演特集 http://etheatrix01.eplus2.jp/article/96953180.html
2008-07-02 17:17
 宮沢りえと堤真一という人気俳優2人が主演する『人形の家』が、この秋、渋谷のシアターコクーンで上演される。ノルウェーの作家イプセンの代表作で、1879年の初演以来、そのメッセージ性と社会性により、世界中で取りあげられている名作である。今回の演出家は、世界的に活躍するデヴィッド・ルヴォー。夫と子どもを棄てて自分の生きる道を探すノラは「新しい女」として、フェミニズムの象徴にもなっているが、ルヴォーは、彼ならではの斬新な解釈と現代的な演出によって、現代にも通じる男女の愛の問題として再構築するという。その演出家ルヴォーにこの作品の構想と解釈を聞いた。 ルヴォーs.jpg >>チケットの詳細・申込み
■■■ 男女のストロングな格闘 ■■■  ──ルヴォーさんが考えるこの『人形の家』の素晴らしさとは、どういうところですか?  100年以上も前に書かれたものなのに、結婚生活のなかで男女が話し合わなければならないさまざまな問題点が、ダイレクトに取り上げられています。日本でも最近、結婚しない人が増えているようですが、それは若い女性が自立したいと思っていることが大きいと思います。この戯曲はまず、どのようにすれば結婚はうまくいくのだろうか?というテーマを与えてくれています。また1つのケースとして、この戯曲を通して自分たちのありかたを見直すことになればいいし、どうしたら男女関係がうまくいくかという答えの1つになると思います。 ──「新しい女」ノラの自立の物語として長く受け止められてきましたが、ルヴォーさんの視点では、男女の愛の戦いということですか?  この戯曲には、男女のエネルギーのぶつけ合いが描かれています。格闘するストロングな関係です。ノラは戦う女性で諦めないし、おもしろい女性だと思います。そして最終的にはこの物語には1つの視点があります。女性の自立というテーマは、もちろんこの戯曲に存在していますが、問題はそんなに簡単ではないんです。ノラの場合は子供がいますし、しかも結婚が失敗だったという単純な判断はできません。夫のトルヴァルはノラを愛しているんですから。ただその愛し方が、彼の生きている社会の価値観によるものであり、彼自身がそのことに気づいていないのが問題なのです。単に暴力的な夫に立ち向かう妻の話ではないんです。またノラは夫にいつも子供扱いされているのですが、彼女のなかにあるものがそれを許しています。つまりこの戯曲は男性と女性の両方が対等であること、互角に話し合うことが大事だと言っています。 ■■■ 自由と困難がノラを待っている ■■■  宮沢+堤_s.jpg──主演の宮沢りえさんと堤真一さんにはどんな感想を持っていますか?  2人がコンビを組むのは初めてということで、楽しみです。堤くんとは1990年にTPTのプロジェクトで出会って、それからたくさんの舞台を一緒に作ってきました。今の彼は人間としても俳優としても大きくなってますし、舞台にこだわり続けていることは素晴らしいと思います。彼が演じるトルヴァルという役は、とても視野の狭い世界観を持っている男性ですが、大きな教訓を学びます、どれだけ自分が変わらなくてはいけないかに気づくんです。もちろん彼だけでなくみんなが変わらないといけないのですが。ノラ役の宮沢りえさんとは初めての仕事になりますが、独特な魅力を持った女性であり女優だと思います。現代的で自立心を持っている。そんな彼女がノラとして、人形から1人の人間になっていくプロセスを見せてくれることは、とてもエキサイティングだし期待しています。 ──ルヴォーさんの演出は、とても洗練されていて現代的で、どんな古典作品でも今の時代にフィードバックしてしまうのがみごとだなと。  私はノスタルジックな作品は作りたくないし、今の時代に適応した方法で戯曲をアダプテーションしていきたいと、いつも思っています。現代的な装置やビジュアルは、観客を物語に入りやすくさせます。まだ現段階では決め込んではいませんが、たとえば衣装だけはクラシックにするのも面白いかもしれません。なぜなら、違う時代のものを持ち込むことで対照が生まれるからです。現代のレンズ越しに見ることで、古くからある世界がより明確に見えるということなんです。シアターコクーンという劇場がある渋谷は、現代的な街で若者も多いところです。そこで『人形の家』が、どこまでリアリティを持てるか、それが私の挑戦でもあります。 ──この芝居の最後は、ノラが家を出ていくことで終わりますね。ルヴォーさんは、その後のノラについて答えをお持ちですか?  ノラのしたことは勇敢な行為ではありますが、それが成功かどうかといえば難しいです。ノラが出ていく社会は、まだ現代のように成熟していませんし、夫だけでなく子どもまで棄ててくることは批判されると思います。たくさんの困難がノラを待っているでしょう。出ていくぎりぎりまで、彼女は戦っています。なんとかこの結婚を破局から救いたいと思っているからです。彼女が最後に締めるドアの音は勝利感ではないんです。でも彼女が踏み出した1歩は、100年後の私たちが手にしている自由への1歩です。また、この物語を観ることで、観客はうまくいく結婚生活を思い描くことが可能です。男女双方が少しだけ自分を変えればいいのだと教えてくれています。でも、それは簡単なことではありません。『人形の家』は、女性の自立というテーマだけでなく、いつの時代にも男女の愛の厳しさは変わらないということも描いています。だから、いつまでも普遍的なのです。
取材・文/榊原和子

■ 公演概要 ■ 日時:2008/9/5(金)〜9/30(火) 会場:Bunkamura シアターコクーン (東京都) 出演:宮沢りえ/堤真一/山崎一/千葉哲也/神野三鈴/松浦佐知子/明星真由美/他 作:ヘンリック・イプセン  演出:デヴィッド・ルヴォー e+プレオーダー:7/1(火)12:00〜7/8(火)18:00 一般発売:7/19(土)10:00〜 >>チケットの詳細・申込み 人形の家チラシ_s.jpg
2008-07-01 14:11
e+ special interview アデアラーニ・マリア×マーク・スチュワート・エクステイン×ランディ・シェイン  心も身体もスウィングさせるブロードウェイ・ミュージカル『スウィング!』が帰ってくる! 1920年代〜1940年代に一世を風靡したスウィング・ジャズの名曲にのって、エキサイティングなダンス・パフォーマンスが展開されるこのステージ。2002年の初来日時も、ド迫力の歌唱とスリリングなダンスが観客をノックアウトした。歴代キャストから選りすぐられた精鋭が一挙登場する今回は、前回を上回るハイレベルな舞台となること必至。アクロバティックな超絶技巧で観客を魅了するダンサーのアデアラーニ・マリアと、彼女の名パートナー、マーク・スチュワート・エクステイン、そしてシンガーのランディ・シェインが、作品の見どころを語ってくれた。 IMG_9427_s.jpg >>チケットの詳細・申込み >>公演特集ページはこちら(3/11up)
「役と脇役という構成ではなくて、全員に見せ場のあるレビュー・ショウ」(アデアラーニ) 「「スウィングしなけりゃ意味ないね」は、スウィング・ジャズを象徴する名ナンバー」(マーク) 「何の準備も予備知識も必要ない。とにかく楽しい、観客参加型のショウ」(ランディ) ――作品との出会いと、それまでのキャリアを教えてください。 swing_IMG_9314_s.jpgマーク 大学で音楽を専攻していて、学生時代にスウィング・ダンスを始めたんだ。『スウィング!』に参加したのは2001年。ブロードウェイの舞台を観て、ファンタスティックな音楽と振付のとりこになってしまって。プロとしての初めての仕事で、この作品にダンスと音楽と劇場の教育を授けてもらったようなものだよ。 アデアラーニ 私も2001年に初めて参加したの。最初は体操をやっていて、その後バレエをやっていたんだけれども、ブロードウェイで観た舞台に魅了されて。それまで踊っていたダンスとはジャンルも違うし、まさか合格できるとは思わなくて。キャリア上、大きな転機となった作品なの。 ランディ 私が作品に参加したのは2000年。もともとダンサーとしてミュージカルに出ていたんだけれども、歌うことが大好きだったから、途中で歌手に転向したの。『スウィング!』を初めて観たとき、なんてエキサイティングなステージなんだろう、これこそ私の立ちたい舞台だ! と思ったわ。夢がかなってラッキーよ。 ――スウィング・ジャズのどこに魅力を感じますか? swing_IMG_9265_s.jpgランディ 私はスウィング・ジャズを子守唄に育てられたようなものなの。父がスタンダードの名曲が大好きで、レコードを聴いたり、サックスを吹いたりしていたから。最近の音楽って、ポップにしてもヒップホップにしてもミュージカルにしても、いかにもそのジャンルといった、ステロタイプにしか聴こえないものがあふれているじゃない? でも、この時代の音楽は、どんな気分にもマッチする曲が多くて、そこに深い魅力を感じるの。人生の異なる局面や、単純に朝か晩かの違いによっても、聴きたい音楽って変わってくるけれども、スタンダードはあらゆるシチュエーションにはまる名曲揃いだと思うわ。 マーク スウィング・ジャズが生まれたのは、大恐慌や二度にわたる世界大戦、人種差別等々、アメリカに生きる人々にとっては苦悩の多い時代だった。そんな時代に自分自身を表現したいと願う人々によって生まれたジャンルだから、ほんの一音の中にも、人生のさまざまな経験がこめられているように聴こえるんだ。それに、スウィングのリズムって、ついつい身体が動きだすような強い力をもっているよね。自分自身であることを肯定してくれる音楽、それがスウィングだと思う。 アデアラーニ 踊っていてもそう強く感じるわ。バレエはどこか控えめというか、ステップを完璧にこなすことが求められるダンスだけれども、スウィング・ダンスはその正反対で、ミスはありえない。自分の内からあふれ出る感情、魂をさらけ出して踊るものだから、ステップが完璧でなくてもいい、毎回違うダンスでいい。他のダンスだと踊りながら笑いがついついひきつってしまってるかもしれないけれども(笑)、スウィング・ダンスの場合、より自由に、リラックスして踊れるから、どんなにアクロバティックなことをしていても、自然に笑顔になれるの。 ――お好きな場面、そして『スウィング!』をより楽しむためのコツを教えてください。 ランディ 劇場に足を運べばわかるわ! 何の準備も予備知識も必要ない。とにかく楽しい、観客参加型のショウだもの。歌っていても、ダンサーたちの興奮や感動、客席の興奮や感動が伝わってきて、それがまた私の歌にフィードバックされていく。そんな親しみの念を劇場中が分かち合うことのできる、本当にステキな作品だと思うわ。私が大好きなのは、これまで書かれた中でもっとも素晴らしい曲の一つ、「アイル・ビ・シーイング・ユー」の場面。「クライ・ミー・ア・リヴァー」も、トロンボーンとかけあいがあったりして、演じるのが楽しみな場面ね。 swing_IMG_9376_s.jpgアデアラーニ 主役と脇役という構成ではなくて、全員に見せ場のあるレビュー・ショウだから、責任も大きいけれども、それだけに非常にやりがいがあるの。私が大好きなのは、バンドがまず演奏を始めて、そこに一人一人登場していくオープニング。思わず気分が高揚していくわ。それと、フィナーレ。オープニングと同じ「スウィングしなけりゃ意味ないね」が流れるんだけれども、全然雰囲気が違っていて。出演者みんなに取り囲まれて、一人一人が得意技を披露する、あの楽しさも本当にエキサイティングなの。 マーク 僕もフィナーレは大好きだな。「スウィングしなけりゃ意味ないね」は、スウィング・ジャズを象徴する名ナンバーだしね。全編通して、出演者のエネルギーがステージ、そして劇場中にあふれ、客席に伝わっていく。音楽のリズムが心も身体もゆさぶってゆく。そんなエキサイティングなショウだから、客席のみんなも、舞台に参加している気持ち、キャストの一員になった気持ちで、自由な心で楽しんでもらえたら最高だな。
写真/渡辺マコト 取材・文/藤本真由
アデアラーニ・マリア(ダンサー)profile  ハワイ生まれの日系3世。コロラド・バレエ、ラテン・ボールルームコンペティションで活躍の後、『スウィング!』のオーディションに合格、体操選手だった経験を活かし、アクロバティックなダンスを得意とする。2002年の日本公演では、一番喝采を浴びたのが彼女のアクロバティックダンスシーンだった。 マーク・スチュワート・エクステイン(ダンサー)profile  ダンサーとして、またインストラクターとしてニューヨークのダンス・マンハッタンで指導。世界的にも有名なカップルダンスのインストラクターである。出演作品は『スウィング!』『キャッツ』『ウエスト・サイド・ストーリー』『ミス・サイゴン』『グランド・ホテル』など。 ランディ・エシェイン(シンガー)profile  ランディ・エシェインは『スウィング!』のほとんど全ての女性役を演じてきたが、今回はシンガーとして来日する。彼女は、『スウィング!』のブロードウェイナショナルツアーとショーボートばかりでなく、彼女はニューヨークシティにてソロキャバレーの仕事と同様に、アメリカの地方劇場にも出演している。 >>チケットの詳細・申込み >>公演特集ページはこちら(3/11up)

2008-06-10 13:42
<連載・第4回>       観劇ママにもうれしい青山エリア!       2つの劇場があるこどもの城で、目指せエンタメファミリー!  4月からCSでワタシの大好きな海外ドラマ『大西部の女医 ドクター・クイン』が始まりました! 放送のある火曜日はそれこそ一日中ハナウタ気分♪ お茶とお菓子もしっかり用意して、毎回リアルタイムでテレビにかじりついております。たまに「もしも舞台になったら…」なんてオリジナルのキャスティングを妄想、脳内ドリームチームで勝手にミュージカル化もしてみたり(笑)。これがまた至福の時なのです。どうか第6シリーズまでやってくれますようにっ。  さてさてみなさん、このGWはいかがお過ごしでしたか? 今年は曜日のつながりの関係で・・・前半と後半に分かれてのお休みだった方も多く、全国的に身近なレジャーを楽しむ傾向だったようですね。ワタシは前半、パンフレットの対談などをお手伝いさせて頂いた*pnish*(黒ハートお気に入りに追加する)のプロデュース公演、『リバースヒストリカ』『あの鉄塔に男たちはいるという』の2本を観に、青山円形劇場へ行ってきました。  *pnish*とはリーダーの佐野大樹さんはじめ、土屋裕一さん、鷲尾昇さん、森山栄治さんの4人の役者さんからなる演劇ユニット。彼らは活きの良さも身上で、座付きの作家や演出家は持たず、毎回作品ごとにクリエイターや客演陣を招いて舞台を創っています。  今回は脚本・演出*pnish*による『リバヒス』組(佐野・森山)と、脚本:土田英生氏/演出:茅野イサム氏による『鉄塔』組(土屋・鷲尾)の2チームに分かれ、タイプの違った作品を連続上演するという試み。内部から刺激し合う、攻めの企画ですね。  戦国時代を舞台にした自主制作映画を創ろうと集まったメンバーが、好奇心から霊媒師に戦国武将の降霊を頼み――という『リバヒス』は、笑いとアクションに包まれた“これぞ*pnish*”という元気な舞台。弟分的世代の若い役者陣も健闘していました。  対する『鉄塔』は、慰問にやってきたものの戦争に違和感を感じ駐屯所から逃げ出した4人の芸人と、彼らを追うように脱走したひとりの日本兵との数日を描いたドラマ。子どもの頃から母親に“人生はユーモアとスマイルよ”と言われて育ってきたワタシには、戦争の只中にいても“やせ我慢にへっちゃらでいよう”という男たちの姿に、かなり共感を覚えました。  *pnish*の次回作は6月に行なわれる本公演の『サムライモード』。円形での自由で濃密な体験を生かして、さらに伸び伸びと、さらにエンターテインメント溢れるステージを創ってくれるはず。期待してます!  青山円形劇場はその名の通りステージを360度客席が取り囲んだ円形の空間ですが、実は完全円形の劇場というのは世界的にも珍しいそう。客席数も最大376席と、役者と観客の距離が近い! あのギュッとした感、いいですよね〜。円形をそのまま生かしたり、客席の一部を潰してセットを組んだりと、演目によっていかようにもなるフレキシブルなステージは創り手のイマジネーションを大いにくすぐるだろうし、観客も毎回新しいサプライズに出会えるし。円形劇場、奥が深いです。  現在上演中の『HYMNS』(構成・演出:鈴木勝秀/出演:佐藤アツヒロほか)は、『LYNX』('04年)、『MYTH』('06年)に続く円形3連作。そういえば『LYNX』は完全円形のステージに天井からチェーンが下がっているだけという、非常にシンプルで潔いセットでした。物語全体に漂うエッジの利いた空気と五感をさらに研ぎ澄ませてくれるような音楽も印象的で、当時、誰の何という曲が使われていたのかを必死にネットで捜索したっけ。そのうちの何曲かは自分で持っているCDに入っていて、そんな偶然もうれしかったのを覚えてます。  円形劇場のお隣は、ご存知青山劇場。現在は劇団EXILE『CROWN』を上演中。 その後もTHE CONVOY SHOW『うみわたれ』カラオケ特集)、D-BOYS STAGE vol.2『ラストゲーム』NEW本公演完売の為、急遽追加公演発売決定!!)など人気の演目が待機。話題作を次々に上演している大劇場です。  そしてこれら2つの劇場を有する建物本体が、未来を生きる子どもたちのために計画・建設された「こどもの城」。1985年に開館、年間100万人を超える利用者があり、芸術・科学・体育・保健・保育など、子どもの文化と福祉のための様々な施設が整っています(要入場料)。建物正面の楽しげなオブジェは岡本太郎作「こどもの樹」。  館内では施設や体験プログラムも豊富なので、大人しい子も元気な子も自分に合った楽しみ方ができます。例えば青山劇場の上は屋上庭園になっているし、円形劇場のある階は造形スタジオやプレイホールがあり、地下にはプールも完備。レストランは懐かしのお子さまランチメニューが豊富ですが、お弁当などを持参すればファミリーラウンジやフリーホールで食べることも出来ます。  さらに6・7Fはホテルフロアになっていて、宿泊予定の6ヶ月前から予約可能とのこと。料金もリーズナブル、家族連れにうれしい和室もあるので、お泊まり観劇の拠点にも最適ですね。そう、こどもの城を活用すれば、いつもは忙しいママも“たまにはパパに子どもたちを任せてゆっくり観劇計画”だって実現できますよ! 最寄り駅となる地下鉄表参道駅周辺には良質な本や玩具などが揃う老舗の絵本専門店『クレヨンハウス』や、こちらも最早老舗のおもちゃ屋さん『キディランド』もあるし。おしゃれな街・表参道は、実は子どもたちにもうれしい街だったのです。  表参道の地上B2出口からこどもの城まではまっすぐ歩いて7,8分。JR渋谷駅東口からも一本道でかかる時間もほぼ同じくらいですが、途中の宮益坂の勾配は曲者! あれ、思っているよりも急坂なんです…。事実、開演時刻間際に焦ってせっせと歩くとジワジワとダメージを受け